「林田くん、おめでと―!」
桃里が歓声を上げる。林田は前回受けられなかった昇段試験に
一足遅れて挑戦し、みごと黒帯を取ることに成功したのだった。
「ありがとう、何かやっと格好がついたって感じだけど」
林田は照れながらも、嬉しさに帯を手で握り締めた。
「ホント…良かったね…」
まるで自分のことであるかのように喜ぶ桃里が愛しく
林田は思わず抱きしめそうになった。
「お祝い…しなくちゃね」