夕陽が赤く周囲を染める放課後、人気のない剣道場の壁際に蠢く影があった。
「ふ……う……うんッ!」
泣きそうな表情で必死に袖口に歯を食いしばり、喉から漏れ出る声を押し殺しているのは箒だ。普段はけして乱れぬ道着の胸元もだらしなく緩み、その下のタンクトップが露わになっている。
そんな彼女の片手は腰の下へと伸び、黒髪をぎゅっと掴んでいる。黒髪の持ち主は、一夏。こちらも道着姿の彼はいま、道場の床に膝立ちになり、箒の道着の袴を股下までずり上げ、露わになった彼女の秘所を一心不乱にその舌で愛撫している最中だった。
「だめ……いちかぁ……だめなの……!」
か細く抵抗が漏れ聞こえるが、一夏は意に介した様子もない。箒の生え揃った(少しだけ毛深い)陰毛を鼻先でかき分け、露わになった陰核を口に含んでちゅっと吸い上げる。
「ひぃっ! だめぇ…! それだめ、いっちゃう! あ、あ、あ……あああぁぁぁ!」
ぐっと一夏の頭を両手で抑えると、箒の喉からひときわ甲高い喘ぎ声が迸った。びくびくっと身体を震わせて、はぁぁ……っと、肺の底から出て来たかのような熱く深いため息を吐く。
身体を支えていた一夏が身を引くと、そのままずるずると壁に背を任せたまま、箒は道場の床にぺたんと座り込んでしまった。絶頂の快感の余韻か、いまだ焦点の定まらぬ瞳を見つめ、袖口で口の周りを拭いながら一夏は満足気に箒へと問いかける。
「ふぅ……よかったか? 箒」
「うん……」
「じゃあ、続きは部屋でしようぜ。ここじゃさすがに、人が来るかもしれないしな」
「…………」
ちょっとだけ不満そうな色を上目遣いの瞳にただよわせ、箒は一夏を見つめる。
「なんだ? 来ないのか? 別に俺は構わないけど……」
そう言って立ち去ろうとする一夏の腕にはっしと捕まり、腕を絡めて身を委ねる箒。熱っぽい視線が一夏を見上げ、ぽつりと箒の口から女の情欲がまろび出る。
「いっぱい……して……」
おう。と一夏は威勢よく応じ、腕を絡めたままの箒を引き連れつつ、ちょっとだけ早足で道場を後にした。