例えば、それが汚らわしい行為だとしても。  
それはごく自然な運びで。  
男と女の、自然な形で。  
二人で1つの形を作っていく悦びを覚えたら。  
抜け出せない泥沼に浸かってしまっていた。  
底のない深い深い泥沼に、もがく事すらしない。  
二人で行ける所ならどこまでも沈んでいける。  
むしろ、沈むことの快楽さえ覚えたかもしれない。  
 
暗い部屋に女の細かい声が広がる。  
それはトリッシュの声。  
昼間出している少女の面影は既に無く、  
白い肌をシーツに埋めて、口からは甘い吐息と甘い声。  
 
まさに『女』そのものだった。  
 
その姿を上から眺めてフーゴは目を細める。  
フーゴは昼と夜とで変わるトリッシュの二面性が堪らなく好きだった。  
どちらが自分の好みなのだろう。  
(どっちも手放せませんけどね…)  
そんな事を思いながら自然と浮かんだ笑みを取り除く事などしないでフーゴはトリッシュに触れた。  
腹を、臍周りを撫ぜる手が、熱く、くすぐったくてトリッシュは身を捩じらせ…  
 
「……っ…」  
トリッシュは目を瞑り横を向く。  
何度も身体を重ねているのに、今だに慣れる事なく恥らうその様子が  
正直とても可愛らしい、とフーゴは思う。  
そして腹から秘所部分へと指が動くと  
「…あっ…」  
ぴくんとトリッシュの顎が上向いた。  
それから指を止める事無く縦になぞってから人差し指と中指で  
トリッシュの閉じている扉を押し広げ、指を進入させる。  
 
「やっ…!」  
胎内に入り込んできた刺激に身体を震わせ、声を上げる。  
そして顔を紅く染めながら瞳を潤ませ、困ったような、先を望んでいるように  
フーゴを見上げる曖昧な顔をトリッシュはした。  
無意識な分、余計に達が悪い。  
(『それ』が僕を煽ってる事、理解(わか)ってないんですか?)  
トリッシュに対してフーゴは自分でも驚くくらい  
攻め立てたい、という衝動に駆られる。  
(結構…変態かも…僕)  
けれどこんな気分になるのはトリッシュにだけと自覚はしている。  
何せこんな自分に気がついたのはつい最近、トリッシュに再会してからだから。  
 
指の抜き差しを繰り返していると  
声を荒げ、小刻みに震えるトリッシュを見て、フーゴは意地の悪い笑みを浮かべる。  
トリッシュの下半身に指を埋めてから弄っていたそこから既に溢れきっている蜜を確認すると  
「トリッシュ、知ってますか?これって『感じて』出てるんじゃなくて、  
体内に入ってくる『異物』を追い出そうと生理的に出てるモンなんですって」  
指を引き抜き、手先に纏わりつき光っているトリッシュの蜜を眺める。  
「すっごい濡れてる…トリッシュ、僕を拒絶するんですか?」  
「ち、ちが…っ」  
フーゴの射るような言葉を聞いて、恍惚としていた表情のトリッシュは  
我に返ったように目を開き、それを否定しようとした。  
「違うんですか?」  
けれどその前にフーゴは再び指を埋める。  
今度は指を数本増やして一気に押し入る。  
「やっ…!」  
「ねぇ、どう違うんですか?」  
「フ、フーゴ……っ!」  
「違うんなら否定して下さいよ。気持ち良いって事ですか?」  
フーゴは冷ややかな笑みで尋ねて、攻め続けた。  
トリッシュは口を開いて必死に言葉を紡ごうとするが、  
その度に胎内をかき回す指が、一番敏感な所にたどり着いて  
邪魔をされ、淫らな声しか出せないでいた。  
「気持ちイイんですか?」  
言葉が出ないので、トリッシュは必死にこくこくと頷く。  
そんな事は顔を真っ赤にして乱れるトリッシュの日々の反応でフーゴは解りきっていたが、  
はっきりと本人が快楽の意を表してくれるのを見たかった。  
それを確認すると満足気に微笑んだフーゴはトリッシュの下半身に顔を埋めて  
「トリッシュ、トリッシュ…」  
トリッシュの名前を呼びながら秘所部分を舐め続けた。  
それに応えるかのようにトリッシュは叫び、身体を跳ねさせた。  
 
 
 

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