「あ、もう原稿終わったの?」
「なんとか…あ〜、腰むっちゃ痛いわ〜」
「お疲れさま。ゴハンあるけど食べる?」
「あ……俺の分もあんの? じゃあもらおかな」
「ちょっと待って、温めるから」
「あ……や、やっぱりゴハン、後でいいわ…」
「え?」
「あ、えと……やなくて、やっぱ先食べよかな…」
「何、どっち?」
「み、美鈴ちゃんはお腹減ってんの?」
「あ、あたしは先に食べちゃったから。
早く終わるって解ってたら待ってたんだけど…」
「そ、そう。美鈴ちゃん先に食べたんか…」
「ごめん。怒ってる?」
「い、いや! 怒ってへんよ! それは別にええねん!」
「?」
「あ〜……えっと……」
「何よ、さっきから変だよアンタ。寝不足で頭まわってないんじゃない?」
「ちゃ、ちゃうねん、その……ゴハンより先に……その…」
「え?」
「ず……ずっと原稿にかかりっきりやったから……ご、ご無沙汰やったなぁと…」
「ご無沙汰って……」
「そ…そやから……その…あ、あかんかな…」
「! バ、バカ、アンタやっと原稿終わったのにまず最初にソレ!? 」