「お兄さーんっ♪」
「わあっ!?・・・沙羅ちゃん?」
放課後の帰り道。
僕−二見望−は、突然名前を呼ばれて抱きつかれるというコンボを受けた。
とっさに振り向けば、そこには白鐘双樹ちゃんの満開の笑顔があった。
そして、少し後ろに不機嫌そうな沙羅ちゃん。
何時見ても対象的な姉妹な気がする。
と、そんなことは置いておいて。
「どうしたんだい?」
「私たちの学校、今日から夏休みだから・・・」「・・双樹がどうしてもって言うから、仕方なく会いに来てやったんだ」
ようやく追い付いた沙羅ちゃんは、やはり不機嫌だ。
「そうなんだ。でも今日は何処に泊まるの?」
「・・・・・・」
「・・・あ・・・」
どうやら考えてなかったらしい。
だがどうするつもりた?流石にこれでお別れじゃ味気なさすぎるし・・。
「あ、望ちゃーんっ」 「でも誰かいるよ?」
・・最悪だ。
何の因果か薫子ちゃんたちまで来た。