ジョルノがパッショーネのボスになってから、もうどれくらいすぎたんだろう。  
あいつはボス、オレは幹部になった。そしてディアボロの娘・トリッシュと3人で  
アジトであるこの家で生活を共にしている。「家族」みたいなもんだ。  
ぬるくなったコーヒーをずずっと飲み干し、テーブルに置いた。  
「おい!お前が飲まないから、飲んでおいてやったからなぁ〜」  
ミスタは、ソファにすわりボンヤリしているトリッシュに言った。  
「ええ…いいわよ、ありがとう…。」  
なんとも味気ない返事である。いつものトリッシュなら  
「あたしの朝のコーヒーッ!なんで飲んでからいうのよこのワキガッ!!!」  
というはずだろう。  
 
「時たまあんなふうになるんだよなァ…トリッシュのヤツ。」  
拳銃をクルクル回しながら自分も物思いにふけってみる。  
原因はわかってるんだ。  
 
----ブチャラティ。  
 
トリッシュのヤツ、きっと好きだったんだろうな。  
ブチャラティは優しい、人望や信頼だってあるし、頭も良くて実力もある。  
トリッシュにとっては「保護者」のような存在であり、もっとも「憧れる」対象  
であることは間違いない。オレにとってだってブチャラティは偉大な存在だった。  
そんなブチャラティに比べてオレは------。  
 
「なッ、何考えてんだよ、オレ…。」  
ハっとした。楽天主義の自分がいつになくマイナス思考になってる。  
「ハハハ」  
「何でトリッシュの事で、自分とブチャラティをくらべなきゃなんねーん…だ…。」  
 
…。自分の事だ。自分が一番良くわかっているに決まっている。  
彼女が笑うたび、彼女が悲しむたび、オレの心も一喜一憂する…。  
 
オレはトリッシュが  
 
好きだ。  
 
トリッシュがソファに座っている。俺はテーブルのイスに腰掛けてる。  
二人の距離は近いハズなのに、…心がつかめない。  
 
知りたい。  
 
今何を考えてるのか。  
 
オレのことどうおもっているのか。  
 
「なあ…トリッシュ」  
 
「…なあに」  
 
彼女はまたボンヤリした返事だ。オレのことなんか見えてないかのように。  
その瞬間、嫉妬がオレの口を動かした。  
 
「ブチャラティのこと好きだったのか?」  
 
「…え…!?」  
 
「今、でも…忘れられないのか…?」  
 
「…。」  
 
口をつむぐトリッシュ。  
 
「なあ?」  
 
「…。」  
 
「聞いてるんだ…。なんか言ってくれよ…」  
 
「……」  
 
口を開こうとしない彼女。焦りとイライラで腹の底が熱くなってくる。  
すごい量の冷たい汗が自分の体をつたうのがわかる。  
オレは自分で自分を落としいれようとしてるんだ--------  
 
「トリッシュ…ッ!!」  
 
その瞬間、イスから立ちトリッシュの腕をつかんで思い切りソファの座面へ押し倒し、  
その弾んだ唇の中へ自分の舌を入れ込んだ。  
トリッシュの無言の静止を無視し、彼女のその柔らかい舌を味わう。  
そして思いっきり口と口を突き放した後、オレはこう叫んだ  
 
「オレはッ!…お前のこと好きだからッ!!!」  
 
「だからッ それを知る権利があるんだよォッ!!!!」  
 
 
自分でも何がなんだかわからなかった。もう必死だった。  
トリッシュは驚いた様子だったが、イヤだったのか、少し涙を浮かべている。  
 
「ミスタ…。」  
 
「少し、話しても…いい?」  
 
黙り通しだったトリッシュの発言で、オレは我に返り  
彼女を拘束していたオレの手をほどいた。何してんだよ、オレ…。  
本当だったらこのあと平手打ちを食らって絶交宣言されてもおかしくないハズなのに、  
怒っている様子ではない。一体、こんな愚かな自分に何を話すというのだ。  
 
「す…すまなかった…。話…してくれ。」  
 
「あのね、ミスタ…。」  
 
今この部屋にオレがいて、オレはソファに座っていて、そのソファには、  
オレの隣には、トリッシュが…座っている。  
綺麗に伸びたまつげが瞬きをするたびに  
この冷たい空間に風をおこしてオレの頬をピリピリさせるんだ。  
その強くて気高い瞳もそう。オレの事を軽蔑しているのか、はたまた哀れみの情をかけているのか  
まったく予測がつかねぇ。不思議な感覚を起こさせる瞳に、  
オレは彼女の心を読むことがまったくできない---------。  
 
好きだからなんだよ。なんであんなことしちまったんだばかやろう。  
 
 
トリッシュの今から口にする話は、きっと手短かに済まされるはずだ。  
 
「今でもブチャラティの事が忘れられない。」  
 
「あなたのことは目にはいらない、ごめんなさい。」  
 
「さっきみたいなこと、今度やった時は絶交よ」  
 
こんな会話、5分もかからねえだろ。…4分もかからねぇな。  
44秒ってところか…。4っていう数字はオレを奈落の底へ落とす悪魔の数字だからな。  
 
…こんな事を想像しているうちにオレとトリッシュの冷たい時間は過ぎていってしまう。  
さっきオレへの呼びかけを一回しただけで、また彼女はだんまりをきめこんでしまった。  
どれだけオレを苦しめるんだ、この女は。  
 
 
「…トリッシュ?」  
 
「…何も…話してくれねぇのか…?」  
 
「話すことなんか…ないよな…?」  
考えがどんどんマイナス思考になっていく。  
 
「オレなんかに、もう近づかないほうがいいぜ…。」  
 
「いや、そのままオレが…」  
 
言葉が詰まった。この詰まった先の言葉を、開放してしまえば  
もう二度とトリッシュはオレのものにならないだろう。  
 
「…オレが…お前に近づかないよ。…約束する。ごめんな…。」  
 
詰まった言葉が焦りに押されて出てきた。  
結局はオレが一人でしゃべりっぱなしだ。これじゃ本当にまるでピエロだ。  
トリッシュはだまったまま。本当に、本当に、もうオレのものにはならないんだろう。  
 
「……ッ」  
 
たまらなくなってソファから立ち上がり、部屋をでようとした。  
 
「ミスタ…ッ」  
 
「まちなさいよ…ッ そのまま…そのままね…、 あたしの方を見ないまま、  
あたしの話を聞いて!」  
 
トリッシュの思わぬ言葉にオレはその場に固まるしかなかった。  
一体今からどんな罵声を浴びせられるんだ…?  
ひぎった手のひらから汗がにじんでいる感じがわかった。  
 
「…ブチャラティのことは…」  
 
「好きだったわ。」  
 
そうか、やっぱりこれはさっき想像していた展開と同じだ。そのとおりに  
なってしまうのだ。これで、もう二度と彼女には近づけない。  
 
「忘れられるはずがない…」  
 
いいんだ、トリッシュ、そのまま続けてくれ。いっそのこと、一思いに、「死んじまえ」と、  
言ってくれよ。そうしたらなんの後腐れもなくお前のことを忘れられる。  
 
「…最近、あなたの存在があたしの中で大きくなっていく事に気づくまではそう思ってた。」  
 
「!」  
 
「…、トリッシュ…?」  
 
なんなんだろう、頭を打ち付けられたようなショックが走った。  
でもどうしてだ?罵声を浴びせられたからじゃない。  
 
「さっきブチャラティの事を聞かれて…だまってしまったけど、  
それはこの間まで、彼の事が忘れられそうになくて…。  
でも急にミスタのことも…気になって。  
こんな浮ついた気持ちのままその質問に返答するの事が  
すごく恥ずかしかったの…。気が多い女だなんて思われたくなくて…」  
 
「だから…あたしにはだまる事しかできなかったの…ッ」  
 
「でも…キス…してくれたことッ…う、うれしかった…グスッ」  
 
トリッシュのグズり声がかすかに聞こえる…。  
単純に、うれしい。まさかオレとブチャラティの間で心がゆれている自分自身を  
とがめていたから、ボンヤリと考え込むような姿が多くなったのか…?  
次第に考えがいつものポジティブシンキングに切り替わってくる。  
 
「トリッシュ…。お前の方…振り返っていいか?」  
 
「グスッ…だめッ!!!今は絶対こっちを向いちゃだめ!!!!」  
 
「…いや、オレはッ」  
 
「見るッ!!!!」  
 
思い切り肩を振り、トリッシュの方へ体を方向転換させた。  
予想通りそこにはソファにすわり、大きくて綺麗な目と長いまつげを濡らしたトリッシュがいた。  
なんて小さな体をしているんだろう。  
 
「グスッ…だめって…いったのに…ッ…バカァッ」  
 
さらに目に涙を溜めなきじゃくりはじめた彼女。  
オレはトリッシュの肩に手をまわした。  
 
「トリッシュ…、  
お前がブチャラティを忘れられないのであれば…その事を、オレはとがめたりしねぇ。  
そんな事できるわけねぇ。好きな男に気持ちを打ち明けられないまま逝かれ  
ちまう事ってことは…、一緒に心をそいつににもってかれちまうってことだもんな…。」  
 
「ミスタ…。」  
 
「だが、オレは待つぜ。」  
 
「今後、今を生きているオレの方がお前に近づいていけるからだ。ブチャラティよりもな。」  
 
ブチャラティの死はオレにとっても過去最悪で、とても悲しい出来事だった。  
だがよブチャラティ、死んじまったお前が残した遺産、あんたが一生をかけて遂行する  
はずだった任務。オレがあんたの代わりに受け継いでしっかり護衛してやるぜ。  
 
トリッシュは、おれのもんだ。  
 
たとえ彼女があんたの事を思い出そうとも。ここにいて、ここでトリッシュの肩を  
支えてやれるのは、あんたじゃない。オレだ。  
 
「ミスタ…ッ ひッ…あ、ありがとう…。」  
 
再び大粒の涙をこぼしはじめるトリッシュ。小さな肩、細い腕、そのわりに発育の良い胸。  
彼女のすべてがオレを酔わせる。おかしくさせる。守ってやりたい…。  
おもわず小さなその体を抱きしめる。これ以上は、危険だ…。  
 
「ん…」  
 
トリッシュが反応するかのようにオレの体にも腕を回してきた  
「トリ…ッシュ…!?」  
女なりのつよい力でしがみつくようにオレに抱きつく。  
さっき、「守ってやりたい」なんて思ったくせに…爆発しそうだった。  
「トリッシュ…」  
「ブチャラティの事思い出してもいいなんて言っちまったけど…。」  
 
「ミスタ?」  
 
「お願いだ、今だけは思い出さないでくれ。」  
 
トリッシュの体を再び強く抱きしめ、彼女の唇を奪った。  
涙をぬぐってやり、口の中、トリッシュが生きている証を  
感じ取るように舌をからめた。  
 
無言のまま、次第に体をソファの座面へと倒していく。  
彼女を抱きしめていた右手をゆるめ、体の柔らかさを確かめ  
ながら、はじける2つの膨らみの方へ伸ばしていった。  
服の上から撫でるように触り、首のベルトとブラをつないでいる  
ホックをはずす。ぷるんと現れた胸を目の前にし、今まで抱いてきた  
女とは違う、焼けるような熱く愛しい気持ちとかつてない興奮が  
胸の底からどんどんおしよせてきた。  
 
柔らかく弾力のある胸を手で包み込み、しばらくもみほぐした。  
次第に中心にある粒がふくらみはじめ、手のひらを刺激してきたので  
つまんだりころがしたりして遊んだ。そして口をよせていき、そっと口付け  
してから口に含み、吸って転がした。  
 
「…ん…んん!…ッ! あんッ…!!」  
 
今までくちをつぐんで我慢をしていたトリッシュが、初めて声を出した。  
 
「オレの事しか見えないくらい、気持ちよくさせてやるぜ…」  
 
今この時、トリッシュが本当にオレしか見えないのであれば  
この時間が永遠に続けばいいと思った。  
 
冷静な気持ちと抑えきれない熱情がオレをこんなにも狂わせている。  
もっと、もっと!トリッシュと愛させてくれ…!!  
 
 
まだ外は明るい。カーテンの隙間から日がさして、光のスジが部屋を照らした。  
こんなよく晴れた天気の日は誰もが外にでて散歩をしたり、ショッピングを楽しむだろう。  
オレだって、トリッシュだって、いつもだったらそうしている。  
じいさんがテリア犬を連れて散歩をしている姿を見て彼女は「かわいい」と  
目を丸くしてよろこんだだろう。ジョルノは「犬は無垢で純粋で飼い主に対して絶対  
の信頼をおいている…すばらしい生き物ですよね。」とほほ笑むだろうし、  
オレはそんな二人を見て「ガキくせーなァ…おーい、腹減ったぜぇ!なぁ、ピストルズ。」  
と言うだろう。…いつもだったらそうしているハズだった。  
しかし部屋を走る光のスジはソファを照らしている。  
ソファに横たわりオレのいいようにされて息を荒くし頬を赤らめているトリッシュ  
を照らしているのだ。その姿はなんとも言えず妖艶で、だが女神のようなきらめきを  
放っていた。これ以上もないほど美しいものを、オレは目の前にしている。  
 
「すげぇキレイだぜ…トリッシュ…。」  
「あんッ…そ、そんな言葉…ッいつもの、ミスタに…あ…あッ、ぅッ  
似合わないじゃない…。ッ!…どう…したの…?」  
「あッッ!あ…!」  
トリッシュのいったとおりそんな言った事もないようなセリフを耳元で囁き、首筋に吸い付いて  
キスをした。トリッシュはビクンと跳ね上がり悶える。さらに唇の隙間に舌を入れて絡めた。  
もちろん空いている手はしっかりと彼女の体を愛撫している。  
 
「ミッ…ミスタ…ァッ…あ…ッ ふぁ」  
 
セックスをする際に、「キスをしながら〜」なんて事は今まで考えても見なかった。  
いや、きっとそんなことは今までの女とはしたこともなかった。  
キスなんて、ヤる前の儀式的行為、唇同士を放せば、もう挿入しても  
かまいやしない。オレの以前の考え方はこうだったな。  
だが今は違う。口という器官は、魂が通る重要なものだと、いつかフーゴから  
聞いた覚えがある。キスというものは相手の魂とのふれあい、心の愛撫、愛情を送り込む  
行為だということが今やっと理解できた。  
 
そのキスを舌状態のまま彼女の下着に手を少しずつ入れ、手の平が中を覗き込めるようにゆっくり、  
ゆっくりと、彼女の花弁を指で開いていく。  
「ん…ッ あ…ん んんぅ…」  
キスをしながらだ。トリッシュは口をふさがれうまく声を出すこともできず、  
目をうるませ恥ずかしそうに眉をゆがめた。  
そんな彼女の表情に興奮のボルテージはどんどんあがっていく。  
指を花弁の間に這わせ、ゆっくりと上下に動かす。  
「…ッ ふぁッ…あぁ…んッ んあぁっ」  
よっぽど気持ちいいのか、トリッシュは腰から身をよじらせまた涙をうかべる。  
無理も無いだろう。うごかすたびに、興奮でぷっくりと膨み、衣から頭を出した  
小さなかわいいクリトリスが、オレの指の腹にこすられ刺激されるのだから。  
彼女の中はもう充分すぎるほど愛液がたまっていて、すべりもバツグンだ。  
 
さらに彼女を楽しませてやることにした。  
トリッシュの上半身を起こし、その背後にうつり、手を前にまわす。  
さっきと同じ容量で指を滑らしさらに加速をつける。  
そしてもう片方の手でまだ誰にも汚されていないことがわかる、  
花弁の中の小さな穴に指をそっと入れた。  
 
「んんあぁッ…だめぇッ だめッ!!ミ…スタ…ァッ!」  
口がようやく開放され声が自由になったトリッシュは高く、せつなそうな声で、  
あえぎ始めた。普段の強気な態度とは裏腹、そのギャップがまたオレをかりたたせた。  
「あッあッ!んッ…!!いやぁッだめったら…んぁんッ」  
さらに指の動きを早め、中に挿入されている指は内部を勢い良くかき回し始める。  
「ダメなんかじゃねぇんだろ?ほら…いま気持ちよくさせてやるから…ッ」  
「やあッ…あ やぁッ ん…あんッ!ミス…タぁ…  
ダメ…だめぇ…ッんあぁ!なんか来るッ…来ちゃうよぉッ」  
「なぁ?いいだろ…?そのまま絶頂さんに来てもらいな!」  
「ぇあ…ッ!?来ちゃうッ…きちゃうッ…きちゃうぅ…ッ!!!」  
「あぁぁぁッ あんッ ぁッ あぁんッ!!!!」  
 
絶頂を向かえ入れたトリッシュはそのままオレの胸へ倒れこみ  
胸を上下に揺らしている。そのたびに形の良い胸が大きく動いてオレを誘っているかのようだった。  
 
「いい子だ…トリッシュ。」  
 
再び彼女にキスをして、自分の爆発しそうな欲望の象徴をさらけ出した。  
 
「いいよ…ミスタ…あたし、大丈夫。ちゃあんと受け止めるから…。」  
 
オレが聞く前に、  
果てて息を荒くしていた彼女が、初めてであることの恐怖への覚悟をし、  
オレ自身を受け入れてくれると言ってくれた。正直、涙が出そうだった。  
トリッシュの表情を見て解る、今この顔は、オレだけを見てくれているトリッシュ  
のそもので、ブチャラティへの未練など、これっぽっちも考えていない。  
今この瞬間、トリッシュはオレのものになろうとしてくれているんだ…。  
 
「気ィ抜くんだぞ…。大丈夫、オレのこと信頼してりゃあ痛いのなんか  
あっというまに終わるから…。」  
 
「うん…。」  
 
真っ直ぐに固くなった欲望を、ゆっくりと彼女へ押し当てる。  
これで痛くないなんて、本当は言えたもんじゃない。  
ゆっくりと、じょじょに入りこんでいく。  
「んッ…」  
苦痛にゆがむトリッシュの表情。  
だがオレはもう止まることを知らない。  
 
「大丈夫だ…。大丈夫。」  
 
トリッシュを元気付けると同時に「トリッシュを傷つけてしまうかもしれない」と  
思う自分自身にも、「大丈夫。」と声をかけた。  
オレだって、セックスするのにこんなに怖い思いをするのは始めてだ。  
 
「はぁ…ッ ミスタ…。大丈夫だよ…あたし。そんなに、痛くないよ…。」  
 
「…わかった、じゃあ全部いくからな。」  
トリッシュの気遣いに愛しく思う気持ちを倍増させ、オレは一気に体を押し付ける。  
 
「んッ…!」  
「痛いか…?」  
 
「大丈夫、ミスタが優しかったおかげで平気よ…。」  
なんて愛しいんだ。  
彼女の言葉に感激し、またキスをして、今度はしっかりと  
目を合わせて真剣にこういった。  
 
「愛してるぜ、…トリッシュ。」  
 
またトリッシュの目に涙がうかぶ。  
やっと、トリッシュはオレのものになった…!  
そして同時にオレもトリッシュのものになった。  
もう彼女しか見えない、と。  
 
「動くぞ…」  
「ええ…やさしくねッ…」  
 
トリッシュをいたわるようにキスを繰り返しながら  
ゆっくり動く。トリッシュの痛そうにしていた表情も次第にゆるまり  
少しずつ声がもれるようになっていった。  
「ん…ふ…ッ」  
腰をうごかしながらトリッシュの声をふさぐようにしてまた唇を重ねた。  
ゆっくり、ねっとりと舌をからめとるように、深く、深く彼女を愛する。  
そして単調だった体の動きも変化がつき、次第にスピードも上がっていった。  
「んッ……ッあぅ…んふ…」  
「おまえ…初めてなのにもう感じてんのか…?」  
「ん…ッなんか…わかんないけど…。もう勝手に声が…あふれちゃうんだもん…」  
「そんなッ…はァッ…ものなのか…ッ…?」  
「きっと…ミスタと…だから……あんッ」  
「!」  
トリッシュの思わぬ言葉に興奮と愛しさがまた胸のそこから溢れてきた。  
我慢の限界だ。オレはトリッシュに苦痛のないように、そして自分自身も  
快感に浸れるように、トリッシュの中を腰の動きを早く、緩急をつけて突き上げ、貫く。  
彼女にもう痛みはほとんど無いらしく、むしろあげる声がだんだん大きく、  
激しくなる。顔は赤く、目もトロンとしている。そんな目で、オレをみるなよ。  
みたこともないような妖艶な表情で見られ、気分が次第に絶頂へと上り詰めようと  
していた。  
 
「トリッシュ…ッ!…くッ…もう限界だ…!」  
彼女の髪をやさしくなでる。トリッシュがその手をとって自分の頬に当てた。  
 
「いいよ…ミスタが……、あッ 一番…気持ちよくなるように…ッし…てッ んぁッ」  
 
「トリッシュ…ぅっ…イクぞ…ッ!!!」  
 
トリッシュの頭をなでるように抱き、ストロークを早め一気に突き上げた。  
 
「あッ…ミスタ…ミスタァッ…!」  
 
「く…ッ!!!!」  
 
オレは全身の力を彼女の中にぶちまけた。  
やっと、トリッシュはオレのものになったのだと感動し、  
またトリッシュにキスをした。  
 
「ふふ…ミスタ…そんなにキスがお好き?」  
「ばかやろー。キスじゃなくてお前が好きなんだよッ」  
 
少し照れてオレは言った。  
彼女を愛している最中は、ブチャラティの事は思い出さなかった。  
トリッシュもそうであるといいなとおもいつつ、カーテンの隙間をさす光と空を  
見た。  
 
トリッシュはまた、きっとオレといるとき、ブチャラティのことを思い出すかも  
しれない。だが、今はそれでいい。いつかきっとオレは、ブチャラティが埋めて  
やるはずだった心のスキマをブチャラティの代わりに埋めてやることができるだろう。  
 
ブチャラティがなぐさめてやるはずの悲しみも、一緒に味わうための喜びも、  
おれがぜんぶあんたに変わって遂行してやる。  
いつかトリッシュの中でオレがあんたを越える日がくるハズだからな…。  
トリッシュは、オレが一生をかけて護衛するぜ。  
 
「おいトリッシュ!腹はくくれたか?」  
「え?なんであたしが腹をくくらなきゃならないのよ?」  
 
「オレは本気になったらとことんやる男だ。  
お前にはオレと幸せになる覚悟をしてもらうぜッ!いいか!?」  
 
 
日の差し込む小さな部屋に、トリッシュの笑い声が響いた。  
 
 
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