男嫌いで潔癖症のトリッシュは、年頃の狼のような青少年たちに
護衛されることが嫌でたまらなかった。
舐められたら何をされるかわからないので、
しょっぱなから服をタオル代わりに使ってやったり
あえて高飛車な態度に出て、化粧品やブランドものの下着を買い行かせたりと
ギャングどもを顎でこき使ってやった。
それでも、彼らは怒りもせず表面的には従順だったが、
彼女の父であるボスが怖いせいに違いない。
心の中では何を考えているかわからない。
案の定、すきあらば、おっぱいを覗こうとしたり、
太腿に手を這わそうとしてくる奴もいる。
トリッシュはますます頑なになり、高慢な態度を取るようになった。
そんな中、男の匂いを感じさせず、無邪気な子供のようなナランチャには、
トリッシュも警戒心を抱いていなかった。
初対面の時、清掃員に変装していたトリッシュに
ナランチャはナイフを突きつけてきたが
簡単にひねり上げることが出来た非力さも、警戒心を解く要因になっていた。
だからグレイトフルデッドで老化させられた時も、
ためらうことなくトリッシュはナランチャを膝枕をしたり、
氷を飲ませることも出来たのだ。
他の男だったら絶対そんなことはしない。
それにしても見かけといい、言動といい、
ナランチャが17歳の青年だというのがトリッシュにはどうしても信じられない。
17歳の男がこんなに幼いなんて、女の子ならまだわかるんだけど…。
トリッシュは亀の中に1人でいた。
他のメンバーは外に出ている。
ソファでうとうとしていると、ナランチャが中に入ってきたのがわかったが、
眠かったので声をかけたりはしなかった。
ナランチャはトリッシュの様子を見て眠りこんでいると思ったのか、
服を脱ぎだした。
(いやだわ、男の裸なんていくらナランチャでも見たくないのに…
でも仕方ないから寝たふりしてよう)
半眼になるとナランチャは胸に巻いたさらしをいったんといて、
再び巻きつけているところだった。
え? 女の子?!
トリッシュは驚愕のあまり思わず飛び起きた。
「あっ! ト、トリッシュ、起きてたの?」
「ナランチャ、あなた女の子だったの?」
そう言えばナランチャはイタリアでは女の子の名前だ。
「しっ、黙ってて」
ナランチャは哀願した。
「みんなあなたが女の子だってこと知ってるの?」
「オレ…あたしを拾ってくれたフーゴとブチャラティは知ってるけど、他の人は知らないよ」
ナランチャは困った顔になった。
「でも、女の子がギャングなんて」
眉をひそめるトリッシュにナランチャはむきになったように口を尖らせた。
「だって、父さんはあたしのこと構ってくれなかったし、友達には見捨てられたし、
あのままでいたら生きるためには体を売るくらいしかできなかったもん。
ギャングだってあの頃に比べれば全然幸せだよ」
「そうなの…でも」
「トリッシュは何も心配することないんだよ。あたしが守ってあげるから。
それにあたしの方がトリッシュより年上だかんね」
まださらしを巻きかけの胸をはり、ナランチャは得意そうに言った。
こんな体にぴったり張りつく服を着てなければ、
さらしなんかいらなさそうな薄い胸に、トリッシュは頬をゆるませた。
「わかったわ。でも無理はしないでね。それに絶対バレないようにしないと。
あいつらいやらしいんだから」
「大丈夫だよ、今までバレなかったんだもん」
どうも疑わしい。非常事態とはいえ、会ってから数日しかたってないトリッシュにさえ
簡単にバレてしまったのだからバレてないわけないだろう。
きっと知らないふりをしているんだわ。
ということは、案外、あの人たちも紳士なのね。
トリッシュはナランチャ以外の人間にも警戒を解く気持ちになっていった。
ヴェネチアで、フーゴを除くブチャラティチームの面々はボスを裏切り、
組織と敵対することになった。
「さっきはありがとう、ナランチャ」
ナランチャが、トリッシュがショックを受けるだろうから実の父に殺されそうになったことは伏せておいてくれと
ブチャラティに必死に頼みこんでいたことに対して、トリッシュは礼を述べた。
「でも、あたしなら大丈夫よ。父さん…ううん、会ったこともないない奴を父だなんて思えない。
それよりあたしは、自分がどこから来た何者なのかを知りたいの」
毅然とした態度でけなげにも宣言するトリッシュに、ナランチャは感心した。
「トリッシュって意外と強いんだね…」
そう言いながらもナランチャは痛ましげに、トリッシュの手首の傷を見つめる。
まだ血の滲んだそれを見ていると涙が出てきた。
「ナランチャ、どうしたの?」
「ぐすっ…さっき、トリッシュの傷が自分の傷に思えたんだ。トリッシュが自分のように思えきて…ひくっ」
組織を裏切るなんて、いくら尊敬しているブチャラティの考えでも、怖くて出来そうになかったのに、
血を流してぐったりしているトリッシュを見たら、以前、父や友人すべてに見捨てられたことを思い出し、恐怖や不安なんか吹っ飛んでしまった。
目の病気で死ぬと思い込んで絶望的になっていたのは、ちょうど15の時、今のトリッシュと同じ年だ。
余計にトリッシュが過去の自分の姿と重なって仕方なく(トリッシュはオレなんだ!トリッシュの傷はオレの傷だ!)とナランチャは思い、
無我夢中で船を追いかけたのである。
「泣かないで、ナランチャ。あたしたち強く生きましょう」
「う、うん…みんなもいるし、ぐすっ…大丈夫だよね」
そう言いながらも涙の止まらないナランチャをトリッシュは優しく胸に抱き寄せた。
実際にはトリッシュの方が年下なのだが、ナランチャに対しては姉のような気持ちになってしまう。
トリッシュの柔らかい胸が頬に触れ、ナランチャはうっとりと目を閉じた。
温かく優しい乳房の感触に、まだ母親が生きていた幼い頃を思い出した。
「やだあー、おっぱい触らないでよ」
胸をぎゅっとつかまれて、トリッシュは思わず顔をしかめた。
「あ、ご、ごめん。何か羨ましくて…でも、こんなに大きなおっぱいだったら、みんなにバレたかもしれないし、小さくてよかったんだよな…うん」
自分に言い聞かせるようにうなずいているナランチャにトリッシュは吹き出した。
「小さいのだってかわいいわよ。でも今は寄せてあげるブラとか色々あるから小さくても平気なのよ。
すべてが終わったら下着を選んであげるから一緒に買いに行かない?」
「ええっ?お、オレ…ていうか、あたし、そんなのつけたことねーし」
「でも一度くらい、女の子らしい格好をしてみたいと思わないの?」
実はひそかに女の子らしい服装に憧れがあるので、ズボンの上からだがミニの巻きスカートをはいているのは、皆には内緒だった。
「ねえ、ズボンを脱いでみれば?結構その格好もかわいいと思うし」
「や、やだあー。トリッシュ、引っ張らないでよおー」
トリッシュはナランチャのズボンを強引に脱がしてしまった。
「あら、パンティーは結構かわいいのをはいているのね」
プリント柄の子供っぽいパンティーだったが、一応女ものである。
「でもそれじゃ下着が丸見えになっちゃうわね」
「こんな格好、恥ずかしいよおー」
ナランチャは頬を真っ赤に染めて、股間を隠した。
「ねえねえ、あたしのスカートはいてみない?」
すっかり女子校の更衣室のノリになってしまい、トリッシュは自分の巻きスカートを脱いで、ナランチャにはかせた。
「似合うじゃない!大人っぽく見えるわよ」
トリッシュにおだてられて、鏡を見ると、ロングの巻きスカートからちらちらと覗く脚は、自分でもまんざらでもない。
(意外とオレってセクシーなのも似合うのかも?)
などと図に乗りやすいナランチャは思ってしまった。
トリッシュは下半身むきだしである。すらりとした脚線美、ヒップの上がって見えるセクシーな下着にナランチャは憧れの視線を注いだ。
ああいうのをはけば、もっとセクシーに見えるかもしれない。
(トリッシュを殺そうとしたボスをやっつけたら、トリッシュと買い物に行こう。女の子なんて利用されるばかりだと思ってたけど
すべてが終わったら女の子に戻ってもいいかな…)
トリッシュを見ているとそう感じる。
(そのためにはトリッシュを殺そうとしたボスを倒して、絶対にみんなでヴェネチアを脱出しなきゃ…!)
あらためてトリッシュを守る覚悟を決めるナランチャだった。
長距離運転のトラックに潜り込んで、トリッシュとブチャラティチームは亀で移動していた。
亀の中ではすることもないので、見張り係のナランチャと雑誌を読んでいたトリッシュ以外は眠っていた。
「どうしたのトリッシュ?」
トリッシュがソワソワしていることに気づいたナランチャが尋ねた。
「どうしよう、ナランチャ。あたし、おしっこが…したい…の」
「すればいいじゃん。おーいブチャ…むぐぐっ」
トリッシュはあわててナランチャの口をふさいだ。
「なんだ?」
目を覚ましたブチャラティがこちらを注目したので、トリッシュは肝を冷やした。
「やめてっ、ブチャラティに言ったらどうせ床にジッパーをつけてここですればいいなんて
デリカシーのないことを言うだけなんだから」
トリッシュはナランチャの耳をつねって小声で叱った。
「いててっ、すればいいじゃんよお。押入れの中なら見られないから大丈夫だよお」
けろりと言うナランチャにトリッシュは呆れた。
(あーっ、もう!女の子のくせに何てデリカシーがないの!男ばかりの間にいるとこうなってしまうのかしら…。
音が聞かれたら恥ずかしいでしょ。もしかしたら匂いもかがれるかもしれないんだし…いっ、いやっ)
男に免疫のないトリッシュは恥じらいのあまり身を震わせた。
恥じらいだけではなく、生理的な切迫感でも体が震えてくる。
「何とかそれとなく外へ出られるように頼んでもらえない?」
「でも今はトラックの中だし、外へ出てもトイレなんかないよ」
ヒッチハイクしたトラックは辺りに何もない荒野を疾走中だった。
「そんな…」
トリッシュは途方に暮れた。
その間にも尿意はますます高まってきている。
太腿をぎゅっと締め付け、女の子の恥ずかしい部分に刺激を与え、尿意を堪えたが、それにも限度がある。
できることならパンティーの上からひくつくワレメにじかに指を押し付けたかったが、小さな子供じゃあるまいし、
そんなこと人前でできるわけがない。
「くうっ…」
脂汗を浮かべて真っ赤になってもじもじしているトリッシュを気の毒そうに見ていたナランチャは、
何を思ったのか、手に持っていたジュースをトリッシュの股間に少量だがこぼした。
「あっ、ごめん、トリッシュ!」
「きゃっ」
ひんやりとした液体の感触に恥ずかしい部分が思わず開きそうになり、トリッシュはあわてて気を引き締めた。
「濡れちゃったね、トリッシュ、あっちで着替えれば?」
押入れを指し示されて、ナランチャが気をきかせてくれたことにトリッシュは気づいた。
しかし下着を取り替えるふりをして押入れに行くのはいいが、おしっこをしたら音がしてしまうではないか。
(もうっ、この子ったら、やっぱりバカなんだから!)
ナランチャの浅知恵では何の解決にもなっていない。
「ナランチャァ、あたしもうだめェ、漏れちゃいそうなのォ…」
下着の湿り気が尿意を呼んで、ジュースの冷たさとは別の熱い体液が噴きこぼれそうになる。
「いやあ…んっ」
意思の力でぐっと堪え、それ以上の決壊は免れたが、大洪水はもはや時間の問題だ。
(15歳にもなって幼稚園児みたいに男たちの前でおもらしなんて絶対にいや!ああ、お母さん、助けて…)
ナランチャはとっさにブチャラティに自分がトイレに行きたくて我慢できそうにないので
押入れにジッパーつけてくれと頼んだ。
「さっ、トリッシュ、早く!」
ナランチャはトリッシュの手を引っ張って押入れに入ると扉を閉めた。
(そうか、ナランチャは自分が犠牲になって、あたしのおしっこの音の身代わりになってくれようとしてくれているのね)
感謝しつつも、いくら女同士だからといって、人前でおしっこをするのは、子供じゃないんだから恥ずかしい。
迷っていると、アソコがじんじん痺れて、内部からの放出欲が全身を震わせる。
(もうダメーっ!)
トリッシュはパンティーとストッキングを下ろし、スカートをめくり上げ、お尻をあらわにすると、
亀の底に開いたジッパーの穴をまたいでしゃがみこんだ。
トリッシュの恥ずかしい部分は差し迫った要求にひくひくと震え、
遠慮がちにちょろりと湧き出した熱い泉は、徐々に太く熱い奔流となって
どこに続くともしれない暗黒空間の中に飲み込まれていった。
シィーー…というつつましやかな音も、すぐにジョオォォォッという激しい音に変わっていく。
「はあぁ〜…」
たまりにたまったものを放出する快感に、トリッシュは目に涙さえ滲ませて安堵の息をついた。
「トリッシュ、気持ちよさそう…」
ヒップを上げるパンティやストッキングなんかはかなくてもきゅっと上向きの
形よく真っ白なお尻の間から迸る水流に、もやもやとしてきたナランチャは呟いた。
「なんだかあたしもおしっこしたくなってきちゃった…」
「えっ、そんな」
トリッシュの放尿はもうすぐ終わる。
水流も弱まり、花弁からポタポタと雫が垂れるところまで来たのに、また激しい水音を立てたら、
どちらにしても自分もおしっこをしたとブチャラティたちにばれてしまうではないか。
「ナランチャ、今すぐ我慢できないくらいしたいの?」
「わかんないよお」
ナランチャは股間に幼児のように手をはさみこんでいる。
「さっきまでは別にしたくなかったんだけど、トリッシュがあんまり気持ちよさそうだから…なんか…
変な気持ちになっちゃって…」
股間に入れた手を太腿でぐいぐい締め付けながら、赤い顔でもじもじしているナランチャを見ていると
トリッシュまで変な気持ちになってきた。
やっとおしっこが止まったので、ティッシュで股間を拭うと、おしっことは違うぬるりとした体液の感触があった。
「でも漏れちゃうといけないから、脱いでいい?」
ナランチャはズボンとパンティを脱いでしまった。
薄いまばらな繁みの下には、年のわりに未発達な縦筋のワレメがあり、そこからは小さなクリトリスがちょこんと芽のように顔を出していた。
トリッシュは赤くなった。トリッシュのむき出しの股間もやはり興奮のしるしにピンク色のクリトリスが尖っている。
ナランチャはトリッシュの股間を食い入るように見ながら、ワレメに指をこすりつけた。
「なんかこうすると変…ぬるぬるして漏れちゃいそうなんだよォ」
「大丈夫よ、ナランチャ。それは女の子なら誰でもそうなるのよ。おしっこしたいんじゃないの」
トリッシュはナランチャの手を自分の股間に導いた。
「あ、トリッシュも濡れてる…!」
「おしっこで濡れてるんじゃないわよ…」
お互いの濡れた花弁と尖った花芯を指で探り、潤みをこね回す。
「あっ…いやぁん…ナランチャそんなにしないでェ」
「気持ちイイよう…っ、トリッシュゥ…」
くちゅくちゅといやらしい音をたててまさぐっているうちに、乳首もピンと尖ってきた二人は、
体をこすりつけあうように抱き合い、夢中で快楽を貪った。
「あっ…あはぁ!」
もうすぐいきそうになっていた時、扉の向こうで人の気配がした。
「トリッシュ、ナランチャ?君たち2人ともここにいるんですか?」
ジョルノの声に2人は身を固くした。