頭がぼーっとする。  
心臓がばくばく言ってる。  
やっぱり、…そういう事になっちゃうんだろうな…とか、  
今日の下着どんなんだったっけ?変なの履いてなかったっけ?とか、  
今日のドラマは見れないかな、とか、  
明日の宿題、何だったっけ、とか、  
もういっそどうでもいい事までが、かなめの頭の中をぐるぐる回る。  
二人は寄り添ってリビングに向かった。  
心なしか宗介も緊張しているように、かなめには感じられた。  
 
部屋の明かりを点けようと、かなめは手を伸ばした。  
その伸ばす手を制止し、宗介はぶっきらぼうに、しかし優しくかなめを抱き寄せる。  
「…ソースケ…?」  
かなめは表情の見えない宗介の様子を窺ってみた。  
「電気、点けない、の?」  
少し声が上ずった声でかなめが問うと、宗介は僅かに抱き締める腕の力を強めた。  
「もう少しだけ…このままでいさせてくれないか?」  
いつもの朴念仁で唐変木で非常識な宗介とは違った、男性の声。  
激しく波打つ心臓の音が頭に響き、1分が1時間のように感じられた。  
 
「あぁ、あ、ああああたし!ご飯!作るね!!」  
 
置かれている状況に耐えられなくなり、かなめは電気を点け、逃げるように宗介から身体を離した。  
顔が熱い。  
体が火照ってる。  
それにしても一体何なのだ、訳が分からない。  
かなめはひたすら動揺していた。  
 
■  
 
どうかしている。  
 
宗介は自分のした事に対して驚いていた。  
手を繋ごうと言ったのは自分だ。  
しかしなぜそんな事を言ったのか分からない。  
どうかしてるとしか言いようがない。  
 
千鳥の事が好きだ。  
好きで好きで堪らない。  
 
どうしようもないかなめへの気持ちが溢れてしまったとしか言いようがなかった。  
暗闇の中でかなめを抱き締めていると、気が遠くなりそうになった。  
よく手入れの施された柔らかい髪、滑らかで健康的な肌、女性らしい柔らかな身体。  
かなめの存在全てが愛しくて、そのまま自分だけのものにしてしまいたい、そんな衝動に駆られた。  
 
身体が熱い。顔もだ。  
どうも今日の自分は変だ。  
彼女と触れたい、そんな気になっている。  
不味い。この状況は非常に不味い。  
彼女に危険を及ぼしかねない。  
元来彼女を守らなければならない立場である自分が、彼女を傷付けかねない。  
 
宗介は座っていたソファーから立ち上がった。  
 
「…どうしたの?」  
唐揚げの皿とウーロン茶の2L入りのペットボトルを両手に、かなめは怪訝そうな顔でリビングにやってきた。  
何かを決意したように立ち上がった宗介がかなめを見つめる。  
「その…君には申し訳ないのだが…」  
「…何よ?」  
「今現在非常に危険な事態であって…つまり…」  
宗介はしどろもどろに説明を始めた。  
「勿論君は何も悪くない!これは予め言っておくんだが…」  
「もう、何なのよ!」  
「非常に危険な状態だ。」  
宗介は真面目な顔でかなめを見つめた。  
「…何が?」  
かなめは変わらず怪訝そうな目で宗介を見返している。  
「自分がだ。」  
「……は?」  
「君を傷付けてしまうかもしれない。」  
かなめは口を開けたまま宗介を見つめていた。  
もはや声は出なかった。  
「本来君を護衛する立場である自分が君に危害を及ぼしかねない。そう判断した。」  
宗介は大真面目に唐揚げとウーロン茶を両手に立ち尽くすかなめをなおも見つめる。  
「よって、折角で申し訳ないんだが…」  
かなめはダン!と勢いよく両手の物をテーブルに置き、あるものを取り出す。  
「今日の所はかぇ…」  
スパァァァン!とハリセンの小気味よい音が部屋に響いた。  
 
「ちど…」  
「あんたねぇぇぇぇッ!!」  
宗介はかなめの迫力に言葉を遮られた。  
しかし、いくら待っても次の言葉はない。宗介はかなめの顔を窺った。  
 
■  
 
「ー…ッ!!」  
かなめは表情を悟られまいと俯き、必死に堪えた。  
 
やば、何であたしこんなに泣きそうなんだろ  
期待しちゃったから?  
そりゃ、あんな事されたら誰だって期待しちゃうよ  
もう、ソースケが分からない。  
やっぱこいつは何も分かってない朴念仁で唐変木で非常識で…  
 
「ちど…っ」  
「……分か…った…も、帰るん、でしょ……」  
「千鳥…」  
「…ゃく…帰っ…て……」  
「ち…」  
「早く!!!」  
絞り出すような声でかなめは叫んだ。  
 
苦しい。何でこんなに苦しいんだろう。  
ソースケのばか  
 
 
 
どうやら自分は彼女をとてつもなく怒らせてしまったようだ。  
そして、酷く、傷付けてしまった。  
 
宗介は帰ると言った自分に後悔した。  
また、こんなにも彼女を傷付けてしまった。  
いくら自分の危害から彼女を守るためであったとしても、現に彼女は泣いている。  
自分は一体どうしたらよいのだ。  
 
「…すまない…千鳥…」  
宗介はかなめを抱き締めた。  
「…ゃだ…!!帰って!!」  
かなめは宗介の腕の中で暴れ、何とか腕から逃れようと藻掻いた。  
「帰るんでしょ!!」  
大粒の涙を零しながら、かなめは宗介を睨付ける。  
「帰ればいいじゃない!!…ッ!!」  
かなめの声は、殆ど悲鳴に近いものだった。  
きつく瞑った目からは、尚も大粒の涙が溢れている。  
 
ああ…。本当に自分はどうしようもない男だ。  
戦友のクルツはこんな俺を笑うだろうか。マオは呆れるだろうか。  
「…すまない」  
 
本当にすまない。  
 
宗介は心の中で呟き、かなめの肩に顔を埋めた。  
 
かなめの髪は優しい匂いがした。  
 
■  
 
もう、どれ位そうしていただろうか。  
宗介に帰れと言ったものの、傷付いた自分を抱き締めてくれていた事が嬉しかったのも事実だった。  
収まりかけた嗚咽に気付いて宗介も顔を上げたようだ。  
「…帰らないの。」  
かなめはぶっきらぼうにそっぽを向いて言い放った。  
目は赤く、少し腫れているだろう。こんな自分を見られたくない。  
「…すまん。」  
「謝って欲しくなんかない。帰るんじゃなかったの。」  
ぶすっとして、宗介の肩に顎を乗せた。  
少しの火薬の匂いと汗の匂い。いつもの宗介の匂いがした。  
「…そうだったんだが…」  
「けど何よ。」  
「泣いている君を一人にしたくなかった。」  
フン、と鼻を鳴らし、かなめは宗介に擦り寄り、宗介の身体に腕を回した。  
我ながら子どもっぽいな…。  
さっきまで帰れと泣いて怒っていたのに、今はソースケに甘えている。本当に自分には呆れてしまう。  
 
ソースケの体あったかい…。  
ソースケに触れていると得られる安堵感。  
抱き締めてもらえるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれる。  
もう涙は出なかった。  
 
 
 
不味い。本格的に不味い事になった。  
 
自分の大切なものを守るため、相良宗介軍曹は己が理性を総動員し、全力で戦っていた。  
 
最愛の女性が目を潤ませて自分の腕の中にいる。  
あまつさえ自分に擦り寄って抱き付いてきているではないか。  
こんな状況で手を出すなと言う方が酷というものだ。  
しかし危険な自分を遠ざけようとすると、泣いて怒る。  
いや、千鳥の怒りは最もだ。至極当然だ。  
折角自分のために食事を用意してくれたのだ。その厚意を無下にするなど、自分も避けたい。  
しかし、彼女の身の安全は何においても最優先なのだ。  
 
宗介が己との葛藤に苛まれている一方で、そんな事はお構いなしに、当のかなめは虚ろに目を瞬かせていた。  
「ソースケ…ちょっと、座ろ…」  
「あ、あぁ…」  
「ごめん…ちょっと、寝ていい?あるもの…全部食べていいから…キッチンにもまだ…あるんだけど…」  
「了解だ。」  
手際よくキッチンからグラスと取り皿を二組用意し、作ってあったサラダをリビングに持ってきた。  
かなめはソファーでうとうとしている。  
 
「千鳥…大丈夫か?」  
「…むー。」  
「…ベッドに移すぞ。」  
 
これ以上こんな彼女を自分の横には置いておけない。  
というか、早くかなめを危険な自分から離しておきたかった。  
 
宗介はかなめの背と膝の裏に腕を通し、持ち上げた。  
移動し、かなめをベッドに横たえる。  
「んーいやっ」  
体を離そうすると、かなめが宗介の首から腕を解いてくれない。  
「…勘弁してくれ…」  
げんなりとして宗介は誰に言うでもなく一人ごちた。  
もう限界だ。  
 
かなめはうっとりした目で宗介を見つめ、その柔らかい唇を宗介の唇に合わせ、軽く吸い付いた。  
その瞬間、宗介の世界が固まった。  
「そーすけ…」  
かなめの寝呆けた目が宗介を誘っているようだ。  
 
宗介は必死になって熱くなる体の一部から気を逸らした。  
 
「千鳥、ふざけるのはやめろ…」  
顔を背け、かなめから目を逸らした。  
もう、これ以上は…  
 
ベッドからかなめの腕が伸び、リビングに戻ろうと後ろを向いた宗介の服の裾を掴んだ。  
 
 
 
泣き疲れた。  
かなめはうとうとしながら思った。  
このままソファーで寝ちゃいたい。  
ソースケの横で…  
 
ソースケがキッチンから戻ってきた。  
一人で食べていいって言ったのに、律儀にも手にはシーザーサラダと二人分の取り皿とグラス。  
 
「千鳥…大丈夫か?」  
ソースケがちょっと困ったように声を掛けてくる。  
「…ベッドに移すぞ。」  
 
 
この辺はあんまり覚えてない。  
ただ覚えているのは、宗介の体温が離れていってしまうのが寂しくて、腕を離したくないという感情だけ。  
 
気付くと、あたしはソースケとキスをしていた。  
ソースケは切なそうに拙く、ついばむ様なキスを何度も繰り返す。  
 
その瞬間、自分の置かれている状況にはっきりと目が覚めた。  
 
オドロキだ。  
状況的には押し倒されてる…っていうの?  
いつの間にかベッドにいるし…  
やだ、ソースケ…っ  
 
あたしは訳が分からず、必死でソースケを止めた。  
 
 
 
千鳥の唇は柔らかく、蠱惑的で甘美な感触だった。  
過去、戦地で行ったものとは異なる接吻。  
それは義務でも強制でもなく、自身の意志で行う、愛する女性への心からのものだった。  
かなめが愛しい。心の底から思った。  
「…ふッ、ソ…ちょっ…、ちょっと待って!」  
千鳥が慌てた様子で俺を制止した。  
「あ、あの…ど、どうしてこんな事になってるのかな〜…って…思っちゃったり、して…」  
自分の身体の下で申し訳なさそうに千鳥が頭を掻いた。  
 
宗介はかなめに覆い被さった状態のまま打ちひしがれた。  
 
あぁ…アラーよ、俺の事がそんなに嫌いなのか…。  
 
「あ、あのさ…」  
おずおずとかなめが声を掛ける。  
「…すまない。」  
苦しそうに宗介はかなめから離れた。  
「あ…」  
「もうこれ以上は危険だ。…本当に。」  
「ま、待って!ソースケ!」  
かなめはベッドから慌てて起き上がり、その拍子に足を取られて転びそうになる。  
宗介はかなめを抱き留めた。  
「あ…、あのね…」  
胸が苦しい。  
これ以上彼女の傍には居たくなかった。  
 
以前の自分に比べ、今の自分は何と滑稽なことか。  
冷静な判断ができず、足掻き、苦しみ、彼女に一喜一憂させられる。  
 
抱き留められたかなめが宗介の身体に腕を回す。  
 
「あたし…ソースケの事が…」  
 
かなめは腕に一層力を込めた。  
 
「好き…なん…だ、け、ど」  
しどろもどろにかなめは声を発した。目は完全に泳いでいる。  
 
宗介は目を見開いてかなめを見つめた。  
「俺の事が…?」  
「う、ん…」  
「…俺で、いいのか?」  
「ソースケじゃないとダメなんだってば…」  
 
喉がカラカラに渇き、心臓の鼓動が激しくなってきている。  
落ち着かなければ。とにかく、何としてでも。  
 
「だから…」  
かなめがゆっくりと顔を上げた。  
「キス、して。…今度はちゃんと…」  
 
熟練AS操縦者・相良宗介軍曹は心の中で白旗を揚げた。  
 
 
ぴちゃ…と水の跳ねるような濡れた音が部屋を満たしている。  
俺は何とかかなめの真似をして、深く彼女に口付けた。  
舌を絡め合い、軽く吸って歯列をなぞる。  
時々離れては角度を変え、同じ事を繰り返す。  
 
「ん…ぅ、ッは…、ソー…スケ…」  
 
千鳥の時折漏れる吐息には艶があり、とても扇情的だ。  
衣服は乱れ、彼女のほっそりとして健康的な太ももが露わになり、一層興奮を覚える。  
魅せられたように手を触れると、かなめの身体は強張り、恥ずかしそうに俺を見つめた。  
「千鳥?」  
千鳥は目を伏せ、震える手で制服のリボンの結び目を外し、キスを強請った。  
今までよりも、より深い接吻。  
それが合図のように、かなめの制服に手をかけた。  
ブレザーのボタンを外し、まごつく手で丁寧にブラウスのボタンを外す。  
白い肌が露わになると、千鳥は恥ずかしそうに身を捩り、じっと俺を見る。  
「…?」  
「ソースケも…服」  
「ああ。」  
左手だけで器用に自分の学生服とカッターシャツのボタンを外し、慈しむような軽いキスを続けた。  
ボタンを外し終えると、シャツと一緒に乱暴に投げ遣り、申し訳程度に纏っていた千鳥の制服も脱がせた。  
リビングからの薄明かりがうっすらと千鳥を照らしている。  
千鳥の美しさに見惚れていると、千鳥が身体に触れてきた。  
何を考えているのか、表情からは読み取れない。  
 
「…どうしたんだ?」  
「ん〜…宗介の事…好きだなぁ〜って。」  
そう言うと千鳥はエヘヘ、と笑い、俺の首に腕を回す。  
「一緒にいると安心する。」  
そう言うと千鳥は優しく微笑んだ。  
「…俺もそうだ。君といると心が落ち着く。」  
心からそう思う。恭しく彼女の唇に唇を重ねた。  
「君の事が好きだ。離したくない。」  
「…うん。」  
「ずっと一緒にいたいんだ。」  
「うん。」  
「自分でもどうかしてると思う。自分でも何とか止めようとしたんだが…」  
「うん?」  
「君がその努力も無にしてしまった」  
ふっ、と自嘲気味に笑い、千鳥の首筋に舌を這わせる。  
千鳥はビクッと体を震わせた。  
「ぁ…ん……」  
恥ずかしかったのか、千鳥は口を塞いでしまった。  
「もっと…聞かせてくれないか?」  
もっと俺を煽るような声を。  
「…ヤダ。」  
千鳥は口を塞いだまま、ぷぅ、と口を膨らませた。  
「そうか…残念だな…。では実力行使しかないようだ。」  
 
かなめの白い喉元に舌を這わせ、鎖骨から胸の谷間にかけて、じっくりと味わう。  
「ひゃ…っ!」  
かなめの着けたままのブラを捲り上げ、その先端を露わにする。  
ほんのりと薄いピンク色に、小さな突起。  
かなめの様子を窺いながら、その突起に舌を這わせる。  
ビクンと大きく体を仰け反らせ、必死に声を耐えている様は、酷く宗介を煽った。  
ふくよかで形のよい乳房に舌を這わせ、手でかなめの陰部を探る。  
既に幾らか濡れてしまっているようだ。  
ぬるぬるとした液体が、かなめの薄いピンク色の下着に小さな染みを作っている。  
「…っぁ、っ…ア!!」  
耐え切れずに、かなめが声を漏らす。  
胸の突起を強く吸い、舌の先で転がした。手は相変わらずかなめの蜜壷を下着の上から刺激し続けている。  
「ぁっ、あぁっ!やっ、そーすけえっ!もぅ…っ!」  
かなめは堪らず、淫らに腰を浮かせ始めた。  
「まだだ。初めての時は、女性には痛みを伴うのが常らしい。だからよく刺激を与えておけとクルツが言っていた。」  
「…そ、んなこと、言っ、……ぁあっっ!」  
そんな事今言う事じゃないでしょこの戦争バカ!とかなめは内心毒づいたが、口に出す余裕はない。  
 
あぁ、こんな事も言っていたなと呟き、宗介はかなめの左足を肩に掛けた。  
「あ…やっ!そんな事…!!」  
閉じようとするかなめの足を強引に開き、宗介はかなめの濡れた下着を横にずらしてゆっくりと指を挿入した。  
「あ、あぁっ!そ、すけ…、ぁ、ア!」  
濡れそぼったかなめの蜜壷は柔らかく、貪欲に宗介の指に絡み付く。  
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てるそこの感触は何とも言えず妖艶で、かなめの痴態も伴って宗介を酷く誘惑した。  
「ふぅっ、ん!は、あ、あぁっ!」  
かなめは切れ切れの悲鳴を発し、快感に塗れた虚ろな目で宗介を見つめていた。  
 
宗介は控えめな茂みの上部に位置する小さな実に舌を這わせた。  
「あ!アァっ!やっ…ぁ!?ソースケ!!そんな、とこ…っ汚…ぃッあぁあっ!!」  
急激な快感の波がかなめを襲う。  
「気にするな。問題ない」  
かなめの訴えをさして気に留める様子もなく、宗介はその実を攻め続けた。  
 
「は、…ぅ…っ、そ…すけっ、やっ、も、いれて…っ」  
程なく、かなめは宗介に手を伸ばし、訴えた。  
「…了解した」  
その命を待っていたかのように、宗介はベルトを外し、半身を露わにした。  
「…いいか?」  
「…ん、」  
宗介は立て膝をしたかなめに覆い被さる形で、具合よく濡れた蜜壷に半身をあてがうと、かなめの身体を気遣うようにゆっくりと腰を沈めた。  
「…ふ…ッあ!」  
「…くっ、君の中は…凄いな……」  
濃厚な粘液を纏って、かなめは宗介の半身に貪欲に絡み付く。  
中へ中へと誘う肉壁はさながら底なし沼のようでもあった。  
「大丈夫か、千鳥?」  
「ちょ…っい、たいけど…がまん…する…」  
涙目でかなめは答えた。  
痛くないはずがない。その証拠に、少し陰部が乾いてきた。  
「もし不都合があれば言ってくれ。」  
宗介はかなめの耳元で囁いた。  
「…ん」  
 
「…はっ…ちど…っりっ…」  
熱い吐息と共に、ぬるっとした宗介の舌が耳に侵入し、蹂躙する。  
胸の頂への快感も追加され、かなめは背中を駆け上る快感と破瓜の痛みに浮かされていた。  
宗介が最奥を突き、かなめを揺り動かす。不意にじわりと痛みとは別の、腰が砕けるような甘い感覚が生まれ始めた。  
「く、ふ…っ、あ、あぁ…っ!」  
宗介の顔が険しくなる。  
奥へ奥へと取り込もうとするかなめに陥落しそうだ。  
自身でも無意識なのだろう。淫靡に腰を揺らめかせ、もっと、もっとと、かなめは宗介の情欲を煽る。  
「そ、すけ…、あ、だめ、だめぇーっ!!!」  
一層強く腰を打付け、宗介はそう遠くない果てを目指した。  
「かな…めっっ……!!」  
ビクビクと痙攣するかなめの締め付けによって、宗介は耐え切れずその精を吐き出す。  
どくっ、どくっ、と、宗介が自分の体内で逝ったのを感じながら、かなめは宗介が自分の体内にいるのを漠然と感じていた。  
「ソ−スケ…」  
汗だくで息の上がった宗介が落ち着いたのを見計らって、かなめがキスを強請る。  
今度は情事前の熱く烈しいキスとは正反対の、うっとりと甘く、濃厚なキス。  
 
■  
 
宗介が、自分の中から半身をずるりと引き出すのをかなめは見ていた。  
「…あれ?」  
「?どうした。」  
「ソースケ、ゴム着けてたんだ。てっきりもうだめかと思って諦めてたのに。いつの間に着けてたの?」  
「あぁ、問題ない。うまい方法をクルツに教えてもらった。」  
「げっ……男同士で…ていうかうまい方法?」  
「?ああ。何か問題があるか?」  
「み、見せ合いっことかするの…?」  
「男なんてそんなものだろう。」  
かなめは複雑な顔で宗介の胸に潜り込んだ。  
 
 
睦言  
 
 
「…ソースケ。」  
「…何だ。」  
「あたしたち、ずっと一緒にいられるよね。」  
「……ああ。そうだな。」  
「もし、あたしが誰かに攫われたら……」  
「ありえない。不可能だ。」  
「いや…だから、もしの話よ。」  
「そんな可能性ありえないのだからそんな話は必要な」  
「ええいもう!だから仮定よ仮定!!」  
「う、うむ…」  
「もし、あたしが誰かに攫われたら…その時は…」  
「命を捨てても助けに行く」  
「死ぬなッ!」  
「しかし…」  
「ソースケが死んだらあたしも後追って死んでやるんだから。」  
「そ…」  
「そんなの助ける意味ないでしょ?だから…絶対、…生きて、助けに来て。」  
「…了解した」  
「ホントに分かってんのアンタ?実は玉砕覚悟も辞さないとか思ってんじゃないの〜?」  
「う…っ」  
「ダメよ、そんなの絶対にダメ。あたしは…あたしは…もう、ソースケなしには生きられないんだから。」  
「……ああ。俺も千鳥なしでは生きる自信がない。だから生きて助けに行く。それでいいんだな。」  
「そう。約束。」  
「ああ。」  
「じゃ、指切り。」  
「指を切るのか?危険だ。」  
「本当に切る訳じゃないわよ……。」  
「違うのか?」  
「約束を守るおまじない!小指を出して。そう、小指だけ。で、こうやって絡めて…  
  『ゆ〜びき〜りげんまんう〜そつ〜いたらは〜りせんぼんの〜ます!ゆびきった!』」  
「…これに何の意味があるのか理解しかねるのだが…」  
「んっふっふ〜これはねー、嘘ついたら針を千本飲まなきゃいけない約束なの。」  
「…!!日本古来の拷問か…!!」  
「オイ。」  
「だから針千本飲みたくなかったら、あたしをちゃんと迎えに来てね。約束。」  
「ああ。約束だ。」  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
□報告書; xx/xx/x.x;54313_540  
 
ヨブを保護  
<ミスリル> 壊滅  
生存者数 不明  
TDD 殲滅失敗  
ヨブの護衛 SRT要員ウルズ7 レイス 共に消息不明  
<ミスリル>の保有するラムダドライバ搭載機ARX-7 全壊  
 
□以上;  
 

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