この台詞が悪夢の始まりだった。  
 
「例えば、この老いぼれにもさりげなーく つかさちゃんの水着姿を見せてくれるとか(はぁと)」  
 
 
プール…それは泳げないことを西野に知られたくない俺にとっては、  
避暑でも遊び場でもない、拷問部屋そのものだ。  
中止になることだけをただひたすら祈り、てるてる坊主も作った。  
 
しかし…  
 
「すっげー炎天下…」  
俺は二度とてるてる坊主を信じない。  
 
 
そして今、死ぬほどカッコ悪い自分がいる。  
「俺に構わず、西野は楽しんでよ…な?」  
これ以上見つめられたら、きっと俺、逃げ出す―――  
 
「逃げちゃダメだよ」  
だけど西野は、俺を救ってくれた。  
 
続く  

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