「こ、腰が・・・死ぬ・・」  
 
教室でまだ鈴に撃ち殺されているほうがよかったと思う。  
一夏は、いまや壁を支えにしながら部屋への帰路についていた。  
頬はやせこけ、顔はまるで40代。歩みに至ってはさながら老人のようである。  
こうなったのも、ラウラを恨むばかりである。  
 
「お前を私の嫁にする。異論は認めん!!」  
 
嫁(なぜ婿じゃないんだ)宣言をされてから天国のような地獄の一日であった。  
 
「ちょっ・・!よ、嫁ってあんたねー!?」  
「そうだ!そもそもむ、婿というのはだな!」  
「一夏さんをあなたのような野蛮な娘に・・・」  
 
「ふん!決定事項だ。異論を挟むなら奪い取ってみるんだな!?」  
 
教室で、ラウラの暴挙に箒・セシリア・鈴音が食いかかったのを最後にあまり記憶がない。  
 
たしか、箒の部屋に半ば拉致されてから・・着ぐるみを剥がされたような気がする。  
 
 
「嫁だか、婿だから知らないが、こっちにだって考えがあるぞ!」  
そう言われて、箒にズボンを脱がされたんだっけ?・・・頭が痛い。  
 
「一夏さん。覚悟を決めてもらいますわ!?」  
今度はセシリアが、目の前の服を脱ぎだしたような気もする。とても巨乳だった  
 
「セカンド幼馴染だけど今日は先手必勝!」  
そういって、鈴がむき出しになった一夏のモノを強引に銜え込んだ。あれが4000年の技か・・・  
 
それを阻止しまいと、ドアの外でラウラが「卑怯者どもめ!」と喚いていた記憶もある。  
 
3人の口に、体に、膣に何度も吐精し、快感と苦痛の中、3人が力尽きた後一夏は解放された。  
 
ドアの外にすでにラウラはおらず、気づけば一夏は自らの部屋の前にいた。  
 
倒れこむ一夏を、屈んで覗きこむ綺麗な足。一夏の部屋にいるとすれば一人しかいない。  
もはや、首だけで見上げることしかできない一夏は驚愕したものをみた。  
 
「・・・・楽しかった?一夏・・・。僕じゃなくて他の人たちと気持ちいいことして・・」  
 
顔は天使のようだが、オーラが違う。すでに右腕は部分展開を終え、攻撃態勢に入っていた。  
 
「・・いや、シャルル、じゃなくてシャルロット。こ・・・これには深いワケが・・・」  
「・・・・一夏のえっち・・・」  
 
一夏の目の前で、閃光が炸裂した。  
 
「うわぁああ!?」  
跳ね起きるように目覚めた。体中にべったりと汗で濡れていた。時間は既に午前を回っている  
 
シャルル改め、シャルロット・デュノアは目を覚ました。  
運動直後のような呼吸。横を見るとこちらに顔を向けて眠る一夏の姿があった。  
「・・・夢?僕は・・・なんてことを・・?」  
 
軽く長い息を吐く。すぐに、夢の内容を頭の中で反芻し顔が紅潮する。  
夢とはいえ、自分の目の前で4人の別の女性に体を奪われた一夏を見たのだ。  
「あわわわ・・・、どうしよう。どうしよう・・・」  
両手で顔を覆いながら、昨日教室で起きた惨劇(?)にシャルロットは戸惑った。  
足早にシャワールームにかけこむと、コック全開でシャワーを頭から浴びた。  
 
自らの体を抱きしめながら、シャルロットは思いに耽った。  
「・・・なんとかしなきゃ・・」  
日も変わり、IS学園は騒がしかった。  
女子生徒一同、ソワソワしている様子だった。日付は3月14日。  
ちょうど一カ月前の14日は、一夏の元にチョコレートが部屋を埋めつくさんと言うばかりに集まった日。  
そして、3月はそのお返しのホワイトデーであったからだ。  
「・・・みんな。お返しを期待してバカみたい。」  
炒飯をほおばりながら鈴音が言う。  
「せめて、私だけに返してほしいですわね♪」  
紅茶をすすりながら、セシリアがほほ笑む。  
 
「アイツは鈍感だ。そんなものは頭にない!」  
箒が不貞腐れたように、米を口をかきこむ  
 
「くふふ。たかが菓子程度で。子供でもあるまいし・・」  
腕を組み不敵な笑むを浮かべるラウラ。夫のような貫禄である  
 
4人は円卓を囲むように朝食をとっていた。その周りで1年女子が右往左往している。  
やれ、一夏君はどこだ。もらえたら勝負かけるわ、下着は何色だの、色々である。  
 
そこにシャルロットが紙袋を持ってあらわれた。  
「あの・・・4人ともちょっといいかな?」  
 
4人にギロッとにらみ返され、シャルロットはひぃ、と声をあげた。  
学園側の手続きがうまくいかず、あの日以来いまだに一夏と同居しているのだから。  
 
「なによ。その手にもっているものはー?」  
鈴音がブーたれた顔で言う。  
「あの・・・その・・、えっと・・」  
「なんだ?はっきりしないな。」  
ラウラが立ち上がって、持っていた紙袋を奪い取った。  
 
「大きな紙袋。中になにか入っているようですわ」  
テーブルの上に紙袋をひっくり返すと、飾りつきの袋がいくつかこぼれおちた。  
 
「なに、これ・・・」  
 
良く見れば、その中にプレート付きの袋が4つ入っていた。  
 
 
「まさか・・・」  
IS乗りに相応しい目にもとまらぬ速さで袋を手に取る4人。  
そこには、直筆でそこにいた4人の名前が書かれていた。  
 
「一夏の字じゃないか。・・・あいつ。」  
「なっ!?私の分もあるというのはどういう・・・?」  
 
意外なものに箒は顔を赤らめた。ラウラも驚きの色を隠せない。  
 
セシリアも鈴音も喜びを顔で表現した。  
 
「本人からじゃなくて悪いんだけど、一夏が4人に渡してくれってさ。」  
頭を掻きながらシャルロットが、ホワイトデーのプレゼントであることを伝えた。  
チョイスはシャルロットがしたが、プレートの字は間違いなく一夏直筆である。  
 
「おいしいクッキーだから食べてみてよ」  
すでに自分の分を手にしていた分を口に運ぶ。  
 
そして、クッキーに存在に気付いた他の女子生徒もシャルロットの周りに集まった。  
数が足りず、複数人で一袋になってしまったが、みな一様に満足している様子だった。  
 
その日の夜。  
 
「そうか。よかった、みんな満足してくれたかぁ」  
部屋のベッドに腰をおろし、ホっと胸を撫でおろすように息をつく一夏。  
 
「あははは。あの日以来、皆が一夏を見る目が変わっていたもんね。」  
向かいのベッドに座るシャルロットが笑顔で返す。  
 
「でも、またラウラが熱をあげないんといいんだけど・・。」  
「うげぇ。それは勘弁してほしいな。だからこそ、みんなの分買ったんだぜ!?」  
 
シャルロットの夢の内容は預かり知らないが、実際一夏はシャルロットに撃たれかけていた。  
3日ほど口をきいてくれず大変だったのだ。  
 
大丈夫だよ。少なくとも今日は大丈夫。」  
クスクス笑いながら、シャルロットは答えた。  
この笑顔に一夏はかなり癒されていた。教室でも部屋で二人っきりでも、この笑顔はとても特別なものに感じる。  
 
 
「周りが静かすぎて怖いくらいだけど・・。」  
シャルロットの言うとおり、いつも賑やかな廊下から何も音が聞こえてこない。  
寮長の千冬でも巡回している時ぐらいじゃなければここまでの静寂はないはずなのに・・・  
ドアに目をやり、突然の来客の気配を感じ取ろうとしたが、徒労に終わりそうだった。  
 
ふと、座っていたベッドがきしむ音を立てる  
 
「一夏・・・、誰も来ないのなら・・・ね・・?」  
「おわっ?シャル・・・」  
 
視線を戻せば、、猫のように忍び寄ったシャルロットが目前まで迫っていた。  
紫色のつぶらな瞳。化粧なんかせずとも潤いを感じる肌。  
 
「・・・相変わらず反則だよな。その表情。」  
「一夏が・・・僕をこうしたんだよ・・・」  
 
一夏の膝に右手が触れられた。心臓の鼓動が聞こえそうな距離まで更に接近する。  
目線を下に移すと、普段より開いた服から胸が見える。  
「ねぇ・・一夏・・・」  
「シャ・・っ」  
 
塞ぐようにシャルロットから口を奪われた。すぐに一夏の両肩に手が回されるとそのまま押し倒す。  
 
「んん・・っ。いちかぁ・・」  
「シャル・・・。」  
「んはぁ・・・。んむっ・・」  
 
甘えた声を出し、一夏の口、首と舐めるようなキスをする。  
ねっとりというより、猫がチロッと舌を出すような感じで一夏の顔をなめる  
 
シャルロットの肌蹴た上着を、滑らすように両手で下ろすと白い肌が露わになる。  
女だと気づく前まで、気づきもしなかったが体の割に大きい胸も。  
 
「あ・・・」  
橙の間接照明で薄暗い部屋とはいえ、一夏に自らの胸を視認された恥ずかしさが顔にあらわれた。  
「すげぇ・・・可愛い」  
「恥ずかしいよ。いちかぁ・・」  
胸を凝視する目の前の男に、シャルロットは視線を一夏の足元へ反らした。  
しかし、反らした先の膨らみを見てまた紅潮した。とっくに見慣れたはずだと思っていたのに・・・だ。  
 
恨めしそうに視線を戻すと、少し頬を膨らましてみせる。  
同時に、膨らみに手を伸ばして触れる。  
 
「なんだよ。本能なんだから仕方ねぇじゃん。」  
「むー。わかっているけどさぁ・・・・・。」  
「男はこういう生き物なんだよ。・・・それに、シャルが・・・」  
 
体ごと膨らみのほうへ移動させると、膨らみを押さえつけているものを脱がし解放させた。  
バネ仕掛けのように、解放されたモノがシャルロットの目の前に出現した。  
いつ見ても驚く存在である。教科書で読んだ限りではこんな巨大化するものとも想像できなかった。  
 
「・・・一夏のえっち・・」  
 
言葉と同時に両手で、巨大化した一夏のモノをつかむ。  
「おぃ・・・。このタイミングでその言葉は反則だっつーの」  
 
先ほどのキスのように、舌でなめ回し始めると一夏のモノはピクピクと痙攣に似た反応を示す  
顔を添わせると、自分の顔の長さくらいあると思うほどだ。  
普段は結ってある髪が、一夏のモノに触れる。  
 
「・・・んふっ。んふっ。・・・おっきい・・」  
舐めまわしから、先端を唇で挟むように愛撫する。先端から透明な粘液が漏れ始めた。  
滴る粘液が、摩りあげている手にからみ卑猥な音を立てる  
 
「うあっ・・、またうまくなったんじゃ・・・」  
舌を添わせるように、半分ほど咥え込むとビクビクと痙攣した。  
銜え込んでいない分を、手で使って上下に摩ると反応は一段強くなった。  
 
「んんんっ・・・。いちはぁ・・おっひいよ・・・」  
「あっ・・!く、くわえながら喋べ・・るな」  
 
口と手で上下に愛撫させていくと、口の中で膨張していく様子が感じ取れた。  
シャルロットの小さな口では、顎が外れるそうな感覚も覚えるほどだ。  
 
手を離し、両手を一夏の腿に添えると口だけで愛撫を繰り返した。  
速度もはやまり、咥える深度も深まった。  
口から抜かれる一夏のモノは、粘液とシャルロットの唾液で雅な光を帯びる。  
卑猥な音も加速し、部屋の中でこの音が支配されるような一定のリズムが刻まれる。  
腿に置かれた手に一夏は自らの両手を重ねた。  
 
「く・・・あっ、シャ・・・ル。もうやばいかも・・・」  
「・・・いちはぁ・・・いいひょ。・・・んむ・・」  
 
「ああっ・・!!」  
一際深く咥えこまれただろうか。シャルロットが根元まで咥え込んだ時、一夏の腰が跳ねた。  
シャルロットの顔がすこし歪み腿をつかむ。  
弾け飛ぶような精が、シャルロットの口内で何度も放たれ満たしていった。  
 
「ふ・・・むっ・・」  
少し涙目になりながらも、吐精の勢いを口で抑え込む。  
10秒ほどだったろうか、吐き出される勢いは治まり一夏の腰はベッドに落ちていた。  
シャルロットは、そのままゆっくりと1分ほどかけて、満たされた一夏の精を飲み干した。  
一夏はハァーと肩で呼吸をして、吐精の快感に体をしびれさせていたままだった。  
 
「あはっ・・・。一夏の味って・・・やっぱりいいよね。」  
まだ、絶頂の余韻のある一夏に天使のような頬笑みを掛けてそう言った。  
 
「・・・今度は、俺の番だ・・・な」  
 
「あっあっあっ・・・あん」  
 
一夏の背中に両手を回して、シャルロットは快感に身を任せていた。  
「いちか・・・いちかぁ・・・」  
「・・・いちかの・・・すごい。僕のなか・・・掻きまわされちゃってるよぉ・・・」  
腰を送るたびに、シャルロットは艶な声をだし一夏の名前を呼ぶ姿に夢中になっていた。  
ベッドがギシギィと音を立てて、表面は波打つように動く。  
 
時折、シャルロットの膨らんだ胸を口に含むと電流が走ったような反応を示す。  
 
出会ったころから、特徴的だった括れた腰、同い年は思えないほどの童顔。  
男と勘違いもしていた上に、いまだに一人称は「僕」である目の前にいる女。  
一夏はなんだか、後ろめたい気持ちとそれを実行している興奮で腰が早まった。  
 
「んあああっ・・・。いちかぁ・・いちかぁ・・」  
半分開いた口から涎が垂れ、目の前にいる者の名前を呼び続ける。  
 
「シャル・・・・。すっげー気持いい」  
「ぼ・・・ぼくも・・すごく気もち良くて・・・」  
 
笑顔を返すシャルロットの髪をくしゃくしゃと掻きあげて乱暴にキスをする。  
 
「ぼくを・・・必要としてくれ・・・る人・・・」  
 
「・・・シャル。そばにいつまでも・・・いてくれよ。」  
 
声に出さずとも、コクコクと頷き一夏を強く抱きしめてきた。  
それに応えうるかのように、一夏は片膝立ちになりグッと腰を強く送った  
 
「ひゃぁっ・・・?深っあ・・・・?!」  
体中を貫くような刺激に襲われた、シャルロットの体が跳ねる。  
 
挿入角度を変えた一夏の動きは、激しさがより増した。  
ベッドのきしむ音も、ギィーッと長いストロークかつ強い波に変わった。  
 
片方の足を抱き込むようにすると、シャルロットの奥を更に責められるように感じた。  
そして、実際にそれは形となってあらわれた。  
一夏のモノを、シャルロットの体が強烈に絡みつくように締め付ける。  
 
ふと、一夏に両手を伸ばして何かを乞うた。  
すぐに察すると、シャルロットをやさしく抱きしめ、それに返すように一夏の背中にも手が回された。  
 
「・・・ぼく・・・限界」  
「ああ・・俺もそろそろ・・・やばいからな。」  
言い終わると、唇を重ねてそのまま腰を動かし始めた。  
 
「んああっ・・はげしい・・」  
もうしがみつくばかりのシャルロットを一夏はどんどん攻め立てた。  
 
艶な声の他、自分の前でしか決して見せない表情に一夏は魅せられてしまった。  
IS展開時はもとより、制服越しでは決してわからない感触もある。  
 
無意識というより本能で腰を送り続ける中で、一夏の腰は徐々にせり上がる熱を覚えた。  
シャルロットの中で、その体制に入ったことを告げる痙攣も伝わってきた。  
 
「・・・シャル。・・・出すからな・・」  
「うん・・・・、一夏のなら・・・嬉しい。」  
 
お互いの指を絡めて、もう一度唇を重ねた。一夏のモノが破裂せんばかりに大きく膨張する。  
それが合図かのように、シャルロットの中もキュッと締め付ける。  
「・・・!」  
噴き出すような精が今度は体内に放出された。  
先ほどより、勢い強く、長く、多く何度も放たれた。  
一夏の腰に回された手が肉に食い込んだ。だが、痛みなんか感じない。  
二人は強烈な絶頂を迎え、お互い身悶えする快感を抑えようとお互いを強く抱きしめる。  
 
「くあっ・・シャルッ・・・」  
「い・・・ちぃ・・かぁ」  
 
まだ治まらない体の震えを慰めるように、鳥がエサを啄ばむみたいに唇を重ねた。  
 
一夏のモノは、熱を失い徐々に隆々さを失い、結合部からは白濁した液体が溢れ出た。  
しかし、今の二人はそんなことは気にせず抱きしめ続けていた。  
「ふふーん♪いーちーかー♪」  
一夏の鼻を指で触りながら、シャルロットは嬉しそうにじゃれる。  
「なんだー?」  
一夏はシャルロットの髪をお返しとばかりに撫でる。  
 
「えへへー♪」  
一夏の受け答えにただ笑みが帰ってきた。胸に顔をうずめて、尚もにやけた声を出すシャルロット。  
 
「・・・変なやつだなぁ」  
 
結局、シャルロットの言うように訪問者は来なかった。一応施錠もできるドアだが・・・  
 
この環境に特別な日なのに、本当に珍しいこともあるものだと一夏は思った。  
それでも、今シャルロットをこうして抱きしめていることに幸せを感じられたから良しとしよう。  
 
何分ほど考えて込んでいたのだろうか、シャルロットはいつの間にか寝息を立てていた。  
汗もかいたというのに、天使は無邪気な寝顔で夢の中である。  
 
ふと、横に目をやると一緒に買ったクッキーが置いてあった。  
ネームプレートには、「シャルロット」と一夏の字で書かれていた。  
そこから、一枚失敬して口に運ぶ。水分が失われた口にはちょっとむせるがどうでもいい。  
 
「むにゃ・・・良かったぁ・・」  
シャルロットが寝言を言った。一夏はそれを見て微笑んだ。  
「・・・クッキー・・・。よく効いたみた・・・ぃ」  
 
「はあ!?」  
 
「全く・・・・とんでもない事を実行するもんだな」  
「彼・・・いえ彼女に限った行為じゃない、というのがちょっぴり怖いですね」  
 
千冬と真耶は、モニターに出力されたクッキーの成分表を見てため息をついた。  
「遅効性の睡眠薬か。違法性のあるものではないにしろ、寮生全員に盛るとは恐れ入る・・。」  
愛用のカップを手に取り、コーヒーをすする。  
 
「一夏君の部屋の前に、多数の女生徒が倒れていると報告を受けた時は驚きましたよ・・・」  
「専用機持ちたちは食堂で倒れていたようだしな。」  
 
「性別の偽装に、薬品の扱いに長けている。そんな奴に一夏は惚れたというのか。」  
「私が言うのもなんですが、女って怖い生き物なんですね」  
 
苦笑いをしながら、千冬にそう言った。  
「ふん。IS操縦者が恋愛なんぞにうつつを抜かしているからだ。明日は全員説教だ!!」  
グイッとコーヒーを一気に飲み干す。  
 
「・・・全く頭が痛い。私のほうが参ってしまいそうだ。」  
「そんな時は甘いものがいいですよ。召し上がります?」  
そういって真耶が取り出したのはキャンディーだった。カラフルな一口大の大きさであった。  
 
「・・・すまないな。」  
適当に2つ手に取ると、口の中に転がす。真耶もひとつとって口に入れた。  
 
「たった一人しかいない男の子ですからね。ファンも必然的に・・・」  
「飢えた獣が手当たり次第肉を求めたにすぎん。それに・・・」  
 
飴を舐めた二人は力が抜けたようにその場に崩れ落ちた。  
 
「・・・!?山田君このキャンディーは一体・・?」  
 
 
「そ・・そういえば、これもデュノアさんからもらったものでした・・あは・・あはは」  
 
苦笑いを作りながら真耶は倒れた。  
 
「ふ・・・・不覚!!」  
そして、千冬もその場に倒れた  
 
 

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