※2部最終回後  
※熟年・未亡人・NTR?注意  
 
 
N.Yでの結婚式を済ませると、ジョセフ・ジョースターとスージー・Q・ジョースターは、  
翌日に出発するハネムーンのため、祝福を贈る友人家族と別れその日のうちに港町へと向かった。  
残された友人たちや、「家族」―――エリナ・ジョースター、ロバート・E・O・スピードワゴン、  
そしてリサリサことエリザベス・ジョースターは、式の片付けを見届けた後、それぞれのホテルや住まいへと帰っていった。  
エリナは義娘であるリサリサを夕食へと誘ったが、  
 
「嬉しいのですが……お義母さまは疲れていらっしゃるでしょう?わたしもご一緒したいのはやまやまですけど……」  
「またゆっくり二人だけでお話しましょう。あの子たちも一週間は帰ってきませんから。」  
「JOJOのことだし、スージーを振り回して、もっと旅行を引き伸ばしたりするかもしれませんわ」  
 
そう言ってリサリサはエリナとSPWを見送った。  
老年の二人は、N.YにあるSPWの邸宅で共に暮らしていた。  
 
石油王となってから十数年、活動拠点をアメリカへと移したSPWの気がかりは、イギリスに二人きりで住んでいるジョセフとエリナのことだった。  
こちらで成功した時点でSPWは二人をアメリカへ移住させたがったが、  
せめてジョセフが学校を卒業するまで待ってほしいというエリナの願いで、実際に二人がアメリカにやってきたのは  
ジョセフが18歳になってからのことだった……  
もっとも、あの戦いによって、三人で暮らした時間はほとんどないのだが。  
 
「しかも、あっという間に結婚だ」  
「あら、SPWさん。ため息なんてついて」  
 
ゆったりとソファーに腰掛けるエリナは、昔からいかなるときも変わらない気品を漂わせている。  
 
第一印象はとんだ勘違いをしたものだが、それにしたってこの人は負けん気は強いし、可愛い孫でさえ容赦なくひっぱたくし、  
ある意味若しり頃のファーストインプレッションは間違っていなかったのだろうとSPWは思う。  
ジョセフの「死」―――を告げたとき、エリナは一言「では、あの子も何かを守るために戦ったのでしょう」と呟き、  
そっとてのひらで顔を覆った。「ジョナサンのように」とは言わなかった。  
 
SPWはジョナサン・ジョースターを尊敬し、自分と関わるには勿体ないほど得難い人だと考えていたのだが、  
それだけがエリナや、ジョージや、ジョナサンの遺された家族たちを助ける理由ではなかった。  
 
50年前のあの日、大西洋沖で救出されたエリナのもとへ真っ先に駆けつけたのは、  
彼ら夫妻の乗る船が爆発したと聞きつけてから一睡もせずに港に居座り続けたSPWだった(もちろん、自ら船を出して行けるところまで行ったこともある)  
棺桶のような箱に乗り、赤ん坊を抱えながら彼女は沖を漂っていたらしい。  
彼女を救い上げた救助船が港に着くと、わらわらと囲みにかかる救助隊や新聞記者を押しのけて、SPWは彼女の名前を呼びながら無理やり人垣をかきわけた。  
そんなSPWの顔をみとめるなり、エリナは……あのとき、笑顔さえ浮かべてみせたのだった。  
 
(なんでそんな顔ができるんだ。あんたは泣いてもいいんだ、エリナさん!)  
 
SPWが彼女を支えようと決めたのはそのときからである。  
 
「あー…JOJOは、スージーさんとここでは暮らさないのですかな」  
「何をおっしゃるのSPW。三人でならともかく、あの子たち夫婦と……そうね。いつか授かる子供が住むには、ここは少し……」  
「ええ、ええ、それはわかっているのです。エリナさん。だから、ちょいと庭のほうに広く改築してですな」  
「スピードワゴン」  
 
咎める口調だった。  
 
「新婚には新婚のプライベートがありましてよ」  
「そ、そう……ですな。ハハハ…」  
 
ものスゴク恥ずかしい。自分がこんなに寂しがっているのに、エリナさんはやはり人ができている。  
子分も人脈も大勢あったが、いざとなればたった一人でも生きていけると思っていた若い頃と比べて、年老いてからは寂しくて仕方なくなった。  
ふいにエリナはくすと笑う。「それにね、SPWさん」  
 
「もしジョセフと二人きりで暮らしていてあの子が結婚してしまう……なんてことになったら、  
わたくしも迷惑なおばあちゃんになって、あの子と一緒に暮らしたかもしれませんわ。  
そりゃあ、ジョージが結婚したときは、同居するのが当たり前のイギリスでしたから、何も悩みなんかありませんでしたけど……。  
でも、今は違うのでしょう?」  
 
「そうじゃなくても、SPWさん。わたくしはあなたとこうして暮らせているから、ちっとも寂しくなんてないんですのよ。  
……ジョセフ、あの子は希望です。わたくしの、いいえ、わたしとジョナサンが……叶えられなかった夢を見せてくれます。それは本当に嬉しいことです」  
 
「でも」とエリナはうつむく。  
 
「新しくて美しいランプの明かりばかり見ていたら、目も眩んでしまいます。」  
 
「だから……わたくしは、ジョナサンを知っているあなたと一緒にいるのが、心地良いのです。  
懐かしい骨董品のランプと似ています。光は暗いけれども、美しくて、心落ち着く光です」  
「エリナ、さん」  
 
ぐっと堪えて、SPWは唸る。  
 
「滅多なことを言うもんじゃない。いや、わしは、私は……嬉しいが」  
「なぜです?」  
「だって、エリナさん、貴女も知っているはずだ……。貴女に知られていることを、私は知っている」  
「……JOJOに言われました。おばあちゃんとSPWのじいさんは、それだけの仲なの?って」  
「エリナさん。後生だから、勘弁してください」  
「イギリスではさんざん陰口を言われましたわ。あなたとわたしのことで……根も葉もないって、  
あの子はずっと自分に言い聞かせてきたはずですわ。それなのに、あの子、アメリカに来た途端、そんなこと聞いてくるんですもの」  
 
「だから、SPW。あなたがどんな気持ちを抱えていても、わたしたちの誇りは汚されませんわ。……今まで本当に、ありがとう」  
 
エリナは笑った。  
そう、この人はいつだって、微笑むときはこうも悲しそうなのだ―――泣いてもいいのに、決して涙ひとつ見せないで!  
 
SPWは叱られた子供のようにうつむいている。  
実際に、心中は―――「この桜の枝を折ったのは自分だ」と告白する子供のように萎縮してしまっている。  
胸が苦しい。  
けれども、エリナは、言いづらいことをわざわざ言ってくれてまで、自分を楽にしてくれようとしている。  
 
勇気を出せばいい。そうだ、勇気を出せば本当に楽になるのだ。  
 
何に対する勇気か?  
陰口を叩くイギリス社会にではない。孫のような可愛いジョセフに対してではない。  
そう、たった一人、SPWが、エリナが愛した―――――ジョナサン・ジョースターに対する勇気だった。  
 
「エリナさん」  
「はい」  
「私は、わしは……貴女が好きだ」  
「……はい」  
「家族なんて……都合のいい言葉で誤魔化していた。とんでもない。わしは貴女を、一人の男として崇拝してる」  
 
言った途端、堰を切ったように言葉が溢れてくる。  
 
「……貴女が苦しいとき、抱きしめてあげられなかった己の立場も悔しかった。  
その一方で、わしはどんなに援助をしても、貴女から「ありがとう」なんて言われたくなかった。  
それが当たり前の、ただの夫になりたかった。でも、勇気が出なかったんです……」  
「……SPW」  
「え…エリナさん?」  
 
エリナは泣いていた。あれほど涙ひとつ見せなかった憧れの女性が泣いている。SPWは慌てた。  
杖もかまわずソファーから立ち上がると、向かいに腰掛けるエリナへ駆け寄る。  
 
「え、エリナさん…!わしは、やっぱり……」  
「いいえ、違いますわ、SPW…。これは嬉し涙です。あなたが、気持ちを打ち明けてくれたことへの……」  
「エリナさん」  
「わたくしもあなたが好きでした。ずっとわたしや家族を支えてくれたあなたは、  
たとえ結婚していなくても……あなたはずっと、わたくしにとっての夫でした」  
 
ああ、ジョナサン、とエリナは呟いた。  
ジョナサン、これであなたに自信を持って会いに行けます、と。本当に噛み締めるように。  
 
一方でSPWは完全に自失していた。  
えっと、エリナさんはいったい何と言ったのだ?ジョースターさんの名前の、前だ。  
エリナさんは、ええと、わしのことを……「夫」と、呼んだのか?  
………!!!!!  
 
「え、エリナさん!!」  
「い、痛」  
「あっ」  
「SPW、そんなに掴んでは……」  
「す、すみません」  
 
勢いあまってエリナの二の腕に掴みかかっていた。  
年老いてなお、白く美しい肌だ。お互いに若い頃は、その剥き出しの腕や胸元に、  
いったい何度よこしまな目をやり幾度天国のジョースターさんに詫びたことだろう。  
……いや、そんなことはどうでもいい。この状況は仕方なかった。  
杖をソファーの脇へ放り投げてきてしまった。  
SPWも年である。前かがみの体勢を維持するには、足腰が頼りない。自然とエリナに体重がかかってしまう。  
 
「こ、こんな状態で申し訳ない。エリナさん」  
「は……はい」  
「貴女はわしのことを、「夫」と……呼んでくれたのか?」  
「はい、SPW。……そ、そうですわ」  
「エリナさん……わしは……素直に、喜んでもよいのだろうか」  
「ええ……あなたが、嬉しいと、そう思ってくださるなら…」  
「エリナさん、わしは……ジョースターさんほど立派な人間じゃあない」  
「わたくしはSPW……あなたが、好きですわ。ジョナサンとは違います」  
「あなたに幻滅されたら、わしは生きていけなくなる」  
「あら、あなた、わたしの前で「食い逃げ」だってしてたじゃありませんか」  
「そ、それは昔の話で…!!」  
 
見られてたのか!顔面蒼白だった。  
 
「なら、問題ないではありませんか。昔の、風来坊のあなたも……嫌ってなんか、いませんでした。  
覚えてないでしょう?あなたが一人砂漠に向かうと聞いて、電話をかけて、わたしは泣いて止めたのですよ」  
「すみません……最近記憶力がどうも……えっと、気丈に送り出してくれた覚えがあるのですが」  
「それはいくら言ってもあなたが聞かなかったからです!」  
 
キッと睨まれた。この迫力は初対面から変わっていない。  
 
「とにかく、今更幻滅も何もありませんわ。ジョナサンだって、成長してからはああでしたけど、  
子供の頃はカエルをいじめるようなやんちゃで……そんなことで、わたくしは人の本質を見誤ったりなんか、しません。  
あなたは素敵なひとです」  
 
SPWはため息をついた。  
 
「いいえ、エリナさん…。貴女はきっと私に幻滅する」  
「また、そんなことを言って……」  
「違うのです。エリナさん。その……ここで素直に喜んだら、わしは貴女に何をするかわからない……」  
「………………………………」  
 
黙りこんでしまった。SPWは目も合わせられない。  
 
「こんな……皺だらけになってまで、みっともないと思われるでしょうが……その、わしも昔からの夢だし、貴女は美しいから……」  
「………わたくしだって」  
「え?」  
「こ……こんなおばあさんで、い、いいのですか……?わ……わたしは」  
 
あなたが望むなら、と小さく呟いた。  
目をそらすように俯いて、その表情は覗えない。  
 
「エリナさん。貴女は、わしの女神だ」  
「…………」  
「嬉しくて泣きそうです。こんな老いぼれが、死ぬ前にもったいない幸せだ……」  
「SPW……さん…」  
「貴女の気持ちが決まったら、わしの部屋に来て下さい。……どうか手の早い男と思わないでください。何十年と我慢したんだ」  
 
くす、とエリナは笑った。そしてゆっくり、その顔をSPWへと向ける。悲しみのない、明るい顔をしていた。  
 
「エリナさん?」  
「あなたは……やっぱり、優しいのですね」  
「…………」  
「これは、笑い話と受け取ってください。………あのひとはちょっとだけ強引でしたわ」  
 
そりゃあ、ジョージが生まれるくらいだ。結婚初夜「だけ」ということはなかっただろう。  
……ディオを倒してから数カ月間、ジョースターさん、あんたはずいぶん恵まれていたみたいだ。  
……ちょっとイメージ変わったかもしれない。うん。  
 
「エリナさん……」  
 
バスローブに手をかけながら口の端に小さくキスをする。ちなみに、覆いかぶさる体力はないので  
SPWも添い寝のようにエリナの隣に寝転んでいる。もう八十近いのだから仕方ない。  
鎖骨、胸元、腹、太腿……と彼女の体を行ったり来たり撫でながら、唇に軽いキスを繰り返す。  
若い頃のような張はなくなっているが、元々豊満だった彼女の胸は、SPWが触ってドキリとするくらい女の感触を保っていた。  
色つき眼鏡を外したエリナの瞳が、少しだけ不安げにSPWを見ている。  
 
「ほんとうに、いいんですか?」  
「言わせないで……ください」  
「ああ、エリナさん……わしは幸せだ」  
 
ぎゅうとその体を抱きしめる。彼女が海から救出された時も、ジョージが天国に行ったときも、ジョセフの死を知らせたときも……  
一度も抱きしめることのできなかったひとが、今この腕の中にある。  
おずおずと、エリナもSPWの背中に手をやった。  
それは抱きしめるにしては心もとない手だったが、SPWにとっては何よりも強く彼女を感じた。  
 
エリナの体温を噛み締めながら、何度もその肌を撫でていると、「ん……」とエリナが息苦しそうに喘いだ。  
どうやら脇腹が感じるらしい。片手で執拗に撫でながら、片方の手は乳房を揉みしだく。  
 
「す……スピード…ワゴン…さん、ぁっ」  
「大丈夫ですか?痛くないですか?」  
「え、ええ。へいき………ア、ああぁ…っ?!」  
「大丈夫そうで、安心した。ちゃんと濡れてる……」  
 
秘所に指を入れながら、SPWは突然の刺激にしがみつくエリナの頭を撫でる。  
愛撫に敏感だったエリナの花弁は、SPWの中指を丸ごと飲み込んであえかに震えている。  
指を出し挿れしながら、膣内のざらざらしたところを多少乱暴にすり上げると、エリナは身を捩りながら喘いだ。  
 
「ぁッ!や、スピード、ワゴ……ああっ、そ、そんな強…ッだ、だめ、ァ、ァ、ァ」  
「イイですか、エリナさん」  
「も、もたな……!ひッ、あ、あ、あああ……っ」  
 
ガクガクとエリナは震えた。  
指を抜き、ふと彼女の付け根を見れば、無意識なのか……エリナは指を咥えながらその脚を開いていた。つうっと愛液が伝う。  
 
「………参った」  
「す……SPW……?」  
「こんな年寄りでも……いや。すみません。エリナさん。……わしは自分に呆れた」  
「え……?」  
「感じてる貴女を見たら、年甲斐もないことになってしまった」  
「……まあ」  
 
夫一人しか知らないにも関わらず、今更恥じらわないのは年の功だろうか。  
すっかり天を仰いだ……しかもそれなりに質量のある……SPW自身に、エリナは呑気に驚いた。  
 
「ちょっと、それは……自信がありませんわ。五十年ぶりですし……」  
「いえ、いえ。まさか貴女に受け入れてもらおうなんて、さすがに……今晩は……考えてません」  
「え?」  
「今日は貴女のきれいなところを見たかっただけですから」  
「SPW……あなたって本当に……」  
 
エリナは苦笑すると体を起こした。つられてSPWも起き上がる。  
するとエリナは、そっとSPWの胸に手をあてると、そのまま彼を押し倒し、その腰に跨った。  
 
「え……エリナさん!?」  
「久しぶりだから、痛いかもしれませんが……自分からなら、何とかなるかも知れません」  
「そ、そんな……え、エリナさ……っわ、わしのことはかまわんでも」  
「ん……ッ」  
 
亀頭に熱を感じたかと思うと、ズブリと一気に三分の一が飲み込まれた。SPWの目の先には、SPW自身に手を添え、自らの秘所に導くエリナの姿がある。  
もうたまらなかった。芯の強い女性だとは思っていたが、積極性も兼ね備えているとは50年来知らなかった。なんというか、幸せだった。  
そうこうSPWが幸福をかみしめているうちに、エリナは喘ぎながらも男根をすべて飲み込んだ。  
その太腿はガクガクと震えている。ときどき苦しそうに身をよじるのが、動きを催促しているように見えて、淫靡な美しさがあった。  
膣はきゅうきゅうとSPWを熱く締め付けている。  
 
「あ、こ、これで……SPWさん……」  
 
エリナは微笑むと、「あの子たちには、内緒で…」と囁いた。  
それからとうとう理性を切らしたSPWは、ジョナサンに詫びるのも忘れて、元々の情熱を取り戻したように彼女を何度も何度も喘がせたのだった。  
 

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