「おーい鈴、まだかー」
一夏がバスルームに向かって問いかけると
「う、うるさいわね! そんなに急かさないでよ!」
と、少し反抗的な声がドア越しに返ってくる
ここは一夏の部屋で、部屋の主である一夏はベッドの上に腰掛け、期待に胸を膨らませていた
「着るのが難しいなら手伝ってやろうかー?」
「もうすぐ着終わるからちょっと待ってってば!」
「うぅ…恥ずかしい…」
バスルームから出てきた鈴は黒いワンピース風の、腰から下に白いエプロンが一体化した服を着ていた
胸元の部分はブラウスのボタンのようになっており、その上にリボンが結んである
エプロンの垂れるスカートは学園の制服よりもやや短めで、どんな技術を使っているのか不明だがハの字に広がっていて
恥ずかしさの余りに内股気味になっている脚には黒のニーハイソックスが完備されていた
半袖から伸び、自身を抱くようにしている腕にはロングの白手袋がはめられており、新品のシルクが艶やかな光沢を放っている
いつものツインテールの中心にはヒラヒラのカチューシャを着けているとあれば、その姿は誰がどうみても立派なメイドであった
「おお…」
「な、なによぉ…似合ってなかったらハッキリそう言いなさいよ!」
鈴が顔を真っ赤にしながらヤケクソ気味に怒鳴る
「…はっ!? あ、いやすまん。つい見とれてた」
「ふ、ふん! そんなお世辞いらないわよ…あたしなんかよりシャルロットやラウラが着た方が似合うに決まってるもん」
自分の中で考えていた事をいざ口にだすとそれを改めて自覚させられるようで、段々と声が尻すぼみになってしまう
「はぁ…」
その言葉を聞いた一夏は深いため息を漏らした
「ちょ、ちょっと! 何よそのため息は!」
「わかってないなあ」
一夏がベッドから立ち上がり、鈴のもとへ歩み寄る
「なんでそこでシャルやラウラが出てくるんだよ」
「だ、だって…」
鈴の目の前まで来ると、いつも以上に小さく見える両腕にそっと触れる
そのまま撫でるように手を下ろしていき、シルクのさわり心地が気持ちいい二の腕を伝って手指へ到達
「あの二人は関係ない。俺は鈴に似合うと思ったから、今日この服を用意したんだ」
「あたしに似合う…から…?」
「ああ。着てみてどうだ、襟とかキツくないか?」
「だ、大丈…夫…」
鈴はうつむいたまま一夏の声を聞いており、前髪に隠れた表情は伺うことはできない
だが、その声に先ほどまでの刺々しさは無くなっていた
一夏は指の一本一本に触れながら、二の腕を抱く手を丁寧に引き離して行く
そうしてできた隙間に指を滑り込ませ、すくい上げるようにして手を握り
腕から離した両手を一つに束ねて、自身の手でぎゅっと包み込んだ
一夏の両手でスッポリと包める程の小さな手
すべすべの手袋の中にある柔らかな指が時折、気恥ずかしげに動く
「鈴」
「…ん」
名前を呼ばれ、伏せていた顔を上げる
「すごく可愛いよ。めちゃくちゃ似合ってる」
「へ!? あ…ぅ…」
満面の笑みでそう告げる一夏の顔を見続けていると
自分の中の喜びの感情が溢れてきて、思わず涙が出そうになり
「……ッ」
耐えきれずまたもや俯いてしまう
大好きな一夏からのほめ言葉
それはいつ言われても、何度言われても決して慣れることはない
先ほどまでは頬だけだった熱はもはや全身に伝わり、心臓の鼓動が大きく、早くなっていく
「い、一夏…」
「うん?」
「ぁ、その、あ…ありが、と…」
か細い声で精一杯のお礼の言葉を搾り出す
「ああ。気に入ってもらえたら嬉しいよ」
一夏はそう言って片方の手を離し、鈴の頭を優しく撫でた
鈴が俯いているのもあって、手を乗せる位置は普段よりやや後ろ
綺麗な栗色のツインテールが乱れない程度に、そっと撫でつける
やがてその手はうなじをなぞりつつ、輪郭に沿って移動しながら鈴の細顎へ到達する
そのままクイッと顔を持ち上げると、互いの唇を重ねた
「ん、んぅ、ちゅう……んぷ…」
唇が触れ合い、すぐさま舌が侵入してくる
鈴の舌を見つけると、表面を撫でたり、先っぽを絡ませようとうねったりして盛んに求めてくる
そんな一夏の口付けに、鈴もまた舌を動かして応える
「ちゅ……んむぅ…んく、んく…」
二人の唾液が口内で混ざり合い、ぬちゃぬちゃと卑猥な水音を響かせる
鈴は口からこぼれそうになるそれを小さく喉を鳴らしながら飲でんいった
その殆どを飲み干すと、一夏の唇が離れていく
「は……はぁ、はぁ、ぁ…いちか…」
「ん、なんだ?」
「も、もう、しちゃうの…?」
普段から割と物事をズバズバと言う鈴にしては抽象的で
それでいてどこか期待しているかのような声音の物言い
「そうだな、できれば今すぐにでも押し倒したい」
「欲望に正直過ぎでしょ…」
「まあでも、自分に正直なのは悪いことじゃないだろ?」
「え? あっ、ちょっと!」
一瞬の隙を突き、鈴を抱きかかえて部屋の突き当たりまで追いやる
バスルームと台所に挟まれた廊下の突き当たりとは、つまりこの部屋の出口であり、その向こうには各々の目的をもった女生徒達が廊下を行き来している
扉にぶつかる直前で一夏の抱っこから解放され、ヒラヒラのスカートがふわりと浮く
「ひゃっ!?」
思わずスカートの裾を握れば、それはまた新たな隙を生む事になり、肩を捕まれて扉に背中を密着させる形となった
「え? え?」
わずか数秒の出来事に鈴の頭はついていけてないが、ひとつだけ焦っている事は
「ほんとにココでするの? 冗談だよね?」
驚きと呆れと期待と、その他もろもろがない交ぜになった複雑な表情で一夏を見上げる
見上げた顔はスケベな事しか考えてない、どうしようもない獣の顔であり
その目にはこれから行う行為への期待でギラギラとした光が灯っていた
一夏がここまで昂っているのは、しおらしくお礼を言う鈴の仕草であり、恥ずかしげにモジモジと佇む姿であったわけだが、当人はそれを全く知る由もなかった
「する! 鈴が可愛すぎてもう我慢できないんだ!」
「こ、声が大きいわよバカ! すぐ後ろドアなんだから聞こえちゃうでしょ! っていうか、するならちゃんとベッドで…」
それ以上の抗議を遮るように、一夏は鈴の唇を塞いだ
「はあ、はあ、ん、ちゅぶ、れろ、じゅるる」
「ぁ…あむ、んッ! ふぁ…ひゃふ…」
キスをしたまま、一夏は鈴に身体を寄せる
肩を掴んでいた右手を内側へ這わせ、リボンの下にある鎖骨を撫でつつ胸へと向かう
「んん…ちゅぷ……ぁ、ふぁぁ…」
鈴は絶妙な力加減で喉下を通過していく指に、確かな快感を得ていた
耐えきれず離した唇から、悦びの声が漏れ、一夏の指が這った場所から快感が伝播し、全身をぶるりと震わせる
右手はそのまま下りていき、可愛らしい白のブラウスに守られた双房へと到達
慎ましくも確かな膨らみを持つそれを、手のひらを浮かせた五本指が堪能する
上から下へ一撫でした後は、くすぐるかのように五指をバラバラに動かして乳房を弄ぶ
「ッ…ぁ…んん……!」
メイド服の下には薄手のキャミソールしか着ておらず、不規則に胸を弄る指が突端の蕾に触れる度、鈴の身体がピクンと反応する
「……はむ」
「ひにゃぁ!? み、耳だめぇ!」
不意に一夏が、鈴の耳をついばんだ
丹念に外周をなぞり、内側を舐る
「ぁ、やぁ…ダメ、あ、ひゃぅぅ!」
右耳と左胸を同時に愛撫され、鈴の身体が快楽に支配されていく
エプロンの裾をぎゅっと握りしめ、遅いくる悦楽に膝を震わせながら耐える
「…なあ鈴」
「ふぁ、はぁ、はぁ、な…に…?」
「あんま大きい声で喘ぐと、外に聞こえちまうぜ?」
「……!?」
鈴は惚けた表情から一転、大きく目を見開き、慌てて両手を口にあてた
「ふっふっふっ、そうするとボディがガラ空きだぜ」
一夏が膝立ちになり、フリル付きのスカートをめくる
鈴が穿いているのは緑と白のストライプで、両端が紐結びになった極小の下着だった
「おお、ちゃんと着けてくれたんだな」
「ちょ、一夏ぁ!」
鈴は扉の向こうに聞こえない程度の小声で怒りながら、一夏の頭を引き離そうと手を伸ばすが
「ふ…甘いぜ!」
謎の反射神経を発揮した一夏に手首をカウンターで握り返され、左右へ拘束されてしまう
「あ、あんたスカートの中に顔突っ込んどいて何であたしの手の位置がわかるのよ!」
「エロに吹っ切れた俺は無敵だからな」
「いや意味わかんないわよバカ!」
手を振り解こうと努力はしてみたものの、力強く握られた一夏の手はビクともしない
「このっ! 手を離しなさいよ!」
「どーしよっかなー」
「もー! とりあえずパンツ見るなバカぁ!」
べちょり
「ひぁあぅ!?」
不意に鈴の内腿に生温いものがあたる
「ん…あも…れろれろ」
「んん…! く、くすぐった…!」
肌とニーハイソックスの境目にあったソレは、鈴の脚を蛇行しながら股の付け根へ向かう
鈴は太腿を舐めあげられる度に、下半身が不快感と紙一重の快感にみまわれて腰をおとしてしまいそうになる
「ぁ…ぁぁ…なめちゃダメだって…いちかぁ…」
一夏は全く聞く耳を持たず、鈴の汗の味を感じながらもう片方の腿にも舌を這わせた
「ん。鈴の汗、しょっぱい」
「そ、そんなの言わなくていい! 一夏のバカ、へんたい!」
「鈴、残念ながらその変態はお前の彼氏だ」
一夏の顔がついに紐下着の結び目へ到達した
相変わらず両手は拘束したまま、チョウチョ結びの紐を噛み、ゆっくりと顎を引く
「やッ! ダメぇ!」
拒否行動として腰をよじった鈴だが、一夏が紐を噛んだままだったために勢いよく下着を脱ぐ格好となってしまった
もはやただの布切れとなった下着が太腿にぶらさがる状態となり、一夏の前に鈴の秘部が露わとなる
ピタリと閉じ、きっと同級生と比べても幼く見えるであろう少女のような秘部
その上には髪の毛と同じ栗色の陰毛が薄く生えている
一夏は恥毛に鼻を押し当て、なだらかな丘の形状を確かめるかのようにゆっくりと顔を下ろしていく
スカートの下、薄明かりの中だったのでわかりづらかったが、鈴の秘部は既に愛液で濡れそぼっており、発情した雌の匂いを漂わせていた
「ちゅう」
一夏を虜にする可愛らしいスリットに優しくキスをする
「やッ! ふあぁん!」
全ての快感が行き着く先である女性器に、一夏の唇がダイレクトに触れる
ただ触れただけで、先ほどまでのどんな愛撫よりも強烈な快感が生まれていた
愛液で蒸れた秘唇を左右に割き、一夏の舌が陰唇を蠢く
犬が飼い主を舐めるかのようにベロベロと、蜜の溢れる膣から尿道、そしてクリトリスを舐めあげる
「んゃぁぁぁ……ひッ…いちか、そんなにペロペロしちゃ…んぁ…ぁ…!」
舐められた箇所から甘い痺れがジンジンと広がり、足腰から力が抜けそうになる
「ちゅう…鈴、声小さくな。外にバレひまう」
言いながら、一夏は秘部への奉仕を再開する
舌先で器用に包皮を剥き、固く屹立した陰核をつつく
「そ、そんなこと言っても、ぁッ!」
トン、トンと、鈴の弱点を刺激すると、同じタイミングで鈴の口からも喘ぎ声が発せられる
不意に、一夏の手から力が抜け、鈴の手首からするりと落ちた
鈴はそれを見逃ささず、再度掴まれないように両手を口へ持って行く
なんとか声を押し殺せると安堵したのも束の間、鈴を待っていたのはさらなる悦楽だった
両の手を離した一夏は左手で鈴の右腿をぐるりと抱き込み
右手の中指はしとどに濡れた膣内へ挿入された
「わ、すげえ。あったかいし吸い付いてくるみたいだ」
愛液でトロトロの膣内は熱く、一夏の中指をきゅうきゅうと締め付ける
中指に少し角度を付け、ゆっくり掻き出すように動かす
すると愛液が膣内からとぷとぷと流れ出て一夏の手を汚し、腿を伝ってニーハイソックスに染み込んでいく
鈴はその責めに今度こそ膝を崩してしまいそうになるが、一夏の腕にギリギリの所で支えられている
「んん!? んんー!」
両手で口元を覆いながら、いやいやと首を振るが、スカートの中に顔を突っ込んでいる一夏の表情は見えず
何をされているのかを視認できないアブノーマルな快感のまどろみに心が溶かされていく
陰核と膣内を弄られ、また声が出そうになる
「ぁ、〜〜〜!」
「んんッあ、ひぅ、ぁ、いちか、ダメ、ひく、ぁ、あ、あ…!」
鈴の意思とは関係無しに腰膝が痙攣し、絶頂の兆候を見せ始める
消え入りそうな囁き声を聞いて、一夏の動きが止まる
「っと、じゃあそろそろ俺も挿入させてもらおうかな」
スカートから顔を出して立ち上がると、素早く男性器を露出させる
窮屈から解放されたそれはビクビクと脈打ち、大きくエラの張った先端からは我慢汁を滴らせている
「あ…すごい…」
「鈴がメイド服姿で感じまくってるの見てたら、いつもより興奮してしまったみたいだ。悪いけど、このまま入れるぞ」
「ふぇ、この、まま…?」
鈴の身体をくるりと半回転させて扉に手を付く体制にさせる
スカートをめくり張りのある尻肉に手を添えながら、立ちバックの姿勢で剛直を突き入れた
「ひぐっんんん゛んん」
鈴は肉棒を一気に行き止まりまで挿入され、圧迫感と快感で声が出そうになる
「くぅ! やべっ…これじゃあすぐにイっちまいそうだ…」
小柄な体型ゆえに元より鈴の狭膣は、立っている事と脚が閉じている事とでさらに狭くなっており
膣内に入った肉棒を痛いくらいに締め付けていた
「はぁ、はぁ、ふ、かいぃ…」
「鈴、ほら」
柔尻から手を離し、片方の手は扉へ、もう片方は鈴の顔の前に肘を曲げて差し出しす
「むぐ…な、なに?」
「今から動くけど、どうしても声が出そうになったら噛みついていいからな」
一夏がゆっくりと抽送を始める
二人の体格差で爪先立ちになっている鈴のために激しく動こうとはせず
腰を中心として身体全体を揺らす短めのピストンで鈴を犯した
「んんぁ、ひ、や…もう、こえ…でちゃ…!」
「うわ、すげえ気持ちいい、鈴、鈴…!」
「は、はッ…い、いちか、そんな、奥ばっかり突いちゃ、ダメ、んぅぅ!」
一夏が動き始めた途端に声が漏れて、たまらずに制服に噛みつく
「ふみッ、やッ、ぁ、ひみゃぁ、ひぅぅ!」
差し出された腕を甘噛みしながら、子猫のように泣く
その愛くるしさは一夏をさらに欲情させ、鈴を抉る肉棒をさらに激しく動かし始める結果となった
「はあ、はあ、はあ…! ギュウギュウなのにヌルヌルで…最高だ、鈴!」
「んむぅ…な、なんで…あたしもいつもより感じちゃって…る…ひみゅぅ!」
一夏の部屋に鈴の喘ぎ声と、腰を打ちつける音だけが響く
抽挿を繰り返すたびに互いの最も敏感な部分が密着し、二人を徐々に昂ぶらせていく
「くうっ、鈴、イく…出すぞ…!」
一夏の腰の動きが速度を上げ、狭く熱い膣内を蹂躙する
「あ…あたしも、イく、イっちゃう! ぁッんん、ん…!」
鈴が再び顔をうずめガクガクと身体中を痙攣させるのと、一夏が一番奥まで肉棒を打ちつけ精液が尿道をかけ上がる快感に震えるのは同時だった
「く……うぁっ!」
「んんん! んぐううううううううう!」
制服を噛んだまま上半身を弓のように仰け反らせ、今日一番の絶頂に悶絶する
鈴の子宮に、音が聞こえそうな勢いで精液が吐き出され
同時に膣内が激しく収縮し、肉棒にさらなる射精を促す
自分の最も大切な部分、一夏しか触れることの出来ないそこに、彼の愛情が注がれていく
至上の幸福を得た鈴の、張り詰めていた緊張の糸がプツリと切れた
「はひ…ふぁぁ…」
「おわっ、わ、と!」
力無く前に倒れそうになった鈴を慌てて抱える
その反動で半萎えだった肉棒は抜け、子宮に収まりきらなかった精液が零れ落ちて床に白濁溜まりを作った
「り、鈴? 大丈夫か?」
「はぁ、はぁ…い、ちかぁ…」
−−−
−−
−
「んぅ…」
鈴が目を覚ましたのは、温かな布団の中だった
カーテンの隙間から差し込む光が今は朝だと告げている
「…あたしあの後どうしたんだっけ」
まどろみの中で自分の状態を見てみると、普段一夏が部屋着として使っているシャツと短パンを着ていた
ふと横を見れば、そこにはパンツ一枚で熟睡する一夏の姿
昨夜の羞恥プレイの事を思い出し、何らかの報復を行おうかと考えた鈴だったが
少年のように穏やかな寝顔でスヤスヤと眠る一夏を見ていると、不思議とその気も削がれていく
確かに昨夜のあの衣装はかなり恥ずかしかったが、可愛いと言われて嬉しかったのもまた事実であった
「はぁ…惚れた弱みってやつなのかしらね」
起こさないように近づき、頬にそっとキスをする
「コスプレも…た、たまにならしてあげてもいいかな…」
そう呟くと、もぞもぞと布団に潜り込み一夏と身体を密着させる
今日は日曜日で、取り立てて急ぐ用事も無い
鈴は全身を一夏の匂いに包まれながら、再び眠りに落ちた
おしまい