『・・・よって○○地域では夕立のおそれがあり、警戒が必要です・・・。』  
「まずいな、林田君たち大丈夫かな?早く戻ってくれるといいんだけど・・・」  
偶然天気情報を見ていた藤堂は林田たちの身を按じた。しかし、自体は予測しえない  
方へ向かっていた。  
「えー?マジかよ藤原?」「だからさ、あの二人の仲を高めるためにあたしたちだけ  
先に失礼しちゃって2人だけ残そうってこと。部長がどう出るか見ものだわ。」  
「それは、あの林田にしてもまずくないか?」「大丈夫、あのへたれのことだもん、  
何もなしで終わるかもよ?」「それはそれで笑えるけどな。ハハハハハッ」  
「部長。」藤原は林田に声をかけた。「あたしたち先に帰っちゃうけどいいかしら?」  
「え、もう帰んのかよ。もっとゆっくりしてけばいいだろ。空気がきれいだぜ。」  
「いやー、なんかお腹もすいちゃったし・・。また後で迎えに来るわ。いいでしょ?」  
「しょうがねえなぁ。逃げ帰ったりすんなよ。」「わかったわw(誰がじゃハゲ!!)」  
こうして藤原たちはベリ子をなんとか説得して、帰ってしまった。林田は集合場所に  
誰もいないのを見て、やっと図られたことを悟った。  
「くそーやられた!!(で、でもこれってチャンスってことだよな・・。これって、  
まさかあいつら・・)」  
「うーん、やられちゃったなー。ちょっとそこらへんでも歩いてようよ、林田君。」  
「え、ええ、森さん。」こうして2人は森の中を散歩することとなった。  
普通は絶好のチャンスなのだが、ほとんどたあいもない話でお茶を濁すにとどまった。  
しかし、林田は林田で昨日の浴場での出来事が忘れられないでいた。  
(も、もし・・・あれが森さんだったら・・やべ血が・・ゴクッ)  
桃里も、林田の姿を忘れられないでいた。  
(は、林田君のアレ・・・大っきかったな・・。お父さんのしか見たことなかったし・・)  
林田のナニは、寝起きともあっていきり勃っていた。とくに桃里に関するエロい夢を  
見ていた途中だったので、なおさらであった。  
 
ポツッ・・・ふいに林田は頭皮から雨の匂いを感じ取った。センシティブな林田の頭皮は  
すぐに雨の到来を直感できた。「まずいっ!雨だ・・・。森さん、行こう!」  
「えっ行くってどこへ・・?」「どこでもいいんですよ、とにかく休憩所へ!!」  
しかし、雨は次第にきつくなり、バケツの水をひっくり返したような大降りになった。  
おまけに、風も出てきた。「きゃあああ・・」「森さん、しっかり!!」  
林田は懸命に桃里の手をひいて走った。目印となる休憩所を目指すべく、走った。  
「なんだって!?島に置いてきた?大変だ・・・この様子じゃ波も高くなるぞ!船は  
当然出せない。林田君たちが無事に休憩所にいればいいんだが・・・」  
「ふ、藤原・・・」「・・予想外のことになったわ・・・(部長、無事でいて!)」  
「桃ちゃんーー!!今助けにいくョーー!!」「綾川先輩、危ないですから!」  
「お嬢様、どうかお気をたしかに!」「グスン・・・桃ちゃん・・・。」  
「ぶちょー・・・僕は待ってる。いつでも待ってる!!」「アーー・・ウー・・」  
その頃、やっと小屋を見つけた林田は慌てて転がり込んだ。しかし、二人ともずぶぬれで  
もはやそれは服としての機能を果たしていなかった。桃里の下着が透けて見えるのだが、  
そんなことも気にせず林田は服を脱ぎ、絞った。しかし桃里は脱げるはずもなく、そのまま  
じっとしてた。夏とはいえ海の上であり、辺りは冷えだした。「うっ寒い・・・。」  
林田は上半身裸になったが、桃里は服を脱がずじっとしている。桃里は震えだした。  
幸運にも、テーブルの上にシーツがかぶせてあった。林田は慌ててそれを桃里にかけた。  
「ごめんね・・林田君。」「いえ、俺のせいです。もっとしっかりしてればこんなことには・・」  
林田は待ったが、雨は止んでくれる様子もない。「林田君・・寒いね。」  
ドキン・・こんな時になに考えてんだ俺は。そう重いながら、林田は振り向いた。  
桃里は実に冷たそうだ。桃のように薄赤い頬も仰向けになった魚のように白くなっている  
気がする。そう感じた林田は、決心して桃里の側に寄り添った。  
「林田君・・・。」「何があっても、側を離れないです・・森さん・・・」  
小屋に打ち付ける雨が二人をあざわらうかのように降り続ける。  
 
しばらく時間がたった。桃里は目を閉じている。林田は冷静になり、やっと自分の  
おかれている状況を理解した。「ぶへぇ!何をやってるんだ俺は、どさくさに紛れて・・  
サイテーだな。」そして、ちらりと桃里の胸元に視線を寄せた。白色のブラジャーが  
透けて豊満な胸を映し出している。林田はつばを飲み込んだ。さらに深く寄り添った  
林田は、何気なく独り言に走った。「は・・はは、皮村だったら肌で暖めてください。  
とか言っちゃったりしてな・・なはは・・。」「え・・」!!!!???  
桃里は起きていた。またも肌寒さで目が覚めていたのだ。「林田君・・脱いで・・ほしいの?」  
どうやら、「皮村が」のくだりの部分は聞こえていなかったようだ。  
「ええええっ!!あうあ・・・あ・・qwsでrftgyふじk」  
「・・・・・・でも・・・いいよ。」「・・・・・?」「林田君になら・・いいよ。」  
そういうと、桃里は立ち上がって後ろを向いた。そして、ずぶぬれになった服を剥ぎ取り、  
同じくずぶぬれのブラジャーも外した。そして、先端だけを手で隠してこちらを振り向いた。  
それでも林田には十分だった。  
ボ ー イ ズ ・ ビ ー ・ マ ン ビ シ ャ ス !    
林田は頚動脈を切られたかのように天井まで血を吹き出した。桃里は林田に寄り添って、  
肌をすり合わせた。ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン・・  
肌を通して直接鼓動が聞こえてきそうだった。林田はシーツに桃里と一緒にくるまった。  
「林田君の肌・・・あったかい。」「も・・森さんも、です・・・。」  
大量の血を吹き出したこともあって、林田は睡魔に捕らわれてしまった。  
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「いたいた!いたわ!」それからさらに数時間たって、藤原たちは再び島に到着した。  
「おー林田!!生きてたか!!よく頑張ったな!!」「桃ちゃーーん」  
「あらもー、やーねー、一緒に包まっちゃって、お似合いなんだか・・・・・」  
あああああああああああああああああああああああああ  藤原は我を忘れて叫んだ。  
「どうした藤・・・ぎええええええええええええええええ」シーツを覗き込んだ2人は  
絶句した。空を翔る虹があざ笑うかのように空にたなびいていた。  
 
「ぶ・・部長、あんた・・・」「林田・・・」2人は銅像のように固まっていた。  
「どうちたの?2人ともー。」ベリ子が小屋に入ろうとしている。  
「やばっ!!お嬢が見たら錯乱しちゃうわ・・ミウミウ!!悪いけど、お嬢をどっか  
連れてって!!」「ハ、ハーイ・・・」ミウラはベリ子をむんずと掴むと、  
遠くへ連れて行った。「何でー!?桃ちゃんに会いたいョー!ミウミウ離してョー!」  
ベリ子は連れられていった。「ごめんねお嬢・・到底見せるわけにはいかないわ。」  
こうして服を着せた後、一同は再び船で旅館へ戻った。以来、林田と桃里は気まずそうな  
空気をつくっている。その後の武道場の練習でも、2人はお互いに顔を合わせようとは  
しなかった。  
「おい藤原・・・どうすんだよ。あいつら話そうとしねーぜ・・・」  
「部長は何にもしてなかったというけど・・ま、それはあの男のことだからホントの  
ことなんでしょうけど、あの2人、柔道部の雰囲気を壊したって思ってるんじゃないか  
しら・・とにかく、このままじゃあたしたちの居場所までなくなっちゃいそうだから、  
何とかしなくちゃね。」そう言うと、藤原はチョメジを呼び出して話をした。  
休憩時間、林田は武道場の縁側で休んでいた。桃里に対する責の念でいっぱいだった。  
それは桃里の方も同じであったが。そこに、チョメジが現れた。  
「亀太郎。」「・・・チョメジか・・。」「なぁ亀太郎。そう気を落とすな。人間  
誰しも自分で抑えきれぬ衝動というのはつきもの。お前がどのような行動を桃里殿に  
とったのかは知らぬが、逃げていても過去は戻ってこない。現実と向き合うのだ。  
前へ進んでほしい。せっしゃが言うことは、それだけだ。」そういうと、チョメジは  
引き下がった。沈んでいた林田は、ゆっくり上を向いた。  
(男林田、こんなとこで逃げてちゃダメだ!男として、森さんと話をしなきゃ・・。  
ケジメをつけなきゃ!!)チョメジは桃里の方にも出向き、説得していた。ベリ子に  
慰められていた(ベリ子は事の事情は知らないが)桃里も、この事を承諾した。  
すべては、この合宿最後の夜にかかっていた。  
 
 
夕食の時間が過ぎ、入浴後、林田と桃里を除いた一同は男子部屋に集まった。  
「何なの虎呂助ー?」「コロスケ!桃ちゃんがどうかしたの?」「・・・・。」  
藤原は静かに切り出した。  
「いい?よく聞きなさい。あたしたちはいま岐路に立たされてんのよ。この部が  
これから上手くいくか、全て部長とモリモリの行動にかかってんのよ。事によっては  
部が存続できなくなることもあるから、覚悟なさい。」  
「そっそんな・・!」「いやだョ!!」「とにかくあたしたちは見守るしかないわ。」  
「でも虎呂助、どうやってぶちょーたちを見るの?」「これよ。」藤原はテレビを  
つけた。しかし、番組ではなく明らかに旅館の部屋らしきものが映っている。  
「これ、あたちたちの部屋だョ!」「そうよ、今晩部長とモリモリとで、ここで  
ゆっくり話をしてもらうことにしたの。これからの柔道部にも響くわ。ここでケジメを  
つけてもらわなきゃね。今晩が山よ。」「・・」「・・・」「・・・・」「・・ZZZZZ」  
一人だけ空気を読めない男がいたが、それは仕方が無いとして、藤原たちはテレビの画面に  
見入った。ちなみにタネはというと、皮村のビデオカメラを部屋に仕掛けただけの話だった。  
盗撮のようだが、いた仕方ない。もしもの時は総出でフォローにいくつもりだ。結果的に  
それで壊れるのならば仕方が無い。そう藤原は腹に決めていた。  
「おい、きたぞ・・・。」「ええ・・・(部長!しっかり!男を決めるのよ!)」  
 
「・・・・・。」「・・・・・・。」林田と桃里は気まずい空気だった。お互いに自分たち  
の行為を悔やみ、なかなか切り出せないでいた。しかし、林田は勇気を振り絞って話始めた。  
「森さん・・。」「林田君・・・。」「ごめんね森さん。ああいうことになっちゃって。  
俺・・・そんなつもり全然なかったんだ。でも、結局あんなことになっちゃって・・・  
あいつらになんて言ったらいいか・・。」「い、いいよ。もともと私がやらしいかっこして  
誘ったような感じだったし、ベリ子も気にしてないから。」「・・・・・。」  
また会話が止まった。こうして話して止んでの繰り返しで時間は過ぎていく。  
林田は溢れる思いを抑えきることはできなかった。  
 
ドクンドクンドクンドクンドクンドクン・・・両者の胸の高鳴りが交差する。  
林田の顔には大量の汗が滲む。もちろん桃里にも。林田は勇気を振り絞った。  
「初めて森さんに出会ったときから・・なんていうんだろ・・。僕の中で  
自分でも抑えきれない感情が湧き上がって・・。ずっと森さんのことしか  
考えられなくて・・それを無理やり押し付けようとする自分がまた情けなくて・・」  
林田は涙を流して告白した。「森さん・・。俺、森さんのことが好きです!ずっと好きでした・・。」  
「林田君・・・。」桃里は口に手をあてて涙を流した。  
「うれしい・・。こんなの初めてだよ、こんな形で人に愛されてもらったなんて・・  
初めてだよ。」「えー、桃ちゃん!あたちも桃ちゃん好きだョ!!」  
ベリ子が通じない叫びをあげる。「バカねぇ、モリモリがいってる愛はそういう愛じゃない  
のよ!!家族や友人の愛とは違うんだから!!」皮村はひたすら黙っていた。  
「私も・・・林田君のこと好きだよ・・林田君は・・たしかに地味かもしれないけど、  
優しくて芯が強くて、みんなをまとめられて明るくて・・憧れだったんだ。林田君みたいな  
人。私も好きだよ、林田君。」「森さん・・・。」2人は接近した。  
「あっ!!」藤原は慌てて後方を振り返ったが三浦は寝ている。ベリ子を阻止する手段がない。  
桃里は、林田の男臭い匂いにクラクラした。これをアドレナリンというのだろうか。そして、  
桃里からもフェロモンがただよっていた。林田の息遣いに酔いしれた瞬間、あまりにも  
意外で唐突な林田の唇が桃里の唇を襲った。  
「は・・・んん!!」林田の舌はしなやかな動きで桃里の口に進行し、桃里の怯える舌を  
優しく揉みほぐすように辛め取る。ぬめついた吸引力によって舌をすいあげ、歯茎を愛撫  
しながら、歯の裏にまで舌を這わせる。気が付くと、桃里の両腕は林田の左腕1本によって  
拘束されていた。さすが男というのか、見境つかなくなったときは凄い力である。その右  
腕は、桃里の頭からうなじをやさしく沿っている。舌を吸われ、口内を舐め取られていくうちに、  
桃里は下半身が熱くなるのを感じた。同時に、林田の下半身も最高度の勃起を見せた。  
林田はどうしようもなく男だった。桃里も、どうしようもなく女だった。  
 
画面を見つめるベリ子の顔は震えていた。これが自分の知っている森桃里なのか。ベリ子  
は今自分で見ている桃里が別人のように思えた。「うそだョ・・桃ちゃん・・?」  
「お嬢、聞いて。モリモリも女なのよ。これは人間である限り、いえ、生き物である限り  
不可避の行為なのよ。お嬢も今にわかるときがくるわ。きっとね。」  
「桃ちゃん・・・。」ベリ子は食い入るように画面を見つめていた。  
桃里の小さく可憐な唇から、ようやく林田は口を放した。桃里の震える唇から、うっすら  
光る唾液の糸がツー・・と音をたてて伸びていく。何よりも林田のそのまっすぐな視線に  
桃里はひかれていた。そして、本能をいよいよ抑えきれなくなった林田は、桃里にまたがり、  
ゆっくると衣服をぬがしていく。ブラジャーに手を回すが、外し方がわからない。桃里は  
来るべき時を思い、自分でブラを外した。カーテンから差し込むわずかな光が、桃里の  
たわわにはずむ乳房をそっと映し出している。林田は、桃里の首筋に軽くキスをした後、  
その指で乳房をつかみ、ゆっくり刺激を作り出していく。「はぁん・・・・」  
(えっ)自分で自分の卑猥な声に驚いてしまう。桃里は自分の声に驚嘆した。こんな  
いやらしい声が出るのか。林田のリズミカルな指の動きにあわせて、そのはしたない声の  
ボリュームは上がっていく。  
「桃ちゃん・・苦しそうだョ。」「いいえ、神秘的だわ。動物は交尾するときは叫び声を  
あげないわ。声を出すのは人間だけよ。ホントに人間の力を感じるわ。」  
林田の口の香りが、まだ口の中に充満している。桃里の乳首も限界を見せていた。  
みるみる先端の突起物が精気をましていく。それを見た林田は、手をしまい、顔を  
うずめると桃里の乳房を全体的に舐めまわした。そのいやらしい舌使いによって、みるみる  
乳房は汗ばんでいく。チュパチュパチュパチュパチュッチュパチュパチュッ  
「うあっあんあんああっ」桃里は顔を斜め上に傾けながら古時計のように首を動かし、  
林田の欲望を受け入れていく。お腹の奥底から湧いてくる感覚に耐え、布団のシーツを  
握りながら、桃里は耐えていた。林田は動きを止めて静かに尋ねた。  
「森さんの乳首・・とてもきれいです。・・・なめ・・たいです。」  
「林田君・・・・・・・・・・・・・・・いいよ。」桃里は、全てを受け入れるつもりだ。  
 
林田は意を決すると、桃里の右の乳房の乳首に顔を這わせた。「ああん!!」  
同時に左の乳房の乳首を、左手で優しく刺激する。乳首を吸い寄せられる快感  
と、もう片方を手で蹂躙される桃里の心は、正常な機能を失っていた。激しく  
体を揺らしたせいで一方の手が自由になったが、その手は抵抗する気力も失って  
いた。林田は乳房から首筋を舐めあげ、また唇をせめていく。あまりの快感に  
思わず涙腺が熱くなる。もはや、自分ではどうすることもできなかった。  
「あうっんん、あん、あん・・」蹂躙に耐えようとする桃里を林田は攻め続ける。  
動けなくなった桃里を見計らったかのように、林田はゆっくりと桃里のパンツを  
ぬがしていく、パンツをすべてぬがし、何からも守られなくなった性器があらわに  
なる。「あ・・・林田君、ダメだよ・・。」しかし、もうその声は林田には届かない。  
林田は暗闇の中で桃里の秘部を探り当てると、暖かい舌を突き入れた。熱く湿った  
ジャングルの中の楽園に欲望という名の舌がうずまいていく。  
「んんんんんんんっそんなとこ・・・ああっ・・」経験したことのない快感が、  
電流となって桃里を襲う。「だめぇ!んぅ・・・ダメだよ!」体が反り返り、  
足は硬直する。身をよじりながら快感をごまかそうとするが、体は正直だ。  
許してくれない。林田の舌使いはみるみる鋭さをましていく。  
「だめぇぇぇ林田君・・・何か出ちゃうよ!!・・・・・・ンンッ!」  
びくっびくっ・・・桃里の体は、数回陸に打ち上げられた魚のように痙攣した。  
初めて「イッテ」しまった。桃里はあまりのショックに体をあげることもままならない。  
もはや体でしか反応のしようがない桃里を夢中にさせるものが、林田の下半身から湧き  
あがってきた。あの浴場前の着替え室でも見た、林田のモノだった。  
「森さん・・・も・・もう・・我慢できないです。」林田は顔を震わせながら  
自身の武器を、桃里に突き出す。桃里はしばらく見つめた後、ゆっくり手にとって  
上下にしごき出した。  
 
下半身を裸にしていきりたった林田のモノに、桃里は口を近づけていく。桃里は  
一瞬ためらったが、無理もなかった。だが、しだいに口を近づけ、やさしく加えた。  
ペロッ チゥゥゥ・・・チュパッチュパッ  
桃里は頭自体を上下に動かして、手と一緒にリズミカルに運動させた。  
もはや何も言えなくなったベリ子は、パチンコ球をぶちまけることもできなくなっていた。  
「ゴッゴホッ」亀頭が喉の奥にあたり、桃里は口を離した。  
「もっ森さん・・・!大丈夫・・・!?」「んーん、ごめんね、林田君。」  
そういうと、桃里はまた林田自身をくわえはじめた。  
「・・・・・。よくやるわね、ホント。」藤原は2人の様子を画面で見つめ、溜息を  
もらした。「ねぇ皮村、珍しいわね。なんか解説の一つでもするのかと思ったらあんた  
さっきから喋ってな・・・。」藤原はぎょっとした。皮村は真剣に画面を見詰めて  
いる。あの顔にして真剣な顔をされると思わず笑いがこみあげてきそうなものであるが、  
とても笑う気にはなれなかった。そして、ズボンの辺りまで大量の涙であふれかえっていた。  
月光にそまった涙の色が、よけいに皮村の悲哀さを鮮明に浮き上がらせていた。  
しかし、自分の写真を林田のナニを見て興奮した東の上にかぶせており、きっちり役割は  
果たしていた。一方、中山朔美も食い入るように画面を見つめていた。  
「林田・・・先輩・・・。」中山朔美も顔を赤くし顔を横にそむけながらも、画面を  
見つめている。思わず涙腺が熱くなり、こぼれでる涙をしっかり拭きながら、画面を  
見つめる。(林田先輩、幸せそう・・・。でも、私は・・。)朔美は頭の中が旋回し、混乱  
していた。  
最高度に勃起した林田のモノは、もはやくわえられなくなるほど高潮していた。  
林田は桃里の頭をやさしくなでると、口先から自身をひきはなした。そして、  
遠慮するように、独り言のように静かにつぶやいた。  
「森さんの・・中に・・・入りたいです・・・。森さん・・・。」  
「林田君・・・。」場の緊張度が最高度に達した。  
 
「あ・・林田君、待って・・。」桃里は押し倒されそうになる前に、林田を止めた。  
「何か・・・林田君ばかり攻めちゃって・・ずるいよ。今度は、わ、私が上になり  
たいな。ねっお願い・・。」「え・・・でも、上って・・・。」そう、それはすなわち  
騎乗位を示すのである。当然桃里は体感したこともない。無論林田自身も。  
「・・・。」静寂が場を包んだ後、「でも・・・やってみよ。」そういって桃里は  
腰をあげた。林田は仰向けに寝転がって、自身を突き立てた。桃里の視点は、林田の  
ソレ1点にそそがれていた。桃里は自分の秘口を林田自身にあてがうと、一気に  
つらぬこうとした。「あ・・・っ」思わず電流が貫き、桃里は引き抜いた。  
「大丈夫ですよ森さん・・・。焦らないで・・いいですから。」「ごめんね、林田君。」  
気を取り直して、もう一度桃里は腰をあてがい、ゆっくり腰を下ろしていく。  
濡れていた桃里の秘口は、スンナリと林田を受け入れた。「う・・。」思わず林田は  
動こうとしたが、「あ・・ん・・」桃里は思わず林田のお腹をちからいっぱい押した。  
「だめだよ・・動いちゃ・・。恐い・・恐いよ。林田君は絶対動かしちゃダメだからね。  
私が・・私のペースでやるんだから。」「あ・・・ごめんなさい・・・。」  
そういうと、桃里は少し上下に体を動かした。抽象的な表現しかできないが、クネクネ  
したものが腹の中をうごめいている感じである。その微妙な感覚を味わいながら、桃里は  
次第に腰を左右にも動かし、ひねりもくわえて完全に気をやる体勢に没頭している。  
「あ・・ああう・・うう!」今度は、林田の方が悲鳴をあげる。自分のモノがしめつけられ  
ていく感覚。苦痛と快感を両立させながら、林田は穴の中へすいこまれいく感覚になった。  
もはや理性などどこか遠くへ飛ばしてしまった桃里は、体を前方にかがめ林田の顔と  
交差する形になった。そして、林田の顔に自らの顔を近づけ、再び口付けした。  
「んん・・・・ん・・・」チュパチュパチュパ・・上としたと、両方の口が優しく  
林田を包み込んでいる。腰を激しくグラインドさせながら、濃厚な口づけを交わしていく。  
「好き・・好きだよ、林田君。」口を離すと、桃里は林田の首下に顔をうずめ、さらに  
激しく腰をグラインドさせた。  
 
「あぁ・・なんかわかんないけど、・・・・すごくいいよ。」桃里は自分でも  
理解できないほど、本能のみの言葉を発していた。自分の口から放つ言葉を、  
自分で制御できない。「あぁ・・・森さん・・・そんなに動かしたら・・  
で、出ちゃいますよ。」「いいの。一緒におかしくなろ、ね、林田君。」  
「ちょっとだめよ〜〜!!」藤原は全ての計算が狂った様にたちあがった。  
「モリモリ何考えてんの!!ダメよ!あんた保健の時間寝てたわけ!?そんなこと  
したらどうなるかわかってんでしょうねー!」届くはずのない声を、ひっしに絞り  
あげる。「うっうっ桃ちゃん・・。」ベリ子はハンカチを噛みながら涙を流して  
いる。恋愛ドラマでも見るかのように。そうしているうちに、林田の忍耐力が  
限界を超えた。「森さん・・・もう駄目です・・・イキそうです・・。」  
「じゃ・・じゃぁ・・2人で・・一緒にいこうよ。ねっ・・・ああ〜〜〜〜〜!!!」  
「うあう・・・・!!」2人の結合部から、ささいな液がつーと垂れ落ちた。  
桃里はふるえる腰を離し、激しい呼吸のままねっころがった。「は・・林田君、  
気持ちよかった?」「あ・・・えっと・・その・・・」「え・・・?」  
「その・・・少ししか出なくって・・・やっぱ自分のペースじゃないとだめみたい  
です・・・。」「・・・・・・・。じゃあ今度は林田君が攻める番だねw」  
「もう知らないわ!!あたしホント知らないから!!」藤原は投げやりだ。  
「桃ちゃん〜〜・・。あたしの桃ちゃんはどこ?どこなノ?」ベリ子は涙と鼻水が  
口元をぬらし卑猥な言葉つきになっている。藤原は、ベリ子の前に座った。  
「違うわ、お嬢。部長もモリモリも生き物の運命に従ってるだけ。どんなことがあっても  
モリモリは今までのモリモリと変わらないわ。もちろん、お嬢の知ってるモリモリよ。」  
「ホント・・?桃ちゃんどこにもいかない?」「いかない!だから信じてあげて。」  
「・・・わかったョコロスケ。ごめんね。」「いいのよ、無理もないわ。」  
そんなことよりも、皮村の涙が止まらない。藤原は皮村の姿を見て、不覚にも目頭が  
熱くなった。「何て不憫な子なのかしら・・。」カーテンがあざ笑うかのようにざわめく。  
 
「い・・いきますよ、森さん。」桃里を壁に座らせ、足を開かせた林田は、  
ゆっくり腰をあてがっていく。「うん・・・きて・・。」ぶるぶると震えながらも、  
もはや抗えない状況を察し、桃里は目をつぶりながら林田の挿入を待っている。  
林田は一息つくと、一気に体を前方へ押した。「ん・・!!」腰がずんと動き、  
桃里は顔を上へ向けた。桃里の肉体は、自然と林田自身を、砂漠をただようものを  
オアシスへと導くように受け入れていく。ゆっくりとリズミカルに林田は腰を動かして  
いった。最初はやさしく、だんだん強く。皮村に教えられていたどうでもよかったはずの  
知識が、まさかこんなところで活かされようとは、思いもしなかった。月光に照らされて  
重なり合う2人の肢体は、ニチュニチュと卑猥な水音に包まれていく。  
「うあっあっんっあっあっ痛い・・痛・・」時節結合部からううすら血もにじんでいる。  
しかし、それを乗り越える快感の方を、桃里の脳は選択していた。桃里は林田の  
首の後ろに両手を回し、駅弁チックな体勢で没頭した。  
「藤原・・・オレ・・。」やっと皮村が口を開いた。藤原はくちびるを噛むと、一目も  
はばからず叫び散らした。「何よ・・・あんたが悪いんじゃないの!!同情でも誘おう  
ってわけ?二度もチャンスを逃して・・・バカみたい!自業自得よ!!」  
しかし、皮村は反論しようとはしなかった。「オレはバカだ。それでもいい。だから、  
そんな自分と向き合いてぇんだ・・。逃げねえよオレは。」「皮村・・・。」  
「藤原・・オレ・・・もう我慢できねえんだ。」そういうと、皮村はティッシュを  
取り出し、ズボンを下ろした。藤原は事情を飲み込み、女子に見えないよう皮村の  
横に座った。「いいわ、ほら、かくしておいてあげるから、やんなさい。」  
「恩にきる、藤原・・・。」そうして、皮村はしごきだした。ベリ子には皮村が何を  
しているのか理解しかねたが、朔美にはわかった。「皮村先輩・・・。」  
そうつぶやくと、朔美も自分の乳首を自分でいじり始めた。そしてもう一方の手で  
急所を刺激し、桃里の姿を自分の姿と照らし合わせた。「ああ・・林田先輩・・」  
小さな部屋に、それぞれの思いが響いていた。一人夢心地の幸せ者を除いて。  
 
麻薬が体になじむように、苦痛もしだいに失せていく。今となっては、もう快楽  
しか神経は受け入れてくれない。桃里は頭の奥に響くような快感を感じていた。  
「うあっ あっ ああっ ああんっ うああっ あうっ あうんっ あうう…」  
林田も桃里を直視できず、顔を上へあげたままだったが、しだいに桃里の目を  
見ながら体を動かした。桃里も、林田の顔を見つめてさまざまな感情に耐えようと  
している。  
「あっうぐ・・・あっ・・あん・・もうだめぇ・・へんになっちゃう。」  
「お・・・オレも・・いきそうです。」林田のピストン運動が2次関数のように  
速度をましていく。  
「森さん!!!」グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ  
林田のピストンのリズムに合わせて、桃里は呼吸をするしかなった。  
「もう・・・イキ・・・ますっ!!」林田の声が高ぶる。ズンズンズンと突かれる  
衝撃に背筋はそりあがり、しびれる快感に脳髄・脊髄は正常な感覚が麻痺していく。  
「もうだめ・・・すっご・・・あぁ・・・きもちい・・・・・・あっあっ」  
桃里が、壊れていく。  
「はぁぁっんんんんあああああん!!・・・」「森さん・・・あああああああ!!」  
それぞれが、朽ち果てた。林田は自身を引き抜くと、ねじがとまった人形のように  
止まった。桃里の秘部からは愛液がつーと垂れ、水溜りを形成していった。  
「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・終わったね・・・林田君。」「森さん・・はぁ・・はぁ・」  
ちょうどそのころ、別室でも皮村は頂点を迎えていた。白濁とした液が、画面の前まで  
おもいきり飛び散った。しかし、涙で目が濡れているベリ子には見えなかった。  
「おつかれ。」藤原がごしごし飛び散った液を拭くのを手伝いながら、皮村に声を  
かけた。皮村も「あぁ。」と返答すると、手元のハンカチで涙を拭いた。  
「んっ・・・!!」男子にはばれなかったが、部屋の奥で朔美も果てていた。  
「あらっ?皮村後ろの方にも液が飛び散ってるわよ。やーねぇ。」「違ーよ!」  
少しづつ、「柔道部」の雰囲気がもどってきていた。  
 
「おい藤原、このまま黙ってひきさがるわけにはいかねえよな、俺たち。」  
「え?どういう意味よ。」「決まってんだろ。おしかけんだよ!!」  
「えー、何でよ。気まずいじゃない。」「だってあいつらのために何もかも  
おれたちが気をつかってやることねえじゃん。まあ一足先の『成人』パーティってことで  
いいじゃん?」「ふっそれもそうね。そうしようかしら。じゃあ、みんな  
部長たちのとこにいくわよ!!」「おーー!!」  
こうして肉でつって三浦を起こした後、一同はそーっと女子部屋のドアへ忍び寄った。  
「静かに入るわけにはいかねえよな?」「当然。あたしたちは伊手高柔道部よ!!  
あたしたちらしい入り方があるわ!!」そういって、藤原は東をドアの前に立たせた。  
そして、東の顔にはりついている皮村の写真を、思いっきりひっぺがえした。  
「 目 覚 め ! ! 悪 魔 よ ! ! 」「フォーーーーーーーーーーーー!!!」  
東は思い切りドアをぶち破り中に入った。「それー!菊に続くのよ!!」一同も続いた。  
「わぁぁぁぁぁぁl、おっお前ら・・・・!!」「ベリ子!!!!」  
「林田ー!!童貞脱出おめでとさん!今日はランチキパーティだな!!」皮村は笑顔に戻った。  
「桃ちゃん!!おめでとー!!あたちたちより先に大人になったネ!!」涙を拭き、ベリ子は微笑んだ。  
「お嬢、ちょいとそれはまたニュアンスが違うわよ。」  
「林田先輩、おめでとうございます。幸せに・・・なってください。応援してます。」  
「中山・・・。」いつもの雰囲気がもどった。  
重かった部屋の空気も、みちがえるように明るくなった。夜の間、その部屋の歓喜は  
消えることはなかった。それぞれが歌い踊り、憎悪悲哀を除く感情を全て出し切った。  
林田と桃里はわらってお互いに顔を見合わせた。桃里は再び涙を流し笑顔につつまれた。  
「これからも・・・どうぞよろしくお願いします!林田君!」「こちらこそっ!森さん!」  
「いえーーーーーーい!!亀太郎!!今日は祭りだ!!存分に楽しめい!!」  
「こらーチョメジ!酔っ払ってるぞ!藤原に影響はないのか?」「大丈夫よ、別物だから。」  
ちなみに壊れたドアの修理代は当然ベリ子が払ってくれた。  
 
 
さまざまな思いを胸に、林田たちは旅館を後にした。  
「さよーならー!!とても楽しかったよ!!来年もまたきてくれー!!」  
海の家の店主である藤堂が見送った。「また来ます!!さよーならー!!」  
「そんな経費はたしてあんのかしらね?」「そういうなよー!!ここは  
ドラマティックにまたくるっていうとこじゃねーかよー!!」  
こうして一同は近くのバス停まで向かった。「桃ちゃん大丈夫?」ベリ子が桃里に尋ねた。  
桃里は少しよろけていた。「いや、その・・なんというか、林田君とっても激しかった  
から・・・」「・・・・・・(赤)。」「あらあら、はりきってたのね。若いわねー。」  
「へっ!んだよ!!気持ちよくって上手く動けネーってか!?言っとくがな、  
オレはちっとも羨ましくなんかねーぞ!!」「はいはい。」しかし、皮村には期する思い  
があった。「悪い。オレ、ちょっとそこらへん歩いてくるわ。まだ時間あるだろ?」  
「あら青春イングでもするつもり?青の時代ねー。」「うるせぇ!オレは行くからな!」  
そういって皮村は一同を後にした。皮村は海の側に来て、ポケットから昨日のビデオの  
フィルムを取り出した。これを複製して売ればぼろもうけだ。そんな考えがあった。  
しかし、皮村は自問した。「オレは・・・・・」佐藤ちえの顔が浮かんだ。しかし、  
すぐに消した。「オレも・・・頑張らねーとな!」そういって皮村は勢いをつけて  
フィルムを海へ投げ捨てた。水平線にかかる雲が心地よかった。  
皮村薫。彼が後にプラトニックな愛とSEXのせつない物語を描き、AV業界に  
大革命をもたらし、「高橋がなり2世」の異名をとるようになるのは、まだ少し  
先の話である。  
 
 
 
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