朝の京王線は混んでいる。
ニ学期初日のこの日、胸の前に鞄を抱くように抱えた千鳥かなめは混み合った車内で触れ合う体に居心地悪そうに身じろぎした。
といっても、かなめの体に触れているのは行きずりの見知らぬ人間ではない。
胸に抱えた鞄を挟んで向き合う位置にいるのは、かなめの護衛兼クラスメイトの相良宗介で、しかもかなめの背中には、通学鞄を持った宗介の腕が人混みから庇うように回されているので、今、かなめの体に触れているのは、ほぼ宗介だけだった
護衛という役目柄からも宗介との身体接触は多く、一学期の通学時も一緒の電車に乗り合わせていればこうして庇ってくれたこともなくはなく、こうした接触は目新しい事ではない。
……目新しくはなかったが、先ごろ、以前とは少し変わってしまった関係のせいで、かなめは、鞄の向こうにある厚い胸板や、背中に回された腕の太さや、…触れ合っている部分から伝わる体温や…宗介の匂い、そういったものを意識せずにいられなかった。
ガタンとカーブにさしかかった電車の揺れによろめいた体を力強い腕が支える。――ついさっきまで、この腕に抱かれ汗に濡れた体を重ねていた。
思い出すと息が詰まりそうになり、よろめいた拍子に、朝から遠慮無く肚の中に吐き出された宗介の精液が膣を流れ落ち、下着を汚した。
かなめは瞬時によみがえった彼の射精の瞬間の感覚に気が遠くなりかけながら、目の前で素知らぬ顔で自分を支える男を睨み付けた。
相良宗介は、混み合う電車の中、腕に庇った千鳥かなめから睨み付けられ、呼吸が止まった。
元々、人混みから守るために腕に囲い込んだだけで他意はなかったのだが、いったん触れてしまうと、腕の中のほっそりした体の体温とか、目の下にある白くて細い首筋とか、掠るように触れる肌のすべらかさや…髪から薫る匂い、そういったものを意識せずにはいられなかった。
知らなかった頃とは違う……。この甘やかな肉体とのまぐわいを知らなかった頃とは、どうしても違う。
以前は、彼女との接触のたび、多少の拍動や呼吸の異常を覚えても、何とかやり過ごせた事が、いろいろ知ってしまった今は困難だった。
かなめの睨んだ理由は解らないが、目元を赤く染めた表情には恐ろしさより色香の方を強く感じ、宗介は体の中心に湧き起こった衝動を逃がすため視線を反らした。
反らした視線の先には、半袖のブラウスから覗く細く腕があり、その肌の白さに目を射抜かれる。
抜けるように白い肌を見ると、制服の下の、彼女のうすくやわい肌の甘い味わいを思い出さずにはいられない。――ついさっきまで、その甘く柔らかな躰を存分に抱き締め、貫いていた。
貫かれる快楽に、濡れた紅い唇が喘ぎをこぼしながら己の名を呼び、豊かな白い胸元はあでやかな朱に染まり、しなやかな脚は腰に絡み、この細い腕は、己の背中をしがみつくように抱き締めていた。
夏休みの終わりに共にメリダ島の基地から帰還したその日の晩から、三日間、ずっと溺れるようにこの華奢で柔らかな体を抱いていた。
――記憶は連想を呼び、快楽を呼び覚ます。
混んだ車内で抱き合うように寄り添う二つの身体の間に熱が篭もる…。
かなめの背に回された腕が、庇うため以上の意志を持って彼女の体を抱き寄せ、かなめはキッと咎めるように宗介を睨み直した。
睨みながら、胎内を流れ落ちる彼の欲望の残滓が、また、からだに遺る甘い感覚を呼び起こし、かなめは目を伏せまつげを震わせた。
ゾクリとするほど艶を帯びた表情に、宗介の腕が篭もった力で固くなる。
かなめが潤みを帯びた目で宗介を見上げ、キスせんばかりの位置で濡れたような色の紅い唇が言葉を刻んだ。
(ダ、メ)
音のない声を聞き取り、宗介は苦しそうに目を伏せかすかに頷いたが、かなめの背に回した腕の力はそのままだった。
二人の体の間の空気が、篭もった熱で上がっていく……。
「泉川〜。泉川〜」
降車駅で人波に車内から掃き出され密着した体が離れると、二人の間の熱い空気は霧散したが、それぞれの体内には持て余した熱が散らされることなく残っていた。
夏休みは終わり、欲望のおもむくままに自由に体を求め合う訳にはいかない。人目もあるし、学校も行かねばならない。時間割に拘束された身に熱を秘めたまま、二人は学校へ向かうよりほかなかった。
新学期の初日に授業はない。体育館で全校生徒を集めて行う始業式の後は、クラスごとのホームルームに清掃、そして、夏休みの宿題を幾つか提出し、それで終わりだ。
だが、月末に迫った文化祭の準備のため、生徒会役員であるかなめと宗介は直ぐには帰れず雑事に追われていた。
いくつかの雑事をこなし、宗介が生徒会室に戻ったのは昼過ぎのことだった。
部屋の中に居たのはかなめ一人で、宗介は扉を開けたきり足を止め、窓のカーテンを閉めているかなめを見つめた。
「終わった?」
かなめの問いに軽く頷き、宗介が問い返す。
「会長閣下たちは?」
「林水センパイとお蓮さんは多自連の打ち合わせで出掛けて、そのまま帰るって。ほかのみんなは今帰ったところ」
「そうか…」
後ろ手で閉めたドアにさり気なく施錠して、宗介は大股でかなめに歩み寄った。
「君も終わりだな?」
そう確認する宗介の目には、朝のままの熱がある。かなめは小さく体を震わせた。
「うん…。戸締まりもしたし、もう帰ろ」
言葉を返すかなめの目も、篭もった熱で潤んでいる。
「ああ……」
そう言いながら、互いの体に手が伸び、抱き締め合う。……朝からずっと、こうしたくて堪らなかったのだ。
「んっ…」
宗介とかなめは忙しなく幾度も唇を重ね合い、唇を離しては見つめ合い、見つめ合う時間すら惜しむように、
もどかしげにまたキスして舌を絡め、貪るようにキスを交わした。
最初から、絡めた舌が熱くて蕩けそうだった。――否。もう、とうからからだは蕩けている。
朝、電車で互いのからだを意識してしまってから。もしかしたら……その前、朝、繋いでいたからだを離したときから。
絡ませた熱い舌の間から唾液が溢れて二人の顎を濡らし、息を継ぐため唇を離せば、かなめの濡れた顎を宗介が舐め、くすぐったそうに身を竦めたかなめが宗介の頬を両手で捉えて彼の口の中へ舌を差し入れる。
かなめの舌が宗介の口内を舐り回して、それを捕らえようとした彼の舌を躱してするりと逃げ、唇を離すと、
逆襲とばかりに、また唇を重ねてきた宗介の舌がかなめの口内へ入り込む。宗介は、彼女の潤んだ舌の根本を舐ってすくい取った唾液を呑み込み、ちゅっと音を立てて一度唇を離して、またすぐに吸い着いた。
今度は己の唾液をかなめに流し込み、かなめがとろんとした目でそれを呑み込むと、待ち切れないように、また舌を伸ばして絡め合う。
息を継ぐ時間も惜しんで続ける深いキスに、いつしか、かなめはくたりと宗介に凭れ掛かっていた。
かなめをしっかり受け止め、抱き締める宗介の堅い筋肉に覆われた体の熱さが心地好くて、かなめはうっとり彼に体重を預けた。
9月に入ったとはいえ、まだ真夏並の気温で、閉めきった室内は蒸し蒸しと暑い。なのに、彼の熱い体に抱き締められる心地好さで、かなめにはそれを不快に感じることすらない。
宗介もまた、腕の中で蕩けた体の柔らかさに夢中だった。
宗介の長い腕がかなめの体を一周して、熱く大きな手の平がかなめの柔らかな乳房を弄り回している。もう片手は、かなめの腰を抱いて形の良い尻を撫でさすっている。
「ソースケ…、だめ……」
そのまま彼の愛撫に身を任せそうになっていたかなめが、今いる場所が家ではないことを思い出して、慌てて唇を離して、切らした息の元苦しげに制止する。
その声を聞こえないふりをして、宗介の舌が、かなめの唇から顎へ、そして首筋へと唾液の流れた跡を追って、這っていく。
「ん…、ソースケ……、ここ、学校だよ?」
首筋に顔を埋める宗介の肩を、かなめが力の無い手で掴む。
「だからなんだ?」
宗介の熱い息が首の柔らかな部分に直接かかって、かなめはゾクリと体を震わせた。
「ぁんっ、……誰か来たら、見られちゃうよ……」
「施錠はしたぞ?」
肌の上で話す宗介の唇と息がくすぐったくて……気持ち好くて、体に力が入らない。
「んんっ……それでも、イヤ……。こわい……」
「こわい?」
「うん…んっ。…ね?…学校じゃ、キスまでにしよ」
「ふむ……」
宗介はかなめの首筋に唇を当てたまま考えた。
腕の中の柔らかな肉体は、既に熱く蕩けている。手に捉えた豊かな乳房の先端も固く尖っていて、時折、体を細かく震わせるのも彼女が感じている証拠だ。
そして、自分も……。股間の一物は、既にズボンの布地を窮屈そうに押し上げていて、今も、鼻面に立ち上ってくる甘い香りで目がクラクラする。
このままでは、とてもじゃないが止められない。
「……キスなら良いのだな?」
「うん。……って、ちょ、…あん!」
言うなり、首筋に吸い着かれて、かなめが小さく悲鳴を上げる。
宗介は首を反らしたかなめの胸元にくちづけながらボタンを幾つか素早く外し、柔らかな膨らみを下着の中から引っ張り出して、赤く色づいた乳首に吸い着く。
「やぁ!」
宗介の口の中で、固くなった乳首を熱い舌で転がされて、かなめが嬌声を上げる。
「ああん!…ダメ、だってば……んんっ」
足腰に力が入らなくて、自分だけでは立っていられなくなったかなめは、自分の胸元に屈み込んでいる宗介の背にずるずる縋って、懸命に彼を制止する。
だが、己を頼って縋ってくる、細く柔らかな重みは宗介の獣欲を煽るばかりだった。
「キスしかしてないぞ」
ぷくりと膨らんだ乳首を舌先でコロコロ嬲りながら喋ると、彼に縋るかなめの体がふるふる震える。
「そんなの、キスじゃ…っ!あん!やぁぁ!」
チュウウッと乳首を強く吸われて、カクンとかなめの体から力が抜ける。
宗介は彼女の腰を抱えてショーツをずり下ろし、手近な机にかなめを座らせた。
敏感になった熱い肌には殊更机が冷たく感じられて、かなめは尻の下の無機質な感触に居心地悪そうに身をくねらせた。
その間に、宗介はショーツから片脚を抜いてしまう。
「ソースケ、ダメっ!」
止める声に構わず、力の抜けた脚を難なく広げて、宗介はかなめの脚の間に顔を伏せた。
「ひっ!……やぁっ!」
既にとろんとした蜜を滲ませていた秘裂に、いきなりくちづけられ、かなめは全身に走った衝撃で仰け反った。
宗介は唇でかなめのを秘唇をこね回し、奥から零れる愛液を啜り、舌で秘裂をなぞった。
「や!ダ、メ…んっ!それ、…キスじゃ…ないっ…て、っ…、ああん!」
「口しか使っていないから、これもキスだ」
じゅるっと溢れた愛液を飲み込み、敏感な部分にキスしたまま喋る宗介に、かなめの息がひどく乱れる。
「そんなっ、はん……、ヘリク、ツ……あん、やぁぁ!…ダメ!ダメ!」
陰核を舌で探り出されて舐め回され、全身に電流のように広がる鋭い快感にかなめの体がガクガク揺れる。
「ソースケ、ダメ…、ダ…メっ……ひゃっ!……いやああ!!」
尖った核を吸われて、後ろ手に付いていたかなめの腕から折れるように力が抜ける。
後ろに倒れ込みそうになったかなめの背に素早く宗介の手が回り、分厚い手の平が快楽に震える細い背を支えた。
耳元で、いつもより低い宗介の声が、乱れた熱い息で囁く。
「千鳥…、良いだろう?」
かなめは小さく身を震わせ、首を横に振った。
「千鳥……」
頑なに拒むかなめに焦れて、宗介は彼女の耳たぶを甘噛みして、震える細い背に指を走らせた。
「んんっ……」
つつっと背を這う固い指先に、鈍くじんわりした快感を感じながらも、かなめは再度首を横に振る。
「ダメ。うち帰…ってから、……しよ?」
震える息の合間に掠れた声で耳元で甘くささやかれ、宗介の息が乱れた。
「千鳥……。無理だ。俺は家まで保たない」
宗介は広げられたままのかなめの内腿に、己の下半身を押し付けた。
ズボンの上からでもはっきり分かる硬さと熱さに、かなめは頬を染めた。
自分を愛撫して宗介がこんなになったのだと思うと、からだの奥がじんと痺れる。
「ん……」
己の熱い体液がつうっと膣から流れ落ちるのを感じながら、
かなめは、うなじに唇を当て背や腰をさわさわ撫でるように抱いている男の肩をきゅっと掴んだ。
「だって……、ソースケ、一回で終われるの?」
「…………………」
痛いところ突かれて、宗介が顔を上げた。
正直に言えば、朝の通学電車の後から、彼女の小さな仕草の一つ一つにすら欲を煽られていた。
彼女とキスして素肌を味わい、甘い鳴き声も聞いてしまった今、たった一回で肉欲が収まることはないだろう。
――事実、彼女を初めて抱いてから三日もの間、この甘い肉体にずっと溺れていたのだ。
「ソースケ、いつもいっぱいするんだもん…。
ここで、長いこと、こんなコトしてたら、鍵閉めてあったって、先生や大貫さんが見回りに来て見つかっちゃうよ……」
「…………………」
挿れたいが、彼女の艶姿を誰かに見られることは、宗介自身も望んでいない。
「そしたら、もう一緒に学校通えなくなっちゃうかもしれないじゃない。あたし、そんなの……イヤ」
かなめが何よりこわいのは、それだった。
「……むう」
蚊の鳴く様な声でかなめの呟きに、宗介は唸った。
「だから……」
頬を染めて言いさしながら、かなめは宗介のベルトに手を伸ばした。
「……千鳥?」
かなめは言い分は尤もで、彼女の言う通りにするならば勃ってしまったものをどう処理するか
思案していた宗介はかなめの意図が掴めず困惑した声を出した。
――ダメと言いながら、家に帰ってからと言いながら、これはどういう事だ?
ベルトを外してファスナーを下げた細い手が、宗介の股間に伸ばされた。狭苦しいところから開放された充血したペニスがブルンと震える。
「もう…、こんなになっちゃって……。これじゃ帰れないね……」
と、かなめは上目遣いに宗介を睨んで、屹立したそれにそっと手を伸ばした。
色香に満ちた目付きと仕草に、宗介は瞬時に彼女を押し倒して挿れたくなったのをぐっと堪える。
「………してくれるのか?」
かなめが無言でペニスをやわらかく握り、宗介は荒い息を吐いた。
「…キス……、するだけよ」
目元赤く染めた顔に拗ねた口調で言って、かなめは宗介の前に膝を付いた。
小さな唇を己の舌で湿し、少し躊躇ったが思い切って垂直に屹立したソレの先端にちゅっと、かなめがくちづける。
「っ!」
「きゃ!」
頭上から鋭い息を吐く音が聞こえたかと思うと、次の瞬間、かなめの口元で宗介の分身が跳ね上がって角度を変えた。
驚いて思わず声が出てしまい、宗介を見上げると、彼はバツが悪そうに顔を赤くしていた。
目が合って三秒ほど二人は見つめ合っていたが、同時にぱっと目を反らす。
かなめは、改めてビンと角度を上げたペニスを見つめ、その根本に手を添えると、もう一度くちづけた。
宗介が息を荒くしながら自分を見つめている視線を感じて堪らなく恥ずかしくなり、かなめは目を閉じてから、口を開きカリの部分を口内に含んだ。
根本を手で握り、カリを揉むように口を動かし、舌で先端の穴やその周りを舐めていると先走りの体液が滲み出てくる。
「んっ……」
まだ慣れない苦い味に顔をしかめながら、かなめはホッとした。
口で宗介にしてあげるのも、この三日で覚えた幾つかの行為の一つだが、それほどの回数をこなしている訳ではない。
体液が分泌されてきたということは、彼も気持ち好いのかと思うと、ホッとして……体の芯が熱くなる。
「はっ……、ちどり……」
宗介に低い掠れた声で切れ切れに呼ばれ、かなめはペニスを口に含んだまま膝を擦り合わせた。
自分を欲しがって宗介がこんなに股間を腫らし、自分がしてあげていることで宗介が悦んでいる。
――体の奥が熱くてじんじんして、唇に感じる熱さに、彼の声に、かなめの体の奥から愛液が滴っていく。
一方の宗介も、堪らなく高ぶっていた。
慣れないかなめのフェラチオは決して技巧的ではないが、されることに不慣れな宗介には、
他の誰でもない千鳥かなめが、己の股間に顔を埋め、己のものを口に懸命に愛撫してくれているという行為だけでも、目眩がするほどの刺激だった。
それに加えて、頬を染めながら己の無骨な器官を口に含んだ彼女の恍惚とした表情や、
もじもじと恥ずかしげに膝を擦り合わせる淫らで清楚な仕草で、もう脳が破裂しそうだった。
「ちどり……」
宗介は、震える声で彼女を引き起こして、机の上に押し倒した。
「や…!ソースケ!ダメだってば!」
ジタバタ暴れるかなめの豊かな胸に顔を埋め、宗介は熱い息を吐いた。
いい匂いがして、熱くて柔らかい乳房は柔らかいのに押し返すような弾力で、ものすごく気持ちが良い。
「わかっている。……俺も君にしたい。良いか?」
胸に頬ずりして弾力を楽しんでいる宗介をかなめは真っ赤な顔で見つめた。
「………千鳥?」
宗介が顔を上げると、かなめは真っ赤な顔のまま黙ってコクンと頷いた。
生徒会室の長机の上で、宗介はかなめの顔を跨いだ。口を開けたかなめにペニスを銜えさせ、自分はかなめの股間に頭を持って行く。
俗に言うシックスナインの体位になって彼女の太腿を抱えて奇麗な脚を大きく開かせると、さっき宗介がキスした時よりも濡れて赤味を増した秘裂が目の前に広がる。
濃密な甘酸っぱい匂いを胸一杯に吸い込み、宗介は息を乱してそこに吸い着いた。
「んふっ……」
宗介の体の下でかなめがビクンと跳ねる。
「苦しいか?」
彼女を上にするべきだったかと、宗介は霞んだ頭でちらりと考えたが、かなめがペニスを口にしたまま首を振り、
彼の腿にしがみつくように深く彼のソレを呑み込んだものだから、僅かな思考など吹き飛んでしまう。
宗介は、かなめの濡れた秘裂を舐め回し、淫らに愛液を垂らす膣口に舌をねじ込んだ。
かなめが宗介の体の下でびくびく体を震わせながら、動きにくい姿勢を圧して懸命に顔を上下に動かし、口の中いっぱいを占めるほど大きくなったペニスを舐め回した。
荒い息とも喘ぎとも付かない呼吸に混ざって、ぴちゃぴちゃ互いのモノを舐め合う湿った音が響く。
互いの口に感じる性器の熱さに、自分自身も高ぶりながら二人は夢中で舐め合った。
宗介の方が限界が近く、彼はかなめの愛液を啜りながら無意識に腰を上下に振っていた。
「ぁん…、んむぅ……、ぅぅん……、はむ……」
漏れ聞こえるかなめの呻き声に宗介はますます高ぶり、腰の動きを早めた。
かなめは口の中を擦る熱いペニスに、気がおかしくなりそうなくらい感じてしまい、下からぎゅうっと宗介にしがみついた。
舐められている陰部だけでなく、さらけ出されたままの乳首が宗介の体で擦れるのも、すごく気持ちが良い。
かなめは口を大きく開けて、奥まで宗介を受け入れてやりながら、何とか絡ませた舌で先端を弄る。
「うっ!……ちどり、…出る!」
かなめがしがみついている宗介の腿にぐっと力が入るのを感じた瞬間、かなめの口の中で宗介がイッた。
喉の奥に熱い体液が放たれ、かなめは噎せた。
「ち、千鳥!」
宗介が慌てて起き上がる。
「大丈夫か?」
助け起こしたかなめの口の端から、宗介の精液がぽたぽた落ちた。
「ん……」
口を手で拭い、かなめは頬を染めて僅かに頷いた。
宗介が乱したかなめの制服の胸元からは、窮屈そうに下着を押しのけているひしゃげた乳房とその頂上でツンと立ち上がった赤い乳首が覗けていた。
下半身も、片膝にショーツの引っかかった足は広げられたままで、制服のスカートは腿の上まで捲れている。
「ちどり……」
かなめの乱れた姿と一連の仕草と表情に新しい衝動が湧き起こり、宗介はかなめを抱き締め、唇を重ねた。
「んっ……」
舌を絡ませると、相手のだけでなく自分の体液の味が混ざっていた。それに気付くと二人の体はカッと熱くなった。
のぼせてもっと求めようとした宗介の体を、かなめの力ない腕が押しやる。
「そーすけ、ダメ…。帰ろ」
「……まだ、君がイッていない」
乱れた制服の前を腕で覆いながら、かなめはふるふると首を横に振った。
「だめ…。あたし、これ以上、あんたに触られたら……おかしくなっちゃう」
宗介の背中がゾクリと粟立つ。
「千鳥…」
近付こうとする宗介から、かなめは身を引いてささやいた。
「お願い…。うち帰ってから……して?」
甘い蠱惑に満ちた声に、耳が痺れる。
「了解した。帰ったら、君を……たくさんイカせよう」
かなめが頬を染めた。
「……ばか」
二人はそれぞれ体を拭い、乱れた制服を直し――かなめが衣服を調えている間に汚れた机の清掃も宗介が済ませ、
縺れるような足取りで家路についた。