「やっぱりカワイイなー」
霧山は自分の子供を見ると自然とこのセリフがでてしまう
そして、いつもの様に最愛の我が子にチューをしていると、何か視線を感じキョロキョロと廻りを見ると子供の母親がハンカチを噛んでいるのが目に入る
「三日月君何してんの?」
「三日月じゃないもん。もう霧山だもん」
母親らしからぬ羨みの目を自分の子供にむけている
「三日月君は三日月君じゃないのさ。ねー」
子供に同意させる様に話し掛ける姿にまたハンカチをギリギリと噛みだす
「私にチューは?」
「子供にヤキモチを妬くなんて、あんな大人になっちゃ駄目だよ」
霧山の言う事を子供はわかったのか、わからないのかダーと手をバンザイして返事をした
「し、しどいわー」
ドタドタとどこかに走りだした。
いつもの様に時効管理課だろう
「一応僕の奥さんで君のお母さんだからね」
子供を抱くと愛する家族を迎えに二人は職場へと足を進めた