<那由多龍>
お嬢、すみません、やっぱり冬場は焼きそばの売れ行きが厳しくて、どうしてもプレゼントを買う費用が出せませんでした。
俺、お嬢を幸せにしようと頑張ってきたのに、苦労ばかりかけて、ううっ、ぐすん……。
龍さんさえいてくれれば何もいらない、って?俺もです!お嬢さえいれば、たとえ火の中水の中、はたまた弾丸の降り注ぐ出入りの中!……え、違う?
そうだ、町でやってるイルミネーションを見に行きましょうか、お金はないけど手っ取り早くクリスマス気分が味わえますから。
そして家に帰ったら、俺にお嬢をください。俺も、たっぷりとお嬢にあげますから。いいですね?
<朝生義之>
……お前からのクリスマスプレゼント?ふん、安っぽいデザインのネクタイだが、まあ、いい。仕方なくもらっておいてやる。
おい、何なんだその小汚い服装は。私に恥をかかせるつもりか?さっさとこれに着替えて来い!
……よし、お前でも何とか見られるようになったな、高級ブランドのオートクチュールはやはり違う。馬子にも衣装、とはよく言ったものだ。
服のサイズがよくわかったな、だと?毎晩お前を抱いている私が、それぐらいわからないはずはないだろう。
い、いいから、早く出かけるぞ!ディナーの後はホテル最上階のスイートを取ってある。意味はわかるな?
わ、わかったから人前でベタベタするな、うっとうしい!
<天音京吾>
ごめんね、この時期のケーキ屋は戦場だから、バイト終わるのが遅くなってしまって。日付が変わる前に帰りたかったんだけどね、本当にごめん。
……このケーキ、君と一緒に食べようと思って、店長に頼んで取っておいてもらったんだ。遅くなったけど、僕たちのクリスマスはこれからだよ。
バイト帰りのコンビニで、シャンメリーと、フライドチキンも買ってきたよ。僕達まだ未成年だからお酒は飲めないけど、少しでもパーティー気分を味わおうと思って。
これ、僕にプレゼント?開けてみてもいいかな。……スノーボールだ、すごく綺麗だね。ありがとう、君から素敵なプレゼントをもらえて、とても嬉しいよ。
……今夜の君は、僕だけのものだよ。朝まで離さないから、ね?
<武藤一郎>
……クリスマス?そんなの、めんどくさい……。
ああ、今ちょうど、お前の絵ができた。……欲しいなら、持っていけば?
何か欲しいものはないか、って?……カレー。お前の作ったカレーが食べたい。
……やっぱり、カレーより、お前がいい。今すぐお前を、俺の色に染めたい……。
<灰谷仁>
クリスマス、か。……俺がアメリカに留学していたころは、家族や友人にカードやプレゼントを贈るのがメインで、日本みたいにバカ騒ぎをする日ではなかったぞ。
ほら、お前へのプレゼントはこれだ。俺が作った熊のぬいぐるみ。
サンタの帽子をかぶせて、ちゃんとクリスマスバージョンにしておいたからな。……喜んでもらえたなら、俺も嬉しい。
……これを、俺に?ほう、有名ブランドの万年筆じゃないか。これなら、カルテに記録を書くのもはかどりそうだ。ありがとう。
今日は、俺の腕によりをかけた手料理を用意してある。お前と二人で食べようと思ってな。……なあ、今夜は泊っていくんだろう?
<喜多川戴正>
おう、嬢ちゃん、今日も元気そうだな。熱心にバイトしてくれてとても助かってる。お袋も大喜びだ。
……これ、いい年のおっさんがちまちま作るようなもんじゃねえけど、クリスマスリース。よかったら部屋に飾ってくれ。
このリースにはドライフラワーをふんだんに使って、バラのオイルをしみこませてある。リラックス効果は抜群だ。
お、嬢ちゃんからもプレゼントをくれるって?……これは、新しいエプロンじゃねえか。
確かに、俺にはいい加減ピンクは似合わねえ、と思ってたところだからな。ありがたく使わせてもらうぜ。
……その、今日お袋は町内会の旅行で、温泉に行ってて誰もいねえんだ。よかったら、上がっていかねえか?
<遠藤康成>
お嬢、クリスマスですよ、ク・リ・ス・マ・ス!ツリーの飾り付けして、ケーキとチキン食べて、プレゼントの交換して!
え、はしゃぎすぎ?……俺、お袋が看護師だから、クリスマスも仕事に入って一人で過ごすことも多かったんですよね。
プレゼントはもらえたけど、やっぱりにぎやかなクリスマスに憧れてて。……すみません、なんだか湿っぽい話になっちゃって。
あ、これ、俺からっす。つまんないものですけど、このバレッタ、きっとお嬢に似合うと思いますよ。
お嬢からもプレゼントが?……あ、これ、手編みの手袋じゃないですか。わざわざ作ってくれたんですか?感激っす!ありがとうございます。
え、今夜、ですか?それは行きたいのは山々ですけど、お嬢の部屋になんか行ったら、若頭に殺されちまいますよ。
……じゃ、じゃあ、みんなが寝静まったころに行きますから。待っててくださいね?