「うー気づかれちゃったかなあ、私の気持ち」
抱え込んだマクラを抱きしめて、朔美は身悶えた。圧迫された小さな胸の内側で、
トク、トク、トク、と、心臓が早鐘を打っている。朔美は目を伏せた。同時に、膝
小僧に力をこめて、太ももと太ももをぴったりくっつける。
「ふう」
細い呼気と共に一度脱力し、改めてマクラに手を回す。乳房と乳房の間に擦り付
けるべく、痩せた上体をうごめかしながら、マクラの先端をももの付け根に押し込
んでいく。
「……あ」
声とも付かない声を漏らして、朔美は手の中のものに頬を当てた。胸の奥がきゅん
と切ない。
(私、また、こんな事……)
一瞬脳裏をよぎった背徳が、朔美の官能に火をくべた。股の間にマクラを挟み込み、
膝と膝とを擦り付ける。上半身をかすかにうごめかして、薄桃色の性感帯にも刺激を
送る。
「ん、あ」
ぬれてくるのがわかった。朔美はいっそうなまめかしく全身をうごめかしながら、
横向きの格好でベッドに崩れた。マクラを抱きしめたままうつ伏せになり、風呂上
りの甘い香をそれにすり込むように、体を上下させる。
「はあ、あんっ」
短くあえいだすぐ後で、シーツを噛みしめ、防音を施した口内で、繰り返した。
「林田先輩……はんっ、林田先輩……はうっ、気持ちいい、ですぅ……」
再び朔美は動くのを止めた。ちりちりと身を焦がす快感に、しばし酔った後で、
彼女はおもむろに、下着ごとパジャマのズボンを脱ぐと、片方の足にそれを絡め
たままで、悪戯に没頭し始める。