元気いっぱいな相良君が一晩がんばり通し、明け方千鳥さんを失神させてしまった翌日――いえ、当日の夕方のことです。
おイタの過ぎた相良君は、夕方になってやっと目を覚ました千鳥さんにセッ●×は週一回と宣告されてしまいました。
それを聞いた時、相良君の頭の中に
ガガーン!!!
と戦車砲の直撃を受けたごとき大音量の轟音が鳴り響きました。
しかし相良君は例えおイタが過ぎようとも歴戦の戦士です。
真っ直ぐ立っているのが困難なほどの衝撃に耐え、反撃を試みました。
すなわち
「週に一回など無理だ!君とするようになる前、自慰ですら週三回はしていたのだぞ」
と、千鳥さんに食い下がったのです。
千鳥さんはすんごい冷たい目で相良君を睨みました。
「なによっ?あたしを抱くのはオ●ニーの代わりってワケ?あんたなんか、勝手に一人でサカってればいいのよ!なによ週3って!…やらしい!」
まったく男って!
と千鳥さんはお冠です。
だけど相良君は引き下がりません。
当然です。
彼にとっては死活問題です。
「前はもっと回数は少なかったのだ。増えたのは君のせいだ」
「何があたしのせいよっ?あんたが勝手にムラムラしてるだけでしょ!」
「違う!君が胸の谷間が覗けそうな服を着たり、短いスカートやズボンで脚を見せつけたりするから、だから、俺は…。俺は君のそんな姿を見るとせずにいられなかっただけだ」
千鳥さんはばばばばっと赤くなりました。
「な、なによ、そ、そんなの…言い掛かりよ……!」
相良君に言い返す千鳥さんの声はイマイチ迫力がありません。
それもそのはず。
相良君の主張は、相良君の都合……というか年頃のオトコのコの事情なのですが、千鳥さんはそれがちっとも嫌でないのです。
むっつり顔でドコ見てナニ考えてたのよ!?
と責めようと思っているのに、相良君が自分の胸や脚を見てドキドキしていたのかと思うと、クチ元がふにゃっとなってしまうのです。
でもここで甘い顔をしてはいけません。
千鳥さんは顎をツンと反らして緩む口元を隠して、一生懸命冷たい声を作って相良君に言いました。
「あんたが勝手にしたくなってるだけじゃない。自分の事なんだから自分でどうにかしなさいよ」
千鳥さんは自己制御しろと言ったつもりでしたが、相良君は自己処理しろという意味に取ってしまいました。
相良君はむっつり顔で難しい顔をしました。
「自分でするのは最近時間が掛かるのだ。仕事であちらに行っている時に、君の事を思い出して収まらなくなってしまった時は止むなく行うのだが、俺の手は君の膣に遠く及ばない」
「……誰がンな話してんのよ!!」
すぱこーん!
千鳥さんは真っ赤な顔で相良君をハリセンで殴り飛ばしました。
相良君がコマのように回転して地に倒れ臥します。
「あたしはガマンしろってたのよ!」
相良君がのそっと起き上がります。
「それは無理だ。君に欲情するのは俺の意志の力では止められん」
「…ナニえばってんの、あんた……」
胸を張って言う相良君を千鳥さんは半眼で見つめます。
だけど、その頬は綺麗な桜色に染まっています。
「プロフェッショナルのくせに自己管理出来ないっての?」
「うむ…。面目ない。自己制御の効かない分野があったとは俺も驚いている」
「……ん、もお!!」
千鳥さんは桜色の頬で唇を尖らせました。
そのカオで相良君の心臓が跳びはね、体のうち彼が自己制御出来ない器官もカタく緊張してしまいました。
「………」
黙って相良君は一生懸命、深呼吸を繰り返します。
そんな相良君に気付きもせず、千鳥さんは尖らせた唇から甘く緩んだ声で語りました。
「しょうがないわね。…ソースケが、どーしてもガマン出来なくなったら…、あたしが……し、してあげるわよ」
「し、して…とは……」
相良君がゴクンと唾を呑み込みます。
「挿れて良いのか?」
「違〜う!」
バシン!
すかさず千鳥さんのハリセンが唸ります。
「痛いじゃないか」
「やかまし!週イチって言ったでしょ!」
「では、何をどうすると言うのだ?」
「ナニって、だ、だからあんたのを…て…で……(ごにょごにょ)」
「て?」
千鳥さんがぱっと顔を上げます。
「だから、あたしが手でしてあげるって言ってるの!」
千鳥さんにしてみれば、朴念仁極まりない相良君が千鳥さんの事を考えるとガマンできないらしいとか、千鳥さんのカラダで相良君がいつも凄く気持ち良いらしいとか、そんな事を聞いてしまったものだから、もう胸がワクワクドキドキきゅんきゅんになってしまったのです。
でも相良君にはお灸をすえなくてはなりませんし(躾は大切です)、だいいち、千鳥さんの体も保ちません。
それで言ってしまったのですが――
「千鳥…。意味がわからないのだが」
相良君は乙女な千鳥さんの決死な覚悟のセリフを、ぼーっと聞き返すのです。
クヌヤロー
と千鳥さんがまなじりを吊り上げます。
「あたしが手であんたの節操ないナニをアレコレして、びゅってせーえき出して上げるって意味よ。……なによ、そのカオ?不満なワケ?」
なら自分でやんなさいよ、と吐き捨てるように言った千鳥さんに相良君はもじもじ言いました。
「不満がない訳でもないが、自分でするよりいいし、君がしてくれりというのは、その…感謝するのだが……」
らしくもなく語尾をごにょごにょさせる相良君に千鳥さんは苛つきました。
「なによ?はっきり言いなさい!」
相良君はゴホンと咳ばらいして、少し頬を赤くして、いつもの口調でこれ以上はない明確さでハッキリ言いました。
「勃った。早速だが頼む」
十数秒の沈黙ののち、真っ赤になった千鳥さんが何事かを叫びながら、ハリセン・拳・おみ足を総動員して相良君をしばき倒し、そうして相良君を引きずるように奥に連れて行き、後から相良君の呻き声だけが聞こえて来たということです。
相良君の禁欲生活が始まって、今日は、その4日目です。
千鳥さんに週イチと宣告されたのは日曜日。今日は木曜日。
次にセッ●×させて貰えるのは日曜日です。挿れて良い日まで、あと3日です。
協議の結果、相良君が日曜日に仕事が入っている時は前倒しでして良いことになっています。
だけど、急な仕事が入った時は、後ろへズレるしかありません。今度の日曜日に仕事の予定はないので、相良君は、毎日、ひたすら招集がかからないことをアラーの神に祈っています。
挿れて良い日が延びるのは、もはや生命の危機を感じるほどです。
千鳥さんの白魚のような手でして貰うのも非常に気持ち良いのですが、――気持ち良くて相良君はすっかり虜になり、ついつい毎日して貰ってるのですが、やはりメインディッシュではないのです。
豪華な前菜を毎日食していると、かえって飢えが募る然ものなのです。
して貰っておいて図々しいです。しかも、全然、禁欲になっていませんが、相良君は真剣です。
今も苦手な古文の授業中だというのに、授業にちっとも身が入りません。
藤咲先生の講義を聴いていたはずなのに、気がつけば、前の席の千鳥さんの背中をじっと見つめるばかりで、先生の声は耳を素通りし、黒板に文字が書かれていたことすら気がつかない有り様です。
これは注意力を必要とする偵察を専門とする相良君にとって、由々しき事態です
ですが、そのことにも気付くことすらなく、相良君は熱い視線を千鳥さんに注いでいます
一方、千鳥さんもそんな視線に気付くこともなく、熱心にノートを取っていました
古典の苦手な相良君に質問された時の事も考えて、千鳥さんはとても真面目に授業を聞いているのです
相良君が見つめる千鳥さんのほっそりした背中を綺麗な黒髪が覆っています
千鳥さんの真っ白な背中に、背骨や肩甲骨が織り成す窪みが淡い陰を落としている様は、それはもう美しく悩ましいものなのです
その白い素肌が、黒絹のような長い黒髪から垣間見えたら、もう生唾をゴックンと飲み込むしかありません
千鳥さんは髪もさらさらで気持ち良いのです。相良君はコトとコトの合間にそれに指を絡めてもてあそぶのが大好きです
頭の中にしっかり保存されている立体映像(匂い・触感つき)を、繰り返し再生していた相良君の目の前で、窓から入って来たそよ風が長い黒髪をふわりと揺らしました
さわやかな風が、微かな甘い薫りを、相良君の鼻に届けてくれます
そして髪の揺れる様は行為の始まりに千鳥さんが恥ずかしそうに首を振った弾みで舞う様によく似ていました
最初はさらさら揺れるように舞う髪は、相良君が丸くて白い胸のてっぺんで可愛いらしくふくらんだ赤いツボミを手や口でいじくると激しく波打ち、
次いで千鳥さんの大事なとこを手でさわさわしたり舌でペロペロしたりすると、乱れて舞い散ります。そうして、大きく育った相良君のムスコを挿入すると、
千鳥さんが甘えたようにイヤイヤと頭を振るのに合わせて、激しく乱れた黒髪が相良君の腕に絡まり、
「アン!アン!」と鳴く千鳥さんと一際激しい運動を繰り返すと、やがて
「ソースケぇ…、あたし、も……っ、ダ、メェ〜…アアン!」とか言う声の後、白いシーツに乱れ広がった黒髪の真ん中に千鳥さんが落ちていくのです
「……っ!」
一部始終を思い浮かべてしまったせいか、相良君のきかんぼうなムスコが自己主張をはじめてしまいました
さすがに授業中なことを思い出し、相良君は懸命にムスコを宥めようとします
ですが、千鳥さんに威張って言ったとおり、相良君はコレを自己制御出来ないのです
しかも、目の前には千鳥さんのほっそりした後ろ姿…
また、窓から入って来た風が千鳥さんの髪を揺らします
しかも、今度はちょっと強い風です
呆然と見つめていた相良君は拳をかたく握り、俯いて、その色香に耐えました
そしたら、風で少し乱れた髪を千鳥さんがさらっとかきあげて直したのです
相良君は懸命に耐えましたが、これには堪え切れず喉の奥で呻きを漏らしてしまいました
「……ウグゥ!」
その声を聞き付け、千鳥さんは椅子から跳び上がりそうになりました
相良君のその声は、千鳥さんがよく知ってるものでした
千鳥さん自身も気が遠くなりそうなとき、耳たぶ近くや胸の上、それにうなじや背中に、熱い息と一緒に吐かれる声なのです
(ナニやってるのよ、ソースケわ〜!)
千鳥さんは赤くなって青くなって、慌てて周りを見回しましたが、どうやら聞こえたのは千鳥さん一人だったようです
(後でとっちめてやる!)
千鳥さんは怒りに燃えて決心しました
授業が終わり、学級委員の千鳥さんの号令がかかります。
「起立ーっ!れー!」
『礼』のいの字が言い終わる前に千鳥さんはくるりと後ろを振り向きました。
そして、やたら良い姿勢で一礼している相良君の耳をぐいっーっと引っ張りました。
「痛…」
いじゃないか、と得意のセリフを千鳥さんのドスのきいた声が遮ります。
「来なさい」
すわった目で宣う千鳥さんにぐいぐい耳を引っ張られて、相良君が教室を出ていきます。
(相良の奴、今度はナニをやったんだ?)
お馴染みの光景を遠巻きにささやき交わすクラスメイトの声を無視して、千鳥さんは廊下に出ました。
「カナちゃん、相良君が何したか知らないけど、お仕置きもほどほどにしたげなね」
親友のキョーコちゃんの優しい言葉にも返事しません……返事出来なかったのです。
いろいろ素っ頓狂な事をしでかす相良君ですが、根は真面目な硬派少年なのです。
その相良君がこともあろうが授業中に(しかも厳しいので有名な藤咲先生の授業中です)、むっつり顔で発情していたなどと恥ずかしくて誰にも言えません。
相良君の事で千鳥さんが恥ずかしがる必要はないはずですが、千鳥さんは不思議に思うこともなく、ひたすら恥ずかしくて、いたたまれません。
なのに、相良君ときたら、自分のことくせに平然としているので、憎たらしくてたまりません。
千鳥さんは恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にして、大またでずけずけ相良君を引きずって行きました。
化学室の前まで来ると人気がないのを確認して、千鳥さんは、ドンと相良君の背中を両手で押して部屋の中にほうり込みました。
「何をする…」
鍵を閉めて素早くカーテンをシャアッと閉めている千鳥さんに落ち着かなげに相良君が言います。
千鳥さんが閉めたカーテンを背にくるりと振り向きました。
「見せなさい」
すわりきった目でものすごく低い声で言う千鳥さんの背中でメラメラ炎が燃えています。
「…何をだ」
相良君はじりじり後じさり、千鳥さんと距離を取り、キングコブラとマングースのように向かい合いました。
「今…、授業中何してたの?」
千鳥さんは相良君を睨みながらどこからともなくハリセンを取り出し、ピタピタ自分の肩を叩きました。
相良君の額から、たらっと汗が流れ落ちます。
緊迫感が溢れ返りますが、相良君は平坦な調子で千鳥さんに答えます。
「……授業を聞いていた」
千鳥さんの頭の辺りでぷちっと何かが切れた音がしました。
「とぼけてんじゃねーわよっ」
千鳥さんは大またでずけずけ相良君に近寄りました。
相良君は千鳥さんの方を向いたまま後ろへいざります。
怒れる野性動物に背を向けるのは自殺行為だからです。
脱兎のごとく逃げ出したいのをこらえたのはアッパレですが、相良君はあっという間に千鳥さんに壁際まで追い詰められてしまいました。
ヤモリのように壁にへばり付いた相良君のベルトに、千鳥さんは無言で手を伸ばしました。
「千鳥、いかんぞ。学校でそのようなことは…」
千鳥さんの白い手が相良君のベルトを緩め、ズボンのチャックにかかります。
「いかん!千鳥!神聖なる学び舍で…」
チーと千鳥さんの細い指が相良君のチャックを下ろします。
「淫らな、…行いは…」
千鳥さんの繊手が相良君のズボンをくつろげます。
「慎まなければ……、くっ」
緩められた制服の下からにょきっと、相良君の非常に元気のよろしい状態のいちもつが現れました。
(^^)/はろー
「……………」
黙ってだらだら顔中から脂汗を流している相良君に千鳥さんが言います。
「……ナニよ?これは?」
相良君は答えます。
「ペニスだ」
「……………」
すばーん!
千鳥さんはハリセンで相良君の横っ面をはたき倒しました。
「誰がンなこと聞いてるのよ!?あたしはっ、なんでンナ状態になってるのか聞いてるのっ!」
真っ赤な顔で怒鳴る千鳥さんに相良君が真面目な顔で答えました。
「勃起したからだ」
すぱぱーん!!
再度ハリセンが唸ります。
「だから!なんで勃ってんのか聞いてんでしょーが!あんた授業中にナニしてたのっ!?」
「……何もしていない」
「何も?何もしなくて、こんななるワケ!?」
そんなわけあるかい!と、千鳥さんはチラッとカオを出してる相良君の分身君に目を走らせました。
(^^)/はろーー
さっきより大きく、更に上向きになっているように見えます。
「……………」
千鳥さんは赤い頬を更に染めて目を反らしました。
「本当に何もしていない。ただ……敢えて言うなら……君の背中を見ていただけだ」
「……は?」
「君の背中を眺めていたら勃った」
「へ……?」
相良君のむっつりほのかに赤い頬を見て、カーッと千鳥さんの白い首筋から頭のてっぺんまで温度計が上がるよう真っ赤に染まってしまいました。
「君の背中を眺めていたら、いろいろと…性行為中のことを思い出してしまってだな…、その……君の肌触りとか、匂いとか」
「な、な…!」
千鳥さんは耳まで真っ赤です。
「君の柔らかさや喘ぎ声や熱さや、よがり狂う様も思い出してしまい、そこに君が髪を…ぐわっ!」
すぱぱばぱん!!とハリセン3連打後、ドカッと腹に膝蹴り、グガッと顎にアッパーを流れるように相良君に叩き込み、千鳥さんは真っ赤に染まった顔で、地に沈んだ相良君の前に仁王立ちしました。
「ナニ思い出してるのよ!?ソースケのバカ!エッチ!スケベ!ヘンタイ!!」
千鳥さんの前で仰向けに倒れた相良君の股間のいちもつだけ、千鳥さんに向かってもの言いたげに立ち上がっています。
(^^)/はっろーー
目の前で相良君が転がっているものなので、どうしてもそれが目に入ってしまい、千鳥さんは、また顔を赤らめて目を反らしました。
相良君のソレは千鳥さんを欲しがって、そのように自己主張しているのです。
そのことを意識してしまうと千鳥さんの心臓はドキドキしてしまうのです。
「そうは言うが、千鳥…。仕方あるまい。もう4日も君と性交していない」
ムクリと起き上がった相良君に言われて、千鳥さんはまたまた真っ赤になりました。
いくらそういう仲でも、あからさまに言われると恥ずかしくて仕方ないのです。
「で、でも、毎日手でしてあげてるじやない。昨日だって5回もっ…!」
そうなのです。
あれから、相良君は毎日何回も千鳥さんにねだるのです。
しかも回数を重ねるごとに時間は長くなり、いろいろエスカレートしているのです。
「それなのに授業中に出しちゃうなんて!あんた、節操なさすぎよ!」
「…出してない」
ぼそっと反論する相良君をジロッと睨み、千鳥さんは相良君の股間で自己主張してそそり立つモノを直視しないようにしながら相良君の下着にを触りました。
「…濡れてるじゃない」
相良君のこめかみを一筋の汗がつうっと流れます。
「……出そうになったが我慢した」
千鳥さんの額に青筋が浮かびます。
「つまり…ちょっとは出しちゃったんでしょ?」
「………出してない。…少し……出てしまっただけだ」
すっぱあーん!
千鳥さんのハリセンがまたもや閃きます。
「ヘリクツはやめなさい!…あたしがどんだけ焦って恥ずかしい思いしたと思ってんのよ?くぬっ…くぬぬっ!!」
いつものように尻を蹴飛ばそうとしたところ、千鳥さんは相良君の元気のよろしい状態を保ったままのムスコに目を留め、ハリセンビンタに変更しました。
ソレ周辺に刺激を与えるのは、恥ずかしくって出来なかったのです。
無抵抗の相良君の頭に二段タンコブの山を3つこさえ、両頬が赤く腫れ上がるまではたき続けたところで、千鳥さんはようやく折檻を止めました。
止めたのは気が済んだからでなく、単純に休み時間が残り少なくなったためと疲れたためです。
千鳥さんは肩でゼエゼエ息を切らせながら相良君に言い聞かせました。
「とにかく!もう授業中に発情しちゃダメよ!分かった?」
相良君は赤く腫れ上がった頬でむっつり答えました。
「努力はする。だが確約は出来ん」
「ダメっつってんでしょ!」
「そう言われても、前にも言ったが俺はコレを制御出来ん」
「…あんたねぇ!」
相も変わらず堂々と胸を張らんばかりの口調の相良君に、千鳥さんの美しい額にビキビキ切れそうな血管が幾筋も浮き上がります。
「君を見ていると、どうしてもしたくなるのだ。仕方あるまい」
淡々と言う相良君に千鳥さんはぷいっとそっぽを向きました。
「あっそ。じゃあ、もう見ないで」
「そうはいかん。それでは君を守れない」
言葉だけ聞いているとカッコ良さげですが、股間を露出させ、しかもそこに通常の形状でないモノがそそり立っている状態では、どうにもしまりがありません。
千鳥さんはイライラと腕時計を見て言いました。
「んもぉ!この話は後!とりあえず、あんたはソレどうにかして教室戻んなさい。次の授業始まっちゃうよ。あたしは先に戻ってるから…」
「待て、千鳥」
相良君から離れて先に化学室を出ようとした千鳥さんの腕を相良君が掴みました。
「なに?」
「話が違う」
「…なにが」
「俺がしたい時はしてくれると言っただろう?」
「は……?」
千鳥さんは絶句しました。
相良君がじいっと千鳥さんを見つめています。
「し、したい時って……」
千鳥さんは相良君に腕を捕られたまま視線をやや下げて、相良君の体のある一点を見つめ
(^^)/は〜ろ〜〜
ぱっと視線を反らしました。
『したい』とゆうのが、これ以上なく分かりやすい状態です。
「……ここ、学校なんだけど……」
「だから?場所の指定はなかったはずだが?」
答える相良君の瞳が期待でキラキラしています。
しかも背後で見えない犬尻尾までパタパタ振られています。
「し、指定してなくったって、学校なんかじゃイヤよ…」
無茶な要求なのに、千鳥さんは断ることに何故か罪悪感を覚えてしまい、声に勢いがありません。
一方、相良君は張りのある声ですっぱり言い切りました。
「問題ない」
「あるってば!誰か来たらどーすんのよっ?」
相良君は目をキラキラさせながら千鳥さんに言いました。
「誰も来ない。さっき君が鍵をかけたし、次の授業でここが使われる予定はない」
「だ、だけど……さっきっ、あんた自分で神聖な学校でそんなこと、つってたじゃない!」
「望ましいことではないがやむをえん」
「やむをえんって……あんたねぇ!」
「ここに俺を連れて来たのは君だぞ。このような密室で君と二人でいたら収まりようがない」
悪びれもせず当然の言う相良君に千鳥さんはムッとしました。
「あたしのせいにしないでよ!そんなん全部あんたのせーじゃない!…見境なく発情して!みっともないったら!」
冷たく言う千鳥さんに相良君はむっつり心外そうに言いました。
「俺は…見境なく欲情しているわけではない。君にだけだ」
千鳥さんは顔をぶんぶん振って顔が赤くなるのを隠しました。
「あーっそ!あたしといて、そーなるんだったら一人になれば『問題ない』でしょ!あたしは出てってあげるから自分でやんなさいよ!こんなとこで…あたしはイヤよ!…は、な…っ……」
離してと、千鳥さんは腕から相良君を振り払おうとして、相良君のカオが目に入り止まってしまいました。
相良君は、この世の終わりのようにガッカリしたカオをしていました。もし、この場に他の人がいても無表情なむっつり顔にしか見えなかったでしょうが、千鳥さんにはわかってしまうのです。
それが、あんまり情けないカオだったもので、千鳥さんは思わず止まってしまいました。
「俺は……ずっと耐えていたのだが。君が、ダメだというから…。代わりに君がしてくれるというから……。今も、君がここに俺を連れて来たのはてっきりそのためだとばかり……」
相良君は化学室に来てから、千鳥さんに叱られながら、ずうっとワクワク待っていたのです。
ところ構わず、こんなふうになってしまったことを恥ずかしく思う気持ちは相良君にもあるの
ですが、千鳥さんは相良君のカラダの状態に気がついて、教室から連れ出し、こんな二人っきりの密室に連れてきたのです。
あのような約束をしている以上、当然、してくれるはずです。恥ずかしがりながらも、相良君の胸(とアソコ)は期待にふくらみました。
千鳥さんの手で脱がされてしまったりしたので、興奮も募る一方です。
学校で欲情してしまったので、千鳥さんに叱られるのも折檻されるのも仕方ありません。
でも、叱るだけ叱ったら、後できっと千鳥さんはしてくれるはずです。相良君は、千鳥さんの折檻に耐えながら、すぐにでも千鳥さんの手をカチカチになっている自分に導きたいのも耐えて、じっと待っていたのでした。
それがイヤと言われてしまい、……。相良君は哀しくて仕方ありません。
「あー…もお!」
千鳥さんは頭をがりがりかきました。
相良君がこのように時と場合を選べないほど追い詰められている、そんなやりたいサカリの男の子の気持ち(というか性分)など、乙女の千鳥さんが知る由もありません。
だけど、千鳥さんは、しょぼくれた野良犬のような風情の相良君をほっとけないのです。
「…ん、もお!」
千鳥さんはドンと、いささか乱暴に相良君の胸に身体をぶつけるように抱きつき、相良君を壁に押し付けました。
「千鳥?」
次の折檻かと身構えながら、それにしては妙な体勢だったので相良君が不思議そうに千鳥さんを呼びます。
千鳥さんはその声を無視して、相良君の胸に顔を隠して相良君の下の様子を窺い見ました。
心の底からガッカリしてても、相良君のきかん坊のムスコは、頬を染めた千鳥さんの表情や仕草に欲しい欲しいと我が儘いっぱいに起き上がったままでした。
千鳥さんは、そっと手を伸ばして、相良君の言うことすら聞かないソレを片方の手のひらに握りました。
この数日ですっかり手にも馴染んだ相良君の熱くてカタい器官がピクンと千鳥さんの手の中で跳ねました。
「っ!は……」
同時に相良君がため息を漏らして、千鳥さんの腰をぎゅっと抱えます。
「…声は出しちゃダメよ」
すぐ外は廊下です。
熱くビクビクうごめく相良君を手のひらでそうっと撫でながら千鳥さんが注意すると、相良君は頷きながら、千鳥さんの耳元に熱い息を吐きました。
その熱さに千鳥さんのうぶ毛がそそけ立ちます。
千鳥さんは相良君の見た目より厚い胸板に自分の胸を押し付けスリスリしました。すると、手に握った相良君がグンとカタさを増します。
千鳥さんは相良君に豊かな胸を押し付けたまま、揃えた人差し指と中指で親指と輪を作り、かたーくなった相良君の根元をきゅっと締めるように掴みました。
「ぅ……」
声を押し殺してる相良君に千鳥さんはささやきます。
「時間ないから…集中しなさい」
そう言って、千鳥さんは相良君の元気ないちもつの根元から先っちょへ向かって、指の輪を狭めながらしゅこしゅこ扱きます。
「ああ…、ぅっ!」
吐息と一緒に千鳥さんの手の中の分身君も跳ねさせながら答えた相良君の手が千鳥さんの腰から這い下ります。
そうして下りた相良君の手が千鳥さんのお尻をむにっと鷲掴みしました。
「!…ち、ちょっと!」
「時間がないのだろう?…この方が早くイける」
千鳥さんのピチピチしたお尻を相良君の大きな手が、むにっむにっ、ふに〜と揉んで掴んで撫で回します。
「あ、あ……。もぉ!」
いやらしい相良君の手の動きを、千鳥さんは唇を噛んで声をこらえます。
(なによ〜!最初はちょっとシュッシュッてしてあげるだけでビュッてしちゃってたくせに〜!)
そうなのです。初めてしてあげた時など、立派にそびえ立った相良君を千鳥さんがおそるおそる手に取って、そうっと前後左右を撫で回しただけで「ウッ!」と言ってビュッとなってしまったのです。
なのに、回数を重ねるごとに相良君はそれだけではイカなくなりました。
(やっぱり…あんま気持ち良くないのかな……)
男のヒトがどうされたら気持ち良いのかよく分からない千鳥さんは、実はひそかに気にして一所懸命いろんな工夫をしているのですが、あまり効果がないようで相良君はなかなかイきません。
本当は、相良君は千鳥さんに少しでも長く触ってて貰いたくて、すっごくガマンしているのです。回数を重ねるごとに要領を飲み込み、相良君は長くガマンしていられるようになっていましたが、その一方で、千鳥さんの攻めには磨きがかかります。
だが、相良君はあっさりイッてしまうわけにはいかないのです。
柔らかくてあたたかい千鳥さんの手が、相良君のカタい分身をきゅっと握りました。大きくなっている時の相良君のいちもつは、千鳥さんの小さな手のひらには収まりません。
千鳥さんは片手で優しく握り締め、手からはみ出た部分に、もう片手の指を浮き出た血管に沿ってするする滑らせ、先端の穴の周りを細い指先でくるくる弄ります。
「ぅ……」
相良君はこらえます。堪えて、千鳥さんのお尻をぎゅっと抱き寄せ、もう片手を自分の胸に押し付けられている豊かなふくらみに伸ばしました。
ぎゅむっと制服越しに柔らかい半球を掴みます。
固い制服の布地越しでさえ、千鳥さんのオッパイは蕩けるように柔らかです。
相良君は息を荒くして、手に余る大きなふくらみをぎゅむぎゅむ揉みしだきました。
「んっ……」
相良君の大きな手のひらでお尻やオッパイを強く揉まれて、千鳥さんは思わず声を漏らしてしまいました
鼻にかかった千鳥さんの甘い声に、堪えきれず溢れた先走りの相良君の液体が千鳥さんの細い指を濡らします。
「千鳥。じかにさわりたい」
「んっ、ダメ……」
すくい上げるように千鳥さんの柔らかい乳房を揉みながら、探り当てた先端の固くなっている部分を相良君は制服の上から指に挟んで弄くり回します。
「……吸いたい」
「だ、め……。んんっ」
「何故だ。昨日はさせてくれただろう」
最初の頃は千鳥さんがしてくれるのを、ただ大人しく受けていただけの相良君ですが、回数を重ねるごとに自分からも千鳥さんに触るようになっていました。
お尻や腿を撫で回し、オッパイを揉み、しゅこしゅこ扱くのも相良君の腿に跨らせて、オッパイに胸を埋めながらしてもらったりもしました。
千鳥さんにしてもらっててもイかずにガマンしていると、相良君から千鳥さんに触っても、千鳥さんは怒らないのです。
千鳥さんに触りたくて仕方のない相良君にしてみれば、これはガマンするより他にありません。
さすがに服を脱がせようとすると抵抗するのですが、ついに、昨日は、上だけですが脱がせることに成功したのです!
服を脱がせ下着も取って、ぽろんとこぼれた奇麗な丸いオッパイを直に触って舐めて吸って顔を埋めたりしたのです。
その柔らかさとあたたかさを思い浮かべるだけで、相良君の分身は力を増しました。
「ちどり…」
相良君は千鳥さんの首筋に顔を埋めてねだりました。甘い芳しい薫りに目がくらくらします。
「だめよ、んんっ!」
首筋に相良君の熱い唇で触れられて、千鳥さんがふるふる首を振ります。
「学校じゃ、そんなの…だめ……」
相良君は無言で、千鳥さんの首筋をちゅっと吸い上げました。
「あ!」
「ぅ!」
千鳥さんが思わず熱くてカタい相良君をぎゅうと強く握ってしまい、相良君も思わず出しそうになります。
出そうになった相良君は、尚のこと強く千鳥さんの肌を吸ってしまいました。
「ソースケ、だめ!跡付いちゃう……」
甘やかな千鳥さんの声に、相良君はお尻を抱えていた手をスカートの下に伸ばします。
「そー、すけ、…ダメ、だってば……」
きゅむっきゅむっと相良君の熱い分身を擦りながら、千鳥さんが制止します。
震える千鳥さんの声にたまらず、相良君はスカートの下の張りのある太腿を撫で回し下着の上からむっちりしたお尻を握りました。
もちろん、もう片手はオッパイをしっかり揉んだままですし、唇は首筋に吸い着いたままです。
「そーすけ……」
頼りなげな声と共に千鳥さんの汗ばんだ柔らかな手のひらが、熱くてカタイ相良君にすがるように握ります。
「……くっ!」
いろいろたまらなくなり、千鳥さんの柔らかな身体に絡み付くように抱きついたまま相良君が、呻きました。
びゅっと出された白く濁った体液が、先端を握っていた千鳥さんの手を濡らします。
「っ…」
相良君は心地良い放出感の中、千鳥さんの柔らかい肌に唇で触れたまま、肩から大きく息を吐き出しました。
そうして、千鳥さんの肌に鼻面を押し当て、吐き出した息の分、千鳥さんの匂いを吸い込み、また満足気に息を吐きました。
千鳥さんのナカではないとはいえ、自分でするのと違い、千鳥さんにして貰って出すのは充ちたりた気持ちになれるのです。
問題は…その充足感が長続きしないことなのです。
相良君は、こうして柔らかくて甘い千鳥さんの肌に触れていると、どうしても、すぐにもっと欲しくなってしまうのです。
首に熱い息を吐かれてしまった千鳥さんが小さく震えます。あちこち触られたり揉まれたりして、そして……、相良君の熱い体にこんなに密着していると、本当は、千鳥さんのカラダだって火照ってきてしまうのです。
そこに、相良君にこんなことをされてはたまりません。
「んっ…、もう離れてよ」
千鳥さんは肩に乗せられた相良君の顔を押しやって離れようとしましたが、手が両方とも相良君がピュッと出したモノで濡れてしまったせいで使えません。
仕方なく肩を揺らして相良君を促します。
「ああ……」
千鳥さんの意思は出来るだけ尊重したいと常々思っている相良君は、名残惜し気に千鳥さんの胸とお尻を掴んでいた手を緩め、千鳥さんの温かく柔らかな首筋から顔を起こしました。
でも、千鳥さんの赤く染まった頬や潤みがちな瞳を見てしまい、思わず緩めた腕で千鳥さんを囲い込んでキスしてしまいます。
「んっ!」
濡れた手で相良君の制服を汚してしまいそうなのをおもんばかって、咄嗟に逃げそこねた千鳥さんをぎゅっと抱きしめ、その甘やかな唇を相良くんはねっとり味わいます。
優しくねぶるような甘いキスにうっとりしかけた千鳥さんですが、相良君の大きな手で再びお尻を抱え込まれてむっとなり、ダンと相良君の足を思い切り踏ん付けました。
「む?」
キスを止めた相良君を千鳥さんが上目づかいに叱ります。
「んもぉ!いい加減にしなさい!」
「むぅ…」
渋々千鳥さんを離した相良君から、素早く離れた千鳥さんが忌ま忌ましそうに言います。
「ちょっと…ティッシュ出して」
両手が濡れててそれすら思うように出来ないのです。
相良君は言われたとおりポケットからティッシュを取り出し、ついでに千鳥さんの手を拭ってあげました。
白い繊細な造りの手のひらを、肌の白さとは全然違う白く濁った液体がまだらに染めています。
「…………」
自分の体内から出たモノがべったり千鳥さんの手を汚している様子に相良君はそわそわむずむずした気持ちになりました。
相良君の優しい手つきに千鳥さんもちょっと落ち着かない気分になります。
「…ありがと」
一通り拭って貰ってもなんだかベタベタしてる気がして千鳥さんはてのひらを鼻に近づけてみて、顔をしかめました。
……相良君のアレの臭いがしたのです。
相良君がそんな千鳥さんの仕種に、胸がいっそう、そわそわむずむずしてしまいます。
手に残る臭いに困った千鳥さんは、はっと気付きました。
ここは化学室なのです。実験器具を洗うための水道があるのです。
千鳥さんは隅っこの水道へ足を向け、ぼうっと突っ立ってる相良君に言いました。
「あんたも早くソレ拭いてしまいなさい」
「…ああ」
相良君は頷きましたが、千鳥さんにソレと呼ばれた物体は、千鳥さんのいろんな表情や仕種に、再び自己主張をしようとしています。
「…………」
相良君は千鳥さんに背をむけて、きかんぼうのムスコをしまい込みます。
「出来た?」
チーとチャックを上げた相良君の斜め後ろから千鳥さんがそっと相良君の前を覗き込みながら聞きました。
「…うむ」
ベルトを締め直しながら相良君は千鳥さんを見ないように返事しました。
「もう学校でおっきくしちゃダメだからね!もう…、学校なんかじゃ、絶対してあげないんだから!」
頬を染めて言う千鳥さんの横顔をうっかり視界の隅で見てしまい、相良君は慌てて目を逸らします。
「…うむ。努力する」
千鳥さんを見てしまったら、相良君の体の中心にいるきかんぼうの物体は体の一部のクセして相良君の静止も聞かず、再び激しく自己主張することでしょう。
「ほんとにもう…気をつけなさいよ?」
これでも、目一杯、気をつけて努力もしている相良君に千鳥さんはきつく言います。
「わかっている」
「わかってない!あんた全然控えてないじゃない!」
「…わかってはいるが…仕方なかろう。何度も言うが俺はコレを制御出来ないのだ」
主に、君があんな顔やこんな顔やそんな仕種をするせいだぞ。
という呟きは、心の中だけおきます。
そんな相良君に、千鳥さんは容赦ありません
「制御できないとか言って、あんた我慢する気がないんじゃない?回数多過ぎてあたしだって手が痛いんだからね!」
叱られてシュンとしかけた相良君の犬耳がピクンと反応します。
「痛いのか?」
相良君の問いに千鳥さんがぽっと頬を染めます。
「…そーよ、あんたのせいで腕がすっかり筋肉痛よ」
この4日間、千鳥さんは何度も何度も相良君にしてあげました。
普段あまりしない動かし方で、慣れない動きで、そして……相良君の大事なところですから、力を入れすぎないように緩め過ぎないように、それはそれは気を遣って優しく、繊細に動かしていたのです。
そんなことを繰り返したものですから、千鳥さんはすっかり筋肉痛になっていたのです。
「それはすまなかった」
「悪いと思うなら控えてよね!」
「それは確約出来んが良い案がある」
「……良い案〜〜〜?」
千鳥さんが疑わしそうに目を細めました。
なにしろ、相良君ときたら、目をきらっきら輝かせているのですから…。
「君の手が痛まない方法だ」
「……なによ、それは?」
千鳥さんが気が進まなさそうに聞いたところで相良君が片手を上げて千鳥さんの言葉を遮ります。
「予鈴だ」
キーンコーン、カーンコーン…
相良君の声に被ってチャイムが鳴ります。
「その話は家に帰ってからにしよう。教室にすぐ戻らねば」
「ちょっと…」
「ぐすぐすするな、千鳥」
先に立って言った相良君に千鳥さんの頭の配線がプチッと切れます。
「…誰のせいでこんなとこ来たと思ってんのよ!?」
ぱっかーん!
相良君の言いように腹を立てた千鳥さんは相良君を後ろから殴り倒して、先に教室に戻ってしまいました。
プンプン怒って教室に戻って来た千鳥さんと、遅れて頬を腫らし頭に幾つもたんこぶをこさえて戻った相良君を見て、
クラスメイトのみんなは、その二人が短い休み時間中にそんなことをしてきたとは夢にも思わず、「またか」とささやき交わすだけでした。