「トリッシュは普段、一人でどういう風にしていたんですか?鏡の前で、よく見せてください」
ジョルノがトリッシュを自身の部屋に呼び出し、発した第一声だった。
「……え、そんな…あたし」
「出来るでしょう?トリッシュ。さぁ、服を脱いで」
「…………………」
トリッシュは顔を真っ赤にしてただジョルノを見ていた。
「……早くしてください。それとも、服…僕に脱がせて欲しいんですか?」
「!ち、違うわ!別にそんなんじゃ…」
「じゃあ、早く」
トリッシュはその日、胸元まで開いた白のシャツに、ワインレッドのタイトなミニスカートを着ていた。
その胸の谷間からは、黒い下着のレースが覗く。
「………今日の任務は質問に答えることです。まだ終わりませんから」
(これ以上…何を訊くっていうの…?)
羞恥に冒されながらも、トリッシュは服を脱ぎ始めた。
全身が映るくらいの鏡の前のダブルベッドにジョルノは座っている。
「………………」
ジョルノの視線が、目で犯すようにトリッシュに投げかけられる。
トリッシュはまた、体が熱くなっていくのを感じた。黒い下着姿になったトリッシュ。
ガーターベルトでつながれて、ストッキングまでセットになった下着だった。
「下着も、早く脱いで」
「……わかったわよ」
強気な態度が取れない、ジョルノの前だとどうしても。
トリッシュは後ろに手を回してブラジャーのホックを外し、脱いでたたんで、
ベッドの上に置いておいた服の上に置いた。
パンティーのほうに手をかけるが、動きがぎこちない。また、濡れてきているのだ。
ジョルノは立ち上がって、トリッシュの足の間に手を入れた。
「少し、湿ってきてますね」
「………!!」
トリッシュの頬がさらに紅潮する。
「昨日は…食事のあと、しましたか?一人で……」
「し、してないわよ。あたし…だって自分ひとりじゃイケなくて……」
「そうでしたね…それじゃ、全て脱いでください」
ジョルノは心底楽しそうにクスクス笑っている。トリッシュはいよいよ一糸纏わぬ姿となった。
ジョルノはトリッシュを後ろ抱きに引き寄せると、鏡の前のベッドに座った。
トリッシュは鏡越しに自分の姿を、ジョルノを見ることが出来ない。
「…どういう風にしていたんですか?教えてください」
「…………あ、そ…そんなの無理よぉ…あたし」
「これは命令です、トリッシュ」
「ぅう……」
恍惚とした表情で、ジョルノはトリッシュの耳を舐めた。
全てを暴かれてもなお、恥じらいを失わないトリッシュ。いや、昨日のことが全てではない。
あくまでそれはトリッシュにとってだ。
まだ、トリッシュには及びもつかない世界が―――。
「脚…開きますね」
鏡の前に晒されたトリッシュの性器。まだ産毛程度にしか生えていない恥毛が、ジョルノの欲情を煽る。
「ぅ…ッ…」
恥ずかしさのあまりに目が潤むトリッシュ。こんなところを平気で観察するように見るジョルノが理解できない。
恥ずかしさのあまりに目が潤むトリッシュ。こんなところを平気で観察するように見るジョルノが理解できない。
「さぁ…指を唾液で濡らして?」
「ぅ…うん、同時に…両方を…」
唾液で濡れた指先を滑らせるようにしてクリトリスの包皮を剥く。
現れた小さな赤い果実はすでに触れられるのを待って、自己主張していた。
(同時に…手つきも遠慮がちだな………。僕の前だからっていうわけじゃなく…)
うつむいて全てが初々しい自身の自慰行為に少しながら快感を感じたトリッシュではあったが、
やはり自分の指だとどうしても、絶頂まで達することは出来ない。
「中は…気持ちいいんですか?触っていて…」
「……わからないわ…でも、よくわからなくても、濡れてくるから……中から…溢れてくるの」
指先に絡みついた、ぬるぬると光る情欲を、もう一方の指先に絡め、さらに蕾を愛撫する。
水音が部屋中に静かに響いたが、やがて音はやみ、トリッシュは哀願した。
「…お願い、続き…して。あたし…自分じゃ…もうこれ以上…できない……」
「…だったら僕の目を見て。人に頼みごとをするときは、人の目を見るものでしょう?」
「………ぅ…うっ…」
トリッシュの瞳からまた、涙が零れ落ちる。トリッシュの顔を引き寄せて、涙を舐めた。
(美味しい……)
「泣いたって駄目ですよ。それに、何も恥ずかしがることではないでしょう」
トリッシュはゆっくりと目を開け、ジョルノを虚ろに見た。
「お願い…さわって。体が……苦しいの」
「いいですよ、トリッシュ。うまく「お願い」できたご褒美です」
トリッシュのなめらかな肌を愉しむように、胸から腹へと指を這わす。
たどり着いた場所は熱く、いまにも破裂しそうなほどの鼓動が全身を支配していた。
「…あっ……」
ゆっくりと、襞を広げる。すると、何かの蜜かと勘違いしてしまうほど、
透明で、熱いトリッシュの粘膜があふれ出した。
すすってしまいたい衝動を抑え、ジョルノは指を入れた。両方の指で中を掻き出すように、
それぞれ、人差し指と中指の二本ずつを入れる。
「だめ、ジョルノ…そんな……」
恥ずかしくて鏡は見れていないものの、自分の体だ。何をされているかはわかる。
ぐちゃぐちゃと音がして、かんたんにジョルノの指先は愛液にまみれた。
「十分でしょう、これで……。早いとこ、一回イッておきましょう」
まるで「念のためにこれも飲んでおいてください」と
薬を処方する医者のようだ。そして、トリッシュはジョルノの言ったとおり、
バリエーション豊かなジョルノの指の動きに、簡単に達してしまった。
「はぁ…はぁ……はぁ」
一気に力が抜けたトリッシュはジョルノにもたれかかった。ジョルノは左腕でトリッシュを
支えながら、指先に絡みついた愛液を吸った。
まだこれで終わりではない。
(……とりあえず、中でもイケるようにするほうが先でしょうか…アナルのほうも…愉しみたいけど…)
ジョルノはベッドの隣の棚からゴムを取り出した。
トリッシュは息を整えながら、ジョルノの股間をちらりと見た。
(やっぱり…なんか恥ずかしくて見れない……ジョルノはどうして平気なのよ…)
トリッシュは体位のことについてもよく知らないので、昨日と同じようにするのだとばかり思っていた。
しかし、違ったのだ。
「え…な、何してるの!? ジョルノ!!」
「何って…トリッシュの中に入れようとしてるだけですけど?」
「や…っ、こんなんじゃ丸見えになっちゃうじゃない…!!」
「それがいいんでしょう?僕としても、はっきり見ておきたいですし」
「やだぁ…」
太い骨が通っているかのようにまっすぐに勃つジョルノのペニスに、トリッシュの濡れた膣が触れる。
ジョルノがトリッシュの体を持ち上げ、ゆっくりとおろしていく。
「あ、この体位だと、ちょっと痛いかもしれませんね。トリッシュ、昨日と同じように…息吐いて、力抜いてください」
チュプチュプ………
トリッシュの小さな入り口は、襞を強引に掻き分けられ、そのまますべるように奥まで入った。
「あぁあ…ッ!」
ビクン、と体が弓なりにそる。昨日と同じような衝撃が体中を突き抜けた。
「大丈夫ですか、トリッシュ」
「ん…平気……でも、お願い…脚開かないで…もう」
「駄目ですよ、トリッシュ。目をそらさずにちゃんと見てください」
後ろから、脇の下から伸ばし、トリッシュの右頬を捕らえるジョルノの左腕。
そっと目を開けると、昨日「入らない」と思っていた大きなペニスが
自分のなかにすっぽりと飲み込まれている様が鏡に映っていた。
「繋がっているの…見えますか?僕とトリッシュが……繋がっている」
その光景だけでも達しそうになるくらいの、快感。体ではなく、精神が。愛すべき女性と繋がっているこの瞬間。
「……恥ずかしい…あたしの体…こんなだったなんて…」
「どうして恥ずかしがるんですか?トリッシュのなかはあたたかくてとても気持ちいいのに…」
「別の生き物みたい…あんな大きな…ジョルノのを飲み込んで…」
ジョルノは笑った。
「だから僕はそんな大きくないですよ。……それよりも、動きますよ」
ジョルノの両腕がトリッシュの太ももを捕らえ、手始めに…と軽く動き始めた。
「あぅ…っ、あっ…」
昨日とは違う挿入感が、トリッシュの中で渦巻く。痛みはないが、まだ手ごたえがない。
「そのうち、中でもイケるようにしてあげますから……」
「!!あ、あたし…別に…そんな」
「クスクス…可愛いですね、トリッシュは」
一気に突き上げる。
「あ…!!ひ、ぁ…」
トリッシュは心のうちを見透かされたのが恥ずかしくて、ジョルノの発言に対しては何も言ってはいなかったが、
ジョルノの発言はあきらかに「開発」の意を含んでいた。
さっきまであまり快感の伴わない挿入だったが、ジョルノのペニスがさらに深く入り込んだ瞬間―――。
「ま、待って…あ、あぁ…」
「トリッシュ…痛いんですか?」
「ん、違…あたし……その…なんか、あたって…そこ、だめなの…」
「あぁ、ここですか?ここがいいんですか?」
ジョルノがそこを「つつく」ように体を動かす。
ベッドの軋む音がもう耳に慣れたものになっていた。
「ふぁ…あ、だめ、変なの…そこ」
「まだ二回しかしたことがないっていうのに…もう感じているんですか?」
(開発しがいのある体だ……この分だと、すぐにでも………)
「やん…言わないで。だって…体が…勝手に…んっ」
ジョルノの動きがさらに加速する。ただ突き上げているだけではない。
トリッシュの感じるところを的確に刺激しながら、
自身の体に染み込んでくる至上の悦びをも、十分に愉しむ。
ジョルノは息を荒立たせながら、むせ返る花の匂いにも似たトリッシュの汗と
混ざった体臭を、後ろから香った。
そのまま、背中に舌を這わせる。トリッシュの体がきゅっと引き締まる。
「ん、ジョルノ…」
ジョルノがかがんだため、また違う挿入感がトリッシュを狂わせた。
トリッシュは女性の中でご他聞にもまれず、背中が弱いようだ。
ジョルノもそれを知ってか、淫らに笑みをうかべながら、その細く長い指先で
トリッシュの真っ白な背中を這いずり、飴を舐める子供のようにぺろぺろと背中を味わう。
「だめ、もう…や…」
後ろから腕を伸ばして、すでに硬くなったトリッシュの乳首を弄ぶ。
やわらかく、指先が熱に埋もれていく乳房。
全てが魅力的だ。
「トリッシュ…ハァ…ッ、トリッシュ…」
「あ、ぁ…ジョルノ…ッ」
ラストスパートをかけるように、ジョルノの動きがスピードを増してきた。
「トリッシュ…ぅ、く…もう」
「はぁ…ジョルノ…!」
「ぅ…ッ!」
終わった後、トリッシュはすぐに眠ってしまった。
精神的な疲れもあったのだろう。
ジョルノはトリッシュの寝顔を見つめながら、そっとつぶやく。
「トリッシュ…貴女は永遠に、僕だけのモノです………」
<終>