私は目を閉じる  
何故?と言われると困るが閉じる事で感じる事も多いのだ  
霧山君の体温や、霧山君の唇の柔らかさや、ちょっとくすぐったい霧山君の鼻息や霧山君の声とか色々がこうねリアルにわかるの  
 
(あ、ヤラシーんだ)  
 
初めは軽いキスだったのに気がつけばもうディープへと変わっていた  
喋る事が出来たら言っていたであろう言葉も、霧山君の唇で防がれている  
BGMがない分クチュクチュと生々しい音が耳に入ってくる  
 
「ん…」  
 
食いしん坊な私は霧山君の味をしってからというものずっとこれに夢中だ  
胸がトクンてなって知れば知るほど離したくない珍味的味わい  
それを離しまいとキュと霧山君の抱きしめる腕が強まっていく  
 
「ん?」  
 
霧山君が私の行動に疑問を感じたのか行為を続けたまま聞いてくる  
 
「んーん」  
 
私はそれを否定する為にさらに霧山君を貪る  
涎の交換が追い付かないで口から溢れてくるのも気にしないでただ霧山君を求める  
 
「ん!」  
 
服の上から胸に優しく手が触れる  
目を閉じているのがわかっているのか霧山君の手は大胆に攻めてくる  
指が私を求めて器用に動いてるのを感じる  
 
「んーんんんんん」  
 
別に離したくないけど、離そうとしても膝に力が入らなくなっている  
 
「んー♪」  
 
イジワルなトーンの後に霧山君の膝がスッと私の膝に入ると、緩やかに前後して私の敏感な部分を責めてくる  
快感に耐え切れなくなって、そこで私はようやく唇を離し体を預けるように顔を肩に載せた  
 
「んっ」  
 
出てくるのは、いつもの私らしくない声と吐息だけだった  
ようやく目を開くが恥ずかしさと快感でちゃんと霧山君を捉えられない  
心臓はこれ以上ないくらい上下して、下はというと…  
「ヤラシーんだ。口からいっぱい涎でてるし」  
 
耳元で小さく呟くと胸を触っていた手が膝の方に下がっていって、お気に入りの下着の中に吸い込まれていく。  
いつもは優しい人差し指がちょっと強引に割れ目を沿ってくる  
濡れているのがばれると、私の目はこれからの行為を堪える為に自然と沈んでいった  
 
「言わして貰うと、三日月君は食いしん坊だからやっぱり一本じゃたらないじゃないでしょうか?」  
 
「ん」と小さく頷く前に、霧山君の中指と人差し指は濡れている部分に深く入りこんでピストン運動を繰り返していく  
一回の動作の度に爪先から頭の先まで電流が走る  
口から涎はとまらないし、下着はもうビシャビシャで下着の意味をなしていない  
 
「指でいいの?」  
 
いじめっ子な霧山君は指を止めたり動かしたりして焦らしてくる  
 
「キ」  
 
「木?」  
 
わかってる癖にわからないふりをしてくる  
 
「シュ、キュ」  
 
口が上手く廻らない  
頭が快感でおかしくなってるのかもしれない  
 
「手記?」  
 
ニヤニヤしながら指は止める事はない  
 
違うノ、私が欲しいのは  
 
「キシュしれ」  
 
近所迷惑なんて関係なく大きな声で意思を伝える  
トロンとした薄く開いた目からは霧山君のあの微笑みが入ってきた  
それだけで果てそうになるけどまだ我慢しなくちゃ駄目って意識を集中する  
 
「わかってるって」  
 
言葉を合図にいつもより優しく、ヤラしく、愛情が篭ったキスがやっときた  
お預けをくらった犬みたいに体がただ唇に向かって動いていく  
 
「しゅき、たいしゅき、あいひてるの、きりやまくぅんん」  
 
舌と舌が触れると次の瞬間にピンと爪先立ちになって痙攣が起こった  
そのすぐあと全身から力が抜ける  
幸せに包まれながら世界は真っ白になっていった  
 
体にもたれ掛かっている動かなくなった三日月を見つめ、霧山は髪を撫でながらクーと例の高音の笑いをした  
 
「三日月君聞こえてる?  
僕はキスの時は目を開けてるんだよ。  
やっぱりさー、好きな人はしっかり目に焼き付けたいでしょ?」  
 
そう言うと三日月のオデコに優しくもう一度軽いキスをした  
 
 
おしマイケル  
 

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