ふとした瞬間、ほんの少し会話が途切れ、お互いが見つめ合う。  
 気がつけば、くちゅくちゅと唇を重ね合っている。  
 初めてキスしてから、何回のキスを重ねただろう。はじめはお互いの唇と唇が触れあうだけだったものが、いつの間にかお互いの愛を貪り尽くすかのように舌を絡ませ、唾液を混ぜ合わせるものになっていた。  
 それは大人になった証明だったろうか。それだけ、愛が深まったということなのだろうか。  
 照れと、恥ずかしさと、それでもまだそういうものを感じながら、キスを続ける。唇が触れあえば、お互いの体も密着する。それもまた親愛の証だろうか、彼女は淳平の上に乗り、肌と肌を触れあわせて腕を体に絡ませる。  
 言葉はそれほどおおくは要らない。じゃれあっているだけで心と心が通じ、そしてそれが幸せだった。  
 
 
「淳平くん、堅くなってるよ…」  
 ちょうどお腹のあたりに堅く生暖かい棒のようなものを感じる。わざわざ言葉にしなくても、それがなんであるかは既にわかってはいるが。  
「だっ、だってしょうがないだろ、こんなキスをしたら…」  
 焦りながら、言い訳をする。そんな淳平を彼女は咎めずに、ただ顔を赤らめて言う。  
「淳平くんのえっち…」  
 そして彼女の手は淳平の膨らみを包み込むように触った。  
「昨晩、あんなにしたのに、もう元気なんだ…」  
「あ、ははははは…」  
 詰問されて、淳平は空笑いをするしかない。  
「きっと淳平くんの子供ってすごく元気だよね」  
 パンツの上からペニスの形を探るように彼女はゆっくりと撫でる。  
 「子供」といえば、つまり自分と彼女との子供なのだ。それは妊娠するということでもあり、自分が彼女を孕ませるということでもある。彼女のお腹がぽっこり膨らんでいる姿を想像して、よりいっそう、興奮した。  
 
「あん、びくって動いた。こら、淳平くん。おとなしくしないと、お仕置きしちゃうぞ」  
 ぷっくりと頬を膨らませてペニスに向かって怒る彼女はすごく愛らしい。  
「お、お仕置きって…」  
 淳平の問いかけに彼女は直接は答えず、ただペニスを愛撫することで返事した。  
 パンツの上からでも、彼女の小さな柔らかい手の感触がはっきりと伝わってきて、すごく気持ちがいい。はじめの頃は不器用な手つきでさすがに右肩上がりで快感を与えてくれるものではなかったが、最近はコツがわかってきたのか、焦らすように手を動かしてくる。  
「あっ、気持ちいいよ、あっ、うっ…」  
 どれくらいしごけば淳平が射精するのかもよくわかっているようで、逝きそうになると急にゆるめだし、淳平が切なそうな顔をするのを見て楽しむ。  
「だめだぞ、淳平くん。これはお仕置きなんだから、簡単にはいかせてあげないんだから」  
 クールダウンさせられていたとしても、もう限界はすぐそこまで迫っていた。  
「あっ、だめだって、これ以上したらパンツが汚れちゃうって!」  
 もう既に大量の我慢汁によってトランクスには大きなシミができていたが、それよりもやはり、どうせ出すのならパンツの中ではなく、彼女にかけたかったし、または口の中に出して飲み込んでほしかった。それでも彼女はいたずらっぽく微笑んで否定した。  
「だーめっ。お仕置きだって言ったぞ。それに、いいよ、パンツを汚しても。あたしがちゃんと洗濯してあげるから」  
「えっ、あっ、やっぱりだめだって、あっ、ううっ、出るっ!」  
 びくっと大きく体を震わせて、淳平は逝ってしまった。  
 恍惚とした表情で、彼女が汚れたトランクスを手洗いで洗濯をして、そして干している姿を妄想しながら、ぐったりと床に寝そべる。  
 はぁはぁと息を荒げながら意識が遠くなる瞬間に、彼女は「本番は今夜ね」と軽いキスをした。  
 
 

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