「ふう……」
熊さんのこっぴどい説教を受けて、俺は漸く事務所ビル内のエレベーター前まで戻ってきた。
隣では洋子君がまだ俯いたまま、ロクに口も聞いてくれない。
さっきはひどい目に遭った。
いや、俺が悪いと言ってしまえばそれまでなのだが……
………ん?
「さっき」とは何の事を言っているのかって?
今更それはないじゃないか……
よし、これまでの事を思い返そうか?
・どうする?
思い返す
→思い返さない
…………
そうだな。説明するのも面倒だ。詳しい事が知りたければ>>100-103を見て欲しい。そうすれば、今何故こんな気まずい状況になっているのか理解出来る筈だ。
……と、俺は誰に向かって言っているのだろうな。
とりあえずそういう事があった訳だが、洋子君が上手くフォローしてくれたお陰で熊さんの厳重注意という処分で済んだと、そういう訳だ。
しかし……
・どうする?
見る→洋子
「…………」
黙ったままの彼女。相変わらずこちらを見ようともしない。
・どうする?
考える
……やはり脅したのがまずかったのだろうか。
だが「脅す」コマンドは昔散々やっていた事だから、特に気に障ったりする事もないと思っていたんだがな……
四作目の頃には「いい加減飽きません?」と一蹴されてしまった訳だしな。
……何?言っている事かよくわからないだと?
まいったな……そんな君には、PSソフト「探偵 神宮寺三郎 Early Collection」の購入をお勧めしよう。
一作目から四作目までの俺が携わった事件の全容がわかるのは勿論、イラストギャラリーやトピックス、ミニゲーム等、様々な形で楽しめる一本──
……と、俺は誰に向かって言ってい(ry
………いかん。最近独り言が多くなってきたようだ。歳をとった証拠かな……
「……先生?」
「……ん……?」
だんまりを決め込んでいた筈の洋子君の声に、はっと我にかえった。
・どうする?
見る→洋子
つと視線を持ち上げると、どうやら既にエレベーターが来ていたらしく、中で洋子君が怪訝そうに俺を待っていた。
・どうする?
移動する→エレベーター内
「ああ、すまない……行こうか」
「……はい……」
一言詫びて中に歩を進めると、洋子君は小さく頷いたが、またすぐに俯いてしまった。
……さすがにまだまともに相手はしてくれないか。
・どうする?
考える
脈が全くない訳ではないと思うんだがな……さっき熊さんに捕まった時も上手く取り計らってくれたし。
まあとりあえず、洋子君の機嫌の事は時の過ぎゆくままに任せるとして、今後この失敗をどう活かすかを検討した方が良いだろう。
熊さんが来るまでは順調だったからな……書斎なり私室なりにあらかじめ場所を移しておくべきだったか……
「きゃっ!!」
「!?」
再び思考しようとしていた俺の意識を、エレベーター独特の振動とは明らかに異なる揺れと、洋子君の小さな悲鳴が引き戻した。
落ちるような衝撃と大きな音と共に、振動が収まった。
顔を上げるとほぼ同時に、室内が漆黒の闇に包まれる。
「…………?」
・どうする?
見る→周囲
エレベーターは停止したまま、動く気配を見せない。
辺りを見回そうにも、こう暗くてはどうしようもない。エレベーターの故障だろうか……
・どうする?
話す→洋子
「洋子君?」
停電してから全く動きを見せない彼女の様子が気になり、声を掛けてみた。 しかし……
「…………」
……反応がない。
・どうする?
話す→洋子
「……洋子君?」
「……………」
返事がない……ただのしかばねのようだ──
違った。俺の中にいるもう一人の俺がおかしな事を考えている。
・どうする?
話す→洋子
「洋子君、大丈夫か?」
「……あ、はい……すみません。私……」
洋子君はどこか怯えた様子で口をつぐんでしまった。
……そういえば、彼女は昔、止まってしまったエレベーターに閉じ込められて怖い思いをしたんだったな。
……何、知らないだと?
そんな君にはPS2ソフト「探偵 神宮寺三郎 Innocent Black」の購入をお勧めし(ry
……話を戻そうか。
・どうする?
話す→洋子
「とりあえず、緊急連絡用のボタンを押しておこうか……」
「あ、はい。そうですね……」
そう言うと、洋子君はフロアを示すパネルの辺りを探り始めたらしく、ボタンを一つずつ押していく音が小さく響いた。
その音がやがて止まり、彼女は戸惑いを帯びた声を上げた。
「通じません……」
……何と言うか……激しくデジャヴを覚えるのは気のせいではない筈だ。
「まあ、すぐに動くさ」
かく言う俺もまた、以前口にした台詞で彼女を落ち着かせた。
* * * * *
「……………」
………沈黙が痛い。
もう五分近く経ったような気がするのだが、エレベーターは微動だにしない。明かりも点かない。
その上気まずい状態はそのままなので、この狭い空間の中では余計に息苦しい。
・どうする?
見る→周囲
暗闇に目が慣れてきたおかげで、少しは中の様子がわかる。
どうやら洋子君はフロアのパネルの側に体を寄せているようだ。言葉にこそ出さないが、やはり怯えたように両腕で体を抱き締めている。
・どうする?
考える
……あまり良い状況とは言えないな。せめて話が出来れば気を紛らす事も出来るんだが。
・どうする?
見る→周囲
まだ直らないのだろうか……
・どうする?
見る→洋子
そわそわと辺りを見回している。
・どうする?
考える
このままでは埒があかないな……いつ動くかもわからない訳だし、まずはこの空気を何とかしようか。
・どうする?
見る→洋子
不安そうにしている洋子君……ここはどうしてやるべきだろう……
・どうする?
脅す
慌てる
→話し掛ける
洋子君を殴る
………選択の余地がなかったように思えるのは気のせいだろうか。
・どうする?
話す→洋子
「……大丈夫かい?」
「……はい……」
一拍置いて聞こえてきた彼女の声は小さく、そして震えていた。
……何か話題を持ち出さないといけないんだろうが……どうしようか。
・どうする?
他愛のない話をする
怒る
何か取る
抱き締める
………さっきから何なんだこの訳のわからない選択肢は。
「何か取る」って……何をだ?しかも「抱き締める」なんて……そんな事をしている場合では………
「……………」
・どうする?
見る→周囲
エレベーターは全く動く気配を見せない……
・どうする?
見る→洋子
不安そうに俯いている……
・どうする?
考える
暗く狭い空間に二人きり……これは願ってもない機会──
……もとい、何を話すでもなくただこの暗がりで待ち続けるのは、彼女にとっては辛いものがあるだろう。それに話をするにしても、今のままでは逆に気が滅入るばかりだ。
この際やれるだけの事はやっておくべきだろう。
・どうする?
移動する→洋子の隣
「……っ……?」
不意に近付いてきた気配に驚いたのか、洋子君はびくりと顔をこちらに向け、俺をじっと見つめている。
・どうする?
他愛のない話をする
怒る
何か取る
→抱き締める
「あっ………」
横ざまに肩を抱き寄せると、彼女は小さく声を上げて足を縺れさせた。宙に伸ばされた腕を引くと、細い体が俺の胸に飛び込んできた。
・どうする?
追い込む
肩を押さえたまま、洋子君を端の方へと追い込んだ。冷たい鉄の壁に背中を押し付けられ、戸惑いを隠せぬ様子で俺を見上げてきた。
「せっ、先生……!?」
・どうする?
見る→洋子
暗い室内ではあるが、彼女の瞳が少し光って見える……もしかして泣いているのか?
・どうする?
話す→洋子
「……あまり大丈夫じゃあなさそうだな」
そう言って、洋子君の目の辺りを指で拭った。案の定、親指が僅かに濡れていた。
「やっぱり……怖いか?」
「……すみません……」
問い掛けると、彼女は申し訳なさそうに頭を垂れた。震える指が、俺のスーツの袖をそっと掴んだ。
「どうしても、慣れなくて……」
・どうする?
考える
本当に苦手なんだな……まあ、こういう所が一つ位あった方が可愛らしいと思うし、謝る事ではないんだが。
それにこちら側としては、そうやってしおらしくしてくれていた方がありがたい。
「それじゃあ……」
「…………?」
・どうする?
触る→胸
「──っ──!!」
空いている手でふくよかな胸を軽く掴んでみた。
急な事でびっくりしたのだろう、喉から漏れたような短くも甲高い声と共に、体を後ろに反らそうとした。しかし壁に阻まれて思うように動けないようだ。
「なっ、何するんですかっ!」
・どうする?
吹き掛ける→耳
胸をゆっくり撫で回しながら、耳に顔を近付けてふっと息を吹き掛けた。びくりと震え抗議の声が途切れる。
そのまま舌で耳の縁をなぞり、耳朶を唇でくわえるようにして唾液を擦りつけると、袖を掴む彼女の手の力が増した。堪えるようにぎゅっと目を閉じるその顔が、何とも可愛らしい。
・どうする?
話す→洋子
「気持ち良いか……?」
膨らみを押し潰すように揉みほぐしながら問うと、涙混じりの眼がキッと俺を睨みつけた。
「こ……こんな所で、こんな事……」
「まだ動きそうもないからな……」
言いながら服を捲くり上げ、肌着の中に手を突っ込む。吸い付くような手触りの肌を掌で味わいつつ、膨らみの頂きを指先で何度も擦ると、怒気を孕んだ瞳は先程とは違う意味で熱く潤んでいく。
「あっ……んん、先……生……」
暗闇に響く彼女の呼吸音も、次第に甘く熱くなっていく。
なかなか良い具合じゃないか……さぁ、次は何処を攻めていこうか。
・どうする?
→スカートの中
このまま胸を攻める
言葉責め
手を引く
手を引くなんてもってのほかだな、この機を逃す手はない。言葉責めは……また今度の機会にしておこうか。
ずっとこうしていられる訳ではないし、いつ動き出すかわからんしな。ここは手早く進めるか。
・どうする?
まさぐる→スカートの中
「あっ……や、ちょっ──先生っ!!」
膝丈程の長さのスカートをたくし上げ、下着の中に手を入れた。幾らか汗ばんだ茂みの中心はまださほど濡れてはいないようだ……少しほぐしておこうか。
・どうする?
指入れる→秘所
手探りで花弁を掻き分け、柔らかな割れ目に指を二本差し込む。粘液を纏わり付かせるようにして指を動かしてみると、奥から温かい愛液が零れ出し、下着と内股を濡らしていった。
「あぁ、くうっ……んんん……」
首を振って抵抗の意思を示しているようだが……身体は正直だな。 この調子なら最後までしても──
「「───!?」」
突然、室内がガクンと大きく揺れた。 辺りがいきなり明るくなり、闇に慣れていた目には痛い程の光が入り込んでくる。
動き出したのか……
しばしの眠りから覚めた鉄箱は、何事もなかったかのようにのろのろと上昇を始めている。
ついさっきまでこの腕の中で息を荒げていた彼女もまた、ぱっと身を離し、隅の方で真っ赤になって俯いている。
俺は小さく溜め息をついた。安堵というよりも……正直落胆の方が濃い。
・どうする?
話す→洋子
「……あー……」
このままでは余計に溝が深まってしまう。しかし気の利いた言葉が出てこない。
と、その時、彼女の方から口を開いてきた。
「こ……こういう事は………」
次の一言に、少なからず驚きを覚えたのは言うまでもない。
「……夜になってからにして下さい……」
どうやら、俺はまだ……
"ツキ"に見放されてはいなかったようだ……
to be continued……