そもそも発端は何だったか思い出せない、退屈しのぎのつまらない賭けだった。  
しかし彼女自身がテレンスに持ち掛けた『勝った方が負けた方の言うことを何でも聞く』という条件でマライアは見事に負けてしまい、ふ  
てくされた顔で煙草を揉み消した。  
 
「ふん、それであたしをどうしようってのさ? 体で払えとでも言うの?」  
「なぁに、そんなありきたりな事など申しませんよ」  
 
そんな度胸はないだろうと高をくくってマライアは居直ったが、こともあろうにテレンスは剃刀を持ち出してきて「脚を開いて下さい、あ  
なたのここを私好みにさせていただきます」などと抜かしたのだった。  
 
「冗談じゃないわッ、このビチグソ野郎!!」  
 
何て悪趣味な事を考えやがる、とマライアは真っ赤に憤って席を立ちかけたが、テレンスは抜け目なく彼女が負けた際に生まれた魂の隙に  
スタンドを侵食させ、身体の自由を奪っていた。  
 
「おとなしくさえしていれば、何も魂まで取りはしませんよ」  
 
……椅子の上で『アトゥム神』の手に膝を開かされ、腿の間を息がかかるほど間近で覗き込まれながら、それでもマライアは精一杯虚勢を  
張っていた。  
 
「少しでも傷を付けたら承知しないからね、その時はあんたのすかしたツラをズタズタに切り刻んでやるから」  
「分かっていますとも」  
 
抵抗しようとうかつに動けば切れてしまうので、動くに動けない。  
下着とストッキングだけを脱がされたマライアは、テレンスの顔を見ないように顔をそむけながら、大事なところに冷たい刃を当てられる  
ゾッとするような感触にひたすら耐えていた。  
褐色の地肌とアッシュブロンドのヘアの対照に見とれながら、テレンスは恥丘にたっぷり泡を乗せて剃刀を滑らせる。  
ふわふわした猫っ毛は見る間に刈り取られていった。  
細部を整えようとテレンスが長い指で割れ目を押し開くと、粘膜が潤い出しているのが分かった。  
それは体を守ろうとする生理的な反応だったが、テレンスは面白がって剃毛の手を止め、オアシスの奥へと指を進ませた。  
 
「んあぁ!? こ、この変態っ……!!」  
 
マライアは椅子の上で膝を立てたままの大胆なポーズで仰け反り、指を締め付けた。  
触られるのを待つようにぷっくりと興奮した肉芽にまで指は伸びてくる。  
 
「ひっ、そこ、だめっ……だめぇ……」  
 
普段の高慢な態度とは裏腹に、物欲しそうに腰を揺らすマライアを、テレンスは心底愉快そうに見ていた。  
やがて指を抜かれ、溢れ出した蜜を泡ごと拭われても、マライアは涙目でテレンスを睨みつけていた。  
 
 
ここまでが昨日の話だ。  
マライアは今夜DIOの寝室に呼ばれており、せっせと支度をしていたが、念入りにシャワーを浴びる彼女の表情はどこか浮かないものだった。  
 
(こんな真似して……あいつ、ぶっ殺してやるわ!)  
 
マライアは自分の恥丘を見下ろし、舌打ちをする。  
あの時テレンスは全て剃毛したわけではなく、ヘアは一部残されてなんと可愛いハート型に整えられていた。  
しかし、こんなみっともない様をDIOに見られるのは正直気が進まない。  
誰が手を加えたかと聞かれたら、何と答えればいいのだろう?  
全く変態サイコ野郎になんか関わるもんじゃないわ、とマライアは思ったが、それが彼の歪んだ独占欲だとは気づいていなかった。  
 
……その後マライアは覚悟して寝室に行ったが、ハートは意外にもDIOに気に入られたという。  
 
ミド「ハートってどんなの? 見せて見せてッ」  
マラ「じゃかあしいーッ!! 執事のところにでも行ってろ!!」  
 
<おしまい>  
 

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