「あ〜あ、今日も撮った映像の編集しなきゃなぁ。それにしても・・・痛ててて」
登校してくるなり腰を押さえる真中。
「昨日は大草とやりまくったからなあ。ちょっと無理しすぎちゃったかな・・・」
大草との甘い時間を思い出して一人ほくそえむ真中。乱暴な小宮山と違ってやっぱり紳士だったな大草は。
上履きを出そうと下駄箱を開ける。「あれ・・・?何か紙が入ってる?」
まさか、ラブレター?!などとありえない妄想にドキドキしながら紙を広げて見る。
「ん?登校しだい至急部室に来られたし。・・・そ、外村?」
意外な人物からの呼び出しに真中はちょっと面食らった。「まさか・・・美鈴ってことはないよなあ。
外村なんでこんな呼び出し方を???」
どうしても疑問は薄れなかったがもしかしたら製作中の映画のことかもしれないと思い部室へ向かうことにした。
ガララッ・・・・・・「よう、真中おはよう。」部室では外村が椅子に座って足を組みなぜか偉そうなポーズで待っていた。
「外村。何かあったのか・こんな朝一で呼び出して。」「ああ・・・まあ別に放課後でもよかったんだが部活動があるしな。
二人だけで時間が取れるのは今の時間しかないかと思ってさ。」「はあ?人に聞かれたくないような話なのか?」
真中はなにやら嫌な予感がしてならなかった。ずっと外村はニヤニヤした顔でこっちを見てるからだ。
「まあそういうことだな。聞かれたくないのは俺じゃなくてお前のほうだろうけど。」
そういうと外村は立ち上がり歩いてきて扉に鍵をかけた。「お、おい・・一体・・?」
言い知れぬ不安が真中の心を覆っていた。逃げ出したい衝動にも駆られたがなぜか足が動かなかった。
「おれさぁ・・・見ちゃったんだよなあ。」教壇に片手をかけて話し出す外村。
「見、見たって・・・な、何を・・・」やましいことなら身に覚えがありすぎて言葉もしどろもどろになる。
「この前さあ・・・サッカー部の部室でさあ・・・」え・・・?サッカー部の?ま、まさか・・・・
「その日はサッカー部の練習は休みだったはずなのに中に人がいたんだよねえ。ふと前を通りかかったらサ。誰だったと思う?」
真中はもう冷や汗が顔面を覆わんばかりに滝のように流れていて一言も吐き出せなかった。
「あえぎ声が聞こえたからこれは良いものが見れると思ったら・・・なんと!大草とヤってたのは」
「やめろ!」真中はそう叫ぶので精一杯だった。「外村・・・お前・・・・俺をどうするつもりなんだ・・・?」
外村はあいかわらずニヤニヤとした表情のままわざと核心から外して話をする。
「俺もよく女の子とはハメ撮りとかまでしたりするけどさあ。最近マンネリで飽きてきたところなんだよ。
俺のHPも人来なくなってきててさ。ここらでちょっと新機軸な企画を打ちたてようかとね。」
・・・ああ、俺はやっぱりこの時是が非でも鍵を開けて逃げ出してればよかったんだ・・・真中は後にそう思った。
-----つづく・・・・かな?-------