「林田先輩」
「な、中山・・・。」
高校に入って1年ぶりに林田と再会した朔美は、ここ数日、今までにない気持ちの昂ぶりを感じていた。
林田が中学を卒業してしまって以来、ずっと抑えてきた気持ちが、一気に爆発したかのようだった。
そして、柔道部に入部してから数日たったある日のこと・・・。
朔美はベッドの上に座りながら、ここ数日のことを考えていた。
(林田先輩、また一段と逞しくなったみたいだなぁ・・・。)
最初に道場を訪れた時、なぜか裸だった林田の肉体を思い出し、胸がドキドキする。
気がつくと、朔美の手は、着ていたパジャマの下に手を滑り込ませていた。
(ヤダ・・・、私ったら、何でこんなことをしてるんだろう。)
服の下に手を滑り込ませると、ブラジャーの上から胸をギュッと押さえつける。
でも、この胸の高鳴りはなかなか止まらない。
胸の上で朔美は手を動かしてみた。
「あっ・・・・んんっ・・・な、何だか・・・体が熱くなってきた・・・」
ブラジャーの上から、そっと自分の胸を揉む。
(ダメ、もう、やめないと・・・)
でも、朔美の手はまるで意思を持っているかのように動きつづけた。
「あっ・・・ああ・・・。」
思わず声を上げる朔美。
朔美は、パジャマの上をゆっくりと脱ぐと、ブラジャーもはずし、自分の胸にそっと手をあててみた。
「んんっ・・・」思わず声をあげる朔美。
朔美は自分の胸に触れながら、この初めて体験する官能的な刺激に、目を閉じたまま声をあげ続けた。
目蓋に、自分にやさしく微笑みかける林田の顔が浮かぶ。
「は、林田・・・せ・・・先輩・・・」
その時、腰の一帯が痺れた様になり、身体の奥底から熱いものが溢れる感覚があった。
ふと股間に違和感を感じる朔美。
朔美は、ズボンを脱ぐと、下着の中に手を滑り込ませる。
(ぬ、濡れてる・・・。)
初めてのことに驚く朔美。もちろん、彼女は今まで自慰すらしたことがなかった。
朔美は濡れている自分の秘所をそっと指で触ってみた。
今まで経験した事の無い様な、甘美な刺激が身体中に駆け巡る。
「ああっ!・・・あ・・・あっ・・」
興奮で熱く火照っていた朔美の身体は、僅かな刺激にも著しく反応した。
(んんっ・・・何だか・・・き・・・気持ち・・・いい・・・)
朔美は、下着を脱いで、全裸のままベッドに横たわると、再び秘所に手を伸ばした。
さらに指を激しく動かし、刺激を与え続ける朔美。強い快感が体中に走る。
「あ・・・・はっ・・・・ああっ・・」
朔美は、両足を思いっきり広げた格好で、目を閉じたまま声を上げ続けた。
その時、ついこないだのことが、また目蓋に浮かんできた。
「じゃーとりあえずさ、仮入部ってことにしといて、それで考えてみれば?」
そう言いながら朔美の背中を軽く叩いた林田の手は、大きくて温かかった。
その時の林田の顔とぬくもりを思い出し、朔美の指の動きがさらに速くなる。
「ああっ!・・・は・・・林田・・先輩・・・わ・・・私・・・もう・・・」
朔美は、さらに指を激しく動かす。だんだんと登りつめていく朔美。そして・・・
「せ、先輩・・・はあああーっ!ああっ!あっ!」
朔美は激しく腰を痙攣させると、頭の中が真っ白になった。
こうして初めての絶頂を体験した朔美は、荒い息をつきながら自分のベッドでしばらく横たわっていた。
「ヤダ・・・私ったら、何て格好してるんだろう。それに林田先輩のこと思い出してこんなことするなんて・・・」
初めてのオナニーを終えた後で、朔美は少し自己嫌悪に陥っていた。
そして、翌日、校門の前で朔美は林田に出会った。
「おはよう、中山。」
林田の顔を見て、昨日のことを思い出す朔美。
「お、おはようございます。林田先輩。」
そう言うと、恥ずかしさと気まずさから、そそくさと教室に向かう朔美。
「?」
そして、朔美のその様子を、林田は不思議そうな顔をして見送るのであった。
(完)