「ちょ、ちょっと待って!あたしやっぱり…」
つかさの慌てふためいた声が、ホテルの一室に響いた
「んっ…」
それを遮るように、大草はつかさの唇を奪い、舌を絡めて行く。
「んっ…はあっ…」
つかさは真中とは違う、大草の濃厚なキスに自分が反応し始めていくのを感じた。
「今更逃がさないよ」
そういうと大草はつかさの左胸をゆっくりまさぐっていく。
「ダメ!あたしやっぱり…」
わずかに残った理性が、わずかな抵抗を示す。
「もう止まらないよ」
両手でつかさの腕を押さえつけた大草は、唇、胸、そしてやがてつかさの秘部へと唇を這わせていった。
「んっ…ああっ…あ、あたし…」
淳平くん…
心の中で呼びかける。
それは、真中への愛が消えゆく瞬間だった。
クリスマスの夜が、静かにふけていく頃、大草は街の中にいた。
一緒に過ごしたい特別な人の姿はそこにはなく、ただ幸せそうな恋人達の姿だけが目に映る。
女子にはモテモテだが、一定期間の間女子と交際をしたことはなく、大草は幸せそうな恋人達にどこかあこがれていた。
だからといって、恋人にしたいと思える女性には今まで巡りあえなかった。
いや、たった一度だけ、人を好きになったことがあった。
だがプライドの高い大草は、自分から告白などできず、やがてその女性は自分の友人に抱かれることになった。
クリスマスに一人だと、さすがに落ち込むな。
そう思った大草は、足早に家路を急いだ。
「!」
その時、ふと通りかかったケーキ屋に、見覚えのある女性の姿があった。
「また…綺麗になったんだな…」
大草は、つかさを見て切ない声を出した