ベリ子が桃里の家に泊まった数日後のある日の夜・・・。  
 
部屋の明かりを薄暗くして、ベリ子は写真を見ていた。  
「やっぱり、この中では桃ちゃんが一番きれいだョ。」  
笑みを浮かべながら、写真を眺めるベリ子。  
ベリ子の見ている写真の中には、先日、桃里の家に泊まった時に撮った桃里の写真もあった。  
そして、桃里以外の女の子の写真も大量にあった。  
「フッフッフッフ、まだまだ、これからだョ。」  
ベリ子はこれらの写真を一通り見終わると、戦利品と書かれたアルバムにはさんでいった。  
桃里の写真だけ、他の子の写真と分けてアルバムにはさむと、本棚にそれを閉まった。  
アルバムを閉まった後、ベリ子はミウミウ人形を抱いてベッドに入ると、そのまま眠りについた。  
 
−翌日の放課後−  
柔道部に、どこかのクラスの知らない女の子がやってきた。  
「あのぅ、綾川さんは、いますか?」  
「いえ、今日はまだここには来てないですけど?」  
目を少し潤ませ、顔を赤らめて、体をモジモジさせながら、しゃべるその子の様子を  
変に思いながらも林田は答えた。  
「じゃ、じゃあ、また来ます。」  
そういうと、女の子はそそくさと帰っていった。  
 
「オイ、どうなってんだよ。今日、これでベリちゃんを尋ねてくる女の子、4人目だぜ。  
昨日も3人来てたし、何か珍しいレアアイテムでも持って来てるのかな。」  
奥でエロ本を読んでいた皮村が怪訝な顔をしながら林田に話し掛ける。  
「でも、それにしては、どの女の子も様子が変じゃなかったか?」  
「そうだな。あの雰囲気は、まるで恋人にでも会いに来てるみたいだったぜ。」  
「ま、まさかぁ!?」林田が皮村の話を聞いて苦笑いをしていた時、  
ちょうど、藤原が部室に入ってきた。  
「さっき、ここに来てた子、あれ、あたしのクラスの子よ。」  
「ええっ、そうなのか!?」驚く林田と皮村。  
「だって、あの子、東親衛隊の一人だからね。よーく知ってるわよ。」  
「その東親衛隊の女の子が、どうして東じゃなくベリちゃんに用があるんだよ?」  
「さあ? どうしてかしらね?」  
うーんと首をかしげる3人であった。  
 
一方、その頃ベリ子はというと、あの三橋麻彩と対面していた。  
 
「トトロ君のことで話があるの。ちょっと来てくれない。」  
麻彩はベリ子に話し掛けた。  
麻彩が言うトトロ君とは、もちろんミウミウのことであった。  
「イイョ。」  
そう言うと、ベリ子は麻彩の後についていった。  
 
途中で自動販売機を見かけると、ベリ子は自販機でジュースを買いに立ち寄った。  
「ジュース、どれがほしい?」ベリ子は麻彩に話し掛けた。  
(フ、フン、ジュースなんかで買収されてたまるかよ。)  
麻彩はそう思い、ベリ子に「私はジュースは、別にいらないわよ。」と少し不機嫌そうに言った。  
ベリ子は不機嫌そうな麻彩に少し不思議に思いながらも、紙パックのジュースを二つ買って、  
一つを麻彩に差し出した。  
「ハイ、これあげるョ。」  
「フ、フン、あんたがそこまで言うなら、飲んであげるわ。」  
麻彩はベリ子の手からジュースを取ると、ストローを刺してジュースを飲み始めた。  
ジュースを飲んでいる麻彩の後ろにいた、ベリ子はそれを見てニヤッと笑った。  
 
その頃、柔道部の部室。  
 
「おー、今日も皆さん、おそろいですね。」桃里がいつもと変わらない様子で部室に入ってきた。  
部室に入ってきた桃里を一瞬見る3人だったが、桃里だとわかると再び考え込む3人。  
「えっ、みんな、どうしたの? 考え込んじゃって。」不思議がる桃里に  
「実は・・・」と事情を説明する林田。  
「・・・てなわけでね。一体何が起きてるのか、不思議に思ってね。」と桃里に話し掛ける藤原。  
それを聞いて、桃里の様子が見る見る変わっていく。  
 
「ベリ子、アイツ、まさか・・・。」思わず頭に手をやる桃里。  
「えっ、森さん、何か思い当たること知ってるの?」林田が桃里に話し掛けると、  
脳裏に先日の風呂場で、ベリ子にいいようにされてしまったことを思い出す桃里。  
「い、いや、何も知らないよ。」耳まで顔を赤くして林田に返答する桃里。  
「それよ、そんな感じだったわよ。お嬢を訪ねてきた子はみんなね。」藤原の言葉にドキッとする桃里。  
「森さん、それじゃ、知ってるって言ってるのと一緒だよ。」皮村も興味本位で桃里を追求する。  
二人の激しい追及にあたふたする桃里。  
 
「みんな、ゴメン。と、とにかく、この件に関しては私の口からは言えないよ。」  
「ほうほう、言えないようなすごい秘密なのですかね。」秘め事ハァハァと言いながら桃里に近寄る皮村。  
次の瞬間、林田のアッパーカットが皮村に炸裂して、皮村の頭は天井にめり込んだ。  
いや、実際に皮村の推測はほぼ当たっているのだが、もちろんそれを桃里が認めるわけはなかった。  
どう答えたらいいのか困惑する桃里を見て、林田が止めに入った。  
「おい、お前ら、森さん、困ってるじゃねーか。これ以上追求するのはやめようぜ。」  
林田の制止と、ただならぬ様子の桃里を見て、藤原も皮村もこれ以上の追及するのをやめることにした。  
「チェッ、しゃーねーな。」  
しかし、言葉と裏腹に、林田、藤原、皮村は、ベリ子のこの一件が余計に気になりだしていた。  
特に林田は、桃里もこの一件にからんでいるらしいと知り、本当は真相を知りたくて仕方なかった。  
 
一方、ベリ子と麻彩の二人はというと・・・  
 
「ハァ、何だか体がだるくなってきた。」  
体が熱い。麻彩は突然起きた自分の体の異変にとまどっていた。  
「どうしたの?」不思議そうに尋ねるベリ子。  
「な、何だか、体が熱くなってきて・・・。」  
そういうと、麻彩はあまりの体の火照りで倒れそうになった。  
慌てて麻彩の体を支えるベリ子。  
「大丈夫?あたちが保健室に連れてってあげるョ。」  
そういうと、ベリ子は麻彩を背負って、保健室に向かって歩き始めた。  
と思いきや、実際にはシャワールームに向かっていた。  
体が熱くなって、ボーッとしている麻彩はそのことに気づいていなかった。  
そして、しばらくして、二人はシャワールームの前にたどり着いた。  
この時間はまだ部活動の真っ最中なので、シャワールームの付近には誰も人がいなかった。  
ベリ子はシャワールームに麻彩を引きずり込むと、シャワールームの戸を閉めた。  
 
バタン  
 
扉の向こう側の音が、かすかに漏れてくる。  
 
ガサゴソ、ガサゴソ  
「ちょ、ちょっと、あ、止めてよ。」  
ガサゴソ、サワサワ  
「あっ、いや、あああ、ダメ。」  
チュウチュウ、サワサワ  
「ああ、ダメ、こ、こんなこと、あああ。」  
 
(*1)  
クチュ、クチュ、ピチャ、ピチャ  
「あっ・・・・はんっ・・・いい・・もっと・・・」  
ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ  
「ああ!!、ダ、ダメ、もう、あああーっ!!!」  
 
(*1)×2  
 
カシャッ、カシャッ、カシャッ  
 
バタン  
 
扉を開けると、ベリ子が満面の笑みを浮かべていた。  
「今日は、結構いい写真が撮れたョ。」  
そう言うと、さわやかにシャワールームから去っていった。  
麻彩と会った時から、今日のターゲットは決まっていた。  
麻彩には、ミウミウのチューを奪われた相手でもあるので、まさしく絶好のターゲットだった。  
麻彩に渡したジュースは、実はあらかじめ買っておいたもので、中にはパパに取り寄せてもらっておいた  
アリエヘンクライヨクホテールを少し混ぜておいたのだった。  
今日もいい仕事を終えたベリ子は、近くに待機していた友寄にカメラを渡すと、  
満面の笑みで部室に向かっていた。  
 
最初は、パパに話を聞いて、試しのつもりで桃里にやってみたベリ子だったが、  
他の子でも同じ反応を示すのかどうかを確かめようと、その後、何人かに試しているうちに、  
いつの間にか、この「遊び」に夢中になっていた。  
 
自分の指と舌に、相手がなすすべもなく翻弄されていく様子が、ベリ子にとっては  
どうにも面白くて仕方がなかったのだ。  
実際に、ベリ子のテクニックは凄かった。  
 
最初に桃里とやった時はたどたどしい手つきだったが、その後の実戦で鍛え上げた  
テクニックは、例外なく、全ての相手を悶絶させていった。  
そして、いつも遊んだ後は、記念として相手の写真を撮ることにしていた。  
ベリ子のこの「遊び」は、誰かが止めない限り、当分続くことになるだろう。  
この「遊び」に巻き込まれた方は、いい迷惑ではあるが・・・。  
いや、その後の被害者の様子を見ると、本当に迷惑だったのかどうか疑わしくなってくるが。  
 
一方、シャワールームに残された三橋麻彩は、一人オナニーに耽っていた。  
そこには、かつてのベリ子の恋敵としての三橋麻彩の面影は残っていなかった。  
ベリ子のあまりにもすごい指技と舌技が忘れられない体になってしまった麻彩は、  
いつしかベリ子のことを思いながらオナニーをしていた。  
しかし、オナニーなんて今までやったことのなかった麻彩は、ベリ子の時のような快感を  
自分に与えることがなかなかできなかった。  
体がまだ熱い。このほてりを収めてくれるのは、最早ベリ子しかいない。  
そう思った麻彩は服を着ると、ベリ子を探しに外に出たが、最早ベリ子の姿はどこにもなかった。  
 
その頃部室には、ミウミウがやってきていた。  
最近ベリ子とあまり会っていないらしく、ミウミウは少し寂しそうだった。  
「大丈夫だよ。そのうち、またベリ子も戻ってくるって。」  
桃里は寂しそうにしているミウミウをはげましていた。  
「せめて、ミウミウぐらいには、本当のことを話してあげたらどう。」  
藤原がしつこく食い下がる。思い出して、また耳まで赤くなる桃里。  
 
その時、部室の扉が勢いよく開いて、ベリ子が入ってきた。  
皆一斉にベリ子の方を向いた。  
 
「みんな、どうしたの?」  
 
全員固まったようにベリ子の方を見ていたが、たまりかねた桃里がベリ子を連れ出した。  
「みんな、今日はベリ子と話があるから、これで帰るね。」  
そう言うと、桃里はベリ子を連れて、とっとと帰ってしまった。  
「えっ、あっ、ちょっ、も、森さん。」  
突然のことに言葉にならない林田。残された他のメンバーも唖然とするばかりだった。  
「おい、つけようぜ。」皮村が言ったが、  
「いや、やめときましょう。何だか知ってはならないことを知ってしまいそうな気がするから。」  
藤原がそういうと、皮村も後をつけるのを断念するしかなかった。  
「森さん・・・。」  
林田は普通じゃなかった桃里の様子を心配していた。  
 
一方、桃里とベリ子は、桃里の部屋にいた。  
 
「ベリ子、お前、まさか、他の女の子にまでアレやってないよな?」  
「アレって、何のこと? 桃ちゃん。」  
「だ、だから、この間、お風呂で私にしたようなことだよ。」  
顔を赤くしながら話す桃里。  
「ああ、あれ、ウン、あれから何人かで試したョ。」  
楽しそうに話すベリ子。それを呆然と聞く桃里。  
 
「それがね、桃ちゃん、みんな、桃ちゃんと同じ反応したんだョ。」  
「わっ、ベリ子、シーーーーーーッ。」  
下にいるモモジに聞こえるくらい、大きな声で話すベリ子を制止する桃里。  
「ベリ子のやってることは、はっきり言って犯罪だよ。相手が訴えたら大変なことになるって。」  
桃里が心配するが、ベリ子は動じない。  
「大丈夫だって、その時はあたちのパパに頼めば何とかしてくれるョ。」  
楽しそうに話すベリ子。  
「それに、こんな楽しいこと、そう簡単にやめられないョ。」  
笑顔でそう答えるベリ子は、まるで玩具で遊んでいるのを楽しんでいるみたいだった。  
 
次の瞬間、大きな平手打ちの音が響いた。  
 
パシッ!  
 
初めてだった。桃里がベリ子を叩いたのは・・・。  
叩かれたベリ子も、そして叩いた桃里自身も驚いた。  
 
さっきまでの明るい顔が嘘のように、ベリ子は泣きそうな顔をしていた。  
「ゴメン、ベリ子。でもね、こういうことは遊び半分でやっちゃいけないことなんだよ。」  
さすがに桃里にはたかれたことがショックだったのか、しょんぼりするベリ子。  
「ウン・・・」  
「もう、遊び半分で他の人に絶対こんなことしないって、私に約束して、ベリ子。」  
真剣な桃里の様子を見て、ベリ子もさすがに反省したようだ。  
「ウン、もう、遊び半分で、二度としないョ。約束するョ。だからね、桃ちゃん・・・」  
「よし、約束だぞ。」  
そう言って桃里が笑顔を見せると、ベリ子は思わず桃里に飛びついた。  
 
「桃ちゃーん。」  
「わっ、お前、言ってるそばからな・・・。」何やってんだと言おうとした桃里だったが、  
ベリ子の様子を見て言葉を失った。  
ベリ子は桃里に抱きつき、泣いていた。  
「ベリ子・・・。」  
桃里は、まるで子供のように自分にすがりついて泣いているベリ子が泣き止むまで、  
黙ってそのままの状態で、ずっとベリ子の頭を撫でてやった。  
 
−翌日−  
 
朝、学校に向かっている桃里の後ろから、自転車のベルの音が聞こえてきた。  
「あっ、林田君。おはよう。」  
「おはよう、森さん。」  
林田は昨日のことが気になっていたのだが、いざとなるとなかなか聞きづらかった。  
桃里は、そんな林田の様子に気がついたのか、桃里のほうから話し始めた。  
 
「ベリ子のことなんだけどね・・・。」  
「えっ?」  
「ごめんね。詳しいことは言えないの。でも、しばらくしたら、収束すると思うから、  
それまで我慢してやってください。」  
そう言って、林田に頭を下げる桃里。  
「う、うん、でも、よかった。  
昨日の森さんとベリちゃんの様子がおかしかったから、少し気になってたんだ。」  
「心配かけてゴメンね。」  
林田が自分達のことを気にかけてくれていることを知り、うれしくなる桃里。  
 
「ヨーシ、今日も一日、頑張っていきますか。」  
桃里が笑顔で林田に話し掛ける。  
「ウン。」  
朝から、桃里と話せたうえに笑顔まで見れて、林田は何だか幸せな気分になった。  
 
その幸せそうな林田の横をミウミウとベリ子の二人が通り過ぎていった。  
「桃ちゃん、ブチョー、オハヨー。」  
「おはよう、ベリちゃん。ミウラさん。」  
「おはよう、ベリ子。ミウラさん。」  
本当にベリ子は元に戻ったようだ。  
林田も桃里も、ベリ子の様子を見て、ホッとした。  
 
そして、その日の放課後  
 
林田、桃里、藤原、皮村のいる部室に、三橋麻彩が訪ねてきた。  
「あのぅ、綾川さんは、いますか?」  
「いえ、今日はまだここには来てないですけど?」  
目を少し潤ませ、顔を赤らめて、体をモジモジさせながら、しゃべる麻彩の様子に  
またかよと思いながらも林田は答えた。  
「じゃ、じゃあ、また来ます。」  
そういうと、三橋麻彩はそそくさと帰っていった。  
 
これで今日も3人目だ。しかも3人目は昨日、夕方に桃里とベリ子が帰った後に  
部室に尋ねてきた子だった。  
 
「本当に、収束するんだよね?」林田が桃里に尋ねる。  
「・・・多分。」桃里はそう答えるしかなかった。  
 
ベリ子の暴走が残した後遺症は、予想以上に大きいようだった。  
 
                                          (完)  
 

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