「艦長、スレの深度が200を超えました。このままでは限界深度を超えます。」  
 マデューカスの報告を聞いたテッサは、左肩にたらした三つ編みの髪を握って口元に押し当てた。  
 毛先で自分の鼻をくすぐりながら、正面スクリーンを睨んでダーナの提供する各種情報を吟味する。  
 
 現在エロパロ板はスレが激しく浮沈を繰り返している。今浮上してもすぐにまた沈降するのは分かりきっていた。  
 だが今浮上しなければDAT落ちの危険は格段に増す。  
 
 テッサの頭の中でそれらの情報と判断がめまぐるしく交錯し、やがて彼女はひとつの決断を下した  
「浮上しましょう。メインタンク・ブロー。浮上角度10度。進路はこのままで。スレ上げと同時に発艦体制に入ってください。」  
「アイ・マム。メインタンク・ブロー。発艦深度まで浮上。」  
 
 トゥアハー・デ・ダナンはゆっくりとその巨体を海上へ向け、浮上し始めた。  
 

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