僕の名前は岸部露伴。
自分で言うのもなんだが人気と才能を併せ持つ天性の漫画家である。
そんな僕に青年雑誌から執筆依頼が来たのは当然のことなのだが…
「くそっ、内容は『官能もの』だと!? この岸部露伴にただ男女がSEXしているだけの漫画を描けというのか?」
そう、恥ずかしい話だが実は僕には今まで女性経験がない。16歳から漫画一筋の人生だったため、そんなものにかまっている暇などなかったのだ。
もちろん女の裸ぐらい想像で描くことはできるだろう。
しかし、それでは僕の求めるリアリティーは手に入らない。
何とかして今週中に相手を見つけなければ…。
翌日資料集めに図書館へと向かった僕は、そこで数少ない友人に偶然鉢合わせた。
「やあ、康一君じゃあないか。何してるんだい」
「ろっ露伴先生!? あー、僕は…その…」
ちらり、と向けた視線の先には黒髪の女が立っていた。確か彼女もスタンド使いだったはずだ。
「あぁ、デートか…。康一君、きみもなかなか隅に置けないじゃあないか。」
「デートだなんて…。試験が近いから一緒に勉強してるだけですよぉ。」
「ふん、それにしちゃあ…」
魅力的な女性じゃないか…、そう言おうとして不意に気がついた。
彼女の容姿が自分の好みにぴったりな事に。
ほの白い肌、スカートのすそからすらりと伸びた脚。以前はつりあがっていた目や眉を化粧で優しげな面影に変え、自由に変化できる髪形は、今日は肩までの長さに整えている。
これは…。杉本鈴美に…似ている。
そのばかげた考えを振り払う事が、けれど僕にはできなかった。
二人が図書館を出て別れると、僕は由花子の後をつけた。
彼女が人気のない小道へと入って行ったのを見計らって、後ろから攻撃を仕掛ける。
『ヘヴンズドアー!』
突然の攻撃で気を失ったらしい彼女のページに『岸部露伴の命令に絶対服従する』と書き込むと、ゆっくりとページをめくった。
「ふふっ、康一君とはまだキスだけか…、それも普通のヤツだな。ん?これは…」
僕はにやりと笑い、まだ気絶している由花子を背負って家へと帰った。
「目が覚めたかい」
「な、何よあんた? 何してんのよ」
「いや、何、すぐに終わるよ。…少し痛いかもしれないがね」
「はあ? 何ですって? あたしがあんたみたいなクサレチ×ポ野郎におとなしく従うとでも思ってるの?」
「はぁ…その汚い言葉遣いやめてもらえるかな」
「は? ばっかじゃないの? この……え? こ、声が!!」
「今、また汚い言葉を使おうとしたろう? 悪いけど僕の命令には逆らえないよ。
…さあ、服を脱いでもらおうか」
「い…いや! 手が勝手に!」
ボタンをひとつずつはずして行く彼女につい生唾を飲んでしまう。
下着すら剥ぎ取り、一糸まとわぬ姿を目の前に、僕の興奮はさらに高まった。
「お…お願い、何でもするわ!でも…この身体は…」
由花子はいつもの勝気さが嘘のように、目に涙を浮かべて哀願する。
「純情なんだな。康一君がうらやましいよ。」
そう言いながら指を下腹部へと滑り込ませていく。
「そ…こはダメよ…やめて…そこは康一君の…」
「ああ、もう『読ませて』もらったよ。由花子君、君、毎晩康一君のことを考えて…してるそうだね」
「いやっ、言…言わないで」
由花子の顔が赤くなる様が僕の加虐心を加速させる。
「いいじゃないか。ここを…こうしていじってるんだろ」
最も敏感な部分をくりくりと指で撫で回す。
「あっ…あ…いやぁっ…あっあぁっっ!」
「さすがにいい感度をしてる。こうしただけでこんなに溢れてくる」
じっとりとしたそこに、今度は口を近づける。チロチロと舌で転がすと、嬌声と共にじわりと液がにじんだ。
「ふむ…意外としょっぱいんだな。それにずいぶんぬめりけがある。」
「あ…いや、やめてぇっ…あ、はぁっつ…くっ…い…くぅっつ!」
気を失いかけた彼女の頬を軽くたたく。
「そんなに気持ちが良かったかい? 他人の手でいったのは初めてだろう。
…それじゃあそろそろもうひとつの初めてをもらうとするかな」
「い、いやぁっ!! それだけは!」
子供のようにしゃくりあげる由花子を見て、僕はもう少しいたずらを加える事にした。
「そんなに僕がいやならしかたがないな。…やめてあげるよ。その代わり自分でしてくれ。」
ほら、といって手渡したのはイラスト用の太いマジックペンだった。それをほうるやいなや、彼女の手は強く握り締める。
「あっ…いやよ…こんな、こんな『マジック』なんかに!あた、しの…あたしのぉっ!」
ずぷっという音と共にペンが彼女の足の間に沈み込んだ。
そのまま両腕は激しく上下に動き回り、逃れようのない快感を供給する。
「あっ、ん…もうだ…めぇっーあぁ…だ、めーっ」