1939年。
ドイツ第3帝国総統ヒトラーはアラスカ条約を一方的に破棄し、ISの軍事転用を宣言。イタリア、日本もこれに追随する。世界主要各国はこれに反発し、ISを主要戦闘力とする全面戦争が勃発。世界は終わりの見えない戦いに突入した。
時は流れ、1945年、3月。
桜が綻び始めた篠ノ之道場の夕暮れ時に、賑やかな声が響く。
「うまい!箒、また料理の腕が上がったんじゃないのか?」
「そっ・・・そうか!美味いか・・・(よしよし)」
「ん?」
「なっ・・・なんでもない!ほら、もっと食べるが良いぞ。」
「ああ。・・・贅沢を言えば、唐揚げが食べたかったんだけどな。」
「しかたないだろう。物資が不足していているのだ。国民が我慢しているのに、我々軍人が模範と成らずになんとする!」
「わかってるよ。箒は相変わらず硬いなあ。ほら、学生の時に屋上で食べた箒の唐揚げ、美味かったっけ。」
「そっ・・・そんなことはもう忘れたぞ!・・・しかし、そんな昔の事を良く覚えているものだ・・・」
「どうしたんだ?顔が赤いぞ。」
「なななっ・・・!うるさいうるさい!」
〜〜〜〜〜〜
「それより、今日はどうしたのだ?突然うちに来て・・・正直、びっくりしたぞ。」
「ん?ああ。ちょっと箒の顔が見たくなってな。」
「そっそうか!しかし前もって連絡してくれてもよいだろう。準備に手間取ったんだぞ。」
「何の?」
「この馬鹿・・・(お化粧とか、着物の着付に決まってるだろう)」
「え?俺何か悪いこと言ったか?」
「もういい!」
「?変なヤツ・・・」
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「なあ、箒。本当のことを言うとな、今日は、お別れを言いに来たんだ。」
「どういうことだ・・・?別れ・・・だと?」
「今日、織斑陸軍大将から南方への出撃命令が下った。俺は明日、ラバウルへ行く。おそらく、生きては帰って来れない。」
「そんな・・・どうして・・・」
「明後日午後に米国主要戦闘機、銀の福音がラバウルへと攻めてくるらしい。千冬姉からは『銀の福音を差し違えてでも破壊してこい!』って言われたよ。ははっ・・・」