「…ーあ、今日は淳平くんと学園祭に行けて嬉しかったなー!!」
淳平との別れを告げ、帰宅したつかさはベットに寝転びながら微笑んだ。
枕を胸にぎゅっと抱きしめて、今日一日の事を思い出す。
たこやきを一緒にたべたこと、
いろんな企画に参加したこと、
そして、淳平くんのつくった映画を見る事ができたこと…。
たしかに、作品はとっても素敵で、楽しくて面白くて…すごくいいものだったけど…。
どこか、心に引っ掛かっている。
いつか逢った髪の長い子…東城さん…。
二人ともとっても綺麗だし、淳平くんともすごく仲よさそうで…。
コクハクを受けたのは自分でも、『彼女』というせりふが自分用だとわかっていても…
この気持ちはおさまらなかった。
「淳平くん…どうしてるかなぁ…」
寂しそうに携帯を見ながらつかさが呟く。
髪の長い子は積極的だから、淳平くんに押し迫ったりしてないかなぁ…
東城さんあのすっごいかっこで淳平くんに抱きついたりしてないかなぁ…
嫌な思いだけが頭を巡る…
「逢いたいよぉ…」
ふと、涙がこぼれて、抱きしめた枕に落ちる。
今日は両親とも、出かけているので、泣いていても何も言われる事はない…
そう思った時、つかさは声をあげてないていた。
「っく…ひっく…淳…平くん!!…うわーん…」
あとからあとから、こぼれ落ちて来る涙は、拭いても拭いても枕をぬらす。
その時…携帯がなっていた。
『着信 淳平くん』
「…!!!淳平くん?!!!」
驚きながらも、携帯をとるつかさ。
「…あ、西野?オレだけど…」
優しくてあったかい愛しい人の声…。その瞬間、また涙がこぼれる。