「彼女を一か月保護して欲しい」
一か月あれば、裏切り者を特定できると踏んでいたのがバカだった。
正体がバレ無い様慎重にならずとも、
組織を総動員して裏切り者を始末すれば良かったのだ。
「あっ……」
そんな事より、ポルポの人選はおかしい。
護衛と言うくらいなんだし、もっと組織に…いやボスに忠誠心の高い者を選べ。
もしくは不細工なスタンド使い。
「だめぇ……」
双眼鏡から目を放し、手元の写真を見る。
写真の中で、大人びた格好をしあどけなく笑う少女は
今、男の腕の中で快楽を知った女の顔に変っていた。
「ああっ!そんな所……いやぁ」
盗聴器から漏れる喘ぎ声は、15年前に愛した女に少し似ている。
だからこそ、この得体のしれない感情に頭を悩ませる訳で。
「ああ!いいよぉ!もっと……あぅ……」
シーツを握りしめ快楽に耐える娘。
男が愛おしいそうに髪を撫でるとふわふわと指を通り抜けていった。
ちゅっと、おでこに唇を落とす。
彼女はこうして貰うのが一番好きなのを幾度も重なりあった彼は熟知している。
「トリッシュ……好きだ……」
「アタシ……も……んんっ!」
少女は彼の背に爪を立て、一際大きく鳴くと、くったりとベットに崩れた。
「ボス!すごいです!エロ杉です!」
『代われ!代わるのだドッピオ!アイツを殺す!』
「あ、第二ラウンドが始まりましたよ!ボス!」
『いいから!私が行くから!変わってって!ちょwwwwドッピオ!何してるのだ!』
「はぁはぁ……」
もし、世界が一巡する事態になったら、護衛期間は一週間にして
あのオカッパは真っ先に殺る事にしようと誓ったボスであった。