トリッシュが悪戯な表情で、ねえ目をつぶって、と言ってきた。
何か企んでいると思ったが、言われるままに目をつぶると
首周りに何かが触れる感じがし、カチャカチャと金属の擦れる小さな音がした。
「何だこれは」
「首輪よ」
よく似合ってるわ、と笑うトリッシュの手には鎖が握られている。
黒いエナメルのこれは、どうやら犬用ではなく人間用のものらしかった。
いかがわしい店で買ったのか、それともメローネか誰かから入手したのか……
いや、どうやって手に入れたかなどどうでもいい。
リゾットは悪趣味ないたずらに付き合う気は無いとはっきり態度で示した。
「トリッシュ、何に影響されたか知らんがこんな下らん真似は」
「お散歩行く? それともごはんがいいかしら?」
トリッシュは全く聞く耳を持たず、リゾットを大型犬か何かに見立てたつもりで頭を撫でている。
しかし虚仮にされっぱなしで黙っているリゾットではなかった。
首輪と繋がった鎖でトリッシュの両手を絡め、首根っこを掴んで膝の上に押さえつけてやった。
スカートを捲られて下着を下ろされ、青くなったトリッシュは逃れようと暴れたが
リゾットは押さえつける力を緩めるつもりはないようだった。
「こんないい物をもらうだけでは悪いからな…… 俺からもプレゼントだ」
「…… いやぁ! 何よこれッ」
むき出しの肌に冷たい金属が触れる。
それはメタリカで作られた鉄製の貞操帯だった。 ご丁寧に小さな錠前まで付いている。
柔肌と鈍く光る鋼鉄のアンバランスが妙に扇情的な眺めだった。
「よく似合っているぞ」
自分が言ったのと同じ台詞でからかわれ、トリッシュは耳まで赤くなった。
「こ、こんなの、柔らかくしてすぐに脱げるんだからッ」
「……そうだったな」
「……でも、たまには面白いから、もうちょっとこのままでいてあげるわ」
「そうか」
リゾットの含みのある笑みに面白くない気分になりながらも、トリッシュは首輪の鎖をぎゅっと握った。
あなたは組織のものでもボスのものでもなく、このあたしだけのものなんだから。
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to be continued…