さつきの手がスカートに入ってちなみのパンツをずりっと  
脚の付け根にずらす。  
晒されたところが外気に触れてすーすーして、ちなみはぶるりと肩を震わせた。  
スカートとは無防備なものである。  
胸がどくどく煩い。身体が熱い。手摺に縋るようにして捕まる自分の手の  
感触が解らなくなる。混乱してくる。  
夏の炎天下、ハッハッと息を乱している犬が脳裏に浮かんだ。  
鏡を見たら正に今、そんな顔をしている自覚があった。  
そこは、昨夜さつきによって綺麗に剃毛されてた為に、何もしてなくても  
ぬるついた液が出てくるくらいに、布に擦れるだけでも感じるくらいに敏感になっているのだ。  
触らないで欲しかった。  
もう嫌だ、恥ずかしい、やめたい、そう思う。涙まで出てきた。  
なのにニチャッと音をたててさつきは人指し指でちなみの花弁の表面を一撫でして、  
にやりと笑った。ぐいっと指まで一本挿し入れてくる。  
ひっと息を飲んでちなみはあやうく声をあげそうになるのを押し留める。  
―もう、ヤだ。ちなみ、帰りたい。早く、早くこんなところ帰りたい。  
こんなところとは、映画館である。  
映画館の立見席、演目は踊るシリーズ最新作で今なんか大音響で戦闘機がバリバリ音をたてて  
スクリーン画面上を飛び回っている。  
流石にこれだけ映画鑑賞客が立見席にも座席にも芋煮状態でいれば―  
しかも映画だけあって皆スクリーンに夢中だ―こんな如何わしい事をしていてもバレはしないとは思うのだが。  
その上、ちなみの両脇には後ろから覆い被さる様にさつきが上体を屈めているため、さつきの羽織っている  
ロングコートが丁度人から見られない様にするバリケードの役割を果たしているので見つかりはしないと思うのだが。  
こんな人のいるところでエッチなんて意外と常識人のちなみには耐えられない。  
―今すぐこの猥褻行為をやめることをちなみは要求します! うえーん助けて真下さーん!  
スクリーン上に呼びかけてみたが、有能な交渉人にその声は当然届かず  
あろうことか恋人の写真を飾ってにやにやしているのが目に入る。  
―この腐れ交渉人がぁっ!  
きーっと頭を掻き毟りたくなったがそれも出来ない。  
さつきがコートに腕を通さず中でちなみを弄っている為、ちなみはそのコートが万が一にも  
さつきからずり落ちてしまわないようコート毎手摺をぎゅっと掴んで中から押さえておかねばならないのだ。  
お陰で悪戯な手を抓る事も出来ずにちなみはただ、されるがままである。  
―さ、最悪です……っ  
二人の関係は、ちなみがとある人物に失恋をして、それをさつきが慰めたのが始まりである。  
『それなら先輩がちなみの彼氏になって下さい』  
そんなふざけ半分で言った一言から。  
―なんでなんでなんでちなみあんなこと言っちゃったんだろ  
ちなみは今猛烈に後悔している。  
こんな痴漢魔とは思いませんでした! くらいは言ってやりたい。  
さつきの指がもう一本中に増やされたのが解った。  
続けざまにもう一本増やされ、小刻みにグラインドされる。  
我慢できなくなって手摺に顔をつけるように俯き、尻が突きだすような姿勢になってしまう。  
しかしさつきはそれを許さないとでもいう風にちなみの尻をピシャリと叩いた。  
―ちなみは家畜ですかっ。ブチ殺す。絶対後でブチ殺す〜!  
そんな怨嗟の声を心で唱えても中の指が中を好きなように弄るのを止められはしない。  
 

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