その日、メリッサ・マオは数日間の休暇を終え久々に基地へと戻ったところだった。  
久しぶりに戻った自室の空気に懐かしさを覚えながら、マオはばたんとベッドに倒れこむ。  
……はあ。溜息をついてみても、胸に残る倦怠感と言いようのない苛立ちは消えそうになかった。  
 
こういうときは酒ね、酒。クルツの馬鹿でも誘って一晩飲み明かすとしますか!  
 
「よしっ」と小声で口にして両頬をぱんぱんと広げた手で叩く。  
府抜けた自分に活を入れると、マオは部屋を抜け気の置けない金髪の友人の元へと向かった。  
 
 
飲酒大好きなこの二人が一緒に飲めば、当然のように摂取する酒量はかなり多くなる。  
抑え役として宗助がいればまた別なのだが、二人だけの場合はまずどちらも途中で切り上げたりはしない。  
実際今夜も基地内のバーで軽く飲んだ後、クルツの部屋に上がりこみ、恐ろしいほどのペースで空き瓶を増やしていた。  
下らない戯言を話し、クルツお得意の下品なジョークにマオが顔色一つ変えずに鉄拳を振るう。  
そんな普段どおりの光景が、クルツの何気なく放たれた問いで空気を変えていく。  
「あ、そういや姐さん、昨日まで休暇でアメリカだったんだろ? 何してたんだ?」  
「……ああ、知り合いの結婚式で」  
グラスを手にしたままでそう答えたマオの瞳にどこか暗い影が映っていたような気がして、クルツは目を擦る。  
けれど、そこにいるのは普段の気丈な様子と寸分違わない彼女だった。  
「素敵だったわー。真っ白のドレスなんか着ちゃってさー」  
笑顔でそう口にする彼女の姿にほっとして、クルツは彼女の言葉にいつもどおりの軽口で返す。  
「まぁ、姐さんには一生縁がなさそうだもんな」  
「何よ、あたしだってねぇ、あたし、だっ……て……」  
「……え?」  
酔っているのだろうか? マオが突然見せた表情の変化に、クルツはぽかんと口を開けて戸惑いの声を上げる。  
怒っているのではない。彼女はただ、ひどく寂しそうな瞳で空のグラスを見つめているだけだった。  
随分と長く組んできたのに見たことのなかったその表情に、クルツは焦りつつ困惑する。  
「俺、何か気に障ること言った?」  
「別にアンタが悪いんじゃないわ。あたしが勝手に、情緒不安定とか似合わない物になってるだけ」  
視線を逸らしてしまったマオに、クルツはそれ以上何も問おうとはしない。  
 
彼は知っているのだ。無理に理由を問いただしても、そんなのは何の意味も持たない事を。  
むっつりとした顔で黙したままウィスキーを喉に流し込む彼を横目でちらりと見て、沈黙に耐えかねたようにマオがぼそりと口を開く。  
「あのね」  
「ん?」  
「あたしはこの仕事に就いたことを後悔してない。やりがいもあるし、アンタやソースケと出会えたのもよかったと思ってるわ。  
……でも、時々考えるの。もしも別の道を歩いてたら、今頃どうなってたんだろうって。  
結婚して子供産んで……そういう普通の女の幸せってやつを体験できたのかなって」  
その台詞を呆然とした顔で聞くクルツに気づき、マオはくすりと悪戯好きな猫のように瞳を細めた。  
心の内を晒してしまった羞恥と、ほんの少し心を軽くした解放感とがそこには存在していた。  
「……はは、ちょっと飲み過ぎちゃったみたいね。こんなこと話すなんて、どうかしてるわ。忘れて忘れて」  
照れ隠しのように苦笑してみせるマオに、クルツが声をかけてくる。  
いつものように冗談交じりで突っ込まれるかと思いきや、彼はただ射抜くような瞳でマオの名を呼ぶのみだった。  
「マオ……」  
「何真面目な顔してんのよ。そんな重く受け止めな……んっ……ちょっ、やめ……」  
突然身体を包んだ感触に声を上げたときには、伸ばされたクルツの腕がマオの背中にがっしりと回されていた。  
いつもライフルを握っているその手は男性らしい武骨なもので、容赦なく加えられた力に本能的にびくりと肩を竦めてしまう。  
抜け出そうと腕の中でじたばたともがくものの、クルツは構わず背中に回した掌の力を強めてこちらをぎゅっと抱きかかえる。  
そうされると、丁度彼の胸元に自分の頭部がすっぽりと収められたような形になる。  
クルツの興奮しきった心音と少し汗の混じった野性的な匂いとを間近に感じ、思わず心臓がどきんと音を立てる。  
それでも何とか平常心を保ち、腕を跳ね除けようといつもの気の強い口ぶりでクルツに命令する。  
「クルツ!? もう、冗談はよしなさいってば!」  
「……冗談なんかじゃねぇよ」  
耳元に向け、まるで独り言のようにぽつりと囁かれたその言葉に、マオが顔を上げる。  
その頬が徐々に赤くなっていくのは、先ほど飲んだワインのせいだけではないだろう。  
「冗談なんかじゃ、ない」  
普段の飄々とした表情とは百八十度違う真剣な顔を目の前にして、マオの鼓動がひどく早まっていく。  
自分を凝視する彼の視線は、獲物を狙うスナイパーのそれだった。  
何時間も何日もひたすらターゲットを監視し続け待ち続け、狙撃するのに抜群のタイミングに巡り合った瞬間。  
今なら100パーセントの確立で相手の命を奪えると確信した、引き金を絞る寸前の狙撃兵のような瞳で、クルツはマオを見つめていた。  
「そりゃ確かに俺は普段馬鹿ばっかやってるし、しょっちゅう女の子のお尻追っかけてるけど、でもこれは違う。  
……俺、お前のことが本気で好きだから」  
 
「な、何言ってんのよ」  
驚きで思わずどもってしまったマオを横目に、クルツは続ける。  
「本当さ。男ばっかのミスリルん中で認められるために誰よりも成果挙げて、泥だらけになっても気にせずにASの訓練頑張って。  
そういうお前の姿、俺が一番傍で見てきたから。だから」  
そこで一旦言葉を区切ると、クルツは恥ずかしそうに視線を床へ逸らしてから残りを告げた。  
「マオに辛そうな顔されると、苦しいんだ」  
クルツの台詞を耳にして、マオの顔面が朱に染まる。  
「……馬鹿っ」  
吐き捨てて、それでも胸中をこみ上げる嬉しさはどうしようもなく全身を支配していく。  
 
 
あの日、結婚という道を捨てて海軍に入隊したことを、自分は決して誤った選択だとは感じていない。  
男も女も関係ない。私は私、メリッサ・マオ。腕っ節一つで、どこまででも上り続けてみせる。  
その信念を現実のものとするために、同期で入った男の何倍も努力し今の階級を得るに至ったのだから。  
けれど、それを素直に認めようとしない異性は多かった。  
『誰と寝たらそんなに早く出世できるんだ?』『お前のアレはよっぽど具合がイイんだなぁ』『羨ましいな、女は楽で』  
聞こえないように陰で言うことすらせず、彼らは幾度となくマオに口汚い言葉を浴びせた。  
それが悔しくて悔しくて、辛くて苦しくて悲しかった。  
 
――だから自分の努力を見ていてくれた人がいたことが、とても嬉しく思えた。  
 
 
胸がはちきれそうなほどに強く鼓動している。  
それが長い間忘れていた恋心なのだとは思いたくなかったけれど、他の単語でそれらしいものは思いつかなかった。  
 
ああ、もう。よりにもよってクルツなんかにドキドキするなんて。  
最近いい男が周りにいないせいよ。きっとそうだわ……。  
 
勝手な言い訳を心の中で考えながら、おずおずとこちらも腕を差し伸べる。  
男を抱き、男に抱かれている久しぶりの感覚。  
 
兵士として戦場を駆け巡る毎日に慣れきっていたマオにとって、それは自分が女であることを如実に思い出させた。  
「クルツ、…………する?」  
その甘い言葉に、言われた当人が驚いたように目をぱちくりとさせる。  
プレイボーイで知られる彼にしては、随分とウブな反応であった。  
「えっ……マ、マオ……いいの……?」  
何故かしどろもどろになって顔を真っ赤にした彼に、マオはくすくすと噛み殺しきれぬ笑いを漏らした。  
「女に恥かかせるんじゃないわよ。それとも何? アタシとはしたくない?」  
獣のように扇情的な目つきで見上げられて、クルツがごくりと唾を飲み込む。  
「……まさか」  
そう答えた彼の瞳もまた、獲物を目の前にした野生の肉食獣のような輝きを湛えていた。  
そのまま二人は、貪りあう様に獰猛なキスを交わした。  
まるで食べてしまいたいとでも言いたげなほどに積極的に、互いの唇同士を合わせる。  
クルツは彼女の柔らかな口唇の感触を楽しみつつ、隙を見て上下の隙間からそぅっと舌を割り入れた。  
「……んっ、クル……ツ……ぅ」  
たっぷりと唾液を流し込みながら強く舌を吸い上げてやると、マオがこちらの肩にきゅっとしがみ付いてくる。  
その密着された体勢に、男としての本能の部分がひどく興奮した。  
丁寧に時間をかけ、クルツはマオの口腔全体を淫らな舌の動きで犯した。  
歯列をなぞり、上あごの裏を舐めとると、その度にマオが指先の力を増してこちらに抱きついた。  
小さく震えながらクルツの名を叫ぶ様が愛らしくて、ついあちこちに触れてしまう。  
「マオ、すっげぇ可愛い」  
にまりと笑いながら、クルツがマオの身体を横抱きにかかえベッドに運ぶ。  
シーツの海に身体が沈んだ感覚に、マオはこれからの行為を想像して身体を熱くした。  
気づけば、いつのまにかクルツは羽織っていたシャツを脱いで上半身を裸にしている。  
厚い胸板を目の前にして劣情を高めながら、マオも自分から服を脱ごうとボタンに手をかける。  
しかし、彼女の指先は伸ばされたクルツの両手に押しとどめられた。  
「積極的なのはいいけど、脱がせる楽しみを奪うなよ」  
わざともったいつけるように長い時間を費やして、クルツは一つずつシャツのボタンを下から外していく。  
それがもどかしくて、ひどくじれったい。  
一つボタンを外すたびに視姦するような目つきで覗き見られるのも、恥辱を煽られている気にしかならない。  
「アンタって、本当女が嫌がることをさせたら天才的ね」  
羞恥を忘れるために、冷たい声で吐き捨てるように口にする。けれど当のクルツはどこ吹く風だ。  
 
「そう言うわりに嫌がっちゃいないみたいだけど?」  
マオにそう言うと同時に、クルツは最後のボタンを外して胸元を開かせた。  
露になった琥惑的な黒の下着をゆったりと鑑賞することはせず、今度はすばやくもぎ取ってしまう。  
「……あっ」  
また時間をかけるのだろうと思っていたマオは、予想外の行動につい声を上げてしまう。  
何故なら剥ぎ取られた下着の奥では、既にぷつんと二つの乳首がこれ以上ないほどに張り詰めていたからだ。  
大ぶりの山の頂上でつんと上向きに立ち上がったそこは、直接的な刺激を渇望してこりこりとしこっていた。  
「ほら、まだ何もしてないのにこんなに硬くなってんじゃねぇか。これでどこが嫌がってるんだか」  
「う、うるさいわね。アンタが妙に変態くさいからでしょうが!」  
マオの焦ったような反論ににまにまと笑いながら、クルツは彼女の胸をそっと指でつついた。  
ぷるんとした柔らかな弾力が指を押し返す感触に、感動を覚えたといった表情をしてみせる。  
その感触を右手で楽しみつつ、もう片方の手でくにくにと乳首を摘んで弄んでやると、マオが我慢しきれないようにすすり泣いた。  
「……ひぁっ、ん……きもち、い……」  
「そう? そりゃよかった」  
カリカリと痛みを感じないように爪で擦り上げ、形が変わるまで指の腹で押しつぶす。  
それらのテクニックに、マオはただ恥ずかしげもなく声を荒げることしか出来なかった。  
クルツの指先は、恐ろしいほど的確にマオを上り詰めらせ、理性を剥ぎ取っていく。  
「……ぁ、……クル、ツっ、もっと……」  
「何?」  
「ひぁ、も、もっと……別のところも……」  
ひたすら胸ばかり責められておかしくなりそうなマオのお願いに、クルツは意地悪く問う。  
「別のところってどこのことだよ? ああ、こことか?」  
首筋から鎖骨にかけてのラインをぞろりと撫で上げられて、ぞくぞくとした感覚がマオを襲う。  
それでも吐息以外は言葉を口にしようとしない彼女に、尚もクルツは意地悪を続行する。  
「それともここか?」  
伸ばされた舌が、マオの右耳の中をぐちゅぐちゅと嫌らしく掻き回す  
その恐ろしいほどの快感から抗うために、マオは震えながら自身のジーンズに手をかけた。  
おぼつかない指先でチャックを下げて、下着ごとジーンズを足首までずり下ろす。  
ひどい恥ずかしさだったが、それでもクルツなんぞにあまり主導権を握られてばかりなのは癪に障る。  
出来る限り堂々と、出来る限り妖艶に、マオはクルツに向けて告げた。  
 
「…………ここよ。ほら、早くして……」  
指し示すように右手を下腹部に当てて腰を揺らめかせて見せたマオに、今度はクルツが理性を失いかける。  
それほどまでに、一糸纏わぬマオの肢体はエロティックだった。  
訓練の賜物か、ある種ストイックさすら感じさせる無駄が削ぎ落とされた肉体と、  
腰や臀部からむんむんと放たれている濃密な色気との絶妙なアンバランス加減が何ともたまらない。  
すぐにでもむしゃぶりついてしまいたい衝動に駆られ、クルツはマオの身体をベッドにばたんと押し倒した。  
大事なところを覆い隠すようにしているマオの手を跳ね除けて、彼女のそこに顔を寄せる。  
ふっと小さく息を吹きかけると、マオはたまらなそうな顔で二本の太腿をぎゅっと閉じかけた。  
がっちりと押さえ込んでその動きを封じると、膝を立てさせ、Mの字型に両脚を固定する。  
「ごめん、マオ。……なんか、俺我慢できそうにねーわ」  
「へ? ……ちょっと、そんないきなり……ひ、……ひあぁっ!」  
まともに前戯すらせずに、クルツはマオの性器に自身の物を捻り込んだ。  
先ほどまでの刺激で軽く濡れているとはいえ、さっきまで指の一本も入れられていなかったそこへ突然挿入されるなど、女性にとっては苦しいだけだ。  
激しい痛みに襲われてマオが顔を顰める一方で、クルツは一気にずぶずぶと腰を推し進める。  
「……ばっ、痛……わよぉ……っもっと、ゆ、っくり……」  
内奥を焼けた杭で貫かれる感覚に、マオが荒い呼吸でねだる。  
しかしクルツはその言葉すら無視し、乱暴にマオの中へと一物を押し込んだ。  
太い根元までしっかりとそこに咥えさせると、そのまま肩を掴んで強烈に抽挿を始める。  
「……はっ……ひとのはなし……を、んっ、きき、な、さ……っ」  
身体を捩って逃れようとするマオに構わず、クルツは彼女の身体をひたすらに蹂躙する。  
愛情も何も感じられない、単なる射精欲に引きずられてのその行為は、決してマオを悦ばせはしない。  
彼女に与えられるのは、身を引き裂かれるような苦痛ばかりだ。  
けれどマオを陵辱する快感に浸っているクルツには、彼女の辛そうな顔すらろくに目に入っていないようだ。  
一心不乱に腰を打ちつけ、内壁を何度も何度もぐちゃぐちゃと突き上げ続ける。  
「お願……、くる……し……んんっ」  
そう懇願するマオの涙で滲んだ瞳に、クルツの中の獣が触発される。  
彼は、マオの半開きになった口元に自分の指を三本まとめて押し入れると、嗜虐的な笑みを浮かべて言った。  
「――うるせぇな。これでも咥えて静かにしてろよ」  
「ん……むぅう、……いあぁっ」  
無理に咥内を塞がれて、まともに声を出すことも出来ない。  
 
咳き込みながらだらだらと涎を垂らすマオの普段とはあまりに異なる姿が、クルツをサディステックにさせる。  
「……ぁ、ん……あぇぇっ、」  
「何言ってんの? そんなんじゃ分かんないぜ?」  
笑いながら、クルツは腰を前後に激しく動かした。  
奥の深いところを抉るようにして膣壁を擦り上げ、彼女の胎内をがんがんと責め立てる。  
中を一物が往復するたびに、粘膜が意思を持った生き物のように絡みつき締め付けてくる感覚に、クルツがそろそろ限界を感じ取った。  
ラストスパートにかけて、腰の動きを更に熾烈なものへと変化させる。  
「……いっ、……ぁっ……い、いやぁっ……!」  
マオが泣き声を上げるのと、クルツがびくんと腰を震わせるのとは、丁度同じ瞬間だった。  
放った多量の精液がマオの胎内に流し込まれていくのを感じつつ、倦怠感から彼女の上にばたりと倒れ込む。  
そのぼうっとした快楽の残り香を打ち消したのは、身体の下から聞こえた不機嫌そうな台詞だった。  
「……アンタ、それでよくフェミニストが自称できたもんね」  
その罵声に恐る恐るクルツが顔を上げれば、そこにあるのは自分をひどく軽蔑したようなマオの顔であった。  
つまらなそうにクルツを見上げ、凍り付かされそうなほど冷酷な声音を出す彼女に、射精後の気だるさが一気に吹き飛んでいく。  
「ごっ……ごめん……俺……」  
「女の体気にせずにただ自分のいいように動くなんて、男として最低じゃない? ケダモノかっつの」  
「……反省してます」  
素直な謝罪の言葉が口をつく。  
実際、さっきの動きは自分が快感を得ることしか頭にないものだった。  
彼女の色気に没頭されて我を忘れていたとはいえ、マオがどう感じているか、どう思っているかなど気にもせずに、  
自身の欲望だけに正直に彼女の肉体を貪っていた。  
――あれじゃぁ、怒るのも当然だ。  
自分の馬鹿さ加減にくしゃくしゃと髪を掻き乱すと、クルツはマオの目を覗き込んで頼んだ。  
「その……もっかいチャンスくれ。今度はちゃんとマオのこと考える。マオを気持ちよくすることだけ考えるから」  
両手を頭の前で合わせ、真剣な顔でそう言うクルツに、マオは「仕方ないわね」と言いたげな顔で応じる。  
実際、久しぶりの性交をこんな中途半端な形で終わらせるのはマオにとってもあまり望んでいる事態ではなかった。  
せっかくなのだから、こちらも十分に楽しませてもらわなければ不平等にあたるというものだ。  
「ふぅん? 別に構わないけど、これで下手だったら殺すわよ?」  
その言葉に、クルツの顔がライトで照らされでもしたようにぱっと明るくなる。  
心底安堵したように顔を綻ばせた次の瞬間には、しかし彼は普段のお下劣な表情へと戻っていた。  
「言ったな!? よし、次こそ俺のテクでヒイヒイ言わせてやるぜ!」  
ふっふっふと不敵な笑みでそう宣言した彼に、マオは気づかれぬよう小さく溜息をつくのだった。  
 
 

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