「セシリア、ぱんつを脱いでくれないか?」
「……いきなりですか? 少しは雰囲気というものを考えてくださいまし。それと、ぱんつ
ではなくてショーツですわよ?」
咎めるような言葉とは裏腹に、セシリアの表情はどこか嬉しそうだ。部屋に戻ってから
こっち着たままだった制服のスカートをたくし上げ、ストッキングとショーツを一緒に下ろした。
脱ぎながら、セシリアはふと(なんで『パンツ』ではなくて『ぱんつ』なのかしら?)
と考えた。一瞬、その理由を一夏に尋ねてみようかとも思ったが、単なる趣味だったりしたら
悲しいので、セシリアは深く追求しないことにした。
ストッキングとショーツから足を抜き取ると、ひやりとした感触――粘着質の液体がセシリアの
腿を伝い落ちた。一夏の舌を自らのそれで塞ぎ貪った瞬間から、セシリアの股間から滲み出た
液体は、流れを阻害する布がなくなったことで溢れ、腿に幾筋もの線を描きながら落ちていく。
「――脱ぎました」
一夏がどんな反応を見せるか、またどんな要望をしてくるか、ある程度の想像はつく。
その想像(妄想ともいう)がセシリアの股間を更に潤わせた。
「見せてくれないか?」
「はぁい……んっ♪」
予想通りの反応。けれど拒む理由などないし拒めない。蕩けた声で応じると、セシリアは頬を
紅く染めながらスカートの裾を持ち上げ、端を口にくわえた。
「脚、開いて……」
一夏の言葉に小さくこくりと頷き、セシリアは脚を開いた。小さな滴がひとつ、糸を引いて股間から
床に落ちた。微かな水音を聞き、セシリアは羞恥心で慌てて脚を閉じようとした。
しかし一夏はそれを許さない。両手でしっかりと内股を押さえ、音の原因を生んだ場所に顔を近づけた。
「すごいビショビショだな……これでいけるかなぁ」
「むう゛っ!?」
どこから取り出したのか、一夏の手には円形の塗り箸が握られていた。
「ちょっ、ちょっと一夏さん! 何を――ひゃうっ!?」
セシリアがスカートの裾を口から離し抗議するが、一夏はそれを無視する。湿った薄い茂みを
箸の先で掻き分け、そこに潜む肉芽を摘んだ。しかし肉芽は小さく、しかも十分すぎるほどの
ぬめりを帯びている。塗り箸ではしっかり捉えることが出来ない。幾度となく箸の先が肉芽を摘み
そして滑る。そのたびにセシリアは下半身を捩った。
「ふあっ!? だ、駄目ですわ一夏さん! お箸でなんて、マ、マナー違反ですわ……いやあっ!」
「すげぇ……溢れっぱなしで全然摘めないや」
「ひゃうっ! そ、そんなことおっしゃらないでくださいまし……んああああっ!」
一夏の熱い息が箸とともに肉芽を刺激する。セシリアはイヤイヤをするように首を横に振った。
振りながら全身を震わせよがり声を上げた。
「だめぇ、お、お箸よすぎますぅ……こ、このままでは、わたくし、わたくしもうイッてしまいますわ……あううっ!!」
「いいよ、イッちゃえ」
一夏が箸で肉芽を摘み引っ張る。箸先がツルッと肉芽の表面を滑った。
その瞬間。
「んああああぁぁぁぁっ!!」
一際大きな声と同時に秘所から大量の愛液を迸らせながら、セシリアは全身を硬直させた。
脚をガクガクと震わせ今にも倒れそうなところを、スカートの中にいる一夏の肩を掴んで耐えている。
「あっ……ああっ……ふああ……」
やがて放心状態でその場にぺたりとしゃがみこむと、セシリアは涙目で息を荒くしながら一夏を睨んだ。
「ハァ、ハァ……も、もう……お箸は駄目だと、言ったでは……ハァ……ありませんかぁ……」
「あ、いや……その、調子に乗りすぎた、ごめん……けど、セシリアもよさそうだったじゃ――ひいっ!?」
セシリアの愛液に塗れた顔を拭いながら一夏は謝った。同時にセシリアに一部の責任を転嫁することで
事態の収束(矮小化ともいう)を図ったが、その意図は失敗に終わった。
一夏の目の前で、会得したての綺麗な箸の持ち方を披露しながら、セシリアが笑っていた。
双眸に涙を浮かべ、こめかみや額に幾筋もの怒筋をこしらえながらのそれは『凄絶な笑み』という表現が
相応しいかも知れない。唇の端をヒクつかせながら、セシリアは言った。
「ええ。ええ。たいっっっっへん気持ちよかったですわ♪ お返しに、一夏さんのもこれで気持ちよくして
さしあげますわ♪」
「え? あ、いや。それは謹んでご辞退申し上げたいんですけど……あの、セシリアさん? ……ちょっ、
ちょっと……いやああああぁぁぁぁっ!!」
――翌日。
セシリアは妙にスッキリした表情で、一夏はやたらやつれた表情で、それぞれ登校したそうである。
【終】