そのまま沙羅は優を引き連れてデートを楽しんでいた。  
今までも買い物に付き合わせた事は何度も合ったが、  
こうして恋人同士として行くのは今回が始めてである為、  
沙羅は今までに無い胸のトキメキを感じていた。  
あまりお金を持っていなかった為、この日はウインドゥショッピングで2人は時間を過ごしていた。  
途中、沙羅が喉を乾かせた為、近くにあるコンビニに優を待たせて向かった。  
自分にはレモンティー優にはコーヒーを買い沙羅は優が待っている元に向かったが、  
途中、優が柄の悪そうな男性に絡んでいるのを見付け、沙羅は我を忘れ走って向かって行った。  
「オイ、お前! 優に何をしようとしている!」  
いきなりの怒声に男性は驚き、優も沙羅の剣幕に驚いた。  
「誰だよ、優? この跳ね返っりは?」  
「ああ、沙羅ちゃん聞いて、この人は…」  
優は興奮している沙羅を宥めて、男性の詳細を話し始めた。  
男性は優の友達で双羽愛理(ふたはねあいり)180を超える長身に眩しく染められた黄色い髪、  
だらしないファッションから優と一緒に入れば沙羅の様な勘違いも少なくは無かった。  
「そ、そうなんだ…ゴメン…」  
「いや、いいよ、それより優よ本当に誰だよ?」  
「えっと…」  
「彼女は白鐘沙羅ちゃん、僕の一番、大切な人だよ、愛理君」  
沙羅がマゴマゴしていると優は恥ずかしがる事無く堂々と愛理に宣言をした。  
あまりに堂々とした優の態度に沙羅は顔を真っ赤にして恥ずかしがり、  
愛理はニヤケた表情で優の肩を強めに叩いた。  
「そうか、そうか! だったら俺は邪魔者だな! まぁ楽しんでくれ!」  
豪快に笑い飛ばしながら愛理はその場から消えて行った。  
愛理の行動に沙羅は圧倒されたが完全にいなくなると沙羅は優に話し掛け出した。  
「なぁ優…あんな…」  
「何? 沙羅ちゃん、僕、何か嘘言った?」  
「言っていないけど…」  
「なら、良いでしょ」  
優は笑顔を見せると沙羅が買ってくれたコーヒーを取り歩き出した。  
それに置いていかれ無い様に沙羅も歩き出した。  
意外な優の交遊録に沙羅は驚かせながらも、一つの仮定が沙羅の中で出された。  
「もしかして…お前、あの人が…」  
赤面しながら話す沙羅に優は少し顔を赤らめながらも小さく頷いた。  
結果的に自分達の仲を手助けしてくれたとは言え、  
沙羅は気恥ずかしい気持ちで一杯になり優を軽くゲンコツで小突く事で解消させた。  
 
沙羅が高村と別れてから1月の時が流れた。  
沙羅は優と幸せな時間を過ごしており、双樹も高村と2人だけの付き合いに慣れ始め満足をしていた。  
だが隣に沙羅がいない事から双樹の中でも気持ちに変化が出始めたのである。  
あれから高村は自分に対して変わらず優しく接してくれている、高村の事は好きである。  
それは間違い無いのだが、それでも以前の様に盲目的に高村を見る事が出来なくなっていたのだ。  
何処かモヤモヤした気持ちのまま、この日のデートも終わりを迎え様としており、  
駅まで送ってもらった双樹はそのまま自分の家に帰ろうとした。  
「じゃあ、楽しかったです。ありがとうございました、お兄さん」  
高村に対して背を向けて帰ろうとした時、双樹は高村に腕を掴まれて振り向かされた。  
見ると高村の目は真剣な物であり目を瞑り自分に対して顔を近付けて来た。  
それを双樹は素直に呑み込み、自分も頬を赤らめて目を瞑り行為を受け入れ様とした。  
だが目を瞑った瞬間、  
何故か双樹の脳裏に沙羅と優の姿が映り自分の行動が間違っている物だと言う感覚に囚われ始めた。  
「嫌ッ!」  
唇が触れる直前になって双樹は高村を自分の体から放した。  
自分でも何故、この様な行為に及んだのかは分からないが、  
その場にいるのが辛くなった双樹は頭を深く下げると逃げる様に高村の元から去って行った。  
一人取り残された高村の表情は凶悪な物へと変貌しポケットから携帯を取り出すと連絡を始めた。  
「オウ、俺だ、もう良いよ、俺の負けで良いからさ…」  
翌日、双樹は自分の行為を疑問に感じながらもどうして良いか分からず、その日の授業を終えた。  
帰ろうとすると校門の前には高村が何時も通りの笑顔でいて双樹を出迎えた。  
「あ! お兄さん、昨日は…」  
「良いよ、そんなの、それより今からデートしない?」  
「でもサッカー部の練習は?」  
「今日は休んだ、気にしないで行こう」  
双樹は多少、違和感を感じたが高村に腕を掴まれ、結局、そのまま付いて行く事になった。  
その様子を後方から見ていた沙羅は双樹の身に危険を感じたのか携帯を開き優に連絡を取った。  
高村に手を引かれて連れて行かれた場所は人気の無い倉庫であった。  
明かに違和感を感じた双樹はその場から離れようとしたが高村の握力に勝つ事が出来ずになすがままの状態であった。  
倉庫の中に乱暴へ放り投げると中には既に2人おり双樹は言い様の無い恐怖を感じた。  
 
「これは一体…」  
「もう、いいだろ」  
それは今まで双樹が聞いた事無い冷たい声であった。  
表情も無表情で恐怖を感じる物であり、そのまま高村は話を続けた。  
「付き合い始めて俺等、結構な時間経つよね、それなのに、こんな…やっぱ、  
こういうのはギブアンドテイクでないといけないと思わない?」  
「そんな…」  
「嫌だね…何を被害者ぶっているの? 好きと言ったのは其方が最初だよ、  
ならこう言う事に行き付くのを喜んでもらいたいぐらいだよ」  
「酷いです! こんなの! 冗談だって言って下さい!」  
目に涙を溜め必死に懇願を双樹はしたが高村の冷淡な表情は変わらず話を続けた。  
「それは無いよ…まぁ始める前に言っておくけど…こういうのは双樹ちゃんが始めてでは無い、  
何度か思い切りが無いのをやったけど、正直な話、こっちの方が興奮するのが多い、  
まぁ後始末が何かと大変だけどね」  
ニヤケ笑いを浮かべながら、高村とその仲間達はジリジリと双樹に詰め寄って行った。  
逃げ場が無く、双樹は只、後退りをするしかなかった。  
「そうやって…」  
震える声で双樹は高村に対して話し始め、感情が爆発した様に捲くし立てる様に喋り始めた。  
「そうやって好きでもない女の子と付き合って傷付けて来たのですか?  
高村先輩はそれでなんとも思わないのですか?」  
高村に対しての呼び名がお兄さんから先輩に変わった時点で双樹は高村に対して幻滅をしていた。  
だが高村は双樹の呼び掛けにもわずわらしそうに対応をした。  
「ウルセェな…こんなのゲームだよ、ゲーム…本当に女ってのはバカな生き物だよ、  
ちょっと見た目が良くて優しくしてやれば簡単に股、開いてよ…いいじゃねーか、  
俺と付き合っていた時、お前楽しかったろ…」  
高村の言動に対して、双樹は今まで高村に対して抱いていたイメージが崩れ落ちた。  
溜まっていた涙を流しながら双樹は憎しみが篭った表情と声で高村に対して言い放った。  
「貴方は最低です!」  
「あっそ…じゃあ、その最低な男に犯されろ」  
そのまま高村はゆっくりと双樹に詰め寄った。  
双樹は当然、後退りをして逃げるが逃げ場が無くなるのは目に見えて明らかである。一向はまるで、それを楽しんでいるかの様にゆったりとした調子で詰め寄った。  
「にしたって今回は残念だったね、本当に高村」  
「そうだよ、美人双子の姉妹丼なんて中々、出来る経験ではないでしょ」  
「ああ、本当に残念だ、まぁその鬱憤はこれにぶつければ良いだけだから…」  
 
下品な笑いを浮かべながら高村達は双樹を追い詰めた。  
双樹の背中に壁がぶつかり逃げる事を遮ると高村は双樹を見下しながら手を伸ばし始めた。  
(助けて! 沙羅ちゃん! 優ちゃん!)  
恐怖のあまり叫び声も出ない状態ながら双樹は助けを求めた。その時であった。  
けたたましい音が入り口の方から聞こえて来て何事かと思い振り返ると  
そこには荒い呼吸で高村に対して憎しみの表情を浮かべていた優がいた。  
「優ちゃん…」  
双樹は思ってもいなかった優の登場に呆けていたが、  
高村達は良い所を邪魔された優がおもしろくなかった。  
本性を剥き出しの状態で優の周りを取り囲んだ。  
「テメェ何しに来た?」  
「その人は僕にとって大切な幼馴染です。傷付ける様な真似は…」  
全てを言い終える前に優の腹部には高村の強烈な膝が入り、優を苦しめた。  
呼吸が出来ない優を高村は見下しながら話した。  
「お前には関係無いだろ! さっさと消えて、あのツンケン女とでもいちゃついていろ!」  
「許さない…」  
「ハァ? 何がだよ?」  
「沙羅ちゃんと双樹ちゃんを傷付ける人は絶対に許さない!」  
優は今まで双樹が見た事も無い剣幕で高村に襲い掛かったが普段、  
運動が苦手で喧嘩何てした事も無い優の攻撃が当たる筈も無く難無く交わされ即座に攻撃を与えられ続けた。  
「舐めた事、抜かすな! このクソガキ!」  
他の2人も交えて優は成す統べなく殴られ蹴られ続けた。  
双樹はその様子を只、震えながら見る事しか出来ず、自分の取った行動に今更ながら悔いていた。  
(どうしよう…皆…双樹のせいだ…)  
あの時、自分が沙羅の言葉を素直に聞いていれば、  
大切な幼馴染がこんな事になる事も無かったのに後悔の念に押し潰されそうにされ  
双樹はその場で蹲りさめざめと泣き始めた。その間も優は殴られ続け、あっという間に  
満身創痍の状態にされた。  
「なぁ高村、もう良いだろ…」  
仲間の声で高村は冷静さを取り戻し自分の足元で転がっている優に唾を掛けると、  
標的を双樹に移して再び向かおうとしたが、  
自分の足元に絡み付く何かに気付き振り向いてみると優がしがみ付いていた。  
「絶対に…ゆ…る…」  
「ウゼーんだよ!」  
声が途切れ途切れの優に対しても高村は容赦が無くサッカーで鍛えた脚力で思い切り振り払うと  
優は勢い良く後方に投げ飛ばされた。  
「嫌―!」  
 
双樹の悲痛な叫び声が倉庫に木霊したがそれさえも興奮する素材と受け入れて高村達は双樹の元へ行こうとした。  
「お前等! 何をやっている!」  
優以外の声に気付き振り返るとそこには自転車に乗った中年警官がいた。  
一同は舌打ちをするとその場から我先に逃げ出した。  
当然、警官は一同を追って行き、倉庫の中は不気味な静寂だけが残った。  
「優ちゃん…」  
双樹は恐る恐る倒れたまま動かない優の元へ向かって行った。  
双樹が近付くと優は震える声で一言、言った。  
「もう、大丈夫…さ、らちゃん…」  
「うん…」  
「沙羅ちゃん?」  
双樹は物陰に隠れていた沙羅の登場に驚いたが、  
沙羅は説明をする事も無く優の元へ行き状態を確認した。  
「何で沙羅ちゃん…」  
「何処から説明したら良いかな…まず私が優に連絡をして、  
そこであの男にばれない様に追跡をして、そしたらあんな事になって、  
私は止め様としたけど優に止められて警察に連絡をしてと言われて、  
で言われた通りにしたら、こんな…」  
全てを説明し終える前に沙羅の目からは大粒の涙が零れ落ち下にいる優の顔に流れ落ちた。  
沙羅の説明で全てを理解した双樹は改めて自分が取った行動を後悔した。  
「全部、双樹のせいだ…双樹が…あんな…」  
「そうだよ! 皆、双樹のせいだ!」  
泣きながら話す双樹は沙羅の思ってもいなかった言葉に驚愕をした。  
沙羅は普段、絶対に双樹へ見せない憎しみの表情を浮かべて双樹を責め出した。  
「何であんな見掛けだけの奴を好きになったのだよ! あんなのに良い奴なんている訳無いだろ!」  
「ヒック…ウウ…」  
「犯されそうになる寸前まで気付かないなんて…本当に双樹はバカだよ!  
大バカだよ!」  
「ヒック、ごめんなさい、ごめんなさい…」  
「私達の事をな…一番に考えてくれるのはな、見栄えが格好良くなくて…  
運動音痴で…子供みたいに純粋でお人好しな性格で…掃除や洗濯が得意で…  
料理が大好きで…何時も優しく笑っている優なんだよ!  
何でそれに気付かないのだよ、バカー!」  
「ごめんなさい! ごめんなさい!」  
沙羅と双樹は大声で泣きじゃくり続けた。その時であった。  
沙羅の目から流れ続ける涙を震える手で拭った。  
 
「泣かないで、後、喧嘩しないで沙羅ちゃん、双樹ちゃん、  
そんなになったら僕も悲しいよ…」  
「優?」  
「優ちゃん?」  
沙羅と双樹は震える声で自分達を慰める優に泣く事も忘れ、優に詰め寄った。  
沙羅は優の頭を自分の膝に乗せ、優が話しやすい状態にした。  
多少、話すのが楽になると優は話し始めた。  
「沙羅ちゃん、ダメだよお姉ちゃんを虐めたら…」  
「だって!」  
「だってではない! 人を好きになる事は素晴らしい事だよ、偶々、  
今回はこんな結果になったけどそれを責めるなんて沙羅ちゃん酷いよ!  
ちゃんと双樹ちゃんに謝って!」  
「優ちゃん、沙羅ちゃんを責めないで悪いのは皆、双樹なの!」  
「双樹ちゃんもダメ! そんな事を言ったら…もう恋愛なんて出来ないよ…  
次に騙されなければ良いだけだからさ…」  
「でも、双樹のせいで!」  
「このケガは皆、不甲斐無くて、弱い僕のせい…1人くらい倒せば格好だってついたのにさ…  
本当に僕ってダメだよね…」  
「そんな事言わないで優ちゃん!」  
双樹は必死で優を庇った。優はヨロヨロと立ち上がり、自分の家に帰ろうとした。  
気付くと、時刻は5時を過ぎていた。  
「じゃあ、本当にゴメンね…僕が弱いから、こんな…」  
「お前のせいではないだろ! 勿論、双樹も悪くない! 悪いのは皆、あの男だ!」  
自分に腹が立っている沙羅はつい優に対して乱暴な物言いをしてしまった。  
「ゴメンね…」  
優は覚束無い足取りで自宅まで向かった。  
優の姿が見えなくなると沙羅は泣きながら双樹の胸に顔を埋め、  
そこから堰を切った様に泣き始めた。  
「ワァァァァァァ! 双樹、ごめんなさい! 私、又、優に八つ当たりした!」  
「双樹もごめんなさい、双樹のせいで、双樹のせいで…」  
「ウワアアアアアアアアアアアアア!」  
2人は自分達の行為を心底悔やんで、その場で涙が枯れ果てるまで泣き続けた。  
やがて涙も出なくなり、泣き疲れると2人は気まずい空気の状態で自分達も家へと帰って行った。  
それから沙羅と双樹はずっと無気力な状態で何もする気になれずにいた。  
3日程、学校を休んでいたが、何時までもそれではいけないと思い4日目で登校をした。  
するとおかしな事が起こっているのである。高村が学校に来ていないのである。  
話によると酷いケガをした為、暫くは学校を休むと言う、何よりも高村と鉢合わせるのが嫌であった。  
2人はこれに安心をし、それからはちゃんと学校に普段通り通っていた。  
 
「オイ! 向こうにあの野郎! 逃げたぞ!」  
優が酷い顔で学校に現れた翌日。愛理は優にケガの事を尋ねたが、  
優は答えてくれず、仕方が無いので愛理は自身の情報網を使いすぐに犯人を割り出し、  
そこから猛攻を始めて行った。仲間の二人は既に制裁を与えられて満身創痍であり、  
高村だけは逃げ続けていたが現在、白い特攻服の集団に取り囲まれ身動きが取れずにいた。  
集団の中から同じ特攻服に身を包んだ愛理が邪悪な笑みを浮かべ高村の前に現れた。  
「よう…話は全て聞いた。何て言うか…バレずにコソコソやっていれば俺も文句は言わないけどよ、  
やった相手が不味かったな、俺の親友とその女に手を出したからな…」  
ジリジリと詰め寄られ高村は逃げ場を失っていた。恐怖で気が錯乱した高村は思いもよらない事を口走った。  
「何者だ…」  
「この特服、見て分からない? 俺達は関東最大規模の暴走族『異化腑阿亥弥阿逗』  
(イカファイヤーズ)だ! まぁ死なない程度には加減するけど、  
もうあのお嬢ちゃん達の前からは消えろ!」  
愛理が手を上げると同時に何人かの兵隊が高村を相手に襲い掛かった。  
「ギャアアアアアアアアアア!」  
そして高村は病院に搬送されケガが治る頃には2人の学校から転校の手続きをし消えて行った。  
日曜日にもなると優のケガも良くなって来て、少し要所が腫れている程度で済んだ。  
(どうしよう…沙羅ちゃんからも双樹ちゃんからも何の連絡も無いし…)  
ケガは治っているのに優の心は晴れやかで無かった。あれから沙羅は何の連絡も無かった。  
心配させてはいけないと思いケガが大分、治った頃2人に写メールで自分の顔を写し一言、  
『元気です』と送ったが何の反応も無かった。  
不安に思い携帯を弄りながら悶々とした時間を過ごしていたが、  
突如メールの着信音が響くと慌てて携帯を開き内容を確認した。来たメールは双樹からであった。  
『優ちゃん。かくれんぼしよう、ヒントは私達の思い出、5時までそこにいるから探し出してね』  
突然、来たメールに優は困惑をしたが時計を見ると3時を指しておりもう既にかくれんぼは  
始まっている事を知り、慌てて自転車に乗り思い当たる場所へと向かった。  
その頃、沙羅と双樹は昔3人で良く遊んだ花畑にいた。  
昔は病院であったが潰れて現在はこの様な状態である。  
自然が作り上げた広大な花畑で3人は日が暮れるまで遊んだ物である。  
沙羅と双樹は中央で腰を下ろしながら優の到着を待った。  
「ねぇ沙羅ちゃん、優ちゃん来てくれるかな…」  
「来てくれるさ、絶対に! だって優だぞ、きっと来てくれるよ…」  
唯一の出入口から2人は優の到着を待った。  
メールを打ってそんなに時間は経っていないので見てはいたが気を抜いた状態であった。  
 
「ちょっと! 沙羅ちゃん、あれって…」  
「え? 嘘だろ…」  
2人は入り口に現れた存在に目を丸くして驚いた。  
優は自転車を乱暴に乗り捨てて2人の元へ走って行った。  
「まだ大丈夫だよね? 2人共…」  
「え、何で…」  
「そうだよ、あれだけのヒントで何で…」  
「真っ先に浮かんだのがここ、2人を待たしたらダメだと思って…」  
優は肩で息をしながら2人を迎えに来た。  
「それで次は何して遊ぶ?」  
突然のメールにも関わらず、優は笑顔で2人に問い掛けた。  
2人は優の優しさに感謝をしつつ双樹が前に出て来て話を進めた。  
「あのね、優ちゃん、もう良いの、でもゴメンね急に呼び立てたりして」  
「ううん、全然、平気、それよりも僕の方こそゴメンね返信しないで…」  
「良いの、それで今日は優ちゃんに話したい事があるの」  
「何?」  
全てを聞き終える前に突然、双樹は優に唇を押し付けた。  
突然の出来事に優は目を大きく見開いて驚き沙羅の方を見つめた。  
双樹は唇を放すと顔を赤らめながらゆっくりと話し始めた。  
「ゴメンなさい、突然、こんな事をして、でもね私も優ちゃんの気持ちに気付いたの…」  
「でも、僕には沙羅ちゃんが…」  
「これまでの関係が幼馴染から恋人に変わるだけだ、私の方は何の問題も無いぞ」  
普通に言った沙羅に優は困惑をしたが2人は構わず話を続けた。  
「今までゴメンなさい、でも双樹も優ちゃんの事が好き、大好き」  
「だから何だ…お前、優しいから良いだろ?」  
「私達の恋人になって下さい」  
そう言い2人は優に抱き付き、そのまま後ろに倒れた。  
暫く優は柔らかな感覚を楽しんでいたが、2人を一旦、放すと返答をした。  
「本当に驚いたよ、僕は沙羅ちゃんも双樹ちゃんも同じ位、大切な存在だけど、  
まさかこんな形になるなんて思わなかった…良いよ、僕で良かったら2人の恋人にさせて」  
そのまま後ろを向いて歩き出そうとした時、双樹は優の手を取り恥ずかしそうに俯きながら話始めた。  
「な、何?」  
「ありがとう、じゃあ双樹したい事があるの…」  
「何?」  
「沙羅ちゃんにしたのと同じ事、双樹にもして」  
 
双樹の大胆過ぎる発言に優は思わず沙羅の方を見てしまった。  
「ゴメン、優…あれから問い詰められて…」  
「ねぇ双樹とするのは嫌?」  
潤んだ目で上目遣いに見上げられ、優は沙羅に無い魅力にドギマギしながらも慌てて返答をした。  
「僕は良いけど…良いの本当に?」  
「双樹、優ちゃんではないと嫌だよ…」  
そう言い、双樹は自分の胸に優の手を持って行き胸の膨らみを触らせた。  
デジャブを感じながらも優は双樹の思いに応える為、小さく頷いて返答をした。  
3人は優の家へと向かって行った。  
優の家に到着をすると3人は真っ先に優の部屋に入った。  
優は双樹の思いに応える為、今度は自分からキスをして舌を入れ双樹の味を楽しんだ。  
だが途中で沙羅の熱心に見つめる視線に気付き、一旦、中断させ、沙羅に話し掛けた。  
「あ、あの、沙羅ちゃん?」  
「何? 早く双樹の思いを適えてやれ」  
「でも沙羅ちゃんは…」  
「私は付き添いだ、気にせず双樹を抱いてやれ」  
「良いの? 双樹ちゃん?」  
「うん、双樹も1人だと不安だから、続けて」  
一般的では無い状況に優は多少、困惑をしながらも双樹と深いキスを続けた。  
口の中を存分に味わうと、優は双樹の制服に手を掛け脱がそうとした。  
「あ、待って…」  
双樹はブラウスを脱がせようとする優の手をやんわりと外すと自分で手を掛けて脱ぎ出した。  
「自分で脱ぐから優ちゃんも脱いで…」  
言われるがままに優も自分の服に手を掛けて脱ぎ出した。  
双樹は風呂にでも入る様な調子で手際良く脱いで行った。  
ブラウスを脱ぎ、桃色のブラジャーが優の目に入り、  
続いてスカートを緩めて脱ぐとブラジャーと色を合わせたショーツが目に入り優を興奮させた。  
優は脱ぎ捨てる勢いで自分の服を脱いで行きあっという間に全裸となり双樹に見せた。  
双樹は靴下を脱ぎ、下着のみの状態で優に近付いて行き、  
既に準備が完了した優の物を見て頬を赤らめた。  
「何か凄いね、優ちゃんのそれ…」  
「う、うん…」  
「えっと…どうかな、この下着、今日の為に選んだけど…」  
「す、凄くかわいいよ…」  
「本当、嬉しい…じゃあ、脱ぐね…」  
そう言うと双樹はブラジャーに手を掛けてホックを外し自分の体からブラジャーを抜き取った。  
双樹の膨らみが露となって優は只、それに見惚れる事しか出来なかった。  
手はショーツの両端に移動をしてそのまま下にずらして行きショーツを足から抜いた。  
恥部は沙羅と変わらず毛の薄い状態であった。  
全てを脱ぎ終えお互いを見つめあうと双樹の方からゆっくりと優に近付いて行き優の物を両手で包んだ。  
 
「ウッ!」  
「大丈夫、痛くない優ちゃん?」  
「平気、双樹ちゃん…」  
「凄い、さっきより大っきくなっているね、それに先っぽから何か出ているし…」  
双樹は優の先走り汁に興味を持ち、それを指先で取り、  
匂いを確かめたり指先で弄んだりして感触を確かめた。一頻り確かめ終えると、  
双樹はベッドに寝転び優を待ち、優も双樹に乗り愛し合い始めた。  
深くキスをしながら、双樹の胸を弄った。  
甘い呼吸が漏れると沙羅にしたのと同じ様に口を顔から胸に移し立った乳首を口に含みながら胸を味わった。  
「フフフ、優ちゃん、赤ちゃんみたいでかわいい…」  
優の頭を撫でながら双樹は慈愛に満ちた表情で優を見ていた。  
だが優は赤ちゃん呼ばわりされた事が面白く無いのか珍しく口を尖らせ反論を始めた。  
「僕は赤ちゃんではないよ、双樹ちゃん!」  
「あ、怒った? だったらゴメンね優ちゃ…あ…」  
優は反論の代わりに行動で証明をして双樹の胸を手と口で責め立て、  
双樹を気持ち良くさせていった。  
撫でていた手はそのまま頭を抱き締める形となって双樹は快楽に身を任せた。  
「ん! 優ちゃん…それ気持ち良い…あ!」  
「僕も気持ち良いよ、双樹ちゃんの胸、美味しい…」  
「嬉しい…優ちゃん…でも、そろそろこっちも…」  
快楽に身悶えながら双樹は自分の恥部を優の内腿に擦り付けて快楽を得ていた。  
胸への愛撫でそこは既に湿り気を帯びており、伝わる熱と感触が優を興奮させた。  
双樹の言葉通り優は体を下ろして恥部に顔を埋めるとそのまま既に熱くなっている  
恥部へ顔を埋めて舌で愛撫して行った。  
「んあ! 優ちゃん、それ気持ち良いよ…もっと舐めて…あ!」  
双樹の言葉通り、優は舌で縦横無尽に責め立て続けた。  
舌で奥を攻撃する度に愛液が溢れ出して行った。  
もっと気持ち良くさせたいと言う思いが優を突き動かし、  
更に奥へと舌を入れて行った。  
「ん! 嫌! 止めて!」  
泣きそうな双樹の声に気付き優は慌てて舌での愛撫を止めて、顔を上げ双樹に話し掛けた。  
「ゴメン、痛かった?」  
「ううん、痛くないよ、気持ち良い…只…」  
「只、何?」  
「双樹も優ちゃんのおちんちん気持ち良くしてあげたい」  
そう言うと双樹は置き上がり優の股間に顔を埋め目の前にある物に舌を這わせた。  
 
「あ! 双樹ちゃん、そんな…」  
思いも寄らなかった双樹の行動に優は完全に準備が出来ておらず、  
そのまま双樹が与えてくれるに溺れて行った。  
「どう、気持ち良い?」  
「う、うん…」  
「良かった、双樹も気持ち良いよ、だから…双樹のもして」  
そう言い双樹は自分の恥部を優の顔に移して互いに恥部を見せ合い愛撫出来る状態にさせた。  
双樹の大胆な行為の数々に優は圧倒されたが吸い込まれる様に恥部を舌で愛撫して行き、  
双樹も優の物を舐めるだけではなく時折、口に含んで口全体で愛撫をして優に快楽を与えた。  
2人の様子を見守っていた沙羅は2人の行為に完全に見惚れてしまい、  
心臓を早鐘の様にしながらマジマジと光景を見ていた。  
(凄い…私の時と全く違う…)  
只、されるがままであった自分の時とは違い、双樹は積極的に参加をして行き、  
優に快楽を与え続けた。その様子が沙羅には衝撃的であり、  
股をモジモジと動かしながら様子を見続けていた。  
2人の状態は共に絶頂の一歩手前まで来ており双樹は優の物を舌で愛撫しながら話した。  
「ねぇ、もう良いでしょ、これ欲しいの…して優ちゃん…」  
舌で愛撫をしながら双樹は懇願をした。  
双樹の願いを適えるべく優は体勢を入れ替え双樹を押し倒すと枕元に置いてあった避妊具を装着し、  
そして双樹の髪を結んでいたリボンを両方外して本当の意味で生まれたままの状態にし宛がい押し込もうとした。  
「い、入れる時は一気にお願い…」  
「分かったよ…」  
双樹の言う通り、優は一気に自身を双樹に挿入した。  
壮絶な痛みが一気に襲って来て双樹は痛みに悶え背中に回した腕を強く締め付けた。  
優は双樹の事を考え、双樹の許しが出るまで動かずむず痒い状態に耐えていたが、  
涙を流しながらも双樹が微笑むのを確認すると優はゆっくりと腰を動かし始めた。  
「んあ! ん! 優ちゃ…あ!」  
胸や唇の愛撫で双樹は確かに快楽を感じており、自分からも腰を動かし激しく優を求めた。  
優もそれに応える様に愛撫を繰り返し、双樹に快楽を与えた。  
そして沙羅の時よりもペースが速かったので絶頂に達するのも早く優は切羽詰った声で双樹に話し掛けた。  
「双樹ちゃん、もう…」  
「良いよ、来て! 双樹ももう…」  
リボンを外した為殆ど自分と変わらない人間が快楽に身悶えているのを見て沙羅は完全に目を丸くして  
2人の行為に見惚れていた。沙羅の熱い視線も気にせず優は絶頂に達して双樹の中で爆発をし、  
双樹も体中から汗を出し荒い息遣いで絶頂の余韻に浸っていた。  
優は自身を双樹から抜き避妊具を外して捨てると双樹にふとんを掛けて横に眠り頭を軽く撫でてあげた。  
 
「大丈夫、辛くない?」  
「平気…気持ち良かったよ…また、しようね…」  
「うん…」  
「それより双樹、眠いから、このまま寝るね…」  
「うん、おやすみ双樹ちゃん」  
優は双樹の唇に優しく触れるだけのキスをし、それで満足をした双樹は微笑み眠りに付いた。  
自分もふとんに潜り眠ろうとした時、沙羅が頬を赤らめながら物欲しそうな表情で優の元まで歩いて来た。  
「なぁ優…」  
「ん? 大丈夫だよ、沙羅ちゃん、お父さん次、帰るの来週辺りだって言っていたから」  
「そうではないよ…えっと…」  
「何?」  
「私にもして欲しいの…」  
「え!」  
沙羅の思いも寄らなかった告白に優は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。  
すぐに今の大声で双樹が起きなかったを確認したが双樹は未だに夢の世界であり、  
2人は一安心をして話を続けた。  
「いや、ダメだよ…そんな双樹ちゃんが起きるよ」  
「何で! 優、言ったよね? 私達、2人の恋人になってくれるって!  
あれ嘘だったの? それにあれから一度も抱いてくれないし…」  
「いや、だから、それは…沙羅ちゃん!」  
優が全てを言い終える前に沙羅は制服のスカートを脱ぎ、優の元へ行き、  
まだ行為が可能な状態の半立ちの物を口に含み始めた。それはぎこちなく時折、  
歯による痛みも感じたが一生懸命さが嬉しく快楽に結び付いた。  
「ねぇ良いでしょ優…あんなの見せられて我慢なんて出来ないよ…」  
目に涙を浮かべながら自分の物を愛撫する沙羅に優は強い愛情を感じ、  
股間の疼きも手伝いそれを了承した。  
「分かったよ、でもここでは双樹ちゃん、起きるから場所、変えるよ…」  
優の申し出に沙羅は素直に頷き、2人は双樹を起こさない様にゆっくりと部屋から出た。  
優の誘導で2人が付いたのは父親の部屋であった。  
とは言え父親は殆ど帰って来ないので優のオーディオルームとなっている。  
父親の私物は本棚に多数ある難しい内容の本とベッドに変形するソファーだけである。  
優はソファーをベッドに変えるとそこに沙羅を手招きし呼んだ。  
全ての準備を終えると沙羅はすぐに優の隣に座って深いキスをして事を始め様としていた。  
「フフフ、でも何か凄い事しているよね私達…」  
「何で?」  
「だってさ優が作られた所でエッチするのでしょ? 凄い事しているなって…」  
「それは違うよ、沙羅ちゃん、これ買ったの去年の暮れだよ」  
優に指摘をされて沙羅は顔を赤らめ誤魔化す様に優とのキスに没頭をした。  
「ゴメン、今の忘れて、それよりも…」  
 
沙羅はショーツ越しに自分の恥部を優に触らせた。そこは既に掌全体を濡れさせる程、  
湿っておりすぐにでも行為が可能な状態であった。  
「双樹との見ていたらこんなになったの…何とかして優…」  
そう言い沙羅は自分でショーツを下ろして恥部を露にして更に奥深く優の手を持って行き、  
指を自分の奥深くに導きそのまま腰を自分で動かし快楽を得た。  
「はぁ…はぁ…優も指、動かして…」  
「大丈夫なの? 痛くないの?」  
「今は平気、気持ち良い…だからお願い…」  
妖艶な笑みを浮かべる沙羅に影響されたのか優は指を動かし続け、沙羅に快楽を与えた。  
その間も深いキスをして二人はお互いのボルテージを最高潮の物まで上げさせた。  
完全に沙羅の方は受け入れる準備が出来、優は沙羅を寝転がせ避妊具を付け入れ様とした  
が沙羅に止められて一旦、離れた。  
「な、何?」  
「待って…上も脱ぐ…着ていたままだと擦れて痛いし…」  
そう言い沙羅は自分のブラウスに手を掛け脱ぎ捨て、ブラジャーも取り膨らみが露になると  
沙羅は優に抱き付いて優を押し倒し沙羅が馬乗りになる形となった。  
「今度は私が上になる…」  
「うん、分かった…」  
優の了承を得ると沙羅は自分で恥部を開き、優の物に腰を下ろして行き、  
完全に優の物を受け入れるとそのまま動き出し快楽に溺れた。  
「はぁ…優…気持ち良いよ…」  
「僕の沙羅ちゃんに食べられているみたい…」  
「うん…優の美味しいよ…ああ!」  
乱暴なまでに腰を動かし沙羅は快楽を求めた。途中、優を起こしてキスをしたり、  
優の手を自分の胸へと導き揉ませる事で更なる快楽を味わった。  
「はぁ良いよ、気持ち良いよ…優…ああ!」  
沙羅は上に乗ったまま絶頂に達して、荒い呼吸で満足げに優を見て、物を抜こうとしたが  
優は起き上がり繋がったまま強引に体制を変えると沙羅は優に臀部を向けた状態で貫かれる状態となった。  
「止めて…優…私、イったばかり…」  
「ゴメン、沙羅ちゃん、僕、まだイっていないから…」  
「それにしたって、少し休ませて…」  
「ゴメン、もう止まらない」  
まだ余韻が残る状態で沙羅は優に貫かれ続け、沙羅は快楽に悶えた。初めての体位ではあるが、  
それは確かに快楽へと繋がっており、沙羅は2度目の絶頂を迎え様としていた。  
「はぁ…はぁ…優の凄い…ダメ…もう…」  
「僕もイきそうだよ沙羅ちゃん…」  
「良いよ…一杯出して、来て!」  
「イクよ沙羅ちゃん!」  
「ああ来て! 優! ああああああ!」  
沙羅は獣の様に貫かれた状態で優の思いを感じ取り満足そうに2度目の絶頂を迎えた。  
優が物を引き抜き、避妊具を外しティッシュに包むと沙羅の方を見つめ軽く謝った。  
「ゴメンね強引な真似して…」  
「良いよ気持ち良かったし…でも次からはちゃんと言ってからにしてね…」  
「うん…」  
「双樹の所に戻ろう…私も疲れたから寝たい…」  
沙羅の申し出に優は手を差し出し腰が抜けた状態の沙羅をおぶると自分の部屋に向かった。  
ティッシュを捨て沙羅を寝かせると自分は真ん中に横へなって2人を両隣に置く形で優も眠ろうとしていた。  
「じゃあ、おやすみ沙羅ちゃん…」  
双樹と同じ様に沙羅にも触れるだけのキスをすると沙羅は満足そうに微笑み眠りに付こうとした。  
「うん、一緒に良い夢見ようね」  
それを最後に沙羅は眠りに付き、優もそれに続いて眠り始めた。様々な事があったが今、  
3人の間に流れる空気は昔、子供の頃遊んだ時と変わらない穏やかな物であり、それは  
これからも続けて行きたいと優は願い3人は幸せそうに眠っていた。  
 

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