〜酒の席で ウルズ編〜
メリダ島基地内の休憩室。
テーブルには山積みになったビール缶とつい先ほど補充された未開封のビールが乱雑に転がっている
もうそろそろ日付が変わろうとする深夜、二人の軍曹がちびちびとささやかな宴を開いていた。
「なあ、ソースケェ」
「なんだクルツ」
「お前さあ、あのコとどうなんだよ、実際」
酔っているためか元々の飄々としたスタイルのためか、クルツの言葉はいまいちその意味を捉え辛い。
だが彼が宗介に『あのコ』などと表す人物は一人しか思い浮かばない。
「?…チドリのことか?どう、とは?」
「あーもーこれだよ!全く、面白味のねえ奴っつーか弄くり甲斐のねえだなぁ」
っか〜、とわざとらしく天を仰ぐクルツ。
「…よく分からんが下らない事を言っているのであろうことは理解できた」
「おいおい、酒の席での猥談が下らねぇたァ…お前ホントに男かよ。ちゃんと股の間にエモノは付いて…………たっけな。それもとんでもねえ重武装のが」
そう言って着替えの時や風呂場で何度か目にした『兵器』を思い浮かべてクルツは身震いした。
西洋人さえ遥か下に見下ろすであろう程のあの存在感は正に兵器と言うに相応しい。
(ぱっと見、とてもあんなモンが装填されてるよーには見えねーんだけどな…)
そう言って横目に宗介の股間を見てゲンナリする。
「なんだクルツ、俺の下半身など見て…!何か異常でも…まさか発信機か!?」
「……あ〜、んにゃ、何でもねえ、何でもねえからズボン脱いで点検すんな。何でもねえってばよ」
「ん、そうか。ならば問題はないな」
「……あー、酒のツマミがこのムッツリ野郎じゃちっとも盛り上がらねー。…………そーいや姐さん遅いなァ、っつか今日は朝から一日中姿が見えなかったけど」
「ああ、昨晩少し無茶をしてしまったからな。なにぶん初めてのコトだったからな、歯止めが利かなかったのだ」
「あー、それでか」
「うむ、最初は向こうも遊び半分な様子で『ソッチも訓練しとかなくちゃ』などといってきて無理矢理付き合せられたが……いや、思ったよりいい経験になった」
「そーか、そりゃ良かったな」
「ああ。…っと、もうこんな時間か。俺はそろそろ寝るぞ」
「あー、はいはい、そんじゃな」
「うむ」
プシュ…カシュン
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クルツ「ん〜〜〜〜〜〜……」
「…………え?」