もう春ね…
先生の事務所で働くようになってから何度めの春を迎えたかしら?
コーヒーを入れながら毎年呟くこの台詞。生暖かい春の空気をいっぱい
吸い込みながら私は先生の体の温もりを思い出していた。
「先生ったら昨晩も激しかったな」
自然に身体が火照ってくる。
何だか知らないけど、最近の先生はとても寂しそう。ひとつになる度にふと
見上げたり、見下げたりする先生の切ない表情に私は快感と一緒に
心の奥がきゅうんと切なくなる。私が本当に先生を必要として、それから
必要とされたがってることを先生はまだ信じてくれていないのかもしれない。
それを伝えるのにこれからどれだけ時間がかかるのかは分からないけど、
私達恋人同士としては信じられない位に肌が合う。身体の体温まで同じ感じなの。
書類をまとめていたら、先生の渋い「おはよう」という声が響いて、返事をする前に私は
後ろから先生に抱きしめられていた。
「あっ、先生・・・」
私は朝からそれだけで充分感じてしまう。
優しく白いブラウスのボタンが外されていき、私達の唇は何度も重なる。
チュッチュッってキスの音が私の耳に響いて、私はどんどん興奮してくる。
「あ、あん。せんせ・・・」