…知らなかった、と千冬は思った。自分の身体が、こんなに感じるものだったなんて。こんなに感じる所が多かったなんて。
この年まで知らなかった女の悦びを、こともあろうに10歳近くも年の離れた弟に教えられた。身体じゅうにゾクゾクと拡がる甘い痺れ、身も心も満たされる喜び… もっともっと味わいたいと千冬は思った。
一夏の細身の身体は筋肉プリプリで、むっちゃ抱き心地が良くって、疲れをいっこうに知らなかった。
その背中は、千冬の知らぬあいだに大きく、広く成長していた。
まばゆいほどの肌の張り。
真っ赤に膨れあがった尖端からツーンッと発散される初々しい精の匂いが、千冬にはたまらなかった。