8月。蝉時雨が夏の終わりを奏でる夕刻。  
一夏の部屋で何をするでもなく、二人は時折他愛のない話をしながら、優しい時間が過ぎていく。  
IS学園に入学して、初めての夏休み。  
初めは反目しあっていた二人。だが、剣を交え、何度かの死線を互いに越えるうちに、いつしか惹かれあった。  
お互い不器用で、うまく言葉を紡げない。けれど、二人の間には、確かな絆が構築されていた。  
「お、もうこんな時間か。」  
「そうですわね。一夏さん、楽しかったですわ。」  
「そういや腹減ったな。セシリア、学食行こうぜ。」  
「まあ、先刻ケーキをあれだけ召し上がったのに、もう空腹ですの?白式の燃費が悪いのは、パイロット譲りですのね。」  
「うるせ。さ、立て立て。行くぞ。」  
一夏はセシリアの手を引いて、ソファーから立たせる。が、  
「きゃ…」「うわわっ…」  
一夏が強く手を引きすぎたのか、二人はまるで恋人のように、互いを抱きしめる形になった。  
「せ…セシリア、悪りぃ…」  
「…」  
「セシリア?」  
「この唐変木…」  
「え?」  
「馬鹿!わたくしの…私の気持ちも知らずに…どうして、こんな気を持たせることばかりするのです?」  
「セシリア…」  
「馬鹿!馬鹿!馬鹿…」  
セシリアは蒼い瞳に涙をためて、一夏を強く見据える。  
「私は貴方を…え…?」  
言いかけて、セシリアはそれ以上何も言えなくなる。  
一夏はセシリアを強く抱きしめ、囁く。  
「ごめんな。こういうのは、男の俺から言わなきゃいけないこと…だな。セシリアに恥ずかしい思いをさせて、ごめんな。」  
一夏はセシリアの目を見据える。  
「好きだよ…セシリア。俺の、恋人になって欲しい。」  
「一夏…さん。」  
夕暮れに二人の影が伸びる。けれど、夕陽だけが暖かく二人を見守っていた。  
 
二人を包む空気が優しくなり、一夏とセシリアの距離が縮まり…そのまま唇を重ねる。  
お互いの不器用な恋心を写すような、フレンチ・キス。そっと一夏が唇を離すと、セシリアが微笑む。  
「一夏さん…私、幸せです。ファースト・キスが、こんなに素敵だなんて。」  
「セシリア…その、ごめんな。俺の初めては、ラウラに盗られちゃってさ…」  
人差し指をそっと一夏の唇に当てて、セシリアが微笑む。  
「一夏さん…そんなに気に病まないで下さいまし。貴方が、私を愛してくださる、そのお気持ちだけで…」  
「セシリア…」  
「私は…幸せです…。」  
桜色に頬を染めて、セシリアは一夏に想いを告げる。  
「セシリア…俺もセシリアのことが好きだよ。」  
「嬉しい…」  
もう、二人の間に言葉はいらなかった。  
一夏はセシリアを抱きかかえ、ベッドに寝かせる。セシリアは覚悟を決めたのか、頬を染めたまま、  
しかし視線は一夏を強く見据えている。  
「セシリア…」「一夏さん…」  
二人は再び唇を重ねる。先刻のような優しいキスではなく、一夏がセシリアの唇を貪るような激しく、情熱的なキス。  
「んっ…はあっ…一夏…さぁん…」  
「セシリア…愛してる…セシリア…!」  
一夏は獣のように、セシリアを求める。キスの雨をセシリアの体中に落とし、服を乱暴に脱がせる。  
けれど、セシリアは抵抗する様子もなく、甘い意識のまま、一夏のされるがままだ。  
幾ばくかの時間が経ち、セシリアは下着姿でベッドに横たわる形になった。  
 
セシリアの下着は、白でレースをあしらった、清楚で可愛らしいものだ。  
引き締まったウエスト、慎ましい胸、そして均整のとれた体から生まれる流線美。  
全てが、一夏の欲望を煽る。  
セシリアは先刻とは違い、顔を真っ赤に染め、恥ずかしげに一夏を見ている。  
一夏の欲望は臨界点に達し、なりふり構わず自らも服を脱ぎ捨てる。  
そして、欲望のままにセシリアの下着に手をかけようとした刹那、二人の視線が交差する。  
その瞬間、一夏の意識は現実へと引き戻される。  
セシリアの体はまるで水晶のように透き通っていて、それでいてガラスのように抱きしめると折れてしまいそうな  
美しさと、脆さが、ISを起動したときのように一夏の意識へと流れ込んでゆく。  
欲望という名のフィルターをとってしまうと、セシリアの体は、まるでアンティークのように感じられ、  
それを穢れた欲望のままに汚そうとした自らに、非道く罪悪感を感じる。  
「ごめん、セシリア…俺、セシリアに酷い事…」  
しかし、セシリアはまるで聖母のような笑みを浮かべて、一夏を自らの胸へと抱き寄せる。  
「謝らないでくださいまし。私…とても嬉しゅうございましたわ。一夏さんが、こんなにも私を求めてくださるなんて…」  
「え…」  
「続けて…もっと、もっと…私を愛でてくださいませ…」  
「セシリア…」  
 
一夏はそっと背中に手を回し、ブラのホックを外す。  
肩紐を下ろし、そっとブラを取ると、セシリアの胸が露になる。  
「やあ…恥ずかしい…」  
「綺麗だよ。セシリア…」  
今日何度目かのキスは、情熱的ではあるが濃厚なキスだ。互いの唾液を交換し、唇を離すと糸を引いた。  
セシリアはとろんとした表情で、一夏を見上げている。  
一夏はセシリアの胸に手を這わせ、優しく、時折激しく弄ぶ。  
セシリアの吐息が徐々に甘くなってゆく。  
一夏が胸の突起に舌を這わすと、セシリアに電流が走る。  
「ひゃあん…ああっ…いちか…さぁん」  
懸命に、一夏はセシリアの乳首を舐める。桃色のそれは、徐々に硬くなり、ピンと自己主張する。  
セシリアの甘い声が漏れ、互いの興奮がブーストしてゆく。  
頃合を見計らって、一夏はショーツに手を伸ばす。指先で判るほど、セシリアの秘部はグショグショに濡れていた。  
そのままショーツ越しに指を這わすと、セシリアが弓なりに仰け反る。一夏の拙い愛撫でも、処女のセシリアには十分な刺激だった。  
一夏がセシリアの陰核に触れた瞬間、  
 
「ふああ…ああっ…!あぁ、ああぁぁあん!!」  
 
セシリアは一際大きな声を上げ、脱力する。ISに乗ってブラックアウトする、その感覚に似ていた。  
唯一違うのは、全身が綿毛に包まれたような、優しく、柔らかな感覚。セシリアはおぼろげな意識で、そう感じた。  
 
「セシリア…もしかして、イったのか?」  
 
一夏が不安げに言うと、セシリアは頬を真っ赤にして両手で顔を隠す。  
「やだ…わたくしったら…一夏さんの前で何てはしたない姿を…」  
ふいに顔を隠していた両手が開かれ、想い人の優しい笑顔が現れる。  
「セシリア…」  
それだけで、セシリアには十分だった。今まで、何度言葉を紡いでも気づかなかった唐変木が、今は視線を重ねるだけで  
互いの気持ちがわかる。  
 
夕陽が落ち、薄暗くなった一夏の部屋で、二つの影が幾度目か、交差する。  
蝉時雨と、遠くのほうで鈴虫の歌声が、二人を祝福するかの様に、鳴り響く。  
 
一夏はショーツに手を掛け、愛液に塗れたそれをゆっくりと剥ぎ取る。  
控えめに生い茂ったライトブラウンの陰毛に包まれた花弁に、一夏は生唾を飲む。  
 
「やだぁ…そんなに見ないで…」  
 
生まれたままのセシリアのしおらしく、官能的な姿に、一夏の興奮は最高潮に達する。  
一夏がペニスを取り出すと、セシリアは怯えたような表情を見せる。  
初めて見る男性器の異形と、それを自らの女性器に受け入れる不安で、セシリアは押しつぶされそうになる  
 
怖い。  
 
両親亡き後、必死に、がむしゃらに、しかし気高く優雅なレディとして生きてきた。  
泣いている暇など無かった。不安や悲しみは両親の死と同じくして捨てた。そう思って生きてきた。  
しかし、一夏の前にいる一人の少女は、まるで雨の路傍に濡れた猫のように、震えていた。  
 
「あ…」  
 
一夏は、セシリアの柔らかな髪を撫で、優しく囁く。  
 
「セシリア…俺、セシリアとひとつになりたい。ひとつになって…愛の証が欲しい。」  
 
飾り気のない真っ直ぐな想い。  
 
「俺は、セシリアを守りたい。ISが無くても、それでも。一生を懸けて、セシリアだけを愛し続ける。  
 俺はセシリアが横で笑ってくれてたら、それでいい。」  
 
少年が言葉を紡ぐたび、セシリアの心に空いていた穴を埋めてゆく。  
それは、かつて少女が感じたことの無い、幸せという名のピースだった。  
 
「優しくしてくださいね…一夏さん」  
 
少女はとびきりの笑顔で、少年に笑いかける。  
 
一夏はセシリアの花弁に狙いを定めると、興奮しきった自らのペニスを沈めてゆく。  
「ぐうっ…い…ったぁい…」  
「大丈夫か?セシリア…」  
一夏はセシリアの痛みを和らげようと、髪を撫で、キスを落としながら、必死になってセシリアを労わる。  
そうしたまま、どのくらいの時間が過ぎただろう。  
「一夏さん、私はもう大丈夫ですわ…ですから…」  
「セシリア…そんなこと言ったって、お前…」  
 
「ですから…泣かないで…」  
 
一夏はいつの間にか泣いていた。  
セシリアはそっと指先で一夏の涙を拭う。  
 
「一夏さんのお好きなように動いて…私を抱いてください…。」  
 
一夏は意を決したように、ゆっくりと、セシリアの手を握りながら腰を動かしてゆく。  
ベッドのスプリングが悲鳴をあげ、セシリアの喘ぎ声と一夏の吐息が混ざって溶けてゆく。  
「はぁん…んっ…あぁっ…はんっ…」  
「セシリア…うぅっ…」  
無数のヒダヒダが優しくペニスを擦り上げ、挿入を繰り返す度に膣壁が強烈に締め上げてくる。  
生暖かいセシリアの性器は、巷ではいわゆる名器と呼ばれる。  
 
「一夏ぁ…はぁん…さん…んんゥ…ああッ!」  
 
少しずつ快感が痛みを超え、セシリアは甘い声を断続的に囁くようになる。  
一夏のペニスが子宮口をノックする度、セシリアは強烈な快感に身を焦がす。  
それは一夏も同じで、いつしか強烈な射精感に襲われるようになる。  
 
「ううっ…ああっ…セシリア!」  
 
それを察知したのか、薄れゆく意識の中、セシリアが囁きかける。  
 
「んんっ…はあっ…!我慢しないで…私に…全部…」  
「イク…セシリアぁぁっ!」  
「出して…くださいませぇっ…」  
 
刹那、一夏はセシリアの膣内に全てを吐き出し、ぐったりと胸に倒れ掛かる。  
少女もまた息を荒げながら、少年の身体を受け止め、そのまま互いに意識を失った。  
 
どのくらい経っただろう。  
セシリアが目を覚ますと、少年は安らかな寝息をたてながら夢の中にいた。  
そっと一夏の黒髪に手を伸ばし撫でてやると、少年は微かに笑う。  
(んもう…こういうときは殿方が先に目を覚ますものですのよ…)  
セシリアは一夏をそっと抱きしめ、再び夢の中へと落ちてゆく。  
 
窓から降り注ぐ強烈な朝日に、一夏は目を覚ます。  
「あれ?セシリアは…」  
眠い目をこすりながら辺りを見回すと、上に一夏の学生服を羽織っただけのセシリアが甲斐甲斐しく一夏の目覚めを待っていた。  
「おはようございます…一夏さん」  
頬を染めて、朝の挨拶をするが、一夏はそれどころではない。  
「せっセシリア!その格好は…」  
「その…ルームメイトが…殿方と迎えた朝には…この服装が彼女のたしなみだと…」  
(その格好は反則だろ…)  
一夏は頭をかきながら、セシリアの裸Yシャツに溜息を漏らす。  
「ささ、一夏さん。昨日夕食を召し上がらなかったでしょう?私がサンドイッチを拵えましたので  
 どうぞ召し上がってくださいな。」  
「おう、悪い。ありがたく食わせてもらうな。」  
「…これが新婚さんの生活…なのかしら…」  
「ん?」  
「なななな、何でもありませんわ!」  
「…?変なヤツ…」  
そう言って、一夏はおもむろにサンドイッチに手を伸ばす。  
(そういや、なにか大事なことを忘れてるような…)  
 
その朝、一夏が発した悲鳴で寮が騒然となり、押しかけてきた箒が阿修羅になったのは、また別のお話で。  
 
 

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