「聖夜」(兄×妹注意)  
 
恋人達のために用意された、特別な夜。  
街は色づき、子ども達はプレゼントを待ちわびて眠りにつく…。  
 
「…くだらない」  
 
軽い溜息と共に、少女…外村美鈴は呟いた。  
寂れた映画館は人もまばらで、彼女の他にはカップルが一組と、  
居眠りをする中年の男性がいるのみである。  
 
映画の大好きなはずの美鈴が、スクリーンに集中できないのにはいくつかわけがあった。  
 
「あっ…んんぅ」  
---------一つは、美鈴の3列ほど前に座るカップル。  
始めは大人しくしていたものの、映画がラブシーンにさしかかると  
男が彼女のスカートに手を入れ、気付かれないとでも思っているのか、  
その行動をエスカレートさせているのである。  
(…いい加減にしなさいよね…折角の良い映画なのに…)  
 
苛々の二つ目の理由は、友達のドタキャンである。  
「美鈴のお薦めの映画観たーい!」  
と、前日まで言っていた癖に、今日の朝になって「遠恋中の彼が遊びに来たから」と  
電話してきたのだ。  
 
美鈴は一方的に好意を寄せられることはあっても「恋愛」という形で  
男性に接したことがない。  
変態気質の兄の所為だと彼女は言うが、潔癖気味の彼女にも原因はある。  
「男女交際」や「性」をまだ「汚い」という目で見てしまう彼女にとっては、  
恋愛にうつつをぬかす友人に、腹立たしさを憶えるのだった。  
 
「んぁ…やん…」  
集中しようとスクリーンに目を向けるも、止むことのない女の嬌声は  
どうしても美鈴の邪魔をする。  
「…ああぁん!」  
一際大きく女が啼いた瞬間。  
 
ガン!!  
 
とうとう美鈴は、大きく椅子を蹴った。  
「!?」  
カップルは驚いて顔を上げ、美鈴が鋭い眼差しで睨み付けていることを知ると、  
そそくさと映画館を出ていった。  
 
「…いけないなぁ。映画館は大切にしなきゃ」  
やっと静かになった、と息をつきかけた美鈴の背後から、聞き覚えのある声がかかった。  
「お兄ちゃ…」  
いつの間にか立っていたのはやはり外村ヒロシ。  
彼は軽やかに椅子を飛び越えると、美鈴の隣に座った。  
「何でこんなところにいるんだよ!」  
言葉きつく言い放つが、ヒロシは怯むことなく言い返した。  
「聖なる夜に、愛する妹が一人っきりで映画なんて可哀想だからね、お兄様がデートに付き合ってあげようかと」  
「いらん!帰れ」  
怒りが収まらない美鈴は、兄を睨み付ける。  
「冷たいなぁ」  
どこか楽しそうに、ヒロシが呟いた次の瞬間。  
 
「っあ…!」  
美鈴が高い声をあげた。  
素早い動きで、ヒロシが美鈴のスカートに手を入れてきたのだ。  
「馬鹿!どこさわってんの!?最低!」  
真っ赤になって身をよじる美鈴を、外村の手は逃がさない。  
「ん…?美鈴、パンツ湿ってるぞ?」  
耳元で囁かれ、美鈴はカッと顔が紅くなるのを感じた。  
「ふざけんな!!」  
美鈴は怒りのあまり、細いヒールの付いたかかとを、体重を込めてヒロシの足に落とした。  
「いっ…てぇーー!!」  
思わず手を引っ込め、ヒロシは足をさすった。  
動揺を隠せぬものの、美鈴は安堵の息を漏らした。  
「自業自得!」  
もう帰ってしまおうと立ち上がった彼女の腕を、ヒロシが強く引っ張った。  
「お仕置き、だな」  
両手に両手を重ね、ヒロシは美鈴の前に立ちはだかる。  
普段隠れている目は、自分によく似た切れ長で、その眼光の鋭さに美鈴は萎縮する。  
 
その瞬間を、ヒロシは逃さなかった。  
 
首に巻いていたマフラーで両手を裏側に縛られ、再び隣に座ったヒロシが  
またしても耳元で囁く。  
「知らなかったなー、美鈴がこんなにエッチな子だったなんて」  
「だっ誰が…!!」  
「ほら大きい声出すなって…あそこのオヤジが気付くぜ?」  
 
先程のカップル撃退の一件でも目覚めなかった人物が、  
これしきのことで起きるとも思えなかったが、もし起きてしまったらと  
考えると、美鈴は声を小さくするほか無かった。  
 
「…っ」  
抵抗の出来ぬ体勢で、美鈴のスカートに差し入れられた手は、  
ゆっくりと中心のくぼみをなぞっていた。  
「…結構過激な映画だな。これ観てて濡れちゃったか?」  
「ちがっ…!やっ」  
本当は先程のカップルに煽られたのもあるが、もちろんそんなことを言えるはずもない。  
どうにかして逃げようと腕を動かす。  
どう縛ったのか、抜けそうで抜けない、特殊な縛り方をしているらしかった。  
「無駄無駄。あんまり抵抗するなら、パンツ下ろしちゃおっかなー」  
心底楽しげに笑うヒロシに、美鈴は殺意にも似た視線を送る。  
「まだそんな目できるか。じゃあ……」  
突然身体を強く押され、身体が浮いた隙に美鈴の下着は膝の辺りまで下ろされていた。  
「やぁ…!」  
動揺を隠せず、美鈴が声をあげる。  
 
「ほーら、やっぱり濡れてる」  
抜き取られたパンツはヒロシの手中にあり、美鈴は例え腕の拘束が解けても  
逃げることの出来ない状況に追いつめられてしまった。  
 
「っ…んぁっ!」  
さっきのカップルと同じ事をしているという嫌悪と、  
初めて触れられるソコへの刺激に、美鈴は気を動転させていた。  
 
抵抗しなければ、という思いと、下腹が熱くなるような感覚に挟まれ、  
巧く頭を働かせることが出来ない。  
 
ヒロシは、中指をちょうど割れ目に沿わせるようにして、ゆっくりと上下させる。  
もともと湿り気を帯びていたそこは、時折クチュ、と音を立てた。  
 
「ほら、聞こえるか?お前の音だぞ?」  
「い、嫌…!ぁ…」  
腰を小刻みにゆらすも、執拗に追ってくる指からは逃れることが出来ない。  
 
「うんっ…やっ」  
 
断続的に上がる声は、ヒロシの指の動きに比例する。  
もっとも敏感な突起に触れられるたび、思わず声を漏らしてしまう。  
 
「もっと足を開いて」  
 
そんなこと出来るか、と睨み付ける瞳は、生理的な涙で潤んでいる。  
ここが暗闇でなければ、赤く染まった彼女の表情を鮮明に捉えることができるのに、  
とヒロシは多少残念に思う。  
 
「もうこんなになってるぞ…?」  
 
美鈴の眼前に持ってこられたヒロシの指は、スクリーンの光に照らされてテラテラと光っている。  
 
「いや…もう止めて!」  
 
顔をそらしながら言う妹の姿を、狂気を孕んだ瞳でヒロシは見つめる。  
もちろん、止めるつもりなど毛頭無かった。  
 
「ひっあぁ…ん、やぁ…」  
 
与えられる快感に自然と開いてしまった美脚は、結果ヒロシのやりやすいようになってしまう。  
突起を掴み、つねるように引っ張ると、美鈴の腰が跳ねるのが判った。  
 
「…イッちゃったか?」  
「…だっ…誰が…」  
 
はぁはぁと肩で息をしつつも、未だ強がる姿が可愛らしい。  
思わずじっと見つめていると、ヒロシは手に違和感を感じる。  
ふと意識を戻してみれば、何とヒロシの手に秘部をこすりつけるようにして、  
美鈴が腰を浮かせているのだ。  
 
「美鈴、もっとしてほしくなっちゃった?」  
 
わざと彼女が恥ずかしくなるような言い方をして、追いつめる。  
自分の行為に驚きつつも、快感を求める身体を沈めることが出来ない美鈴は、どうすることも出来ずにいた。  
 
「何を………っああああ!!」  
 
突然立ち上がった兄の意図が掴めぬ美鈴を余所に、ヒロシは美鈴の小さな両膝を掴み、  
前に引っ張ると、突然その舌を秘部に押しつけた。  
当然、そんなことをされるとは思っていなかった美鈴は、大きな声をあげてしまう。  
 
「声、抑えろって…」  
 
そうヒロシが忠告するも、両腕を拘束されている美鈴は口もふさげず、  
未知の感覚にただ嬌声をあげるのみである。  
 
「ヒクヒクしてるぜ?」  
 
その言葉を聞いているのか、いないのか、美鈴は閉じることの出来ない口元から  
よだれを垂らしながら、背を反らせて快感に耐えている。  
 
「あっあっいや…あん、あっ」  
 
普段のキリッとした表情からは想像も付かない乱れた姿。  
ヒロシは、ヒダの一つ一つまで味わうように舌を巡らせ、時に中心に舌を突き立てるようにして  
美鈴を責め立てた。暗闇でも映える白い内股が、びくんびくんと痙攣している。  
 
いやらしく響く水音は、嫌でも美鈴の耳に届いている。  
時折首をいやいやするように横に振り、それでいて抵抗する力は殆どなくなっている。  
そんな美鈴の様子を、楽しそうに上目で確認しながら、ヒロシは更に激しく舌を動かす。  
 
「あっ…あぅ……はぁ…ん」  
 
仰け反らせた白い喉元に、ヒロシは噛み付きたい衝動に駆られる。  
ヒロシは顔をずらし、秘部に近い内股に唇を寄せると、不意に強く吸い付いた。  
 
「ひっ!あっ…んっ…」  
「痛かったか…?」  
 
勿論、その問いに答えられるほどの余裕を美鈴は持ち合わせておらず、  
ただひたすらに荒く息を吐くのみである。  
 
「こんなくらいの痛みに耐えられないようじゃ…入れられるときどうすんだよ?」  
 
揶揄を込めてヒロシが言うと、美鈴は潤んだ瞳を大きく見開いてヒロシを見た。  
何かを言おうとする唇は、唾液に濡れて紅く光っている。  
普段、化粧ッ気の無い顔をしているが、これできちんと化粧を施したら  
それこそ男が放っておかないのではないかと、ヒロシは自分を棚に上げて思う。  
 
----------------------いつかは、誰かに奪われてしまうのだろうか。  
見知らぬ男に貫かれる美鈴を想像しては、やりきれなさと罪悪感を募らせてきた。  
 
そうして奪われてしまうくらいなら…、ならば、自分の手で。  
 
美鈴はこれからずっと、聖夜には自分のことを思い出すだろう。  
いつか誰かと結ばれたとしても、ここまで強烈な体験は、必ずどこかで憶えている。  
 
それできっと、満足できる。  
 
「大丈夫…入れやしないよ。ちゃんとイかせてはやるけど」  
 
顔を上げ真正面から言ってやると、美鈴はほっとしたような、怯えるような、複雑な表情を見せた。  
 
再び美鈴の秘部に手を持って行くと、先程から寸止めにされ続けたそこは、  
誘うようにヒクヒクと収縮していた。  
 
「もっと触って欲しい?」  
「だ…れが…!もうやめ……」  
 
口調とは裏腹に、美鈴の細腰は震えるように揺れている。  
絶頂を求めていることは明らかだった。  
 
「言ってみな。“触って”って」  
 
耳に唇が触れるか触れないかの位置で囁く。  
強情にも口を閉ざす美鈴の様子に、ヒロシは微笑を浮かべる。  
 
「ひぁっ…っ…ん…ふぁっ」  
 
敏感な秘部の突起を、くすぐるように突く。  
親指と人差し指で摘んで軽く引っ張ってやれば、更に美鈴の声は大きくなった。  
 
「ほら、いつまでもイけないぞ…?」  
 
耳たぶを舐めてやりながら、円を描くように秘部の周りをなぞる。  
 
「うっ…ぁ………って…」  
「聞こえない、もう一回」  
 
「っ……、さ…わって」  
「良い子だ。」  
 
言うと同時に指は中心へ伸びる。  
それだけでくちゅ、と音を立てるほどに、美鈴はそこを濡らしていた。  
 
「あああっあっ…もう…あぁ!」  
 
身体が揺れるほどの激しい攻めに、美鈴は喘ぎ続ける。  
その表情を、ヒロシは熱っぽく見つめた。  
 
「美鈴…」  
「あっもうダメ…お兄ちゃ……ああぁあ!!」  
 
大きく痙攣して、美鈴は達した。ヒロシは、愛おしそうにその額に口づける。  
放心状態の美鈴の手首からマフラーを外してやると、自分の首に巻き付けた。  
 
「美鈴」  
 
はぁはぁと大きく息をする美鈴は、返事も出来ないほど憔悴しきっているらしかった。  
 
それを見るヒロシは、いつもと同じ罪悪感と、言いようのない満足感を味わっていた。  
まだ閉じることの出来ない両足の付け根には、自分の付けた紅い跡が確認できる。  
 
 
「…っさいてい…」  
 
少し落ち着いてきたのか、いつもの鋭い眼差しで美鈴が言い放つ。  
映画はすでにエンドロールを迎えていた。  
 
「もうそのスカート、使い物にならないな」  
「誰のせい…!」  
「メリークリスマス」  
 
美鈴の言葉を無視して、ヒロシは美鈴の膝に紙袋を置いた。  
 
「…?」  
やや明るくなった館内でその包みを開くと、中からは白のワンピースが出てきた。  
 
「お兄様からのクリスマスプレゼント〜。それに着替えて、飯でも食いに行こうぜ?」  
「信じらんない…。あんなことしておいて。馬鹿じゃない!?」  
「行かない?」  
「………」  
 
兄の、人を食ったような笑みが、何故かいつもよりも優しく感じてしまう。  
それは美鈴の勘違いでは無かったのだが、そう感じてしまった事実に彼女は頬を紅くした。  
 
「奢りでしょうね」  
「もちろん♪」  
 
信じられないくらいにいやらしい経験をした直後だというのに、何故か満たされたような気持ちになるのは何故なのか。  
ブランド物と見て取れるワンピースに視線を落として溜息をつく。  
 
「下らない」  
もう一度呟くも、その表情は明るかった。  
 
説明の付かない幸福感も、全ては聖夜のせいにしてしまおう。  
純白の布地の滑らかな肌触りを確かめながら、美鈴はそう思った。  
 
                               ---fin---  
 
 

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