「先生。今日は八月一日ですね」
「ん?ああ、そうだな」
「何か思い当たる事とかありません?」
「ベルリンオリンピックの開幕日だったかな、確か」
「……他には、何か?」
「………?(何かあっただろうか……)スイスの建国記念日 とかかな」
「……………」
「阿久悠が亡くなったのもこの日だったか……」
「もう少し身近な事で何かあると思うんですけど」
「(洋子君の顔がどこかひきつっているように見える……) 新五百円玉が発行された……とか……」
「……………」
「……………」
「先生」
「なんだい、洋子君」
「からかってらっしゃるんですか?」
「いや、そんな事はない」
「ちゃんと考えてください……ほら、誰かの誕生日とか……」
「誕生日……」
「………!そうか、そういえば……」
「!(先生……)」
「今日はきんさんぎんさんの誕生日じゃないか」
「わ た し は ば く は つ し た」