2月14日・バレンタインデー。  
欧米においては、女性が男性にチョコレートを贈るだけとは限らず  
男性から女性にプレゼントを贈る日でもある。  
その記念すべき日に向けて、メローネはうきうきとほくそ笑みながら『プレゼント』を包装していた。  
ご丁寧にリボンをかけられたそれは、電池で動くいわゆる大人の玩具だった。  
トリッシュへのとっておきの贈り物として、メローネがわざわざ自分のものから  
シリコンで型をとって制作した、世界で一つの玩具だ。  
 
「フフフ……この会心の出来、きっと喜ぶに違いないぞッ!」  
 
すでにメローネの脳内では包みを開けて「まあ! メローネったらいけないひとッ!」と  
頬を赤らめるトリッシュの姿がシミュレートされている。  
まったくおめでたい思考回路である。  
それだけでは済まず、止める者がいないのを良い事にさらにメローネの妄想はエスカレートしていく。  
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今日はバレンタインだから、と前置きして、トリッシュは恥ずかしそうにうつむきながら  
自分のスカートに手をかける。  
 
「メローネにあたしの事……もらってほしいの」  
 
おずおずとスカートを捲り上げると、ピンクの透ける生地にハートの刺繍を施したパンティーが覗いた。  
薄いレース一枚に覆われた秘密の花園は、いつも以上に魅力的に思える。  
二人とも、この後のチョコよりも甘い展開を期待していた。  
 
メローネは下と揃いのキャミソールを捲り上げ、手に余りそうな胸の柔らかさを堪能する。  
生意気に張り出した美乳は掌の中で弾み、色づいてつんと勃った先端を摘んで苛めると  
トリッシュが可愛い声を上げた。  
 
「んん〜、また大きくなったか? 子供が出来たらミルクがたっぷり出そうだな」  
「やぁぁ……! か、関係ないわよっ……!」  
 
もともと胸は敏感だったが、メローネに開発されてより弄りがいのある身体になったようだ。  
好き放題揉まれてくったりと力が抜け、上半身がベッドに倒れ込んで期せずして後背位の形になる。  
トリッシュは抱き合って挿入する体位が好みだが、後ろからされるのも好きだ。  
メローネも同じく、彼女を背後から好きなようにできるこの仕方が好きだった。  
ほとんど紐のようなTバックが尻に食い込んでいる後姿に、メローネはますます煽られた。  
しかし、せっかくの勝負下着をすぐに脱がしてしまってはいつもと同じで面白みがない。  
瑞々しい尻を真ん中で割る紐を横にずらし、下着を履かせたまま計画を実行する事にした。  
 
「いやぁっ! な、何!? 冷たいっ……」  
 
尻の谷間にとろりとしたオイルが垂らされる。  
メローネの指が後ろに忍び込む感触に、トリッシュは怯えて身を硬くした。  
 
「大丈夫、すぐに気持ちよくなるようにしてやるよ」  
「いや……! やめてよっ、変態っ! お尻、いやぁ……」  
 
かねてより予定していた計画とは、トリッシュの後ろの処女を奪う事だった。  
まだ固い蕾のようなそこを、いい香りのするオイルで丁寧にマッサージする。  
誰も触れたことのない箇処を巧みな指で弄くり回し、潤滑油をたっぷり塗り込んでいった。  
指が二本入る頃には、トリッシュは顔を真っ赤にしてふぅふぅと荒い息をついていた。  
前がとろとろになっているのも分からないほど、アナルを弄られる感覚に没頭しているようだ。  
 
「は……入っちゃったの……?」  
「やっぱり、こっちのほうも素質がありそうだな」  
 
こんな処で気持ちよくなるなんて、と恥ずかしくてたまらないトリッシュだったが  
メローネの指が抜かれると物欲しそうに尻を揺すってしまう。  
もう指じゃあ足りなくなったか?とからかわれ、今度は興奮しきった肉棒が押し当てられた。  
 
「ひあぁぁっ……!」  
 
きつい窄まりを押し拡げ、太いものがずるずると奥まで入っていく。  
これ以上進めないと分かると、締まりを味わうようにゆっくりと抜き挿しされる。  
トリッシュは拡張感に身悶えたが、どうする事も出来ずメローネに貪られるままになっていた。  
しかし、しばらく突かれているうちに腰の奥でむずむずした何かが生まれ  
試しに自分から腰の動きを合わせてみるとそれがもっと鮮明になった。  
次第に深まる、尻を使っての新しい感覚にトリッシュはすぐ夢中になった。  
メローネが腰を引くたびにお尻がめくれ返りそうになるが、それもまた堪らない。  
 
「あぁっ、だめぇ…… お尻、すごくいいのっ……」  
 
四つんばいで枕に顔を埋め、高く上げた尻を振ってよがっている。  
その悩ましい格好と、前に劣らずいい具合の尻にメローネは満足して深く息をついた。  
後ろから責められているうちに、まだ何もされていない前にも刺激が欲しくなり  
トリッシュは下着の上から自らの指で慰め始めた。  
 
「ああ……これはかわいそうな事をしたな、心配しなくてもこっちもちゃんと構ってやるさ」  
 
メローネは下着に軽く爪を立て、股間をかろうじて覆う湿ったレースを引き裂いた。  
破れてできたスリットに指を入れ、発育のよさと裏腹な無毛の割れ目を探りながら  
ぬるぬるの蜜を指先に絡め、奥に息づく雌芯に塗り込んでやった。  
嬉しそうに蠢いているのが愛撫する指からメローネに伝わる。  
プレゼントのバイブを目の前に転がし、手を使わずにリボンをほどいてみろと命じた。  
トリッシュは唇でリボンの端を咥え、引っ張って蝶結びをほどこうとするが  
メローネにアナルと雌芯を同時に責められながらではそれも一仕事だった。  
ようやくリボンがほどかれた頃には、シリコン製の男根は唾液に塗れて光っていた。  
 
「よくできたな……それじゃあ、これでさっそく気持ちよくなるとしようか」  
 
精巧に模された亀頭を小作りな性器にあてがう。  
硬さも大きさもメローネそっくりなのに、無機質な感触が自分を貫いていく感じが  
かえっていやらしく、トリッシュは自ら脚を開いて奥まで受け入れようとした。  
 
(あたし、これからこんなのでいかされちゃうんだわ……)  
 
そう思っただけで、二本の性器を咥え込んだ腰が重く疼いた。  
 
「美味いか? オレのとどっちがいい?」  
 
下着を履いたまま前後から犯されている様は、今まで見た彼女のどんな姿よりも淫靡で  
もっと乱れさせてやろうとメローネはスイッチを入れる。  
 
「んああぁぁぁ!!」  
 
胎内に食い込んだ玩具が振動を始め、トリッシュは悲鳴を上げた。  
瀕死の蛇がのたうちまわるように中で暴れている。  
いい所をくまなく刺激する激しい動きに、無意識に後ろの孔が締まりメローネを悦ばせた。  
アナルに抽送を繰り返すたびに、腰と尻とがぶつかっていやらしい音を立てる。  
メローネとバイブがごりごりと擦れ合ってトリッシュは身も世もなくよがり、泣き叫んだ。  
 
「だ、だめぇ……! こわれちゃうっ……!!」  
 
やがて腰を震わせ、切ない声を上げてトリッシュは気をやってしまった。  
メローネが締まりに耐え切れず、上気した尻に白濁した生命の素をぶちまけても  
彼を模った玩具の方は変わらぬ調子でトリッシュを責め続けていた。  
 
 
いつもと違う趣向に派手に乱れてしまったのが恥ずかしいらしく、後始末が終わっても  
トリッシュは顔を赤くしていた。  
 
(あれも気持ちよかったけど……初めてなのにお尻でいっちゃうなんて)  
 
メローネがいやらしいからああなっちゃったのよ、そうに決まってるわ!と自分に言い聞かせるが  
次にする時、お尻の方もしてと催促してしまいそうで少し怖くなる。  
そんなトリッシュの心境などつゆ知らず、メローネがスイッチを切っておとなしくなった玩具を手渡す。  
 
「寂しい時は、これをオレだと思って大事にしてくれよ」  
 
いい台詞も、性欲処理用の玩具の事を指して言うのでは台無しだった。  
 
「何よっ、こんなちゃちな偽物全然気持ちよくなんかないんだから!」  
「それじゃあ今度は本物を味わってみるか〜?」  
「あ、いやぁぁん!!」  
 
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「ムフフ……何? オレの方がずっといいって? それじゃあとことん悦ばせて……」  
「……………………」  
 
椅子にもたれて焦点の合わない目で何やら呟いているメローネを、同僚の暗殺者達は白い目で見ていた。  
尋問・拷問に耐える訓練の一環として、自白剤を混入したチョコレートを前置きなしで食べさせ  
どれだけ耐えられるか計る、というのを抜き打ちで行ったのだが、それがいけなかった。  
リゾットをはじめとした一同は、薬の効き目で前後不覚となったメローネのだだ漏れの思考を延々と聞かされていた。  
 
(脳みそがレイプされてるみてえだ……)  
(さすがのオレでもこれは引くわ)  
(自白剤でなくて青酸カリの方が良かったんじゃあないか)  
 
そんな事をボヤきながらも、全員が前かがみになっている。  
ペッシに至ってはとっくの昔に真っ赤な顔をしてトイレに篭ってしまった。  
 
「このカミソリを貴様のケツの中に突っ込んでやるッ!!」  
「落ち着け!! そんなの逆に喜びそうだぞ!!」  
 
暴れるリゾットを押さえつける仲間たちをよそに、メローネは幸せそうな顔で涎を垂らしていた。  
後の『鮮血のバレンタイン事件』である。  
 
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