「すげぇ……」  
ひくひくと蠢く蜜つぼを眺めてから、右島はゆっくりと身体を起こす。  
手を離したとたんにこずえの脚がくにゃりと折れる。  
「すご……い……」  
はふ、と荒い息のままこずえが呻くように言う。  
「そんなに気持ちよかったのかよ?」  
あえて苦笑しながら言う。こずえはてっきり、また意地を張るかと思ったが、  
「……死んじゃうかと思ったよぉ……」  
うっとりとした目つきで、こちらを見ている。  
(ずいぶん素直な)  
意外に思ったが、それはそれで可愛いので右島はにやりと笑う。  
「ねぇ……」  
「あ?」  
ベッドの下からコンドームの箱を取り出していた右島に、こずえが呼びかける。  
「なんだよ。今ゴム出すから待ってろ」  
「右島くん……」  
「そんなに入れて欲しいのかよ?」  
催促するように言うこずえに、右島は苦笑しながら振り返る。  
すると、すぐそばにこずえがいた。いつのまに起き上がったのだろう。  
彼女はこちらを見ながら、何かを言おうとしているのか、口を開けたり閉じたりしている。  
「……なんだよ」  
不思議に思って聞き返すと、彼女は恥ずかしそうに、  
「不公平、だよね」  
先ほどの右島の台詞を、こずえがいう。  
「は?」  
「……あたしばっかしてもらったら悪いよね  
そういうとこずえは恥ずかしそうに右島のトランクスを指差す。  
「あたしも、してあげよっか」  
 
「いいよ」  
右島は即座に断った。  
フェラ自体は嫌いではなかったが、……正直、こずえにテクニックは期待できないだろうと思ったからだ。  
せっかく乱れるこずえの痴態に高ぶっていたソレが、稚拙なフェラで萎えるのもいやだったし、  
なによりも、処女にいきなりそんなことをさせるのはひどいかと思ったからだ。  
「でも……」  
「いいって」  
「平気だよ?あたし」  
それでもこずえは食い下がる。右島は苦笑すると、  
「なんだよ。向井おまえ、俺のをくわえたいわけ?」  
冗談交じりにそう言う。そう言えば、こずえも顔を真っ赤にして否定するだろうと思ったが、  
――予想外の言葉が返ってくる。  
「見たい……な」  
「…………は?」  
たっぷりと三秒ほどあけてからぽかんと聞き返す。こずえは恥ずかしそうにもじもじと身体をくねらせながら、  
「右島くんを、気持ちよくさせてあげたいの」  
こずえの悩殺・潤み上目遣いに、右島はくらくらと眩暈がしたような気になった。  
「別に……いいけど」  
「ほんと?」  
ぱ、と表情を明るくしてこずえが言う。ただ肉棒にしゃぶりつきたい淫乱な女、というわけではなく、  
単純に右島を喜ばせたいだけなのだろう。それは、こずえを見てればすぐにわかる。  
「……ひゃっ……」  
右島が腰を上げてトランクスをひき下ろすと、半分ほど力を得たソレが、どーんと現れた。  
体格のいい右島なので、ソレもそれなりのサイズを誇っている。  
 
「すごい……男の子って、みんなこんなになっちゃうの?」  
「そりゃ人によるだろうけど、真中はこんなにはなかったな」  
トイレで鉢合わせた時に、真中が右島のものを見てため息をついたことを唐突に思い出す。  
こずえはへぇ、と呟いてから、まじまじと右島のものを見る。  
そんな風に見られるのは初めてだったので、妙に恥ずかしさを覚えた。  
「弟のと全然形が違うよぉ……」  
「弟いくつ?」  
「小1」  
「そりゃそうだろ……」  
ズル向けの小学校一年生なんていたら、中学校時代の右島は多分立ち直れないだろう。  
「すごいー……」  
いやらしいものを見るという目つきではなく、単純に珍しい生き物を見ているようなこずえ。  
「さわっていい?」  
「……どうぞ」  
「わぁ……」  
こずえの手が、おそるおそる右島自身の先端に触れる。  
「あったかい……」  
つんつんと蛇でも突くようにこずえが触れる。  
(……なんだかなぁ)  
右島は唐突に思う。  
ふたりきりの部屋の中で、つい数分前まで右島はこずえの秘所を思う存分に味わっていた。  
そして絶頂に達したこずえは、今は活き活きと右島のそれを突いたり触ったりふにふにと揉んだりしている。  
(これでいいのか、受験生……)  
実験動物を弄ぶようなこずえの仕草に、少し火照った体が落ち着くような気がしていた。  
が。  
「っ……!!」  
突然、柔らかいものが右島自身を撫でるように触れる。  
物思いから戻って視線を下げると、こずえはベッドに肘をつき、  
寝そべりながらアイスを舐める子供のように、ぺろぺろと右島自身を舐め始めていた。  
 
「向井っ……!?」  
見るだけか、せいぜい触るだけだと高をくくっていただけに、口をつけられた右島はひどく動揺する。  
だがこずえは呼ばれても答えずに、一心にソレを舐め続けている。  
「…………っ、」  
たちまち、半勃ちだった右島のソレが勢いを増して、膨れるようにむくむくと膨張する。  
「!」  
こずえは驚いたように手の中のソレを見ていたが、すぐにまた舐め始める。  
空いた手で、ふくらみを揉むことも忘れてはいない。  
「……っ……」  
「あんまり気持ちよくない?」  
こずえが舌を止めて、右島を上目遣いで見つめている。  
構図が、あまりにも出来すぎている。こずえの色気はすさまじいものになっていた。  
火照った顔。汗ばんだ手。華奢な手が握る、右島自身。  
どくんと心臓が跳ねた。  
「っ……いや、……」  
だが右島はそれだけ呟くのに留めた。というより、それ以上何かを言ってしまうと、  
喘ぎ声が漏れてしまうような気がしたからだ。  
「あたしばっかり声出てて恥ずかしかったから、右島くんにも声出して貰おうと思ったのにな」  
むう、とすねた様に口を尖らせるこずえに、右島の減らず口がつい飛び出す。  
「ばぁか。おまえ今日初めて男のチンコ咥えたんだろ? そんな初心者に、俺が声を出すと思うか?」  
「むっ!」  
こずえはぷく、と両頬をリスのように膨らませる。可愛い、とつい右島は思ってしまう。  
「あたしだって、実戦は初めてだけど、なんも知らないわけじゃないんですからね!」  
「はぁ? じゃ、俺をイかせてみろよ」  
こずえの虚勢としか思えない言葉に、反射的に言い返してしまってから――  
「ふんだ!」  
右島は、大いに困ることになった。  
 
ぱく、とこずえが先端のカリの部分だけを咥えた。ぴくりと体が動いてしまうが、当然声は出さない。  
「……そっ……その程度じゃ、全然ヨユー……」  
言いかけた、その時だった。  
ちゅうう、とものすごい吸引力で、カリを吸われる。  
「んぅ……」  
こずえが空いた手で、自分の秘所に手を伸ばす。ぬちゅ、と未だに蜜の溢れるそこに触れたのか、いやらしい音がする。そしてこずえは、ぬるぬるになった手のひらで、右島の竿の部分をぎゅ、と掴む。  
「ん…………!」  
さすがに小さく声が出てしまう。だがこずえも吸うのに夢中のようで、聞こえていなかったようだ。セーフ。  
だが、それも一瞬だけだった。  
「くっ!」  
こずえの手のひらが、竿を上下し始めた。  
相変わらず、カリを吸い上げながら、だ。  
「……っあ!」  
歯を食いしばるが、ほとんど無駄な抵抗だった。こずえはその声にちらりと目線だけを上げると、右島の先端を咥えたままでこちらを見た。妖艶な笑み。どうしようもない淫乱女の表情だ。  
吸い上げながら、こずえは硬くした舌先でちろちろと先端の割れ目をなぞるようにする。  
「ん、」  
こずえが呻く。先走りでも出てしまったのか、顔が少し歪む。罪悪感を覚えた。  
だが、逃れようにもこずえの厚い口唇はしっかりとカリを吸い込んでいるし、小さな手のひらは竿を上下している。  
正直、咥え込まれるよりも快感の波は強かった。  
「くうっ……!」  
もう、声を抑えることなんて出来なかった。ただ、出すのを遅らせようと自制することしか出来ない。  
右島の限界を知ってか知らずか、こずえはカリの先だけを咥え込んでいたのを、中ほどまで伸ばす。  
「うあっ……!だめだ、向井!もう……離、せっ!!」  
 
ぶるぶると下半身が震える。もう、きっと先走りどころではなく、それ以上のものがにじみ出ているだろう。  
こずえの口の中に出すのだけは避けようと、右島は堪える。だが次の瞬間、こずえが思い切りカリを吸い上げた。  
同時に、れろれろと舌先が割れ目をそっと撫でる。強力な吸引とは対照的に、焦らすような動き。  
「だめ、だっ……!くあ!」  
それがほとばしる瞬間、右島はこずえの口から逃れようと身を引く。だが、  
「ひゃああっ!?」  
間に合わず、最悪な状況――思い切り、こずえの顔面に右島の精液が降り注ぐ。  
「はうっ……!!」  
びっくりしたように目を閉じるこずえに、放出した脱力感で右島は何も言えない。  
ただぜぇぜぇと肩を振るわせるだけだった。  
「っ……はぁっ……悪、い……」  
恐る恐るこずえが目を開けるこずえの華奢な顔中に、右島の精液が張り付くように滴っている。  
「口に出すよりひでぇな、こりゃ」  
心底悪いと思って、右島は枕もとのティッシュケースから数枚乱暴に引き抜くと、  
「本当、悪い」  
言いながらこずえの顔を拭う。だがこずえはぶんぶんと顔を振ると、  
「口に出してよかったのに」  
……どこか残念そうな言い方なのは、気のせいだろうか。  
「いや、初めてでいきなり口に出すのはひでぇだろ」  
「そぉかなぁ」  
こずえは右島に顔を拭かれるがままになっていたが、彼が口元を拭こうとするのを手で押しやると、  
「右島くんのだったら、大丈夫だけどな」  
そう言って、口唇の脇についたそれを、ぺろりと舐める。こずえの舌先が粘り気のあるそれを絡めて、ごくり、と飲む。  
 
「向井、」  
思わずきゅん、としてしまってから、右島は手を伸ばす。こずえの髪に触れながら押し倒そうとすると、  
「向井、じゃなくって」  
「え?」  
こずえの指が右島の口唇に触れた。意味が解らなくて見返すと、彼女は恥ずかしそうにはにかみながら、  
「……こずえ、だよ?」  
きゅううううん、と、右島の中で何かが三度崩れるような衝撃があった。  
 
そのまま右島は枕元に放置してあったコンドームをもどかしく開けると、さっさと装着する。  
そのままこずえ髪神にもう一度手を伸ばす。  
「大好きだよ、右島くん」  
こずえが、恥ずかしそうに、愛おしそうに、手を伸ばしながら言う。  
「俺もすげぇ好きだぜ、こずえが」  
ガラにもなく釣られてしまってから、頬が紅潮するのに気付いたが、こずえがものすごく幸せそうだったので、無視する。  
「ん……」  
右島の口唇が重なり、舌がするりと入ってくる。こずえのもう慣れて、応戦するように、ずいぶんなめらかに舌を動かすようになっていた。  
ちゅるりと舌を抜くと、名残惜しそうにこずえの舌が追ってくる。右島はもう一度口唇を微かに開いてこずえの舌を迎え入れながら、ゆっくりとこずえを押し倒す。  
押し倒すようにしながらディープキスを続ける。  
 
「あんっ!」  
こずえの豊満な胸の突端を思い出すように指で摘む。  
「んん……!」  
そのまま手を滑らせて、へその辺りをさするように愛撫してから、こずえの脚の間に身体を割り込ませるようにして脚を開かせる。  
「ひあっ……んむ!」  
キスの途中でこずえが口唇を離して声を上げる。  
だが右島はそれを許さずに、口唇を被いかぶせると舌を侵入させる。  
「んんん……!」  
器用に口唇を重ねながら、それでも確実に右島の手はこずえの身体を滑っていき、  
まだ潤っているそこに、指を差し入れる。  
「んむ!」  
一本目、中指を真ん中くらいまで入れる。意外とすんなり入るが、それ以上はどうにも狭い。  
(処女ってそういえば、そうとう狭いんだっけ)  
右島が処女とコトをしたのは数年前になるので(今はもっぱら、年上が相手だった。当然、処女などいなかった)  
すっかり忘れていたが、これだと――かなり痛いかもしれない。  
試しに、中指を根元まで入れてみる。  
「いたっ……!」  
「悪い」  
こずえが小さく悲鳴を上げる。右島はすぐに指を抜こうとするが、  
「いい、の……」  
「いや、痛いんだろ?」  
「……いいの!」  
きつく目を閉じていたこずえが、潤んだ目をこちらに向ける。  
単純に感じているだけではなく、きっと痛みのせいもあるはずだ  
「右島くんなら、あたし、大丈夫だよ……?」  
「……こずえ」  
右島は健気な彼女に思わず胸がいっぱいになって、思い切り抱き締めた。  
「だから、来て……右島くん」  
こずえも右島の背中に手を伸ばすと、彼の耳元で囁く。  
「お願い……右島くんの、入れて……?」  
「……無理だったら、すぐ言えよ?」  
 
すぐに頷いたこずえ。右島は身体を起こすと、こずえの膝の裏を押し上げる。  
さんざん絶頂に達した蜜つぼは蜜を充分に湛え、そこにある。  
桃色のそれに、張り裂けそうなくらいに膨張した右島のモノが触れると、こずえがびくりと体を震わせるが、  
すぐに右島を見つめると、頷く。  
にゅぷ、と右島が身体を少し前に動かすと、カリの部分が完全にこずえの中に入る。  
「入れるぞ、こずえ」  
そのまま、にゅぷにゅぷといやらしい音を立てる秘所に、右島のものが吸い込まれていく。  
「痛ぁっ……!!」  
こずえがたまらず声を上げる。ちょうど半分まで入れたところで、右島はいったん動きを止める。  
「……いいよ、来て、右島くん」  
右島が動きを止めたので、こずえがこちらを見た。その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。  
「無理する必要ねぇんだぜ? 別に、今日全部やらなくたって――」  
「いいの!」  
再び強い調子で、こずえが言う。  
「あたしはだいじょうぶだよ。だから、お願い……右島くんのおちんちん、全部入れて……!」  
「……わかった」  
恥ずかしそうに叫ぶこずえに、右島は頷くと身体を動かし始める。  
すぐにこずえが悲鳴のような声を上げるが、彼女の要望どおり、にゅぷにゅぷと右島自身の埋めていく。  
むつ、と何かが引っかかるような感じがして、こずえが仰け反る。だがそのまま右島は、自身の付け根がぴったりとこずえにつくまで、ソレを埋めた。  
同時に、こずえを抱き締める。  
 
「すごい……右島くんのおちんちん、全部入っちゃった……」  
まだ痛みはあるのだろう、涙目でこずえが言う。だが本当に嬉しそうな顔だった。  
「……動いても大丈夫か?」  
聞かないまま、本当は入れた瞬間に腰を動かしたい衝動に駆られていたのは事実だった。  
こずえのそこは初めてというせいもあるのだろうが締りがよくて、ひだが右島のモノに、内部で吸い付くようだった。  
だがその衝動を堪えて、右島は聞く。  
「……大丈夫だよ」  
「初めはゆっくりにするから。無理だったらすぐ止めるから、言えよ?」  
「……右島くん、だいすき」  
こずえは本当に嬉しそうに笑ってそういうと、小さく頷く。  
「ふっ……」  
一度置くまで入ったものを、引いていく。完全に抜ける一歩手前まで下げると、  
今度はピストン運動の要領で再び埋めていく。  
普段の右島のセックスではありえないほどのゆっくりとした動きだが、苛立ちは全く感じない。  
これがただの遊びの女だったら相手のことなど考えずにさっさと動くのだが、  
今はこずえを壊したくない気持ちでいっぱいだった。  
「ん……!」  
奥に入るに連れて、やはり痛むのかこずえが顔をゆがめる。  
右島はこずえが一言でも「痛い」と言い出したらすぐに止まれるように、ゆっくりと何度も出し入れを繰り返す。  
初めに存分に濡らしていたおかげもあり、こずえの内部はまだ充分に潤っている。  
だが、このまま痛みを我慢しているだけでは、もう濡れてこないので、余計に痛みが増すだろう。  
(止め時をちゃんと見極めねぇとな)  
慎重に、こずえの表情と秘所の濡れ具合で彼女の限界を確かめながら腰を動かす。  
 
だが。  
ちゅる、という音がして、気がつくと、自身がまた蜜に包まれているのを感じた。  
「おい、こずえ?」  
違和感にこずえの顔を見ると、彼女は――かすかに口元を開けていた。  
先ほどまで、痛みに耐えるように口をきつく閉じていたのに。  
「ふあ……!」  
ぎゅう、とこずえの手がシーツを掴む。  
ちゅる、と右島のモノが奥まで突き刺さると、結合部分からは蜜があふれ出す。  
「……感じてるのか?」  
「ああっ……!!」  
秘所を舐めた時とも、クリトリスを舐めてイカせた時とも違う表情。  
「すげぇ色っぽい顔してるぞ、おまえ」  
言いながら、少し速度を上げてみる。ちゅぷっ、ぬちゅっ、と秘所がますます音を立てる。  
「こんなの、こんなの、……すご、い……!」  
こずえはもうがくがくと体を震わせている。  
 
こんなの初めて、の意味は右島にはわからなかったが、  
実はこずえは妄想と一緒にクリトリスや指先だけ挿入のオナニーを毎晩のようにしていたのだった。  
だが、さすがに怖くて挿入だけだ出来なかった(それに、初めてがナスだのバイブなのはさすがにいやだった)ので、  
本格的な挿入は今日が初めてだったのだ。  
 
…当然右島は、そんなことは知らず、初めてのくせに、こいつは妙に感度がいいな、などと思っていたのだが。  
 
「やあ、ああん、あああっ、体が変なっちゃうよぉ……!」  
「そんなにっ……感じてんのかよっ……!」  
こずえがぎゅう、とシーツを握り締めるたびに、こずえの内側もきつく締まる。  
とんでもない圧力にあっという間に果てそうになるのを必死に自制しながら、  
右島は攻め立てるように速度を増す。  
じゅぷじゅぷ、と結界寸前のこずえの秘所からあふれ出す蜜がぽたぽたとシーツに落ちる。  
「あ、ああ、も、だめ、だめだよぉ。イっちゃうぅぅ!!」  
殆ど悲鳴のように、こずえが叫ぶ。そして。びくんと体が仰け反る。  
同時にぎゅううう、と締め付けられて、右島も果てそうになるが――ぐう、と、そこは経験者の意地もあってなんとか踏みとどまる。  
「はぁっ、はぁっ、……ああ……」  
がくりを仰け反らせた全身から脱力すると、こずえの目から涙が落ちる。  
右島はこずえに圧し掛かるようにして、目元の涙を拭う。  
だが、まだ右島のソレはこずえの内部に深く埋め込まれたままだ。  
絶頂の余波でひくひくと痙攣する秘所のとどめの攻撃に何とか勝つと、右島はこずえの  
腰を抱き上げる。  
繋がったまま座位のような格好で、こずえが右島にふにゃりともたれかかる。  
「まだ終わりじゃねぇぞ、こずえ」  
「え……?」  
「今度はおまえが動くんだよ」  
右島はこずえと繋がったまま、器用に仰向けに倒れる。  
「やだ、できないよそんなのぉ!」  
「そりゃ、初めてでいきなりは出来ねぇだろ。だから練習するんだよ」  
「え〜?」  
荒かった息も収まってきて、こずえは困ったように言う。  
 
「ほら。自分で出したり入れたりすりゃいいんだよ。簡単だろうが」  
「そんなぁ」  
右島のあんまりな説明に、こずえは泣き出しそうになりながらも、それでも健気に腰を浮かせる。  
ビンビンに勃った右島のソレが抜ける寸前まで腰を上げて、ぬちゅぬちゅと音をさせながら、下ろす。  
「はあっ……」  
「掴まっていいぞ、こずえ」  
右島が片手を差し出すと、こずえは縋るように両手で右島の手を掴む。  
小さな手がつかんでいないほうの手でこずえの細い腰を支えてやる。  
「んんっ……!」  
こずえが顔を上気させて、右島の上で上下に動く。  
「あうっ……すごい、奥まで……入ってきてるのっ……!」  
ぢゅぷぢゅぷとこずえの秘所からあふれ出した蜜が右島の腹部に触れる。温かい。  
「こうすると……イイと思うぜ?」  
いいながら、右島は少しだけ足に力を入れて尻を浮かせる。  
「きゃっ!」  
不安定になってとっさに手を離してしまう彼女の腰を、今度は両手で支える。  
 
「ほら。支えてやるからっ……動いてみろよ」  
「うん……」  
ずっぽりと右島のが埋まった状態から、こずえが腰を上げる。と、  
「ひゃあうっ!?」  
右島がソレにあわせるように腰を浮かせたので、こずえのクリトリスが右島の腹でこすれる。  
「……同時責め……すげぇ威力だろ」  
「あううっ!」  
今度は少し速度を速めて腰を落とす彼女に、また腰を落としてクリトリスがこすれるようにする。  
「あっ……ああっ……!」  
こずえは何かが切れたように、速度を急に上げ始めた。  
右島の胸に両手を置く形で、ぢゅぷぢゅぷといやらしい音を立てながらこずえの体が上下する。  
こすりとられているのは右島も同じなので、何とか果てないように下腹に力を込めた。  
「きゃうっ……あうう、はあああんっ……!!」  
クリトリスがこすれる快感と、右島のものが彼女の内部をこする快感。そして突き上げる快感。  
三つの快感の海におぼれないように彼女は必死で右島に縋りつく。  
「あああっ……!だめ、もうだめ、イっちゃうぅぅぅ……!!」  
彼女の中がびくびくと痙攣をする。もう絶頂が近いのだろう。  
「いいぜっ……イっていいぜ、こずえ!」  
右島は叫ぶように言いながら、下からこずえを突きあげる。次の瞬間、  
「ひあああああああっ……!!」  
ずん、と突き上げられた瞬間、こずえが右島の上で仰け反るように身体を曲げた。  
びくん、びくんと体が跳ねる。じゅわ、と右島の腹に蜜とは違う、温かいものが広がっていく。  
こずえ自身は、まだ自分が失禁したことに気付いていないだろう。  
「うっ……!!」  
ぐうう、と歯を食いしばって、右島は果てそうになるのをまたしても押さえる。  
ほとんど頭の中が真っ白になってしまい、一瞬出してしまったのかと焦るが、まだ大丈夫だ。  
(すっげぇ、ギリギリだったぞ……危ねぇ……!)  
 
「壊れちゃうよぉ……」  
ふにゃり、と今度こそ体の力を完全に弛緩させて、こずえが右島の上に倒れこむ。  
「まだまだ」  
右島はこずえの髪を撫でてやりながら、はぁはぁと息を荒げる彼女の耳元に、  
「だって俺、まだイってねぇもん」  
「えええ!?」  
驚いたようにこずえが顔を上げるが、まだ自分の中に埋まっている右島のソレの存在に気付くと、  
「あたし……全然気持ちよくない身体なのかなぁ」  
少し泣きそうな声。右島は、思わず声を立てて笑う。  
「笑わないでよぉ。結構、フツーにショックなんだから」  
しょんぼりとした声でいうこずえの背中を、右島は両手で抱き締める。  
「ここまでキツいのは生まれて初めてだぜ」  
「え?」  
「俺は、一度イくまで、前戯抜かして最低五回は相手をイかせるのがポリシーなんだよ」  
「なにそれー!」  
こずえが驚いたように顔を上げる。右島はその彼女の頬に手を伸ばすと、  
「だけどもう無理。おまえ相手だと、三回が限界っぽい」  
言いながら右島は体を起こす。乗っかっていたこずえごと起き上がると、  
また座位の格好から、簡単にこずえの腰を掴んで彼女を持ち上げる。  
「んっ!」  
にゅる、と自身が抜き放たれる。  
「今度は後ろな」  
そのままこずえをすとんと下ろすと、自分が立ち上がる。そして、  
「きゃあっ!?」  
もう一度こずえを背後から抱き上げるとそのまま四つんばいになるように座らせる。  
「ベッドの柵を手で掴んどけ。頭打つなよ」  
「う、うん」  
肘を突いた姿勢でこずえが正面のベッドの柵を掴むのを確認してから、  
右島はこずえの豊満な尻を両手で掴むと、開くように押し広げる。  
 
「きゃああっ!?」  
こずえが素っ頓狂な悲鳴を上げて、顔だけをこちらに向ける。  
「お、お、お尻はダメ!絶対、ダメ……!!」  
「……いや、しねぇし。つうか、今日が初めての相手に、アナルなんかしねぇよ」  
(まぁ、初めての相手に三回もするのも、我ながらどうかと思うけどな)  
胸の中だけで呟きつつ、右島は左右に押し開いた。ひくひくと赤くなったそこのすぐ上にある、菊も見てから、  
「こっちは来週な」  
「ええっ!?」  
右島のとんでもない発言にこずえが悲鳴のような声を上げかけたが、  
「入れるぞ」  
こずえの返事もなく根元まで一気に挿入されて、こずえは悲鳴を上げ損ねた。  
「……バックはっ……やっぱ、奥まで入るな……!」  
根元まで完全に埋まった後で、すぐに引き抜く寸前まで動かして、体をぶつけるようにして再度挿入する。  
「やぁっ……!あっあっ、ああん……!!」  
こちらを向いていたこずえだったが、耐え切れなくなったのか正面を向き、軋るほどに柵を掴む。  
ベッドが、こずえが柵をつかんでいるせいで余計に揺れる。ぎしぎしと音が響く中で、  
ぢゅぷぢゅぷと、こずえの蜜がどんどんあふれ出し、右島自身と絡まっていく。  
「っ……すげぇ……吸い付いてくる……!」  
「あ、ああ、も、だめっ……いやぁ、おかしくなっちゃうよぉぉ……!」  
「くうっ……!」  
「ひ、ひああ、だめぇぇぇっ!!」  
仰け反るようにしてこずえがまた果てる。それに伴ったすさまじい締め付けに、右島は歯を食いしばる。  
「あああっ!!」  
ぎゅうううう、と締め付けられる。  
「ふうっ……!」  
息をつく。唇を噛む。こずえの腰をつかんでいる手に力がこもる。  
 
「っあ……」  
はぁはぁと息を荒げながら、右島はそれでもぎりぎり、本っ当に意識が跳ぶ寸前で踏みとどまる。  
ずぽ、と自身を引き抜くと、  
「まだだぜ、こずえ……!」  
荒い息のまま、右島はこずえをペロンとひっくり返す。仰向けになったこずえの膝の裏を押しやって、  
びくびくと痙攣をするそこに、再び自身を押し当てる。  
「イくときは、やっぱ顔見ながらだよな」  
そして、こずえが答える間も無く根元まで挿入する。  
「きゃああっ!?」  
今度こそ、それは喘ぎ声では無くて悲鳴だった。  
「ああ、あ、だめだってばっ……これ以上気持ちよくなったら、あたま、おかしくなっちゃうよぉ!?」  
「大丈夫だっ……俺ももう……!」  
正常位のまま、ふたたびクリトリスを擦るように挿入を繰り返す。  
ぱんぱんぱん、と肉のぶつかり合う音のほかに、ずちゅぬちゅぶちゅ、と蜜と右島自身の絡み合う壮絶な音。  
こずえの蜜や失禁でずるずるになったシーツの上で、ほとんど仰け反ったままのこずえをひたすらに突く。  
大きな絶頂はまだだが、小さな絶頂が波のように訪れているのか、  
こずえは数回出し入れするだけで悲鳴を上げて仰け反る。  
愛らしい口元からは涎が下がり、目は涙目になっている。  
「も、ダメだっ……出す、ぞ……!」  
かくかくとこずえが震えながら、右島の顔を見て、頷く。  
こずえが伸ばした手を握り返しながら、右島は――とうとう、絶頂を迎えた。  
「ひああああああっ……!!」  
「くああっ……!!」  
どくどく、とコンドームの先に右島のそれが放たれる。  
 
 
「数式忘れちゃった」  
右島の腕の中でこずえがそんなことを言うので、右島はつい苦笑する。  
「でも、良かっただろ?」  
「……うん」  
こずえが恥ずかしそうに、小さく頷く。  
「ところでさ。お母さん、いつ帰ってくるの?」  
「え?多分夜遅いと思うけど」  
右島は答えてから、はた、と気付いてこずえを見る。  
「まさか、休憩した後でまだヤる気?」  
「そんなわけないでしょ!!」  
こずえは顔を真っ赤にして叫ぶと、  
「シーツ洗わないと!」  
「ああ……そうだなぁ、こずえのおしっこがついてるし」  
「……!!!」  
耳まで絶望的なくらいに真っ赤になってから、こずえは右島からば、と離れると、  
「洗濯しなきゃ!あと、お風呂場も借りるからね!」  
「うおっ!?」  
ぐったりしていた時からは信じられないような力でシーツを引っぺがす。  
右島はあっさりとベッドから転げ落ちた。  
「戻ってくるまでに、さっきの例題やっておいてね!」  
照れ隠しなのか早口でそういうと、こずえはシーツを持って部屋を出ようとする。  
「なぁ、こずえ」  
その背中に、右島が声を掛ける。  
こずえが振り返ると右島はとても真剣な表情で、  
「次の模試、A判定でたらアナル処女も俺が貰っていい?」  
「……ばかっ!!」  
こずえは真っ赤な顔で怒鳴ると、どたどたと乱暴な音を立てて階段を下りていった。  
 
 
おしまい  
 

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