森 桃里の頭の中に林田の言葉が幾つも駆け巡っていた。  
「ずっと、好きでした。」  
「やっぱ、オレ、そう簡単にあきらめられそうにないや。もう少しがんばってみてもいいかな・・・?」  
 
林田に告白された桃里は、ここ数日、ずっと家に閉じこもりっきりだった。  
「私は、林田君のこと、どう思ってるんだろ?」  
林田にあきらめるって言われた時の、自分の中に起こったあの動揺は一体何だったのだろうか?  
桃里はずっとそのことばかり考えていた。  
 
そして、元旦・・・。  
 
やはり、年が変わっても、桃里はベッドの上に横になって、ずっと林田のことを考えていた。  
(私・・・これから一体どうしたらいいんだろ?)  
いろんなことを考えても、結局、最後に桃里が最後にたどり着くのは、そこであった。  
いつまで経っても先へ進まない。  
とその時、桃里はふと思った。  
(そうだ、林田君は、いつ私のことを好きになったのかな?)  
今まで一緒に過ごしてきた柔道部の思い出の中に、そのきっかけがあるに違いない。  
もし、それがわかれば、自分も先に進めるかもしれない。  
そんな気がした桃里は、入部してからの様々な出来事を思い出してみることにした。  
 
(最初、いきなりミウラさんに追いかけられて、そこを藤原君に助けられて、  
ベリ子が勝手に入部届出したおかげで、柔道部に入ることになったんだっけ。  
で、次の日、部室で初めて林田君と会ったんだよね。)  
桃里は初めて柔道部に訪れた時のことを思い出していた。  
(この時はまだ私と知り合ったばかりだし、さすがにこの時点で好きになったってことはないだろうなぁ。)  
桃里はそう考えると、続けて入部してからの出来事を思い出してみることにした。  
桃里は知らなかった。  
林田は、桃里が入部する前から、桃里に好意を寄せていたことに・・・。  
 
桃里は今までの柔道部の出来事を思い出して、林田の気持ちの変化を辿ろうと考えていた。  
しかし、それらを思い出しているうちに、本来の目的であった林田のことをすっかり忘れてしまっていた。  
(そういえば、こんなこともあったな。)  
一つ一つ懐かしい出来事を思い出すたび、桃里の顔に自然と笑みが浮かぶ。  
柔道部で起こった出来事は、どれも桃里にとってはかけがいのない思い出だった。  
最近、いつまでも柔道部で楽しく過ごしていられればいいのにと思うことがよくある。  
でも、実際はそうはいかない。桃里も今年は3年生。部活を引退する年を迎えた。  
本当に楽しかった柔道部も、あと少しで終わってしまう。  
(そういえば、今年で柔道部も引退なんだ・・・)  
今までの楽しかった思い出があまりにも眩しすぎて、迫るその現実を思うと、桃里の胸は激しく痛んだ。  
そのことを考えると、あまりにもつらいので、あまり考えないようにと、他のことに考えを動かす。  
そして、そこで桃里はようやく林田のことを思い出した。  
(そ、そうだ、林田君のこと忘れてた・・・。)  
そう思い、しばらくしてからあることにふと気づく桃里。  
自分が今、思い出していた楽しい思い出。  
少し思い出しただけでも、楽しい柔道部の思い出がいくつも浮かんでくる。  
その楽しい柔道部をまとめていたのは、他でもない林田であった。  
(そうだ、林田君が柔道部をまとめてくれたから、私は楽しい部活を過ごすことができたんだ。)  
林田のおかげで、桃里は自分でも気づかないうちに、たくさんの眩しすぎるくらい楽しい思い出を手に入れていた。  
そんなことを考えると、林田への感謝で、思わず目に熱いものがこみあげてくる。  
「林田君・・・ありがと・・・」  
桃里の脳裏に林田の笑顔が自然と浮かんでくる。  
いつも自分のことを気遣ってくれているあの笑顔。  
その笑顔が頭に浮かんで、桃里の胸がキュンとなる。  
気がつくと桃里は、手を胸に当てていた。  
さっきから、胸のドキドキがなかなかおさまらない。  
(えっ・・・、私、一体どうしたんだろ?)  
どんどん胸の高鳴りが激しくなっていく。  
 
桃里は手で胸を激しく押さえつける。  
「あっ・・・・んんっ・・・な、何・・・この・・・感じ・・・」  
気がつくと、いつの間にか桃里の手が、服の中に潜り込んでいた。  
「えっ・・・私・・・一体何を・・・?」  
自分の取ってる行動に驚く桃里。  
(私、林田君のことを考えてただけなのに・・・)  
その時、桃里の頭に林田の笑顔が浮かんだ。  
「やっ・・・ああっ・・・」  
その時、桃里の乳首が突起し、ブラジャーに擦れて、その刺激で、思わず声をあげてしまう。  
さっきから体が熱い。  
(わ、私の体、どうしちゃったの・・・?)  
とりあえず、さっきからブラジャーが乳首を圧迫して刺激しているため、  
桃里は上の服を脱ぎ、ブラジャーをはずした。  
桃里の乳首は堅くツンと立っていた。それを見て驚く桃里。  
いつもと違う、ツンと立っている乳首を、桃里は手で触ってみた。  
とその時電流のような快感が体じゅうに走った。  
「やあっ・・・あんっ・・・」  
思わず声をあげる桃里。  
その自分の挙げた声の、いつもと違う甘い声に驚き、顔を真っ赤にする桃里。  
一方、先程の刺激で、桃里の体に官能のスイッチが入ってしまった。  
さらなる刺激を求めて桃里の指が、指で堅く尖った乳首に刺激を与え始める。  
「あっ・・・だめっ・・・もう、やめ・・・ないと・・・はぁん・・・」  
しかし、桃里の意思に反して、桃里の手は動きを止めてくれない。  
桃里の体がどんどん熱くなっていく。  
「はっ・・・あああっ・・・だめぇぇ・・・」  
上半身裸のまま、しばらく桃里は自分の胸を愛撫し続けた。  
そして、桃里の指がさらに強く、乳首をつまんで刺激を与えると、  
「やあっ・・・はあ・・・ああああっ・・・」  
桃里は激しく体を痙攣させながら、ベッドの上に脱力した。  
 
「ハァ・・・ハァ・・・わ、私・・・一体・・・?」  
今までに起こったことのない体の異変と、今、自分のしていることに戸惑う桃里。  
と、その時、桃里は自分の体のもう一箇所の部分に違和感を感じていた。  
(えっ・・・もしかして、私・・・)  
桃里は慌ててスカートを脱ぐと、その下に履いていた下着も脱ぎ捨てた。  
「やっぱり・・・」  
桃里の秘所はグッショリと濡れていた。  
「えっ、私、もしかしてさっきので漏らしちゃったの?」  
慌てる桃里。でも、よく見ると、漏らしたのとはまた違う感じだった。  
桃里は濡れている自分の秘所をそっと指で触ってみた。  
その時、桃里の身体中に激しい、しかし甘美な刺激が駆け巡った。  
「ああっ!・・・や・・・あっ・・」  
桃里の指が、今度は秘所に伸びていく。  
桃里は自分のしていることがいけないことだと思いつつも、  
もはや自分の意志で指の動きを止めることができなくなっていた。  
(ダメッ・・・何だか・・・気持ち・・・いい・・・)  
指が激しく秘所を刺激しだすと、桃里は甘い声をあげ続けた。  
 
グチュッ、グチュッ  
 
「ああ・・・やっ・・・は・・・はう・・・んんっ・・・あ・・・」  
 
桃里の指が、桃里の秘所を刺激するたび、最奥から熱い蜜がどんどん出てくる。  
指が動くたびに、桃里の体に強い快感が体中に走る。  
「あ・・・・はっ・・・・ああっ・・」  
桃里は、ベッドの上で全裸で両足を思いっきり広げた格好で、目を閉じたまま声をあげ続けた。  
 
気がつくと、桃里は右手で自分の秘所を、左手で乳首を触っていた。  
その刺激でどんどん昂ぶっていく桃里。  
「あっ・・・また・・・やっ・・・あああっ・・・」  
絶頂が近いせいか、桃里の指の動きがさらに速くなる。  
桃里の秘所は、おびただしい量の愛液でグッショリと濡れていた。  
指を動かすたびにグチュッ、グチュッと淫靡な音が響き渡る。  
「ああっ!・・・ダメッ・・・わ・・・私・・・もう・・・」  
さらに指を激しく動かす。だんだんと登りつめていく桃里。  
そして、中の肉芽を指で激しく弾くと、  
「や、あっ・・・ああっ・・・あああああっ・・・」  
桃里は激しく腰をビクンと痙攣させると、頭の中が真っ白になった。  
桃里にとってその刺激はあまりにも激しすぎたせいか、終わった後、  
桃里はしばらくグッタリと横たわったまま動けなかった。  
 
そして・・・  
「私、何てこんなことしたんだろ?」  
初めての自慰に、桃里は戸惑いを見せていた。  
自慰のおかげで、先程までの熱は体から消えていた。  
しかし、自分がなぜこんなことをしてしまったのか、桃里にとってもう一つ悩み事が増えてしまった。  
(林田君のこと考えるようになってから、何か私、変だ・・・)  
服を着ながら、桃里はそんなことを考えていた。  
 
そして、3学期・・・  
「森さん、おはよう。」  
背後からの林田の声を聞いて、心臓が止まりそうになるくらい驚く桃里。  
「ははは林田くん・・・」  
動揺を隠せない桃里。  
林田は、一見すると告白前とほとんど変わらない様子であった。  
しかし、桃里はこの間の出来事も相まって、しばらく林田のことを過剰に意識する日々が続くのであった。  
                                           (完)  
 

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