片手にサンドイッチと野菜ジュースのパックを持った宗介は、残りの片手で艦長室の扉を  
ノックした。  
 …しばらく待っても返事は無かった。  
 不在なのではない。部屋の主であるテッサは、この3日の間部屋に閉じこもり、  
人と会うことをかたくなに拒絶していた。  
 責任感が必要以上に強い彼女にしてはありえないような職務放棄だった。  
 しばらく待っても物音ひとつ帰ってこない事を確認した宗介は、深いため息をついて、  
マオから預かった艦長室の合鍵を取り出した。  
 
                  ◇  
 
「もうあの子を何とかできるのはあんたしかいないわ。  
 ソースケ、ひっぱたいても泣き落としでも何でも良いわ。あの子を引きずり出してきて。」  
 そう言いながら、マオはテッサから貸し出されていた艦長室の合鍵を宗介に押し付けた。  
 
 ソビエトの秘密都市から帰還した直後から、テッサは自分の部屋に引きこもっていた。  
 そして全ての職務はおろか、全ての人との接触も絶ち、すでに3日が経過していた。  
 
 現在残存するミスリルの主要な全てはトゥアハー・デ・ダナンの中にあり、テッサが  
その頂点として全てを束ねる立場にある。  
 そのテッサが職務を放棄したとなると、ミスリルは単なる敗残兵の群れでしかない。  
 今のところマデューカスが実務は代行しているが、トップの人間に必要なのはそれだけ  
ではない。  
 組織を束ねる立場の人間には、実務的な能力と合わせてカリスマが必要だ。  
 特に今のミスリルはテッサのカリスマによって成り立っている部分が大きいのだ。  
 テッサの早急な復帰が無ければ、遠からずミスリルという組織は崩壊するだろう。  
 
「…と、まあ、ここまでは組織を統括する将校としての意見。ここからはテッサの友人  
 メリッサ・マオとしての話。…心配なのよ。この3日、差し入れだって受け入れてない  
 から飲まず食わずのはずだし、多分あの子…眠れてないわ、きっと。」  
 そう言ってマオは心配そうに目を伏せた。  
「それならば、マオが説得すべきだ。」  
「だめよ。あの子、あたしと口も利いてくれなかった。…多分、クルツをつれて帰れなくて  
あたしとあわせる顔がないと思い込んでるのよ。それに、今はあたしにも心に余裕がないの。」  
 マオもまたクルツを失った痛みから立ち直りきれている訳ではない。  
「……」  
「あの子は、今までもそうだったけど自分を責め続けている。  
 そして責め続けて…もう一歩も動けないところまで来ちゃってるのよ。  
 もしあの子を今の状態からどうにかできるとしたら…あんたしかいないの。  
 あんたはあの子にとって最高の薬でもあるし最悪の毒でもあるのよ。解るでしょ?  
 良い方か悪い方か解らないけど、今のテッサをもう一度歩き出させるのはあんたが適任なの。」  
 マオに押し付けられた鍵を一瞥して宗介はひとつ深いため息をついた。  
「わかった…どれほどのことができるかはわからないが…やってみよう。」  
 
                  ◇  
 
 合鍵を使うとドアはあっさりと開いた。  
 簡単なバリケード程度は覚悟していた宗介は拍子抜けしながら部屋を覗き込んだ。  
 トゥアハー・デ・ダナンは超大型潜水艦だが、スペースは無限ではない。  
 艦長室といっても士官用のそれよりやや広い程度で、室内には事務仕事用のデスクと  
一般兵員用の蚕棚よりやや広い収納式のベッド程度しかない。  
 
 奥にはユニットバスも見えたが、ここ数日の間にそれが使われたようには見えなかった。  
 そして、部屋の主であるテッサは…ベッドの上で膝を抱え、その膝に顔をうずめて座っていた。  
 美しいアッシュブロンドも、三つ編みをといて乱れるがままに任せてぼさぼさのままだった。  
 
「大佐殿…」  
 宗介はドアを閉じると、持っていたサンドイッチをデスクの上に置いた。  
 デスクの上にはポトスの鉢があったが、今のテッサの気持ちを表すかのようにしおれ  
かかっていた。  
「…何をしに来たんですか。」  
 顔を伏せたまま、テッサがそう言った。抑揚も無く、感情は感じられなかった。  
「友人として、心配になって様子を見に来ました。この3日間、何も食べておられないと  
 聞いております。カスヤ上等兵にサンドイッチを作ってもらいましたので食べてください。」  
 テッサが少し顔を上げた。やつれ、その目は空ろで焦点も定かではなく、視線は宗介に  
向けられていたが、宗介を見ているかははなはだ疑問だった。  
「友人として…ですか?」  
 しばらく返事を待っていた宗介に向かって、テッサは一言そう言うと、自嘲するように  
鼻で笑った。  
「ふふふ…友人として、ですって? …本当は私を責めにきたんでしょう?  
 かなめさんをあんなふうに変えてしまった私を!  
 そしてかなめさんを追いたかったあなたの足手まといだった私を!!」  
 暗いまなざしを向けたまま、テッサは罵る様に冷たい言葉を宗介に浴びせかけた。  
「さあ、言えばいいでしょう! おれの大事なかなめになんてことをしてくれたんだ、  
 あの時お前さえ居なければ、今頃彼女を取り戻していたかもしれないのに。  
 この役立たずって罵りなさい!!」  
「大佐殿…」  
「あの時、私は何もできなかった! …頭でっかちで、その実何もわかっていなかった!  
 自分の無能さにつくづく嫌になるんです!」  
「テッサ。」  
「なぜ責めないんですか…!? 私はあなたの大切な人をみすみす敵に渡してしまった  
 無能な指揮官なんです。  
 それとも、サガラさんにとっては、私は責める価値もないほどどうでも良い存在なんですか!?」  
「テッサ!!」  
 まくし立てる様なテッサの自己非難の言葉に、宗介は思わず声を荒げた。反射的に手を  
振り利上げる。  
「!!」  
 テッサがびくり、と首をすくめた。まるで親にしかられる子供のように。  
 だが、宗介の手が振り下ろされることは無かった。  
 強い自制心で、振り上げた自分の右手を左手で下ろした宗介は、搾り出すように言った。  
「テッサ…あの時、何もできなかったのは俺も同じだ。 …千鳥を止められなかったのは、  
 俺の責任でもある。」  
 テッサが閉じていた目を開け、宗介を見上げた。憤怒とも後悔とも突かぬ表情の宗介が  
そこに居た。  
「ソビエトに向かうヘリの中で言ったはずだ。人の運命を支配できると思うのはやめろと。  
 過ぎ去ったことを後悔して反省するのは良い。だがそれで自分を責めるのはやめるんだ。」  
「……でも…私には、そんなに簡単に割り切ることなんて、できないんです!」  
「テッサ…すまない!」  
 再び宗介の右手が動いた。  
 それは、今度は押しとどめられることなく、やつれたテッサの頬を、乾いた音を立てて  
打った。  
 
 頬を打たれたテッサは、呆然として宗介を見上げた。  
「…サガラさん。」  
「叱る事でテッサの気が済むのなら、俺が叱る。  
 慰めることで勇気が涌くのなら、いくらでも慰める。俺にできることなら何でも…  
 だから…振り返ってばかりではなく前に進んで欲しい。」  
「……」  
「皆、テッサの言葉を待っている。みんな君を心配している。」  
 そこまで言って、宗介は真っ赤になって姿勢を正した。  
 女の頬を平手打ちしたことなど初めてだったのだ。  
 テッサは、宗介に打たれた頬にそっと自分の手を当てた。  
 ひんやりとした自分の手とは対照的に、頬は火照っていた。それは宗介に打たれたから  
なのか、宗介の言葉に感じるものがあったからか…それは解らなかった。  
「それなら…私の我侭を聞いてもらえますか。」  
「俺にできることなら。」  
 宗介が答えると、テッサはその白い頬を赤く染めて言った。  
「私を…抱いてください。」  
 テッサは勇気を振り絞って、消え入りそうになりながらもその一言を口から搾り出した。  
 だが宗介にそんな迂遠な言い方が通じるわけも無く、困惑したような表情を浮かべた。  
「抱く…とは…抱きしめれば良いのでしょうか。」  
「そ、そうじゃありません!えと…あの…せ、せっくすですっ!」  
 思わず答えてから、テッサは言った言葉のはしたなさに耳まで赤くなった。  
「…やっぱり、サガラさん嫌いです。女の子にこんな恥ずかしいこと言わせるなんて。」  
「も、申し訳ありません!」  
 宗介は直立不動でテッサに詫びを入れた。そんな宗介を見て、テッサはくすくすと笑う。  
「し、しかし…俺は…千鳥のことが、」  
「わかっています。今日だけ、今だけで良いんです。…少しだけ甘えさせてください。  
 …私に、もう一度歩き出す勇気を分けて欲しいんです。」  
 そう言ってテッサは宗介の首に両腕を回すと、自分の唇を宗介のそれに重ねた。  
 
                  ◇  
 
 テッサはベーリング海で補給を受けたときからほぼ5日ぶりにシャワーを浴びた。  
 宗介は気にしないといったが、好きな男に汗臭いまま抱かれるのは女の子としての  
プライドが許さなかった。  
 ユニットバスから出ると、そこには上半身裸の宗介が待っていた。  
 緊張のためか、休めの姿勢で直立不動のままだった。  
「サガラさん…」  
 バスタオル1枚の姿で、テッサは先ほどと同じように宗介の首に両腕を回すと爪先立ちで宗介の唇に自分のそれを重ねた。  
 先ほどのように重ねるだけのキスではない。唇を食み、舌を絡ませる濃厚なフレンチキスだ。  
 お互いの粘膜が絡み合う、湿った音が静かな艦長室の中に満ちる。  
 激しいキスで息苦しくなり、自然と鼻から漏れる吐息も荒くなる。  
 
 酸素が足りない。頭がくらくらする。  
 
 朦朧としたまま、テッサの体はいつの間にか狭いベッドの上に横たえられていた。  
 その上に宗介が覆いかぶさる。  
 グラマラスでメリハリのある体つきのかなめと比べ、テッサは小柄でほっそりとしていて、  
か弱い印象だった。  
 宗介の指がテッサの体に巻かれたタオルの胸元にかかり、解き放つと内部からまばゆい  
白さの裸身が姿を現した。  
 
 細身の肢体の上に乗った形の良い乳房はテッサの息遣いにあわせてゆっくりと上下している。  
 そして、細く無駄のない腹部とそれに続く腰は見事な曲線を見せ、手足は手荒に扱うと  
折れてしまいそうな儚さだった。  
「サガラさんの好きにしてください。」  
 宗介はそれを聞いていたのか、いなかったのか…テッサの乳房に手を伸ばして触れた。  
 ふかふかとした、それでいて指を押し返す弾力のあるその感触に、宗介はわれを忘れて  
もみしだきはじめた。  
 だがテッサのほうはたまったものではない。遠慮のない宗介の行為に快感と同時に  
痛みも覚えていた。  
「はぁっ…い、痛っ!」  
「あ、す、すまない、テッサ」  
「あ…や、やめないでください。サガラさんに触れてもらえるなら、痛くても私は幸せ  
 なんです。ですから…やめないで…」  
 離れかけた宗介の手をテッサが押しとどめた。  
 宗介は戸惑いながらも放そうとしていた手を再びテッサの乳房の上に戻した。  
 ただし、今度は優しく…そう、ASのスティックを操作するように優しく繊細な動きで  
愛撫し始めた。  
「あっ…あああ…」  
 テッサの白い頬と、白い肢体が桜色に染まり始める。体験したことのない感覚と興奮が  
テッサの小さな体を満たした。  
 一方宗介もまた、キメの細かい滑らかなテッサの肌にのめりこみ始めていた。  
 乳房だけではなく、汗ばんだ細い首筋や鎖骨のくぼみ、腋の下や細くくびれたウエスト  
ライン、そしてふっくらとしたおなかや形良く窪んだ臍。  
 その全てを宗介の硬く荒れた指先が無遠慮に這い回り、性感帯を刺激してテッサを更なる  
快楽の渦に飲み込んでゆく。  
 
 そして宗介の手がついにテッサの「女」の部分にたどり着いた。  
「あ…そ、そこは…」  
 宗介の無意識の愛撫で息も絶え絶えだったテッサが下腹にたどり着いた宗介の手に  
気がついて、わずかに抵抗を見せた。反射的に両足を閉じる。  
 だが興奮状態の宗介の手は止まらない。子宮の上あたりのふっくらとしたおなかを  
撫でると、ほとんど産毛と言っても良いプラチナシルバーの陰毛を掻き分け、宗介の指は  
テッサの足の付け根へと潜り込んだ。  
 テッサは必死に足を閉じてはいたが、ほっそりとした足の間の埋め切れない隙間から  
秘裂が覗いていたのだ。  
「ひぁ…あああっ」  
 初めて自分以外の人間に秘部を触れられた感触に、テッサは思わず声を上げた。  
 股間から腰全体、そして背筋を走って全身にいきわたる強い快感に、テッサの体が  
若鮎のようにビクビクと跳ねる。  
「はっ…あっ…あ!」  
 息ができない。  
 そんな錯覚がテッサを襲った。あまりの快感で自分の体が異のままにならず、呼吸が  
正常にできているのかさえわからない。  
 宗介の指が秘裂をなぞるたびにテッサは恥も外聞も無く腰をくねらせ、背骨がきしむほど  
体を弓なりにそらせた。  
 一方で、そんな意のままにならない体を何とか繋ぎとめようというのか、テッサの両手は  
顔の横で力いっぱいシーツを握り締め続けている。  
「あっ…はぁっ…あ?…あぁっ!」  
 テッサが一際高い声で啼いて今まで以上にガクガクと体をそらせたかと思うと、次の  
瞬間がっくりと崩れ落ちた。  
 
 突然ぐったりとなってしまったテッサの様子に、宗介が我に帰った。  
「だ、大丈夫か…テッサ、テッサ。」  
「ふぁ…サガラさん…」  
 肩をゆすられて、朦朧としたままテッサは宗介に視線を向けた。  
「…大丈夫…ですぅ…ちょっと…良すぎちゃって…」  
「そうか…」  
 どうやら大丈夫と解って、宗介はほっと一息ついた。  
 テッサは上手く力の入らない体でふらふらと起き上がるとふにゃ、と宗介に抱きついた。  
「て、テッサ…」  
「今度は…私がサガラさんを気持ちよくします…」  
 テッサの指先が宗介の胸から逞しい腹筋を伝ってズボンのウエストまで降りた。  
 おぼつかない指先でファスナーを探り当てるとじりじりと引き下げる。  
「よ、止せ…自分でやる。」  
「ダメですぅ…サガラさんだって、私に滅茶苦茶したじゃないですか。」  
「む…」  
 テッサの白魚のような指先が前の膨らんだ宗介のブリーフを引き下げると、すでに戦闘  
状態のペニスが飛び出して来た。  
「え?…サガラさんのって…こんなに大きいんですか。」  
 腹に張り付くほどに反り返り、血管が浮くほど怒張したグロテスクな一物を前にテッサが  
目を丸くする。  
 男の性器といえば、子供の頃に兄の未成熟なものを見たっきりのテッサにとっては、  
それは想像も付かない大きさのモノであっただろう。  
「いや自分は…その…」  
 宗介は言いながら、以前にシャワールームで見たクルツの一物を思い出した。  
 アレに比べれば自分のモノはそれほどでもないが、オノD達と温泉に行った時の事を  
思い出すとまあ平均値だろう、と宗介は判断した。  
「…普通、だと思いますが…普段はもっと小さいので。」  
「知ってます。私で興奮してこんな風になってくれたんですよね…嬉しい。」  
 テッサの手が宗介のペニスに伸びた。指先がその胴に触れて、あまりの熱さに手を引っ込める。  
「すごく…熱いです…」  
 再び手を伸ばして、今度は宗介のペニスにしっかりと触れた。テッサの手が撫で回すと  
ペニスがぴくぴくと反応する。  
「気持ち良いですか…は…はむ…」  
「う、テッサ…止せ…」  
 テッサが宗介の先端を唇で咥えた。  
 テッサの小さな唇では宗介のペニスの先端を口に含む事はかなわなかったが、鈴口に  
吸い付き、舌で亀頭からカリ首までをつたない舌使いで嘗め回した。  
 今まで感じたことの無い感触に、宗介の射精感が急速に高まる。  
「う…テッサ…まずい…もう…」  
 だがテッサの耳にはその言葉は届いていなかった。  
 耐え切れなくなった宗介が絶頂に達する。  
「て、テッサ!」  
 宗介が名を呼ぶのと同時に、先端を咥えたままだったテッサの口に、濃厚な精液が吐き  
出された。  
「!」  
 ほとんどすぐに小さな口がいっぱいになってテッサはペニスから口を離した。  
 だが宗介の溜まりに溜まった精液はそれでは収まらず、テッサの美しい顔を白く汚す。  
「ふぁっ…あ…すごい…」  
 濃厚なオスの臭いにテッサは我を忘れた。  
 呆然として開いたままの口から垂れた精液が形の良い乳房を汚し、さらに腹から臍を  
伝って恥毛まで流れ落ちる。  
 
「て、テッサ…す、すまない。」  
「え? …いいんです…これがサガラさんの味なんですね。」  
 テッサは恍惚とした表情を浮かべると、自分の顔に飛び散った精液を指でふき取り、それを口元に運んで全てをなめ取った。  
 
「…サガラさん…今度は、私の中にください。」  
 一通り精液をなめ取ると、テッサはそう言いながら再びベッドに身を横たえた。  
 両手は枕をつかみながら、恥ずかしそうにわずかに足を広げる。  
 陶磁器のように白く滑らかな肢体。そしてその白い肢体の中心、股間の赤く色づいた  
秘裂がぐちゃぐちゃに濡れて宗介を誘っていた。  
「早く…早く来てください…この格好、恥ずかしいんです。」  
 だがここに来て、宗介の中でかなめに対する罪悪感が首をもたげ始めた。  
 自分の心はかなめにあるのに、ここでテッサを抱いてしまって良いのか。  
 生真面目すぎる宗介の貞操観が、それ以上の行為へ及ぶのにブレーキをかけていた。  
 そんな宗介の心を見透かしたように、テッサは言った。  
「…今は、今だけは、かなめさんのことは忘れてください。」  
 いつの間にか羞恥に染まった表情ではなく…捨てられることを恐れる子猫のような表情で、  
テッサは宗介を見上げていた。  
「…今だけでいいんです…私だけを見てください。」  
 テッサの必死の言葉に、宗介は覚悟を決めた。  
「…わかった。」  
 宗介は下に履いていたズボンと下着を完全に脱ぎ捨てると、テッサの足の間に体を入れる。  
 宗介がテッサの細い足を肩に担ぎあげると、秘裂がぱっくり開いて丸見えになり、テッサは羞恥心で枕で顔を隠した。  
「では…いくぞ。」  
「…はい。」  
 宗介が自分の一物の先端を秘裂にぴたりと当てた。だが初めてのことでどこに入れたら良いのか良くわからない。  
「…ここか?」  
「そ、そこはちがいますっ!そこには入りません!もっとお尻のほうです。」  
「…まさか、ここか?」  
「そ、そこは…そう言うことに使うときもありますけど、今は違います!」  
「なら…ここか。」  
「んっ…そこです…」  
 宗介のペニスの先端が、テッサの膣口を探り当てた。  
 浅くペニスの先端を埋め込まれ、テッサの体がぴくりと反応する。  
「サガラさん。」  
「なんだ?テッサ」  
「女の子の初めての性交は痛みを伴うんです。  
 ですから、きっと私は痛がって悲鳴を上げると思いますけど…奥まで入るまで、決して  
 やめないでください。」  
「わかった…そうだ…避妊具を持ってきていない…」  
 以前に簡易水筒だとばかり思っていたゴム製品の使い方を教えられたときに、クルツに  
女性とセックスする時には不用意な妊娠を防ぐため装着するのがエチケットだと教えられ  
たのを思い出した。  
「だ、大丈夫です…今日は安全日ですから…そのまま挿れてください。」  
 テッサは嘘をついた。  
 ここ最近のストレスと不摂生のせいで、最近は生理がかなり不安定になっていた。  
 当然安全日も危険日も解りようがない。  
 だが、最初で最後かもしれないこのチャンスをそんな些細な事で失いたくなかった。  
 そして何より…宗介によって胎内まで汚されることで、身も心も宗介のものになりたかった。  
「そうか…では、いくぞ。」  
 
 宗介はテッサの両足をさらに上に担ぎ上げあげ、腰を中心に体重を乗せた。  
 十分濡れていたせいか、先端はそれほど無理なく飲み込まれる。  
 そこで1段薄い壁のような抵抗に阻まれる。…だが宗介は容赦なく腰に力を込めた。  
「ひ…」  
 テッサが小さく悲鳴を上げた。  
 そして次の瞬間、何かを押し破る感触と共に、宗介のペニスが前進を再開する。  
「ひぃ…い、痛…ああ…」  
 テッサが悲鳴を上げながら身をよじった。  
 だが足を抱え込まれ、腰を固定された状態のために逃げることはかなわない。  
 その間にも、処女膜を破った宗介のペニスは、恐ろしく狭い膣内をめりめりと押し広げ  
ながら進んだ。  
「む…」  
 ペニスの先端が、やがて硬い感触の壁に突き当たった。だが小柄なテッサの膣は宗介の  
一物を全て飲み込むほどの深さはなく、全体の2/3が収まった程度だった。  
 そのため、性経験の乏しい宗介はまだ入るのではないかと勘違いして、さらに腰に力を込めた。  
 膣が伸びる感触と共に、突き当りの筋肉の壁に先端をめり込ませながらさらに宗介の  
ペニスが飲み込まれる。  
 たまらないのはテッサだ。破瓜の痛みが収まるかどうかというときに、さらに子宮を押し  
上げようとするかのように力任せに宗介がペニスを押し込んだからだ。  
「ひ! い、痛いです…もうそれ以上はいりません!」  
「す、すまない…加減が解らなくて。」  
「少し、少し待ってください。痛みが治まるまで。」  
 テッサの願いを聞いて、宗介はそれまでの突貫をやめてテッサがくつろげる様に持ち  
上げていた足も開放した。  
 くの字のような姿勢から開放されて、その中心を宗介に串刺しにされたままテッサの  
尻がベッドに降りる。  
 苦しい姿勢から開放されたためか、それまで収縮して押し出そうと抵抗を見せていた  
テッサの膣が宗介のペニスを受け入れはじめた。  
 テッサの膣奥がざわざわと蠢き始め、宗介のペニスの敏感な先端部分を盛んに刺激し始める。  
「テッサ…」  
「ん…大分楽になりましたから、動いてもらっても大丈夫です。」  
 快感に耐えてお預け状態だった宗介が、その言葉を受けてゆっくりと抽迭を開始した。  
「は…あぁぁぁぁ!!」  
 テッサは宗介が抽迭を繰り返す度に、まだ残る痛みに混じって自分の内側をこすりあげる  
カリ首の感触を感じ、背筋にゾクゾクとしびれるような感覚が走るのを感じた。  
 無理矢理に押し広げられ蹂躙されているはずなのに、気が狂いそうな未知の感触がテッサの  
頭を真っ白に染め上げていく。  
「はっ、あっ、あっ、あっ」  
 宗介が腰を突き出すのにあわせて、狭い艦長室の中に寝台のたわむギシギシという音と、  
テッサのソプラノの声が響き渡った。  
 そして宗介もまた、我を忘れて腰を動かしていた。  
 宗介が抜き差しするのにあわせてテッサの膣が精液を搾り取ろうと蠢き、嘗め回し、  
締め上げ、吸い付いてくるからだ。  
 その刺激がペニスから全身に流れ込み、宗介の頭をいっぱいにした。  
 無意識のうちに宗介の腰使いが乱暴さを増す。  
 先ほど注意されたのも忘れ、カリ首が膣口から覗くぐらいまで抜き、そして力任せに  
根元まで叩き込む。  
 テッサの中で膣が伸び、その奥の子宮口をまるでボクサーのハードパンチのように乱暴に  
付き上げた。  
 あまりの乱暴さに、宗介の先端が子宮口のほころびにわずかにめり込んで、先端を唇で  
咥えるような触感が宗介のペニスを襲った。  
 
 一方、テッサはそんな乱暴なピストン運動に鈍い痛みを覚えながらも、それに混じって  
背筋を這い登る快感に身をよじっていた。  
 全身の白い肌がピンクに染まり、どっと噴出した汗がテッサの肌の臭いとなって艦長室の  
中に充満していく。  
 形の良い乳房も興奮で張りつめ、その先端は触れられると気が狂いそうなほど敏感に  
なって、はちきれそうなくらいに膨らみ尖っていた。その乳房を宗介の手が鷲掴みにして  
乱暴にこね回す。テッサは悲鳴を上げた。  
 苦痛に対する悲鳴だったはずのものに鼻にかかるような甘い音色が混じった。  
 普段の知的で少女らしい清純さはなりを潜め、今のテッサは男をむさぼる淫靡な美しさに  
染まっていた。  
「はぁぁ!さ、サガラさん!」  
「うっ…テッサ…もう…」  
 宗介の限界は近かった。テッサはすでに登りつめたままで、両手で枕を鷲掴みにして  
支えながら身をよじり続けていた。  
「うっ、く…あああああ」  
「ああああっいやぁぁぁ」  
 宗介のペニスが一回り膨らんだかと思うと、はじけるように熱い精液をテッサの胎内に  
吐き出した。  
 宗介が本能的にテッサの一番奥、子宮口にねじ込むように突き入れた先端から噴出した精子は、  
テッサの子宮を直接焼いていっぱいに満たし、狭い膣内にまであふれ出して胎内をくまなく汚した。  
 
                  ◇  
 
「もう…あんなに乱暴にして。すごく痛かったんですよ。」  
「すまない…途中で我を忘れてしまった。」  
 狭い寝台の上で、二人は身を寄せ合って体を横たえていた。  
 今もテッサの股間には鈍痛が残っていたが、心は幸せに満たされていた。  
「でもあんなに乱暴にされて痛かったのに…感じてしまいました。もし今後私が乱暴に  
 されないと感じられない体になっていたら、責任取ってもらいます。」  
「…すまない。」  
 恐縮してひたすら平謝りの宗介だったが、一方テッサは秘密都市の地下で要と話した  
ときのことを思い出していた。  
 一生独身かもしれない、とあの時は言ったが、もしかなめと二人で宗介を共有すること  
が許されるなら…そう考えずにはいられなかった。  
 だがそれはかなめを取り戻してからの話だ。それよりも今は、疲れきった体が強烈に  
休息を欲していた。  
「…サガラさんのおかげで、前に進む元気が出てきました。ですから、」  
 テッサは宗介の厚い胸板にその小さな頭を乗せた。  
「今はあなたの胸で眠らせてください。そしてぐっすり眠って、起きたらかなめさんを  
 迎えに行きましょう。」  
「…ああ。」  
 テッサは目を閉じた。  
 頭を乗せた宗介の胸の力強い鼓動が聞こえてくる。暖かくて、安心できるそのリズムを  
聞いているうちに、テッサの意識は闇に落ちていった。  
 
                  ◇  
 
 意識が覚醒する。  
 あまり寝起きの良くないテッサにしてはずいぶんとすがすがしい目覚めだった。  
 時計を見ると10時間ほど眠っていたようだった。メリダ島を脱出して以来の深く長い  
眠りで、今まで自分にのしかかっていた陰気な気分が雲散霧消していた。  
 宗介も慣れない体験のせいで疲れていたのか、未だにぐっすりと眠っている。  
 テッサは宗介を起こさないようにそっとベッドから抜け出すとシャワーを浴びた。  
 そして洗濯された下着を身に付け、ブラウスを羽織ってきっちりと髪を編み上げ、  
4日ぶりに制服に袖を通す。最後にタイを締めると気分が引き締まった。  
 そこでテッサは空腹を感じた。考えればこの3日は何も口にしていなかった。  
 だが最近食事などろくに喉を通らなかったことを考えれば、3日程度の絶食は珍しい  
ことではなかったはずなのに。  
 その時、机の上にあったサンドイッチの皿が目に止まった。  
 そっと手を伸ばしてひとつ手に取ると、そのままかぶりつく。  
 
 おいしい。  
 
 何時の頃からか忘れていたそんな単純な感想が浮かんだ。  
 2つ3つと手を伸ばし、気が付けば野菜ジュースまで綺麗に平らげていた。  
 たったそれだけのことで、今まで自分から抜け落ちていた何かが戻ってきたような気がした。  
 
 テッサはデスクのメモ帳を開いて一筆走らせた。  
 たった一言、日本語で「ありがとう」と。  
 テッサはそのページを破りとると空になった皿に載せ、まだ眠っている宗介を起こさ  
ないようにそっと部屋を出て、静かにドアを閉めた。  
 
 そして、テッサは歩き出した。  
 
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!