それは昼休みの虎子の発言から始まった
『なぁ龍姫。お前、傘先生ってどう思う?』
『……なんですの?唐突に』
『いや…だからさぁ、いい歳して独身で女っ気なしの担任教師を世間的にどう思うかって事!』
『……そうねぇ……教師という立場上、異性との出会いも少ない。女子生徒に手を出せば教師としてやっていけなくなる…今は良くても将来性は無いに等しい……可哀想な人かしら?』
『虎子、龍姫がえげつねー』
『雀さん……だってそうでしょう?』
『まあまあ龍姫さん……ところで、虎子さん。傘先生がどうしたんですか?』
『私は思うんだ!傘先生はもっと幸せになるべきだと!』
『…………』
一同は黙る
『……まぁ、あなたにしては良い発言ですわね。それで具体的には?』
『みんなで傘先生に抱かれてみないか?』
『…………』
再び一同は黙る
『歩巳。時間の無駄ですわ。次の授業の教室に行きますわよ?……歩巳?』
『…………』
虎子の発言に歩巳は石化している
『ちなみに私とスズはもう傘先生に抱かれたよ?いや〜、いち早く大人の女になれたし、傘先生も気持ちよくなれたし?…まぁ、実際にはスズに押さえ込んでもらって強制的にヤッたわけだけど。なんだ〜龍姫。また逃げるんだ?仕方ないか、処女だし(笑)』
『…………!』
龍姫の足が止まる
『逃げるんだ〜?』
『…………!(怒)』
『逃・げ・る・ん・だぁ〜?』
『…………誰がやらないと言ったかしら?(静怒)』
『(ニヤリ)』
虎子は静かに笑う
『なぁなぁアユ。お前は中学の頃、誰かと付き合ってた?』
『(ブッ!)へっ!?いや彼氏なんて!!ゴホッ!ゴホッ!』
飲みかけのコーヒーを吹き出す
『そっかぁ〜。アユは男性経験が無いのかぁ』
『アレ、気持ち良いぞ?』
『え……えええぇぇ!!す、雀さん!!経験済なんですか!?』
『うん』
雀は落ち着いた様子で軽く頷く
『避妊は虎子から教わったから、それさえ気を付ければ運動感覚で楽しめる。相手がいない時は虎子と二人で……』
『あわわわわ……』
歩巳はパニックを起こしている
『歩巳も経験してみたら?大したこと無いって。気持ち良いし楽しいよ?』
『いや!いやいやいや!!まだそんな!』
『本命の男とやる前に一度経験しとけば、彼氏が童貞なら喜ぶよ〜。童貞は女性にリードされたがるからなぁ。本番で失敗しない為の練習にさ』
『……本命の……』
ふと歩巳の頭にキツネが思い浮かぶ
『まぁ、いいや。経験したくなったら返事ちょうだい。いつでも相手の男に頼めるからさ。スズ、食堂に行こう?』
『うん』
雀は虎子の後を追う
教室に一人残された歩巳は立ち尽くす
『……本命の……本番の練習……』
『と、虎子さん!!』
食堂で虎子を見つけた歩巳
『例の件で…!その……練習に……』
『(ニヤリ)』
虎子は静かに笑い、携帯で傘にメールを打つ
『おい……上下山…ありゃどういうことだ?』
『あははは、先生。二人の時は虎子って呼んでよ?』
『じゃあ虎子!!お前、クラスメートのあの二人に何を言った!』
『ん?アユと龍姫の事?先生に大人の女にしてもらえってアドバイスをしたんだよ?』
『…………お前って奴はぁぁ!!』
『でも抱いたんだよな?お互いに気持ちよくなったんだよな?まぁ、私の時と同様、スズに先生の拘束を頼んだからなぁ〜。抵抗出来ないよね!』
『ぐっ……』
『傘センセイにはもっともっといろんなタイプの女性を抱いて、セックスの経験を積んで欲しいわけよ。それで、私をもっと楽しませてもらわなきゃ!』
『だからって、お前!クラスメートの友達を犠牲にして良いのか!?』
『もちろん彼女らも同意の上だよ。あの二人、嫌がってた?』
『…………ぐっ!』
彼女らとの行為を思い出して何も言えなくなる
『あれ〜?怒らないの?傘センセイ?(笑)』
『……指導!!』
虎子の唇を吸い尽くすように濃厚なキス
そのまま傘はベッドへ虎子を押し倒す
『きゃは!……今日はあの二人分は私を楽しませてね(はーと)』