「おやすみ、一夏」
「あぁ、おやすみ」
IS学園に転入した初日。実は女、ということはばれなかった。
クラスの人はみんないい人だ。一夏も色々と世話を焼いてくれた。おかげですんなりと溶け込むことができた。
けど、油断してはいけない。女であることがばれないようにこれからも気をつけなきゃ。
目を閉じ、眠りに入ろうとした時、ベットの傍に誰かが立っている気配がした。
目を開けると、ベットの傍に一夏が立っていた。
「? 一夏、どうかしたのかい?」
「……」
間をおいて、一夏が口を開いた。
「お前、なんで男のフリしてるんだ?」
「え…?」
冷や汗が出る。まるで心臓に氷の塊を入れられたかのような感覚が身体を襲う。
なんでだ?女だって、ばれるようなことはしていないはずだ。
頭の中がパニック状態のまま、口を開く。
「な、何を言っているんだい?一夏、僕は男の子だよ?」
「そうか、なら…」
「こういうことしたって、問題ない、よな?」
そう言って、一夏は僕の胸に手を当てた。
恥ずかしさから、顔が真っ赤になる。
「そ、そうさ、僕は男の子だからね、一夏に触られたって…」
「じゃあ、こっちも触っても、問題ないよな?」
そう言って一夏は下半身の、大事なところに手を当てた。
「ッ…」
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
「あれー?おかしいなー、男だったらあるはずのものがないぞー?」
わざとらしく、一夏は言う。
ばれた。ばれてしまった。
「まぁ、男のフリして転校してきたんだ、何か理由があるんだろ?」
「そうだな、黙ってて欲しかったら」
「これからは俺の言うことを聞いてもらおうか」