「……い、一回だけだからな」  
俺は自分へ言い訊かせるようにさつきにそう告げた。  
こうでも言っておかないと、彼女の肢体に夢中になってしまいそうだったからだ。  
(一回だけなら、東城も許してくれるかな…)  
なんて都合の良いことを考えながら、さつきに顔を寄せる。  
「うっ……」  
しかし、いざこうして見つめあうとやっぱり緊張するな……  
ましてやこれからエッチしてしまうってんだから。  
「…真中…」  
小さく俺を呼んで、さつきが目を閉じた。  
これは……キ、キスしてってことか?  
”初めて”ではないものの、こういう行為に慣れるほど経験が多い訳じゃない。  
クリスマス・イブの時の東城と、昨日部室で東城と……後、今日の昼休みの  
黒川先生との3回だけだ。黒川先生のは――あれは俺の意志じゃなかったから、  
”経験した”なんて言えないかも……実際、黒川先生には触れなかったし。  
 
「真中…?」  
そんなことを考えていると、さつきが俺の名前を口にした。  
目を閉じて待っているさつきに行動を起こせない俺にまだ迷っているの、と  
でも言うように不安げな視線を投げてくる。  
「い、いや、ゴメン。なんかさ、やっぱちょっとしっくり来ないなって…」  
緊張してることがバレるのがカッコ悪くて強がってみる。  
でも現実味がないというのは半分本当だ。  
自分の部屋で、下着姿のさつきが目を閉じてキスを待っている――  
俺の身勝手な妄想内でしか有り得ないような、信じられない構図。  
「もう、真中ってば。真中から出来ないんならあたしからしてあげよっか?」  
二の足を踏み出せずにいる俺に、さつきがしびれを切らしたように  
にじり寄ってきた。迫り来る魅惑のボディに思わず後ずさる。  
「ちょ、ちょっと待て、やっぱりまだ心の準備が…」  
「準備なんていつになっても出来ないでしょ!」  
背中に壁を感じた瞬間、さつきがぐっと顔を近づけてきた。  
思わず目を逸らしてしまうのは、ただならぬ気迫のせいか。  
ぐい。  
「いてっ!」  
 
頬にピシャリと掌を当てて、さつきは正対することを強要する。  
小さく開いた彼女の唇が俺のそれを求めて距離を縮めてきて――  
「んん…」  
重なった口元からさつきの吐息が漏れた。  
今、俺とさつきは唇を合わせている――熱くて柔らかい  
彼女の唇の感触が伝わってくる。  
目を閉じて俺とキスをしているさつきはいつもよりぐっと色っぽく、可愛く見えた。  
ああぁ、さつきが深く唇を押し付けてくる……前歯同士が軽くぶつかる。  
その一つ一つの感触が、”さつき”という存在を俺に強く印象づけてくる。  
さつきは甘く、柔らかかった。  
動揺を示すようにあたふたとせわしなく動く俺の手に自らの掌を合わせて、  
まるで想いを流し込むかのように、さつきが優しく握り返してくる。  
思考が上手くまとめられずにいる俺に覆い被さるように  
彼女が身体を預けてきた。豊かなバストが俺の胸でひしゃげる。  
「はぅわっ…!」  
むにゅん、と柔らかいカタマリが俺を気持ちよく圧迫する。  
その感触は、必死に冷静さを取り戻そうと努める俺の理性を  
いとも簡単に吹き飛ばすほどの圧倒的な威力だった。  
 
「ん、んっ」  
朦朧とした意識の中、さつきは唇の角度を変えて俺にキスをせがんでくる。  
気持ちいい……彼女を歓迎できずにいた力が俺の身体から抜けていく。  
校内No.1と呼び声の高いさつきの身体は、  
感触もその冠に恥じないほどにスゴかった。  
「真中……ちょっと、真中?」  
さつきが俺の名前を呼んでいる。  
あまりにマヌケな顔をしてたのか、言葉にしにくい複雑な表情で俺を見つめていた。  
「お、おう…」  
ボヤける頭でからがら答えを返す。  
離れたさつきの唇が艶やかに濡れていた。  
それが俺の唾液のせいだと思うとなおさら興奮してくる……  
唇に触れると、まださつきの温かさを感じ取れた。  
さつきには以前突発的にされたキスがあったけど、今のは全然意味合いが違う。  
恋人同士がするような、お互いの感触を確かめ合うようなキスだった。  
それを俺はさつきと――  
 
口許を艶やかに緩めたと笑ったかと思うと、  
さつきは再び唇を合わせてきた。  
「っむ!」  
言葉を紡ごうとした俺の口に温かい感触が被さる。  
「んぁ…っ!」  
しかもさつきはさらに大胆に舌を伸ばしてきた。  
先端が俺の唇を割り、するりと口内へさつきの舌が入り込んでくる。  
「あ、ぁっ」  
口を強引に開かれた俺は情けないうめきを漏らしながらも、  
意識は口内の至るところを愛撫してくる彼女の感触を追いかけてしまっていた。  
たどたどしいながらも俺の舌を求めるその動きと  
俺の身体により密着してくる彼女の身体に快感は否応にも昂ぶっていく。  
「んれろ、れろ、はぁ、はぁっ、はぁっ…」  
「さふき、ぷぁ、ちょとタンマ、タンマっ」  
熱にうなされるよう舌を動かすさつきには俺の制止も届かない。  
すでに俺の舌はさつきに捉えられ、唾液の交換を何度も迫られている。  
エスカレートしていく行為に俺の頭はもうパンク寸前だ。  
 
さつきの行為はその一つ一つがすごく情熱的で、  
心の底から俺を求めているのが伝わってきた。  
激しく求められる快感……味わったことのない精神的な快楽に、  
俺はもう正常な思考を保てないほど酔ってしまっていた。  
相変わらず物凄い弾力で俺を責める胸に、  
股間にあたる彼女の太腿の柔らかさ。  
さつきにも俺の股間のモノの感触は伝わっているのだろう、  
その辺りを気にするように太腿がしきりに触れにやってくる。  
手で触れなくても判るほど、俺の股間は腫れあがっている。  
さつきは俺との睦みあうのに没頭しているようで、  
口許が唾液でベタベタになっているのも気にかけず、  
ブラジャーの肩紐が脱げかかっているのも直そうとはしない。  
人に見せるには恥ずかしい姿のはずなのに、彼女はそれを隠そうとはしない。  
俺を愛で続けてくれるさつきに、男として答えたいという気持ちが強くなっていく。  
――もういい。もう俺もややこしいことを考えるのはやめよう。  
俺とさつきがこうしていることは俺達2人以外には誰も知らない。  
スケベ心をこれ以上抑えられる自信もない。  
一回だけって決めたんだ……今日だけ、今だけはさつきとエッチする――  
 
さつきを求めて、俺の手は彼女のお尻に伸びた。  
薄く小さい布で守られたたっぷりとした感触に触れる。  
さつきはぴくと反応を見せてから、嬉しそうに身体をモゾモゾと摺り寄せてきた。  
「はっ……ふ、ぅん……真中ぁ……」  
甘い声で呼ばれるごとに、どうしようもない優越感が湧き上がってくる。  
大きく引き締まったお尻の感触は、胸に負けない柔らかさを俺に伝えてきた。  
さらに、もどかしそうにまとわりついてくるさつきの脚がますます情欲を掻き立てる。  
「やだ…っ、真中の手すごくエッチ……」  
そう言いながらも満更じゃないようなさつきの肩に手をかけて、  
俺はブラジャーを外そうと少し強引に引っ張った。  
「……、あれっ…」  
が、思っていたようにするりとは上手く外せない。  
ちょっとみっともなかった……俺の考えを理解したさつきが笑う。  
「あん、そんな引っ張ったらダメだってば…」  
身体を起こして自らブラジャーを外そうとする彼女を凝視してしまっていた俺に気づき、  
意地悪な笑みを浮かべながらさつきは俺に問い掛けてきた。  
「真中、外してみる?」  
 
「え?」  
「女の子のブラジャー、外したことないんでしょ。あたしで練習させたげよっか?」  
そんなに物欲しげに見てしまっていたのか、さつきがそんなことを言ってきた。  
……確かに女の子のブラジャーを外した経験なんてない。  
いや、俺の年でそんな経験ある男の方が少ないんじゃないか?  
いやいや、もしかしたら今はみんな女の子の下着の1つや2つは  
外していたりするのか……?  
「ほら、外していいよ」  
俺が頭をうならせていると、後ろを向いたさつきが  
プラスチックでできた留具を俺に外すよう示してきた。  
下ろした髪が邪魔にならないように首筋から前方へ流している。  
初めてじっくり見るさつきの背中は、健康的な色気があった。  
しかし意外と肩は細くて、ボリュームある身体には不釣合いに思えるほど華奢だ。  
(……セクシーだよな、ホント…)  
肩からウエストにかけてのラインは発育のいい高校生として見ても  
色っぽすぎる……腰のくびれがハッキリ判るよ。  
はぁ……こんな女の子とエッチできるなんて。  
俺ってすっげー幸せ者なんだよな、きっと……  
 
「真中、どうしたの? 外し方わかんない?」  
こっちを気にした様子でさつきが振り返る。  
実際、手を宙空で制止させて動かない俺に  
彼女は不思議そうに視線をおくってきた。  
「あ……いや……、お、俺が外していいのかなって。こんなことさ…」  
「何言ってんのよ、さっきまでの熱〜い抱擁に比べたら  
 ブラ外すぐらい何てことないじゃん」  
その言葉を訊いて、さっきまで俺を夢中にしていた感触が急速に蘇ってきた。   
頬が火照る――さつきの目が見れない。  
でも俺の顔が真っ赤なのはきっとバレバレだった。  
「留具のところ押すだけだから簡単に外せるよ」  
「お、おう…」  
落ち着かない指を伸ばして留具に触れる。  
よく見かける押しこむだけの簡単なつくりだ。  
パチ。  
呆気なくブラジャーは外れ、さつきの背中が無防備な状態になる。  
 
「はい、よくできました♪」  
温もりの残ったブラジャーがはらりと落ちる。  
何の躊躇いもなく振り向くさつき。  
「うおっ!」  
見える――焦る俺をからかうように、さつきは胸元で腕組みをしていた。  
ホッとしたような、残念なような……複雑な心境だ。  
「えへへ、ビックリした?」  
「べ、別に…」  
「もう、素直じゃないなぁ。  
 でも……真中が見たいって言うんなら手、下ろしてあげる」  
脇を上下させて”見たくない?”と言うようにさつきが俺を誘惑してくる。  
腕に合わせて揺れる2つの膨らみの揺れ様といったら、とんでもない。  
「真中……あたしの胸、見たい?」  
 
ぐっ……。  
見たい。  
さつきの乳首はどんなのだろう……普段じゃ恥ずかしくて  
考えられないことが頭に浮かんでくるのは、  
実物を目前にして俺の精神状態が正常じゃなくなってるからか!?  
「ほらぁ、いつまで隠させてるつもり?」  
さつきは腕をその大きな胸に乗せるようにして俺の返答を待っている。  
スゴイな……改めてそのボリュームに圧倒される。  
……。  
こ、ここまで来て強情張ってても仕方ないよな。  
今は自分の気持ちに素直になろう。そうしよう。  
「……み、見たい」  
心の葛藤を読み取られたのか、クスッとさつきが笑った。  
なんかさつきの掌で上手く踊らされてるような気がする……  
これで初めてっていうんだから、男を惑わすのが上手いというか何というか。  
「うん…真中ならいいよ。見て……」  
 
熱っぽく息を吐きながら、さつきが両手を開放する。  
自分で判るほど俺は喉を大きく鳴らして嚥下してしまった。  
(うおぁ……!)  
鼻の頭がツーンとしてくる。  
慌てて鼻下を擦って、指先に血が付いていないことにホッとした。  
それよりもさつきの胸……遮るものが無くなったそのふくらみは  
大きさも然ることながら、彼女の唇と同じ紅色をした先端が  
ツンと誇らしげに存在を在り示している。  
これだけの大きさなのに、張り出るような乳房は垂れることなく  
立派な形を維持していた。  
これだけの肉を支えるって、結構力要るんじゃないか?  
まぁさつきは運動できるからそれなりに筋肉ついてたりするのかも知れない。  
「なんか言ってよ真中。どう、どう? あたしの胸っ」  
さつきが身を乗り出して訊いてくる。  
見せてる彼女より見ている俺の方が恥ずかしがってる感じがするけど、  
それでも俺の目はさつきの動きに合わせて揺れる胸から離れない。  
「あ、あぁ……ス、スゲーな、やっぱり……びっくりした」  
「……なんか、ホメられてんのかどうかわかんない答えね…」  
 
「ホ、ホメてるんだよ! 当ったり前だろ、こんな…」  
「こんな?」  
「こっ、こんな大きくてカッコいいんだから!」  
「カ、カッコいい? ……真中、それ女の子に対するホメ言葉じゃないって…」  
女の子に『カッコいい』は誉め言葉じゃなかったか?  
でもこの圧倒的なボリュームに『可愛い』はおかしいと思ったし、  
『綺麗』でもあるんだけど、なんかそれより先に  
『カッコいい』っつーイメージが湧いてきたんだよな……。  
「い、いや、俺はいいと思う。マジでさつきの胸、カッコいいよ」  
複雑な表情だったさつきも、俺の強い一言に納得してくれたみたいだった。  
「ふーん……まぁ真中がイイって言ってくれるんだったらイイかな」  
悩ましい稜線を描く2つのカタマリがブルンと揺れる。  
しかし、あんまり恥ずかしそうな素振りを見せないよな、さつき。  
もしかして……  
「な、なぁ……さつきって、その……お、俺の他に  
 誰かに見せたりしたことあるのか?」  
慣れてるって言うのとは違うような気もするけど、  
俺が初めて東城とした時はもう会話するのも一杯一杯だったぞ。  
服を脱いでも普段みたいに話ができる今のさつきには余裕すら感じられる。  
「見せたりって…?」  
 
「い…今みたいに服脱いで誰かに見せたりしたこと……  
 も、もちろん男にって意味だけど…」  
俺の問いかけに一瞬きょとんとした表情を見せたさつきだったけど、  
脳内にその内容が達したのか急に細い眉が釣り上がっていく。  
「ア、アンタねーっ! あたしをそんな風に見てたのっ!?」  
シャツを破らん勢いでさつきが俺の胸倉を掴んできた。  
顔の赤みはそのままに、怒りのオーラを撒き散らしている。  
「ぐっ……くるしぃ…さ、つ、げへっ、げへっ」  
「あ、あたしが真中以外の男とこんなことする訳ないでしょーが!!」  
よほど頭にきてるのか、ガクガクと俺を前後に揺さぶる力に容赦はない。  
でもそれも長くは続かなかった。  
徐々にクールダウンしていくさつきの顔が、  
見る見るうちに悲しみの表情で塗られていく。  
「こんなことするの初めてなのに。真中があたしをそんな目で見てたなんて…」  
 
さつきの目が潤んでいく。   
マ、マズい。泣きそうだ。  
「ウ、ウソ、冗談だって! さつきがそんなヤツだなんて思ってないから!」  
「冗談でもヒドイよ…真中にそんなこと言われたら……あたし何て答えたらいいのよ」  
ひどく落ち込んでる……ちょっと軽率だったかな。  
やっぱりさつきも面には出さないだけで、それなりに緊張してたのかも知れない。  
「わ、悪かったよ」  
「ホントだよ? あたし初めてなんだから。真中にあげるためにずっと…」  
「あ、あぁ、わかったって」  
涙ぐんださつきが顔を近づけてくる。  
笑ってるイメージが大きいから、さつきにこういう顔されると対応に困る。  
でも、しおらしいさつきも違った魅力があるよな……なんつーか、いつもより  
女の子らしさが増して見える。もちろん悩殺アクションで俺を度々困らせる彼女は  
紛れもない女の子なんだけど、普段はどちらかと言えば嗜好が合う”友達感覚”と  
いう感じが強いからある意味新鮮だ。  
「真中のためにこの身体大事にしてきたんだから。  
 あたしに触れていいのは真中だけだから……、  
 好きにしていいのは真中だけなんだからね?」  
 
ぐっ……か、可愛い……。  
この身体を好きにしていいって言われて喜ばない男なんていないだろう。  
俺…さつきに何もしてあげられてないのに、本当に俺なんかのこと  
好きでいてくれているんだな……。  
「真中…」  
前屈みになってさつきが俺に寄ってくる。  
2つの胸との距離も詰まる……うぅっ、揺れてる……。  
「見てるだけ?」  
何かを懇願するような眼差しでさつきは俺を見つめつつ、上体を起こした。  
ドンと張った胸がもう10cmも離れていないところで俺を捉える。  
さ、触ってもいいんだよな……さつきも触れていいって言ってくれたし、  
今さら遠慮することもないよな……。  
横からか、下からか、どう触ればいいのかさえ決められないほど  
目前のカタマリを前にして困惑していた俺の手にさつきの細い指が絡まってきた。  
「ね、触って…」  
 
導かれるままに、俺の手がそれに触れた。  
さつきの胸に、俺……今、直に触れてる。  
凶悪なほどの柔らかさと心地いい温もりを保ったままの大きなカタマリは、  
ずっしりと俺の掌にその量感を抱かせる。  
(うわっ……!)  
さつきの呼吸に連動するようにゆっくりと動く乳房はしっとりと汗ばんでいた。  
俺は控え目にゆさゆさと掌の上でその見事なオッパイを揺さぶってみた。  
手の動きに合わせて踊るようにプルプル揺れる。  
「ふふっ、柔らかいでしょ」  
「お、おぅ」  
ピンと勃っている先端を掌の真ん中に当てて乳房を軽く押すと、  
フカフカの感触の中に指が埋まっていく。  
「う……ん、やだ、真中ってば…」  
が、指全体に感触が行き届くと同時にポヨンと優しく押し返してきた。  
張りがある胸ってこういうのを言うんだろうな、きっと…。  
触れば触るほど、どんどん魅了されていく。  
 
もっと触りたい――俺の中で乱暴な欲望が膨らんでいく。  
「あ――」  
さつきの腋の下に腕を通して、ぐっと抱きしめた。  
ちょっと積極的だったかな……でもさつきも嫌がってはいないみたいだし、  
大丈夫だよな…?  
俺を突き動かした感情――もっとさつきを知りたいという気持ち――は  
どんどん大きくなっていってる。  
「さつき、俺……ダメだ。これ以上さつきとこんなこと続けたら、  
 自分を抑えられる自信ない…」  
こうしてる間も、さつきの柔らかさに興奮度は加速していってる。  
異常なほどの昂ぶりが俺からどんどん理性を奪っていく。  
そんな感情をさつきの手が俺の肩に添えられる。  
「いいよ……真中だったらどんなことされても許すよ、あたし」  
心音が伝わってくる。早い鼓動がさつきの大きな胸を通して  
俺の身体に流れ込んでくるみたいだ…。  
それなりの考えと覚悟を持ってさつきも行動してるんだ。  
それに応えられるのは俺だけなんだ――  
 
さつきを抱きしめたまま、彼女の胸に手を伸ばす。  
丸みを掬うように持ち上げて、感触を確かめるようにゆっくりと揉んでみた。  
「あっ……、真中ぁ……」  
さつきが身体を預けるように俺の腕にしなだれかかってきた。  
俺を見上げながら、切なそうに細かく息を吐いている。  
「あんっ!」  
指で屹立した先端をつつくと、大げさとも思えるほどさつきの身体が浮いた。  
「い、痛いか? 悪ぃ…」  
そんなに強くしたつもりはなかったんだけど……やっぱ敏感になってんのかな。  
ぷくっと張り出た乳首は、ピンクの乳輪の真ん中で  
指先でなら摘めるほど大きくなっている。  
さつきの様子を伺いながら軽くその突起を指先で撫でてみた。  
「ふっうん……っ、ぁぁ……」  
乳首を優しく擦っただけで、艶がかった声がさつきの口から漏れる。  
こんなさつきの顔を見るのは初めてだ。  
俺が触って気持ち良くなってくれてると思うと嬉しくなってくる。  
 
(えーと……)  
ずっと触っていたい気持ちに駆られながらも、  
次にどうしたらいいかを俺は考えた。  
もういきなり下の方、触っちゃってもいいもんだろうか?  
それとももっとじっくり行った方がいいのか?  
「はぁ……真中……」  
さつきが『次はどうするの?』と言いたげな視線を向けてくる。  
マズいぞ……さつきは俺が初めてじゃないってわかってるし、  
余裕があるところを見せておかないとちょっとカッコ悪いぞ。  
でもさつきのアソコ触るのは少し……いや、かなり勇気いるな……。  
「……真中は脱いでくんないの……?」  
考えあぐねている俺のシャツの袖をさつきがつかんできた。  
パンティ一枚のあられもない姿のさつきに対して、  
学ランを脱いだだけでまんま制服姿の俺。  
気づかなかった……というよりも、気づけなかった。  
それだけ目の前のさつきに夢中になってしまってたのかと思うと  
恥ずかしさがこみ上げてくる。  
「そ、そっか。さつきが脱いだのに俺が脱がないなんておかしいもんな」  
 
さつきに唆されるようにシャツを脱ぐ。  
先にさつきの方から見せてくれたせいか、  
上半身を晒すのにはさして抵抗もなかった。  
でもさすがに下を脱ぐにはためらいがある……ちら、とさつきを見やると  
興味津々な目でズボンにかけた俺の手が下りるのを待っていた。  
「そ、そんなジロジロ見んなって!」  
今さら脱がない訳にもいかず、潔くズボンを脱ぎ捨てる。  
彼女の目が俺の股間に突き刺さってくる……さつきの身体に触発されて  
猛々しくそそり勃っている俺の股間に。  
さつきも今の俺と同じ気持ちなんだろうか……。  
自分の身体を見られる恥ずかしさで居たたまれない。  
こんな貧相な身体をそんなに食い入るように見ないでくれ〜!  
「わっ、動いた!」  
「うっ……」  
見られてると意識すると余計股間に血が溜まっていくように感じる。  
そんな大したモンでもないのに何をはりきってるんだ、俺の息子は…?  
 
「ほ、ほら、脱いだぞ。これでいいだろ」  
布団で素早く下半身を隠しながら、さつきの目から逃れる。  
「ちょっとぉ、何で隠すの真中っ」  
「は、恥ずかしいんだって!」  
布団を剥ぎ取ろうとさつきがぐっと引っ張ってくるが、  
俺も簡単に渡せない。  
「あたしより恥ずかしがってどーすんの! 男でしょーが!!」  
「お、俺はお前ほど自分の身体に自信持ってねーの!」  
ほぼ全裸の男女が何で一枚の布団を必死に取り合わないといけないんだ?  
さつきが必死になればなるほど取られたくないという気持ちが強くなる。  
こんなこと意地張ってどーすんだとは思うけど、  
恥ずかしいモンは恥ずかしいんだ!  
……と、ふいに相手の力が弱くなった。  
あきらめてくれたか、と顔を上げるとじっと俺に笑顔を向けているさつきと目が合う。  
「あたしは結構スキだけどなー、真中みたいなカラダ」  
「え…」  
 
俺みたいなのがいいなんて、さつきも物好きなヤツだな。  
実際、ちょっと胸張ったら骨浮いて見える情けない身体だぞ。  
「真中の身体なら、ガリガリだってデブだって好きだってこと!」  
ドンッ!  
体当たりをかますような勢いでさつきが飛びついてきた。  
急襲に備えていなかった俺は問答無用に押し倒される。  
むにゅん。  
「うおおぉぉぉ!」  
じ、じかに、直にさつきの胸が乗っかってくる!  
肌で感じる柔らかさはさっきまで掌で味わっていた感じとは  
また違った感触だった。  
「真中のカラダ、あったかいね」  
「は、はひ…」  
すぅっとさつきの手が俺の腋を撫でる。  
力が抜けていく……くすぐったさともどかしさが  
俺の身体から力みを吸い取っていく。  
「んー、ちゅ、ちゅ」  
「ひわっ!」  
 
俺の胸板にさつきがキスを浴びせてきた。  
彼女の吐く熱い息と肌を吸う音が聴覚で俺を昂ぶらせていく。  
「さ、さつき、くすぐったいって!」  
「そーぉ? コレ、気持ちよくない?」  
「わっ…わっかんねぇよ……」  
そう思えばそう感じないこともないけど、まだくすぐったさが強い。  
「あ……ん」  
「いっ!?」  
さつきの唇が俺の胸に吸い付いてきた。  
一際大きな感覚が俺の身体を駆ける。  
「んん、れろ、ぴちゅ……んあ」  
「あひ…」  
乳首を舐められ、俺の身体は一気に脱力した。  
くすぐったさが大きくなったら快感に変わるというのを直に感じた一瞬だった。  
力が入らない……さつきが懸命に俺の胸を責めてくる。  
 
「さつき、待った……待てって、ストップ…」  
息からがらそう告げることができたが、  
さつきは俺の反応を面白がって止めてくれない。  
「うふふっ、真中ムネが弱いんだね」  
なおも舌で責めてくるさつき。  
良いようにされるのも癪に障るところだけど、コレってかなり気持ちいいかも…。  
ふと1つの考えが頭をよぎった。  
さつきを乗せたまま強引に上体を起こし、彼女と正対する。  
「なっ、ど、どうしたの真中…」  
驚いているさつきに俺は低く呟いた。  
やっぱり面と向かって言うのは恥ずかしかった。  
「こ、交代。今度は俺がさつきの、舐める」  
「えっ」  
返事を待たずにそのままさつきを押し倒し、俺は彼女の突起に口づけた。  
俺が気持ちよかったように、さつきもまた同じ快感を得られるかと考えついたんだ。  
「あ!」  
 
さつきの乳首は咥えやすい大きさを保っていた。  
いい具合の硬さをしたそれを舌をつつく。  
「はっ……!」  
温かい……こんなところからも体温って感じられるんだな。  
俺はさつきにやられたように、唇でそれを甘噛みして軽く吸い上げた。  
「ひゃ、うんっ!! うあっぁ、はぁっ……!」  
さつきの感覚が手にとるようにわかる。  
俺も声が出た……乳首を吸われるのはそれぐらいの感覚だったんだ。  
彼女もまた俺と同じように感じてくれていると思うと嬉しくなる。  
今度は大胆に、力強く吸い上げてみる。  
「ずずっ、ちゅうう、ずじゅううっ」  
「いぁ、いっ……あ、んっ、真中ぁ……、強いよぉ……!」  
俺が吸い上げると同時にさつきの背が大きく仰け反った。  
それが快感からくるものかどうかは定かじゃないけど、  
さつきにとって嫌な感覚じゃないってことはわかる。  
空いている片方の乳房を揉みながら、再び唇を押し当てて吸ってみた。  
 
「あぁっ!! ダメっ真中っ……揉まないでっ、あたしそれダメっ、あぁっ!!」  
マッサージされながら刺激を送られることにさつきは戸惑ってるようだった。  
吸う度に上がるさつきの悩ましい声、  
素直に反応を返してくれるイヤらしい身体……  
いつの間にか俺自身がこの行為に夢中になっていた。  
「うッ……んん、はぁ、あぁ、はぁっ、はぁっ……」  
「お……さ、さつきっ!?」  
さつきが俺の股間に手を伸ばしてきた。  
はっきりとその掌に俺の肥大したモノが収まっている。  
突然のことに腰が引けてしまっても、さつきは開放しようとはしなかった。  
「おっきい……すっごいカタくなってるよ、コレ……ねぇ、真中ぁ……」  
「うぁ…!」  
さつきの手がちょっと動いただけで快感が走る。  
彼女を気持ち良くさせたいと願った行為は、  
俺自身もかなり昂ぶらせていたみたいだ。  
「ねぇ、男ってどうすれば気持ちよくなるの? 教えて、真中……」  
俺のを握ったままさつきが甘く囁く。  
自分と同じように俺にも気持ちよくなってほしいと思ってくれてるのか、  
胸を吸われながらも切なげな瞳で訴えてきた。  
勃ったモノは握られているだけで気持ちよかったけど、  
興奮のあまり歯止めが効かなかった俺はさつきの想いに甘えるように応えてしまった。  
「上下に擦って……強くてもいいから、大丈夫だからっ」  
 
「うん……うん、こう? 真中、もっと強く?」  
さつきの手が動き始める。俺に快楽を送るための動きだ。  
自分でやるのと全然違う……思い通りの強さじゃないことがもどかしくて、  
それがまた興奮を持続させてくれる。  
ましてや、その行為をさつきがやってくれていると思うと俄然昂ぶりは倍加していく。  
トランクスの上からでも十分すぎる刺激だった。  
目の前の乳房に吸い付きながら、送り込まれてくる快感を受け入れる。  
気持ちいい……めちゃくちゃ気持ちいい!  
「ん、んんっ、はぁっ、真中ぁっ、あんっ、真中ぁっ!!」  
声を上げることで興奮を伝えてくるさつきの姿はこれ以上ないくらいイヤらしかった。  
同時に、すごくキレイだった……それこそ、同級生とは思えないほどの  
艶やかさを俺に感じさせた。  
さつきの動きが一段速くなった。握る手にも力がこもる。  
射精を促すその動きは不慣れながらも一生懸命だ。  
「真中ぁ、気持ちいい? ねぇっ、気持ちいいっ?」  
あぁ、すごい。マジすごい。  
「じゅううう、ちゅば、ちゅばっ、ずずっ」  
「ひっう……ぁぁ! ダメ真中っ、吸わないで、うまく出来ないからぁ、もうっ……」  
さつきがぎゅっと俺のモノを握った瞬間、  
溜まっていた欲望が一気に出口へ駆け上がってきた。  
 
下半身の快感に集中しようと夢中で目を閉じる。  
射精を堪えようと無意識に働いた俺の本能が、  
唇を押し当てていたさつきのオッパイに歯を立てていた。  
「いたっ……!」  
「ううぅ!」  
ドクッ! ドクッ!! ドクッ!! ドクッ!!  
さつきに握られたまま、俺は下着の中に構わず精を吐き出してしまった。  
欲望を吐き出しながら、俺のモノは恥ずかしいぐらいに彼女の手の中で跳ね回っている。  
それを抑えるように、さつきは俺が果てたとわかっていながら  
ずっと握っていてくれた。  
ぼやける視界に、赤い印をつけたふくらみがとびこんできた。  
「あ……わ、悪い! 俺、噛んじゃったみたいで!!」  
確かに絶頂の瞬間、ぐっと何かを噛んだ記憶が残っている。  
さつきの乳首の周りは歯型のような赤い跡がついてしまっていた。  
「びっくりしたぁ……いきなり出るし、胸は痛いし……」  
「ご、ごめん! ホントにごめん、さつき!」  
「……ん、でも良かった。真中、気持ちよかったみたいだし」  
言われて急に恥ずかしさがこみ上げてきた。  
俺、さつきの胸吸いながら出しちゃったんだ……  
「うわぁ。マジごめん! 俺、最低だ!」  
1人で満足して! さつきに手伝ってもらったりして! なんて勝手なヤツなんだ俺は!  
でも……めちゃくちゃ気持ちよかった……。  
 

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